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第一章 アストラニア王国編
035 父の工房と見習い鍛冶師
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「ルビナさん、銅のインゴットがたくさんあるんですけど、使います?」
暇つぶしにカッパーゴーレムを倒しまくった結果、百体×八十個……銅のインゴットがなんと八千個もある。正直、俺にはこんなに必要ない。
「え? 銅って何に使うの?」
あれ? 武器専門の鍛冶師だと知らないのか?
「鍋とかやかんとか。高級な料理店だと銅製の料理道具を揃えるそうですよ」
「そ、そうなんだ……」
ルビナさん、本当に知らなかったようだ。父が武器専門の鍛冶師だったため、銅で鍋ややかんを作るのを見たことなかったらしい。武器作りも見よう見まねで覚えたため、間違っているところもあるとか。
しばらく話しながら歩き、ルビナさんの家である『ジャスパーブレスト武器工房』に到着。石造りと金属の骨組みで頑丈そうだ。少し古いが、趣のある外観をしている。
「せめて夕飯をごちそうするから、入って入って」
ルビナさんに促され、工房兼自宅の建物に入る。やけに静かだ。誰もいないのか?
「ルビナさんのお父さんは、出かけてらっしゃるんですか?」
「……一ヶ月前に鉱山の落盤事故の二次被害で亡くなったわ」
ルビナさんのお父さんは〈土魔法〉を得意としていたことから、鉱山の落盤事故で取り残された人々を助けに行ったのだが、さらに落盤が起きて命を落としたという。ルビナさんは父の残した工房を継ぐ決意を固めたが、
「ドワーフの世界では、昔から『鍛冶師は男の仕事』という風習があるの」
力仕事で高温の炉を扱い危険が伴うため、男の仕事とされている。ドワーフの世界では、男性同士で徒弟制度が回っているため、女性の鍛冶師は存在しない。父と二人で工房を営んでいたときも、父は鍛冶を教えてくれず、ルビナさんは剣やナイフの鞘ばかり作らされていた。なるほど、だから〈革加工〉と〈木工〉だけスキルレベルが高かったわけだ。
母は物心つく前に亡くなっており、父が亡くなった後は、他の鍛冶工房に修行をお願いしたが、女性に技術を教えてくれる人は誰もいなかった。仕方なく独学で鍛冶を始めようとするも、工房に残っていたインゴットは少なく、女性の鍛冶師には売ってくれるところもない。結局、彼女は自分でダンジョンに取りに行くしかなかったらしい。
「なるほど。そんな事情があったんですね」
とはいえ、このままではダンジョンでの入手も容易ではなさそうだ。
「あ、まだ夕食には早いから、今日採掘した鉄鉱石を精錬するね」
ルビナさんは鉄鉱石を精錬して鉄のインゴットに変えるつもりらしい。俺は見学することにした。
炉に鉄鉱石を入れ、加熱が始まる。しかしルビナさんは一切動かない。
(あれ? 鞴のようなもので空気を送らないのか。この世界ではそうなのかな?)
しばらく待っても変化はない。時間がかかるのか?
