現代の黒魔術でダンジョン攻略!

シキ

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神は進化を望む

黒魔同好会

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俺はその赤坂教授の言葉に絶句した。
今日は休校だと?
いやいやまさかねぇ俺がメールを読み間違えるはずないんですよ。
朝からこの通学時間もスマートフォンを扱ってきた俺が新規のメールを見逃すなんてこと…。

そう思い俺はポシェットの中からスマートフォンを取り出しメールのアプリを起動する。
そこには『休校について』という文字があった。
俺は急いでその文章を読む。
そうして見つけた一つの文章を俺は頭に叩き込み赤坂教授に向かって言った。

「やだなぁ赤坂教授…俺がそんなの忘れているわけ無いじゃないですかぁ。ほらここに『単位が足りない者については本日特別講義を行います』と書いてあるじゃないですか。だから来たんですよ…ハハハハ」

そう言い俺は教授にスマートフォンでその文章を見せる。
教授は「ほぉ?」と言い少し伸びた無精髭を手でさすりながらその画面を見てから俺の方を向く。

「だがなぁお前…一条院 燈火よ。お前はこれまでの大学生活で講義を一度もこなかった時がないと有名だ…そんなお前が単位が足りないだぁ?ハハハハお前はもう大学に来なくても十分卒業できるっつうの。しかもお前論文も確か書き終わったからもうやることがないだとか俺にほざいていたよなぁ?」

俺は少しずつ後退りながら口で「ぐぅ」と言う。
まさにその通りだ。
この教授には俺の専攻していた研究の状況を全て言っているためもう教授に隠すことなんて不可能なのだ。

「ま、まいりました…」

俺がそう言うと赤坂教授は高笑いをしながら「そうだよな」と言いながら俺の横を通りすぎて行った。
…今日は休校かぁ。
昼飯も買っちゃったしもしかしたら同好会の奴らも俺と一緒で来てるかもしれんし一応部室に顔出して来るか。

俺は来た道を再び戻り歩いていく。
俺たちの同好会、まぁ『黒魔術同好会』と言うのだが…入っている人数は俺含めて五人。
小さな集まりだがこの大学ができた頃からある立派な歴史のある同好会だ。
まぁ人数の少なさゆえにいつまでも部活にはならないが。

そんな同好会には先先代の先輩が作り上げた部室がある。
大学のすぐ近くにある小さな小屋で同好会が部室で使う前までは小さな駄菓子屋を行っていたという小屋だ。
それを金持ちの先輩が土地ごと買い上げて使わせてもらっている。
もちろん電気は繋がんないし水道もないがいる場所があるだけでもありがたいものだ。
そうして俺はその部室の扉を開けた。

「おはようございまーす…誰もいないな」

…しょうがない。
今日は俺一人でこの同好会のいつも行なっていることでもしますか。

そんな時急にスマートフォンから『ピロンピロン』という音がして俺はスマートフォンを見る。
そこには何やら部員からメッセージが来ていた。
俺はすぐさまメッセージのアプリを開きその内容を読む。
そこにはこう書かれていた。

『すみませんが同好会の方を抜けさせてもらいたいと思います。後はよろしくお願いします』

というものだった。
…燈火は激怒した。
必ず、かの邪知暴虐の部員を除かなければならぬと決意した。
大地は荒れ狂い、海は割れ、空は曇り雨が降る。

「ふぅ、傘持ってきてないよ…はぁ」

俺は深くため息を吐き心を落ち着かせ部室の椅子へ腰を落とす。
まさか計らったように四人から一斉にこのようなメールが届くとは思わなかった。
まぁしょうがない俺の代で黒魔術同好会は終わりとなってしまうが逆に考えるんだこの部室を好きにしても良いと。

「さてと、同好会の仕事でも行いますかねぇ」

この黒魔術同好会の仕事とは主に占いが主流だ。
俺のいつも持ち歩いているタロットカードを使いここにくる人を占い金をむしりとり大学に五割やって残りは俺たちがもらうというものだ。
他にも黒魔術用に蜥蜴の尻尾や珍しい石やチョークを買い取ったりまぁ色んなことをする。
まぁ生贄として生物を買い取ることは違法にもつながる恐れがあるからそういうのはやらないが。

そんなこんなで座って待つこと数十分ようやく今日初めての客が現れる。
相手は若い男性30代といったところか。

「さて、いらっしゃい。ようこそ稲城大学所属黒魔術同好会へ。占いですか?呪いですか?それとも買取ですか?」
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