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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
凹凸の巡り合わせ 03
しおりを挟むそんな明紫亜の妄想のような、厨ニ病のような、訳の解らぬ自信は、結論から言えば、何故か的中した。
それは、入学式の行われている体育館でのことだった。
* * * * * *
体育館に無事辿り着き、入口付近の壁に貼り出されたクラス表を確認する。
明紫亜は1-Cだった。
出席番号を覚え、受付を済ませると会場にと歩を進める。
ずらりと並ぶ椅子の先頭に、クラス名が書かれていた。
明紫亜は書かれた通りに自分のクラスの列に赴き、出席番号の札が掛かった自分の席にと腰を落とす。
人に触られるのが苦手な明紫亜は、自分から人の輪に入っていくことをしない。
その人物の人間性を知り、慣れてしまえば触れ合いも大丈夫なのだが、慣れるまでは些細な触れ合いですら拒否してしまうのだ。
その為の防護壁ともなる優秀なるキノコさんは今日もいい働きをしている。
遠目で見られるのは構わない。
下手に近寄られてスキンシップなぞ取られた日には、払い除けて暫く嫌悪感からくる吐き気と闘わなくてはならなくなる。
そちらの方がお互いに辛いだろう。
キノコさんは優秀なのである。
最初は遠巻きに、しかし、何ヶ月か経ち、明紫亜が慣れてきた頃に、周りもキノコさんに馴染んでくるのだ。
キノコさんはとてもとても優秀である。
式が始まり、新入生代表の言葉に在校生代表の言葉と続き、眠くなってきた頃合いに、校長の話が始まった。
そして、入学式は無事に終わり、そのまま新任式にと移っていく。
ウトウトとマッシュルームを揺らしていた明紫亜の耳に、待ち焦がれた声が響いてきたのは、もう式も終わる頃で、新任代表の教師が話を始めた時だった。
ばっ、と顔を上げて前を見据える。
ステージ上に立つ、スラリと背の高い、スーツに身を包んだ男性が目に入った。
雰囲気も声も彼にそっくりで、遠くからではハッキリとは確認出来ないが、絶対に彼だと、キノコさんもそう頷いた(ような気がした)。
しかしながら、秀逸で優秀なキノコさんレーダーはよく当たるのだ。
嬉しくて嬉しくて、心臓が速打ちし過ぎて、危うく口からポロリと出てくるんじゃないかと思った。
名前は、笹垣 司破(ササガキ シバ)と言った。
お言葉の最後に述べた名前を大事に海馬へとしまい込む。
何の教科かは、寝ていて解らなかったので、後で職員室へ突撃しようと心に決め、明紫亜の入学式は幕を閉じた。
ふんふふーん、と鼻歌を口ずさんで廊下を歩く。
クラスでのHRを終え、時折発生する、変人(キノコ頭)に絡みたがる変態(お節介)とも無事に遭遇せずに済み、喜び勇んで職員室へと向かっている。
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