「あ、あれ? こうじゃないのかな?」
ルビナさんが変なことを言い出す。
「ルビナさん、もしかして……精錬したことないんですか?」
「……う、うん。やったことない」
父はたまに自分で精錬していたが、普段は専門の工房にお願いしていた。しかしその工房は女性の鍛冶師であるルビナさんには手を貸してくれなかったらしい。
「仕方ないですね。俺がスキルで精錬します。その鉄鉱石、もらいますよ」
「そんなスキルがあるの!?」
驚くルビナさんをよそに、炉に入っていた鉄鉱石を亜空間に収納した。
「あと、あの辺に転がっているのは鉄に戻してもいいですか?」
工房の隅には、明らかにルビナさんが練習で作った剣やナイフの失敗作が散乱している。
「う、うん。お願いします……」
さくっと収納し〈分解(空間)〉で元素に還元した後、鉄だけ〈合成(空間)〉でインゴットに変換した。
「はい、できました」
「おお! あんたすごいね! こんな簡単にインゴットにできるなんて!」
ルビナさんは喜んでいるが、この鉄が不純物ゼロだと気づいていないだろう。
その後、ルビナさんが作った夕食を食べる。〈料理〉スキルレベル4で、一般的には上手だ。ただ、俺は自分のレベル9の味に慣れているので、少し物足りなかったが、顔には出さなかった。
食後のお茶を飲み終えた頃、ルビナさんが泊まっていけという。俺は宿を取っているのだが。
「今日も含めて五日間、あたしをダンジョンで護衛してほしいの」
なるほど、今のルビナさんには、それしか鉄を入手する手段がないのかもしれない。
「お礼は……お金は払えないから……体で払うから!」
「はあ!?」
突然の告白に面食らう俺。
「アレス……お願い……これしか方法がないの!」
涙目で懇願するルビナさん。少し考えたが、結論はすぐに出た。
「わかりました。引き受けます」
このまま放置すれば、ルビナさんは単身でダンジョンに乗り込み、ゴーレムトレインしてMPKする未来しか見えない。それなら、ルビナさんのスキルレベルを上げてしまおう。
「は、初めてだから……優しくしてよね……」
え、ルビナさん、二十六歳だよな。初めてなのか。
〈排卵調整〉で避妊。
〈感覚変更〉で痛みを快楽に。
最初は等倍で三十分ほどかけ、その後は〈強制終了〉でスキルレベル上げ。
ちなみに、終わってルビナさんが気絶するように眠ったあと、リディアから〈念話〉が届いた。どうやら、何かに勘づかれたようだ。なぜだ。
***
翌朝。
ルビナ・ジャスパーブレスト ドワーフ 二十六歳
鍛冶師見習い
所持スキル:
生活魔法[4]
槌術[8]
身体強化[8]
鍛冶[8]
革加工[4]
木工[4]
料理[4]
絶倫[8]
鍛冶師は力仕事なので〈身体強化〉、回数をこなすため〈絶倫〉を追加。
〈槌術〉は俺のレベル9から複製するだけで済むが、〈鍛冶〉は未取得なので、レベル上げに回数が必要。特にレベル1から上げる今回の〈鍛冶〉は四十五回かかった。〈槌術〉と〈身体強化〉、〈絶倫〉も含めて計四十八回。レベル8のものについては、すべて〈脳状態復元〉済みなので、ルビナさんの記憶には残っていない。
〈革加工〉や〈木工〉も後日、スキルレベルを上げる予定。
横で俺に抱き着いて幸せそうな顔をして眠るルビナさんを見て、「本当に未成年じゃないよね?」と少し心配になる。胸はCカップくらいあり、体型自体は子供ではない。髪をなでながら、俺ももう少し眠ろうかと考えていると、ルビナさんがぼんやりと目を覚ました。
「お、おはよう、アレス。ちょっと恥ずかしいね」
ルビナさんは赤くなるが、
「それより! 昨晩のは何!? 聞いてたのと全然違ったんだけど!?」
まあ、そうなるよな。誰かが『この世のものとは思えない』と言っていたし。
「実はですね……昨日のアレで、ルビナさんの〈鍛冶〉と〈槌術〉がレベル8まで上がっているんですよ」
「またまたぁー。あたしはこんな見た目でも、そんなウソに引っかかるほど子供じゃないんですー」
ルビナさんは信じようとしない。
朝食後、さっそくダンジョンへ。ワープポータルから地下十一階へ行く。
「ルビナさん、試しにストーンゴーレムを倒してみてください」
「な!? 昨日見たでしょ!? 倒せなかったから逃げてたのよ!」
「いいからいいから。危なかったら助けますし」
「し、仕方ないわね……やってやるわよ」
渋々了承したルビナさんだが、鉄のバトルハンマーで軽くストーンゴーレムを粉砕した。
「え……簡単に倒せた」
「言ったでしょ。スキルレベル上げたって」
そこからのルビナさんは喜々としてストーンゴーレムを倒しまくっていた。しかし目的は別にある。
「ルビナさん、ほら、行きますよ」
「待って。あそこにもストーンゴーレムがいるわ」
「いや、花崗岩はいらないんでしょ!?」
結局、ルビナさんの気が済むまで、ストーンゴーレム狩りは続くのだった。
暇つぶしにカッパーゴーレムを倒しまくった結果、百体×八十個……銅のインゴットがなんと八千個もある。正直、俺にはこんなに必要ない。
「え? 銅って何に使うの?」
あれ? 武器専門の鍛冶師だと知らないのか?
