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第二章 リーファリアへの道編
060 魔樹と黎花の翼
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――地下二十一階。
ここから先は、罠が設置される代わりに宝箱が出る。ただし、このエリアの宝箱から出るのは各種ポーションと鋼の装備品に限られる。大したものは出ないが、とりあえず順番に開けていくことにした。
「ん?」
通路の奥に何かがいる。目を凝らすと、石壁の影から巨大な木のような影がゆっくり動いた。
その姿は、ただの樹木ではなかった。幹のように太い腕が空をかき分け、根のような脚が大地を踏みしめる。葉が揺れるたび、かすかにざわめく声が響くようだ――いや、声ではなく、木そのものが怒っているのだ。苔むした皮膚には蔓が絡みつき、目のように光る節目がこちらを見据えていた。
「あれがトレントか」
思わず呟く俺の声も、湿ったダンジョンの空気にかき消される。まるで大地そのものが生きているかのように、巨木の巨体がゆっくりとこちらに迫り出した。
「おっと」
トレントの根が伸び、俺たちを拘束しようとする。腕のような枝をしならせ、鞭のように叩きつけてくるが、動きは遅い。余裕で避け、エリュシアが爪でトレントを両断した。すぐさま亜空間へ収納する。
「スキルは……〈枝の鞭〉と〈根の拘束〉か」
「アレス、それ食べるぞ」
「え? これ、どうやって食うんだ?」
樹木をどう調理すればいいのか? 食べられないことはないだろうが……まああとで考えよう。
トレントは、この世界で一般的な魔法の杖の材料だ。特に学術都市エルドラスでは魔術師が多く、需要は高いらしい。ここまで潜ってきて、このダンジョンは武器や防具の素材になる魔物で構成されていることに気づいた。この国の冒険者の武器や鎧が、金属製よりも魔物素材で作られることが多いのは、このためだろう。ルビナに送れば新しい武器・防具が作れるかもしれない。夜にでも送ってみよう。
このフロアの宝箱から出たのは鋼のショートソードだったが、ルビナ鋼のほうが優秀なので、分解してインゴットに変えておいた。
地下二十二階では、新たにマナトレントが出現した。トレントの魔法使い版で、こちらの枝のほうが上級の杖の素材になる。これもルビナに送ろう。
また、この魔物が持っていたスキルは〈植物魔法〉。エルフでも使える者がいるという魔法だ。もちろん取得する。
地下二十三階で出てきたのはロックリザード。全長三メートルほどで、灰色の岩のような鱗で覆われ、まるでダンジョンの石壁と見分けがつかない。鋭い牙が露出し、尾は太く頑丈だ。動かないと石と見間違えるほど擬態が得意らしい。
口から岩の弾を吐き、攻撃してきて、こちらが攻撃するときには丸まって堅い岩のような鱗で防御する。本来ならわりと面倒な相手だが、〈空間転移〉で背後に回れば、気づかれずに瞬殺できる。得られたスキルは〈岩皮防御〉と〈岩弾(口)〉。エリュシアは食べるだろうから、あとで調理に挑戦しよう。
地下二十四階では天井が急に高くなる。新たに現れた魔物はバルチャー。大きな翼を持つ鷹の魔物で、全身は黒や灰色の羽毛に覆われ、頭部は禿げて鋭いくちばしと爪を持つ。目は冷たく光り、死や腐敗を嗅ぎ分けるかのように獲物を狙う。
翼を広げると約四メートル、体長は二メートルほどで飛行能力が高い。空の魔物に対する攻撃は弓や魔法が一般的だが、エリュシアは空の魔物の天敵。どの魔物よりも速く飛べ、あっという間に近づき、グリフォンの爪で一撃で真っ二つにしていく。得られたスキルは〈飛翔(羽)[4]〉と〈爪[4]〉。どちらもすでにエリュシアがレベル8で持っているスキルなので、これは食べる必要ないだろう――と思ったら食うそうだ。違う翼も試したいらしい。素材はルビナ行きだ。
――地下二十五階。
ここまでの宝箱はすべて鋼の武器・防具だった。すべて分解してインゴットに変えている。
このフロアも前階同様、出てくる魔物はトレント、マナトレント、ロックリザード、バルチャーなので楽勝だ。このまま地下三十階のボス部屋まで駆け抜けようと思ったところ、通路の奥に多くの魔物がいるのに気づく。どうやら女性三人の冒険者パーティが囲まれているようだ。
三人のうち武闘家と魔術師が必死に戦っているが、腰に立派な剣を持つ女の子は腰が引け、剣すら抜かず〈闇魔法〉で魔物に状態異常を与えるだけ。
