性教育はコッソリと

Neu(ノイ)

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一章:教育されてます!

作家様は大学生 28*

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反動で足が一歩前に出た。
けたましく腸内を叩く玩具が更に奥にと進んでいく。
羽李は堪らなく神流の腕に爪を立てていた。
ゃぅ、と小さく声が出てしまう。
己の甘ったるい声色に恥ずかしさで一杯になった。
あまりの快感に、己自身を戒められている苦痛すら感じられなくなっている。
ビクビクと背中が反り返り、精液を出せない状況でありながらも、今にもイきそうになっていた。
店員の気遣うような視線を感じながら、羽李は神流の腕の中で、ただただ震えている。
自分が公衆の面前で身悶えている事実に、恥ずかしいやら情けないやらで涙が浮かぶ。
それにも増して、今すぐにでも性器に刺激を与えて達してしまいたいと願っている自分に絶望感や失望を覚えた。
気持ちがどうであれ、体は素直に快楽を拾い上げてしまう。
腸壁の柔毛(じゅうもう)は、異物に唆されて蠢めき、自らそれを招き入れているのだ。
小さな無機物は、無情にもしこりの周辺を行ったり来たりしていた。
爆発しそうに膨張した屹立の先端は、大量のカウパー腺液を撒き散らし、ぐちょぐちょになって下着に染みを作っている。

「はっ、ぁ、っぅあ……」

絶え間なく与えられる刺激に掌の中で抑え切れない嬌声が零れた。
もう駄目だ、と目を瞑る羽李を甘やかすことなく神流の体は前に進む。
彼に抱え込まれるようにして羽李の体も前進し、引き摺られる形で店内から出るのだった。




 居酒屋から神流の家まで、どうやって歩いたのか覚えていない。
どうにか辿り着いて、玄関に入ったのを認識して、羽李は神流の胸に顔を押し付けた。
今の羽李にプライドがどうのと言える余裕は微塵も残っていない。

「もっ、おねがっ! ……取って?」

恐る恐る顔を上げ、懇願したかと思えば、羽李の顔が神流の唇に近付いていく。

「ふ、はぁ……っん、ぅ、んんっ」

自ら神流に口付けると、舌を伸ばして口内へと忍ばせた。
くちゅ、と音を立てながら神流の舌に自ら絡ませ吸い上げる。
神流の太腿に勃起し存在を誇示している男根を擦り付けるように腰を揺らした。

「どうやって、イかせて欲しいですか? 手で扱きます? 口で舐めましょうか? ……お望みの方法で可愛いがって差し上げますよ」

神流に胸を押され二人の間に空間が空くと、欲情に濡れた神流の瞳と出会う。
そのまま耳元で囁かれ、羽李は訳の解らない期待で言葉を詰まらせた。
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