現代の黒魔術でダンジョン攻略!

シキ

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神は進化を望む

初潜り

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ようやく着いた。
家を出て35分かかって俺はダンジョン前にたどり着くことができた。
ここに来るまでにコンビニでパンと飲み物を持ち込めることを知り急いで買ったのだ。

スマートフォンで見る限りここ鶴ヶ城ダンジョンの評価は昨日の時点で2.5となっていた。
なんの基準でそのような評価がつけられているのかはインターネットで見る限りだと魔石の質と出てくるモンスターの種類によって決まっているらしい。
例えば東京の渋谷にできたダンジョンで取れる魔石は標準よりもかなり良い物のなっておりモンスターも倒しやすいスライムらしい。
他にも北海道の札幌にできたダンジョンだと取れる魔石は標準でモンスターは鮭に手と足が生えていてキモいと今バズっているダンジョンとなっており今紹介したダンジョンは二つとも評価は5となっている。

「んーとここの一階で出てくるモンスターは…『巨大やまね』ねぇ」

やまねというと俺が知っているのは昔小学校で理科かなんかで習ったニホンヤマネが多分原型となっているのかな?
ヤマネ科ヤマネ属ヤマネは確か尾を強く握れば骨だけ残して毛が剥がれるんだっけか。
ということはそれをすれば簡単に倒せそうだな。

ここ鶴ヶ城ダンジョンの魔石の質は標準よりかなり低いからか買取価格が平均価格の100円より低く価格が設定されており60円となっている。
なのでここの評価は少し低い物となっている。
だがここのダンジョンは俺にとって良いところなのだ。
なんといっても皆がここから一駅行った所の評価が4の所へ行っているせいでここにくる人は少なくなっているし出てくる『巨大やまね』はこちらが攻撃しない限りこちらへ攻撃をしてこないらしいので俺みたいな初心者でも先行を取ることができるモンスターだ。

まぁダンジョンに来る人なんて大体お金稼ぎが目的だから低価格で取引されるやまねの魔石なんて誰も取りに来ない。
だからこそ良いんじゃないかと俺は思うんだがな。

「えぇっとここのプレハブ小屋からダンジョンに行けるんだっけ?お邪魔しまーす」

俺は少し大きいプレハブ小屋の扉の押して入る。
あるのはカウンターといくつかの木箱そしてこちらをムスッとした顔で見つめているここの従業員がいた。

「らっしゃい…ご注文はダンジョン探索だね。一応身分証出して」

そう言われて俺は免許証を出す。
するとその従業員はめんどくさそうに俺の出した免許証を見て俺へと返すとため息を吐く。

「わいの名前は高沢 瑛二というもんだ。まぁここの鶴ヶ城ダンジョンの受付を行なっている。ここで取れた物はここで換金できるからまぁ取れたら持ってこいよ。んじゃ後はガンバ後死ぬなよ。後処理が面倒だから」

そういうと高沢さんは俺を一瞥した後スマートフォンの方へ目を向けた。
…やさぐれているのかな?
まぁどうでもいいか。
今はダンジョンの方に目を向けるとしよう。
ここでぽっくり死んじまったら母と妹に顔を物理的に合わせることができなくなるからな。

俺はこのプレハブ小屋の奥にある扉を開けて階段を降りていく。
降りていくと共に壁はコンクリートから凹凸のある土でできた壁へと変わっていく。
手で少し触って見た感じだと土が手につかないし土が崩れない。
随分と丈夫に壁が構築されているらしい。

ここの確認されている階層は一階まででそれ以外は確認や探索すらされていない。
しかも見た感じここにきているのは俺一人だけみたいだ。
そんなことを思っていると階段を降りるのが終わりここからが本番のようだ。
といってもまだモンスターの姿は確認できない。
俺はとりあえず何も気にせずに前に進んでみることした。

「見つけた…むぅ見た感じでかいやまねだな」

数分歩き正面にやまねを見つけた。
やまねの目はこちらを見ているがこちらへ攻撃することはない。
ただそこら辺を歩いているだけに見えた。
今俺の目に写るやまねの数は三匹。
その全部が俺へ目を向けているが攻撃しようとはしておらず近くにいる一匹は俺の横をテクテク歩いて通り過ぎようとしている。

「移動速度はあまり速くないらしいな…」

そうしてその場でやまねを観察すること数分。
やまね達は俺のことを見なくなった。
どうやら俺を観察することに飽きてしまったらしくもうこちらを見ずに尻すらこちらに向けている状態になっている。

「これはチャンスか?助走付ければさっき俺の横を通り過ぎたやまねに後ろから攻撃できるし」
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