魔物の数が多く、武闘家と魔術師のスキルレベルもそこそこなのだろう、むしろ魔物たちに圧されているように見える。
俺とエリュシアは一気に近づき訊ねた。
「お手伝い必要ですか?」
「ぜひお願いしたい!」
武闘家の女性が返事をしたので、空中のバルチャーはエリュシアに任せ、地上の魔物は俺が〈空間転移〉で背後に回りながら剣で殲滅した。
「助太刀ありがとうございます。助かりました」
礼を言った彼女は、青い武道着を身にまとった二十代中盤に見える武闘家だった。凛とした気品を漂わせる姿は、一目で普通の女性ではないとわかる。道着は体にぴたりと沿い、鍛え上げられた体のラインが美しく際立つ。端正な顔立ちは、強さと美しさを絶妙に混ぜ合わせたものだ。鋭い瞳は遠くを見据え、柔らかな微笑の瞬間でさえも油断を許さない威圧感を帯びている。束ねられた髪が首筋をわずかに撫で、凛とした横顔に気品を添えていた。
彼女の名前はリンファ。Cランク冒険者パーティ〈黎花の翼〉のメンバーで武闘家だが、以前は王宮のメイドだったという。言われてみれば、確かに姿勢やお辞儀の仕方がメイドらしい。
さらに近づいてきたのは魔術師の女性だ。
「いやぁ、ほんと助かったよ。今回はやばかったからね」
先ほどまで〈水魔法〉で必死に戦っていた。陽だまりのような笑顔を浮かべ、ふくよかな体つきは包容力そのもの。仕草ひとつひとつに、不思議と周囲の空気まで明るくなる温かさがあった。深い緑色の魔術師ローブに金糸の刺繍が丁寧に施され、杖の先には淡い光が宿っている。生活感のあるその姿は、誰もが自然と頼りたくなるような魅力を持つ、明るい中年の魔術師だった。
彼女の名前はエルマ。〈黎花の翼〉のメンバーで魔術師だが、以前は王城の料理人だったという。三十代後半に見える彼女は、服装を変えれば食堂にいるおばちゃんに見えるかもしれない。
そして最後の一人。
「あ、あの……ほんとに、あ、ありがとう……ございます」
モジモジしている彼女は、腰に立派な剣を持ちながら〈闇魔法〉しか使わなかった女の子だ。
しなやかに引き締まった肢体を覆うのは、艶のある黒い革の服とショートパンツ。動きやすさを重視した軽装ながら、戦う意思を感じさせる。しかし、肩は小さく、歩くたび裾を気にする指先が揺れる。腰の剣――その重みにまだ慣れていないのかもしれない。仕草には覚悟と不安が入り混じっていた。切り揃えられたボブの髪は少しだけ幼さを感じさせるが、おそらく俺と同じ十代後半くらいだろう。
彼女の名前はヒカル。数か月前まで王城に客人として暮らしていたという。そして、この子がパーティのリーダーらしい。
このパーティは全員、過去に王城に関わる変わった経歴の持ち主だ。
だが、ヒカルが立派な剣を持っているのになぜ使わないのか、俺は気になった。〈鑑定〉してみると――
ヒカル ヒューマン 十八歳
Cランク冒険者 《勇者》
所持スキル:
闇魔法[8]
鑑定[8]
全スキル経験値アップS
アイテムボックスS
全言語理解
〈剣術〉を持たない。そりゃ使えないか。だが、それ以上に――
「《勇者》? もしかして転生者ですか?」
「あ、あれ? 意外と私、有名なので、私を知らない冒険者を見たのは初めてです……」
「ああ、俺、今日この王都に来たばかりで、アストラニア王国から来たんですよ」
ヒカルはこの国では《萎れ花》と蔑まれる冒険者だった。唯一戦闘で使えるのが〈闇魔法〉のみで、勇者の剣『聖剣エルグレイア』を国から貸与されているが〈剣術〉を持たないため、まともに扱えない。しかし、その剣はアレスが見たことのない金属でできていた。
「その剣、何の素材でできてるんですか?」
「ヒヒイロカネらしいです」
ヒヒイロカネ! いまだにミスリルの武器すら見たことないのに、さらに上位の金属だ。
「見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ」
ヒカルが鞘ごと渡したので、俺は剣を鞘から抜いた。
「おー! これがヒヒイロカネ!」
手に取ると、炎のように赤く輝く金属が淡く光を放つ。光沢は金のように重厚でありながら、どこか軽やかで、角度によって深紅から橙色に微妙に変化する。
表面は滑らかで、触れると冷たく硬い。しかし、普通の金属とは違い、どこか温かみを帯びているような錯覚を覚える。光を反射した赤い輝きは、血潮を宿した宝石のように神秘的で、触れる者の心まで震わせる。
俺が感動していると、〈黎花の翼〉の三人は目をまん丸にして驚いていた。
