ティーチャー - TEACHER

Neu(ノイ)

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一章:腐敗した恋心

無愛想なクラスメイト 02

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「アーサーの好きなタイプは?」

前を向いたのも束の間、懲りずに隣の吾沙に顔を向けてニコニコしている天流青は怖い物知らずかもしれない。

「下らない質問はやめて欲しい。ふざけているのは名前だけにしろ」

途端に眉間を人差し指で押さえ盛大な溜息を吐き出す吾沙は、優しそうに見えて中々の毒舌だ。

「えー、ふざけてないし! アーサーのばかちん! この名前は、っ、……もういい。アーサーなんかバナナの皮に躓いて転けてしまえ! ぶぁーか!」

頬を、ぷっくり、と膨らませ四股を踏んで怒っていた天流青は、んべっ、と舌を出し何故か後ろに下がって忠樹の片腕にしがみついてくる。

「おい、ルウト。歩きにくいんだが」

どうしたものか、と掴まれていない方の手で頭を掻いた。
離れそうにない天流青に苦笑を滲ませ前を歩く吾沙を窺うも、彼は我関せずとさっさと先に行ってしまう。

「……ごめん、タッくん」

吾沙の背中が見えなくなった途端に天流青から解放され、子供っぽい仕草を見せていたのが嘘のように大人びた冷めた表情で静かに笑っていた。

「いやまあ、別にいいけど。アーサーと仲直りしとけよ。寮で気まずいのは面倒だ」

数回肩を叩き校門を潜り抜ける。
後ろから天流青の「りょーかい!」という元気のいい言葉が聞こえた。




 体育館の入口に天流青と辿り着くと、クラス分けの紙が壁に張り出されていた。
大勢の新入生に溢れ返る人の群れから抜け出して来た男に目を奪われる。

「遅いぞ。ルウトは俺と一緒のクラス。A組だった。忠樹、お前はC組だ」

ふん、と鼻息を吐き出し眼鏡を押し上げた吾沙に、天流青が眼を大きく見開き、ぽかん、と口を半開きにしている。
吾沙と別れてから五分も経っていない。
この混雑の中、既にクラス分けの確認をしてくれたらしい見た目通りに有能な男に天流青の目がキラキラと輝き出した。

「アーサー、こんな混んでるのにもう確認したのか? お前……っ、すっげぇな! なんかかっくいいな! さっきはごめん! 俺、言い過ぎた」

うおおお、と叫んで吾沙の腕に抱き着きに掛かった天流青の体躯を押しやりながら彼は嫌そうに顔を歪めている。

「抱き着くな。うざい。邪魔だ。さっきのは俺も悪かったからな。気にするな」

片腕で何とか天流青を引き剥がした吾沙の肩は苦しそうに上下している。
体力はあまりないようだった。

「俺だけクラス別だな。お前等、仲良くしろよ? んじゃ、また後で」

二人の仲直りが無事に済んだのを見届け、ヒラリ、と片手を挙げた忠樹は体育館の中にと入っていく。
無駄に広い体育館だった。
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