「鍋とかやかんとか。高級な料理店だと銅製の料理道具を揃えるそうですよ」
「そ、そうなんだ……」
ルビナさん、本当に知らなかったようだ。父が武器専門の鍛冶師だったため、銅で鍋ややかんを作るのを見たことなかったらしい。武器作りも見よう見まねで覚えたため、間違っているところもあるとか。
しばらく話しながら歩き、ルビナさんの家である『ジャスパーブレスト武器工房』に到着。石造りと金属の骨組みで頑丈そうだ。少し古いが、趣のある外観をしている。
「せめて夕飯をごちそうするから、入って入って」
ルビナさんに促され、工房兼自宅の建物に入る。やけに静かだ。誰もいないのか?
「ルビナさんのお父さんは、出かけてらっしゃるんですか?」
「……一ヶ月前に鉱山の落盤事故の二次被害で亡くなったわ」
ルビナさんのお父さんは〈土魔法〉を得意としていたことから、鉱山の落盤事故で取り残された人々を助けに行ったのだが、さらに落盤が起きて命を落としたという。ルビナさんは父の残した工房を継ぐ決意を固めたが、
「ドワーフの世界では、昔から『鍛冶師は男の仕事』という風習があるの」
力仕事で高温の炉を扱い危険が伴うため、男の仕事とされている。ドワーフの世界では、男性同士で徒弟制度が回っているため、女性の鍛冶師は存在しない。父と二人で工房を営んでいたときも、父は鍛冶を教えてくれず、ルビナさんは剣やナイフの鞘ばかり作らされていた。なるほど、だから〈革加工〉と〈木工〉だけスキルレベルが高かったわけだ。
母は物心つく前に亡くなっており、父が亡くなった後は、他の鍛冶工房に修行をお願いしたが、女性に技術を教えてくれる人は誰もいなかった。仕方なく独学で鍛冶を始めようとするも、工房に残っていたインゴットは少なく、女性の鍛冶師には売ってくれるところもない。結局、彼女は自分でダンジョンに取りに行くしかなかったらしい。
「なるほど。そんな事情があったんですね」
とはいえ、このままではダンジョンでの入手も容易ではなさそうだ。
「あ、まだ夕食には早いから、今日採掘した鉄鉱石を精錬するね」
ルビナさんは鉄鉱石を精錬して鉄のインゴットに変えるつもりらしい。俺は見学することにした。
炉に鉄鉱石を入れ、加熱が始まる。しかしルビナさんは一切動かない。
(あれ? 鞴のようなもので空気を送らないのか。この世界ではそうなのかな?)
しばらく待っても変化はない。時間がかかるのか?