リンファが口を開く。
「その剣は……《勇者》様にしか抜けない剣なのです」
ここから先は、罠が設置される代わりに宝箱が出る。ただし、このエリアの宝箱から出るのは各種ポーションと鋼の装備品に限られる。大したものは出ないが、とりあえず順番に開けていくことにした。
「ん?」
通路の奥に何かがいる。目を凝らすと、石壁の影から巨大な木のような影がゆっくり動いた。
その姿は、ただの樹木ではなかった。幹のように太い腕が空をかき分け、根のような脚が大地を踏みしめる。葉が揺れるたび、かすかにざわめく声が響くようだ――いや、声ではなく、木そのものが怒っているのだ。苔むした皮膚には蔓が絡みつき、目のように光る節目がこちらを見据えていた。
「あれがトレントか」
思わず呟く俺の声も、湿ったダンジョンの空気にかき消される。まるで大地そのものが生きているかのように、巨木の巨体がゆっくりとこちらに迫り出した。
「おっと」
トレントの根が伸び、俺たちを拘束しようとする。腕のような枝をしならせ、鞭のように叩きつけてくるが、動きは遅い。余裕で避け、エリュシアが爪でトレントを両断した。すぐさま亜空間へ収納する。
「スキルは……〈枝の鞭〉と〈根の拘束〉か」
「アレス、それ食べるぞ」
「え? これ、どうやって食うんだ?」
樹木をどう調理すればいいのか? 食べられないことはないだろうが……まああとで考えよう。
トレントは、この世界で一般的な魔法の杖の材料だ。特に学術都市エルドラスでは魔術師が多く、需要は高いらしい。ここまで潜ってきて、このダンジョンは武器や防具の素材になる魔物で構成されていることに気づいた。この国の冒険者の武器や鎧が、金属製よりも魔物素材で作られることが多いのは、このためだろう。ルビナに送れば新しい武器・防具が作れるかもしれない。夜にでも送ってみよう。
このフロアの宝箱から出たのは鋼のショートソードだったが、ルビナ鋼のほうが優秀なので、分解してインゴットに変えておいた。
地下二十二階では、新たにマナトレントが出現した。トレントの魔法使い版で、こちらの枝のほうが上級の杖の素材になる。これもルビナに送ろう。
また、この魔物が持っていたスキルは〈植物魔法〉。エルフでも使える者がいるという魔法だ。もちろん取得する。
地下二十三階で出てきたのはロックリザード。全長三メートルほどで、灰色の岩のような鱗で覆われ、まるでダンジョンの石壁と見分けがつかない。鋭い牙が露出し、尾は太く頑丈だ。動かないと石と見間違えるほど擬態が得意らしい。
口から岩の弾を吐き、攻撃してきて、こちらが攻撃するときには丸まって堅い岩のような鱗で防御する。本来ならわりと面倒な相手だが、〈空間転移〉で背後に回れば、気づかれずに瞬殺できる。得られたスキルは〈岩皮防御〉と〈岩弾(口)〉。エリュシアは食べるだろうから、あとで調理に挑戦しよう。
地下二十四階では天井が急に高くなる。新たに現れた魔物はバルチャー。大きな翼を持つ鷹の魔物で、全身は黒や灰色の羽毛に覆われ、頭部は禿げて鋭いくちばしと爪を持つ。目は冷たく光り、死や腐敗を嗅ぎ分けるかのように獲物を狙う。
翼を広げると約四メートル、体長は二メートルほどで飛行能力が高い。空の魔物に対する攻撃は弓や魔法が一般的だが、エリュシアは空の魔物の天敵。どの魔物よりも速く飛べ、あっという間に近づき、グリフォンの爪で一撃で真っ二つにしていく。得られたスキルは〈飛翔(羽)[4]〉と〈爪[4]〉。どちらもすでにエリュシアがレベル8で持っているスキルなので、これは食べる必要ないだろう――と思ったら食うそうだ。違う翼も試したいらしい。素材はルビナ行きだ。
――地下二十五階。
ここまでの宝箱はすべて鋼の武器・防具だった。すべて分解してインゴットに変えている。
このフロアも前階同様、出てくる魔物はトレント、マナトレント、ロックリザード、バルチャーなので楽勝だ。このまま地下三十階のボス部屋まで駆け抜けようと思ったところ、通路の奥に多くの魔物がいるのに気づく。どうやら女性三人の冒険者パーティが囲まれているようだ。
三人のうち武闘家と魔術師が必死に戦っているが、腰に立派な剣を持つ女の子は腰が引け、剣すら抜かず〈闇魔法〉で魔物に状態異常を与えるだけ。
魔物の数が多く、武闘家と魔術師のスキルレベルもそこそこなのだろう、むしろ魔物たちに圧されているように見える。
俺とエリュシアは一気に近づき訊ねた。
「お手伝い必要ですか?」
「ぜひお願いしたい!」
