ティーチャー - TEACHER

Neu(ノイ)

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一章:腐敗した恋心

無愛想なクラスメイト 01

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【無愛想なクラスメイト】


 寮生活が始まってから一週間が経つ。
寮の部屋は3人で一部屋を与えられていた。
基本は同学年で同室ではあるが、例外的に先輩と同室になる者もいるようだった。
忠樹のルームメイトは全員が同級生で、三人が三人とも毛色の違った集まりとなった。


 一人は黒髪短髪に眼鏡を掛けた見るからに優等生と言った出で立ちの男。
もう一人は金髪長髪ピアス多数なチャラい見た目の男。
そして忠樹の三人である。
馴れ合うでもギスギスするでもなく、適当に距離を図って互いに丁度いいルームメイトとしての立ち位置に落ち着いている。


 新入生が寮生活にも慣れ始めた頃に入学式が行われた。
全寮制ではないものの、寮を使用する生徒が多いこの学校は、進学校としては有名だった。
男子と女子の割合は、少し男子が多いぐらいである。
年頃の男子の話題として、可愛い子いるかな、などという下らないものが挙がった。
それを口にしたのは、チャラい見た目の鹿留 天流青(シシドメ タルト)だ。
あだ名は「ルウト」で、そう呼ばれている経緯は知らない。
ただ大事な名前なのだと本人が言っていた。


 そんな天流青に冷めた視線を投げたのが、優等生ルックの里見口 吾沙(サトミグチ アシャ)だった。
彼のあだ名は「アーサー」である。
何処ぞの王様だ、と言ったあだ名だが、本人からすれば女のような名前で呼ばれるのは我慢ならないらしい。
大人しそうな見た目に反して気の強さが垣間見える男だった。


 そして忠樹はそんな二人を眺めて笑っている。
賛同もせず、否定もせず、曖昧に頷いた。
寮から学校までの登校中の出来事で、三人並んで歩くと歩道を占拠してしまうので、忠樹は一歩下がって二人の背中を追い掛けている。

「タッくんはどんな子がタイプ?」

いきなり天流青に「タッくん」呼ばわりされ、苦笑混じりに髪を掻いた。
きっと彼の中で忠樹はタッくんで定着するのだろう。
肩に届く長さの金髪を後ろで一つに結う彼は、パッと見て少女のようだ。

「あー、そうなあ。優しくて人の痛みを理解出来て空気を読む力のある子?」

考える素振りで適当に答えれば、天流青の顔がパッと輝いた。
キラキラとした眩しい人種で、忠樹には痛かった。
天流青から目を逸らしたくなる。

「そっかそっか! 俺、タッくんは人間に興味ないかと思ってたよー!」

不意をついて確信を抉るところも若干苦手だった。
後ろを振り向き忠樹に笑みを向ける天流青に返す言葉もなく「あー、そう?」と適当な相槌で誤魔化す。

「ルウト、前を見て歩かないと転ぶぞ?」

吾沙の冷たい声音に指摘され、天流青は慌てたように前を向いた。
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