あべらちお

Neu(ノイ)

文字の大きさ
177 / 242
一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼

秘密の関係 82

しおりを挟む


先端を指先で、くにくに、と撫で回されると、ピリリ、と弱い電流が走ったような感覚に襲われた。
小さいなりに、ピンと勃って主張を始めた突起に司破の舌が伸ばされる。

「っ、っ、大っきい、の、好き、なら。育てて、よ。いっぱ、い、弄って、大っきく、シテ?」

舌先で尖りを弄られ息を詰めながらも、くたり、と首を傾け、煽るように胸を突き出した。
どくどく、と心臓が喚いている。
いつもの癖で大胆なことを口走ってしまったが、明紫亜としてはあまり弄られることのなかった乳首は未体験ゾーンにも等しい。
ううううう、と呻き声を上げて司破の顔を見遣れば、鼻で嗤われた。

「安心しろ。重要なのは感度であって大きさではないから。まあ、弄って欲しいなら期待に応えるのも吝かではないが。どうして欲しい? ご希望とあらばピアスでもあけてみるか?」

かり、と軽く歯を立てられ、上目で窺ってくる司破の目は揶揄の色を含んでいた。
くつくつと堪え切れていない笑いが司破から漏れている。

「司破さんの意地悪。ピアスなんかあけないもん。もう知らない!」

ぶすぅ、と頬を膨らませ横を向けば余計に笑われた。
司破の吐息が胸に掛かり、擽ったくて身を捩る。
無性に悔しくて、司破の頭を両手でボカボカと叩いた。

「悪かった。メシアが面白いことを言うからつい、な。ほら、気持ち良くしてやるから機嫌なおせ」

笑ったままの顔の司破に難なく捕まった手は、すぐに解放され、ぼふん、と布団の上にと落ちていく。
弄られて色味の強くなった尖りを舌先で突付かれ、もう片方を指先が撫でた。
腰の辺りが、きゅう、と重くなる。
柔い快感に物足りなさを覚えた。
もっと強く肉が剥がれる程の強さで噛み千切られたい。
喉仏を噛み砕かれたらどれだけの快感が身体を満たすのだろうかと考えて、ふるり、と震えた。
考えただけで快感は雄芯を襲う。
ズボンの中で大きくなろうとする性器を抑える術もなく、腰を司破に押し付けていた。


 もっと異常な愛で満たされたいと望んでも、目の前の男は決して与えてはくれないと察している。
いつもならば、明紫亜が請えばアブノーマルな快感を齎してくれた。
それでも、今日は普通の『愛し合う』行為しかしないのだと司破は宣った。
彼がそう言ったからにはどんなにお願いしても明紫亜の願いは聞き入れられないのだろう。
けれども、どうしても死ぬ感覚が欲しくて堪らない。
快感だけを感じるのには、得も知れぬ恐怖を抱いてしまう。

「もっ、司破、さっ! かん、で。喉、噛んで、……殺してほし、い」

つい求めてしまった明紫亜は唇を噛み締める。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ふたなり治験棟

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...