武闘家の女性が返事をしたので、空中のバルチャーはエリュシアに任せ、地上の魔物は俺が〈空間転移〉で背後に回りながら剣で殲滅した。
「助太刀ありがとうございます。助かりました」
礼を言った彼女は、青い武道着を身にまとった二十代中盤に見える武闘家だった。凛とした気品を漂わせる姿は、一目で普通の女性ではないとわかる。道着は体にぴたりと沿い、鍛え上げられた体のラインが美しく際立つ。端正な顔立ちは、強さと美しさを絶妙に混ぜ合わせたものだ。鋭い瞳は遠くを見据え、柔らかな微笑の瞬間でさえも油断を許さない威圧感を帯びている。束ねられた髪が首筋をわずかに撫で、凛とした横顔に気品を添えていた。
彼女の名前はリンファ。Cランク冒険者パーティ〈黎花の翼〉のメンバーで武闘家だが、以前は王宮のメイドだったという。言われてみれば、確かに姿勢やお辞儀の仕方がメイドらしい。
さらに近づいてきたのは魔術師の女性だ。
「いやぁ、ほんと助かったよ。今回はやばかったからね」
先ほどまで〈水魔法〉で必死に戦っていた。陽だまりのような笑顔を浮かべ、ふくよかな体つきは包容力そのもの。仕草ひとつひとつに、不思議と周囲の空気まで明るくなる温かさがあった。深い緑色の魔術師ローブに金糸の刺繍が丁寧に施され、杖の先には淡い光が宿っている。生活感のあるその姿は、誰もが自然と頼りたくなるような魅力を持つ、明るい中年の魔術師だった。
彼女の名前はエルマ。〈黎花の翼〉のメンバーで魔術師だが、以前は王城の料理人だったという。三十代後半に見える彼女は、服装を変えれば食堂にいるおばちゃんに見えるかもしれない。
そして最後の一人。
「あ、あの……ほんとに、あ、ありがとう……ございます」
モジモジしている彼女は、腰に立派な剣を持ちながら〈闇魔法〉しか使わなかった女の子だ。
しなやかに引き締まった肢体を覆うのは、艶のある黒い革の服とショートパンツ。動きやすさを重視した軽装ながら、戦う意思を感じさせる。しかし、肩は小さく、歩くたび裾を気にする指先が揺れる。腰の剣――その重みにまだ慣れていないのかもしれない。仕草には覚悟と不安が入り混じっていた。切り揃えられたボブの髪は少しだけ幼さを感じさせるが、おそらく俺と同じ十代後半くらいだろう。
彼女の名前はヒカル。数か月前まで王城に客人として暮らしていたという。そして、この子がパーティのリーダーらしい。
このパーティは全員、過去に王城に関わる変わった経歴の持ち主だ。
だが、ヒカルが立派な剣を持っているのになぜ使わないのか、俺は気になった。〈鑑定〉してみると――
ヒカル ヒューマン 十八歳
Cランク冒険者 《勇者》
所持スキル:
闇魔法[8]
鑑定[8]
全スキル経験値アップS
アイテムボックスS
全言語理解
〈剣術〉を持たない。そりゃ使えないか。だが、それ以上に――
「《勇者》? もしかして転生者ですか?」
「あ、あれ? 意外と私、有名なので、私を知らない冒険者を見たのは初めてです……」
「ああ、俺、今日この王都に来たばかりで、アストラニア王国から来たんですよ」
ヒカルはこの国では《萎れ花》と蔑まれる冒険者だった。唯一戦闘で使えるのが〈闇魔法〉のみで、勇者の剣『聖剣エルグレイア』を国から貸与されているが〈剣術〉を持たないため、まともに扱えない。しかし、その剣はアレスが見たことのない金属でできていた。
「その剣、何の素材でできてるんですか?」
「ヒヒイロカネらしいです」
ヒヒイロカネ! いまだにミスリルの武器すら見たことないのに、さらに上位の金属だ。
「見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ」
ヒカルが鞘ごと渡したので、俺は剣を鞘から抜いた。
「おー! これがヒヒイロカネ!」
手に取ると、炎のように赤く輝く金属が淡く光を放つ。光沢は金のように重厚でありながら、どこか軽やかで、角度によって深紅から橙色に微妙に変化する。
表面は滑らかで、触れると冷たく硬い。しかし、普通の金属とは違い、どこか温かみを帯びているような錯覚を覚える。光を反射した赤い輝きは、血潮を宿した宝石のように神秘的で、触れる者の心まで震わせる。
俺が感動していると、〈黎花の翼〉の三人は目をまん丸にして驚いていた。
リンファが口を開く。
「その剣は……《勇者》様にしか抜けない剣なのです」
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