「あ、あれ? こうじゃないのかな?」
ルビナさんが変なことを言い出す。
「ルビナさん、もしかして……精錬したことないんですか?」
「……う、うん。やったことない」
父はたまに自分で精錬していたが、普段は専門の工房にお願いしていた。しかしその工房は女性の鍛冶師であるルビナさんには手を貸してくれなかったらしい。
「仕方ないですね。俺がスキルで精錬します。その鉄鉱石、もらいますよ」
「そんなスキルがあるの!?」
驚くルビナさんをよそに、炉に入っていた鉄鉱石を亜空間に収納した。
「あと、あの辺に転がっているのは鉄に戻してもいいですか?」
工房の隅には、明らかにルビナさんが練習で作った剣やナイフの失敗作が散乱している。
「う、うん。お願いします……」
さくっと収納し〈分解(空間)〉で元素に還元した後、鉄だけ〈合成(空間)〉でインゴットに変換した。
「はい、できました」
「おお! あんたすごいね! こんな簡単にインゴットにできるなんて!」
ルビナさんは喜んでいるが、この鉄が不純物ゼロだと気づいていないだろう。
その後、ルビナさんが作った夕食を食べる。〈料理〉スキルレベル4で、一般的には上手だ。ただ、俺は自分のレベル9の味に慣れているので、少し物足りなかったが、顔には出さなかった。
食後のお茶を飲み終えた頃、ルビナさんが泊まっていけという。俺は宿を取っているのだが。
「今日も含めて五日間、あたしをダンジョンで護衛してほしいの」
なるほど、今のルビナさんには、それしか鉄を入手する手段がないのかもしれない。
「お礼は……お金は払えないから……体で払うから!」
「はあ!?」
突然の告白に面食らう俺。
「アレス……お願い……これしか方法がないの!」
涙目で懇願するルビナさん。少し考えたが、結論はすぐに出た。
「わかりました。引き受けます」
このまま放置すれば、ルビナさんは単身でダンジョンに乗り込み、ゴーレムトレインしてMPKする未来しか見えない。それなら、ルビナさんのスキルレベルを上げてしまおう。
「は、初めてだから……優しくしてよね……」
え、ルビナさん、二十六歳だよな。初めてなのか。
〈排卵調整〉で避妊。
〈感覚変更〉で痛みを快楽に。
最初は等倍で三十分ほどかけ、その後は〈強制終了〉でスキルレベル上げ。
ちなみに、終わってルビナさんが気絶するように眠ったあと、リディアから〈念話〉が届いた。どうやら、何かに勘づかれたようだ。なぜだ。
***
翌朝。
ルビナ・ジャスパーブレスト ドワーフ 二十六歳
鍛冶師見習い
所持スキル:
生活魔法[4]
槌術[8]
身体強化[8]
鍛冶[8]
革加工[4]
木工[4]
料理[4]
絶倫[8]
鍛冶師は力仕事なので〈身体強化〉、回数をこなすため〈絶倫〉を追加。
〈槌術〉は俺のレベル9から複製するだけで済むが、〈鍛冶〉は未取得なので、レベル上げに回数が必要。特にレベル1から上げる今回の〈鍛冶〉は四十五回かかった。〈槌術〉と〈身体強化〉、〈絶倫〉も含めて計四十八回。レベル8のものについては、すべて〈脳状態復元〉済みなので、ルビナさんの記憶には残っていない。
〈革加工〉や〈木工〉も後日、スキルレベルを上げる予定。
横で俺に抱き着いて幸せそうな顔をして眠るルビナさんを見て、「本当に未成年じゃないよね?」と少し心配になる。胸はCカップくらいあり、体型自体は子供ではない。髪をなでながら、俺ももう少し眠ろうかと考えていると、ルビナさんがぼんやりと目を覚ました。
「お、おはよう、アレス。ちょっと恥ずかしいね」
ルビナさんは赤くなるが、
「それより! 昨晩のは何!? 聞いてたのと全然違ったんだけど!?」
まあ、そうなるよな。誰かが『この世のものとは思えない』と言っていたし。
「実はですね……昨日のアレで、ルビナさんの〈鍛冶〉と〈槌術〉がレベル8まで上がっているんですよ」
「またまたぁー。あたしはこんな見た目でも、そんなウソに引っかかるほど子供じゃないんですー」
ルビナさんは信じようとしない。
朝食後、さっそくダンジョンへ。ワープポータルから地下十一階へ行く。
「ルビナさん、試しにストーンゴーレムを倒してみてください」
「な!? 昨日見たでしょ!? 倒せなかったから逃げてたのよ!」
「いいからいいから。危なかったら助けますし」
「し、仕方ないわね……やってやるわよ」
渋々了承したルビナさんだが、鉄のバトルハンマーで軽くストーンゴーレムを粉砕した。
「え……簡単に倒せた」
「言ったでしょ。スキルレベル上げたって」
そこからのルビナさんは喜々としてストーンゴーレムを倒しまくっていた。しかし目的は別にある。
「ルビナさん、ほら、行きますよ」
「待って。あそこにもストーンゴーレムがいるわ」
「いや、花崗岩はいらないんでしょ!?」
結局、ルビナさんの気が済むまで、ストーンゴーレム狩りは続くのだった。
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