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第二章 リーファリアへの道編
076 新たな力と夜明けの二つ名
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〈黎花の翼〉が落ち着いてきたころ、俺は声をかけた。
「おーい、まだ終わりじゃないぞ。ダンジョンコアまで行って、称号とスキルをもらいに行くぞ」
「そうよヒカル。早く行こう! 何がもらえるかな!」
ミリアはヒカルの手を引っ張って、走ろうとしていた。
「ミリア、全員で一緒に行くぞ。慌てるな」
先ほどまでと違い、全員の胸は期待で膨らんでいるようだ。リンファやエルマですら、ワクワクした表情をしていた。
――最下層。ダンジョンコアルーム。
以前、アストラニア王国の『王城の地下迷宮』で見たものと全く同じように、無機質なその部屋の中央には、二メートル四方の黒い立方体が、角を地面に突き立てるように斜めにそびえていた。
気づくと〈黎花の翼〉は全員で手を握り、横一列になっていた。俺とエリュシアもその列に加わることになった。
「じゃあ、全員でダンジョンコアの前まで行こう。近づくだけで大丈夫だ」
全員でダンジョンコアの前に立つと、前回と同じように、機械的な声が頭の中に響いた。
『スキル〈共有(空間)〉を得ました』
【貰った称号・スキル】
アレス
称号 :なし
スキル:〈共有(空間)〉 自分の亜空間の指定した範囲を、他の〈空間魔法〉もつ人と共有できる。
エリュシア
称号 :なし
スキル:〈魔物擬人化〉 食べたことのある魔物を“擬人化”した姿に変身できる。
ヒカル
称号 :なし
スキル:〈光魔法[1]〉
リンファ
称号 :《拳聖》 攻撃力、敏捷が上昇。一部の状態異常無効(毒、睡眠、混乱、魅了、催淫、誘引)。
スキル:〈無音格闘〉 徒手空拳で戦うとき、最初の一撃を相手に感知されない。
エルマ
称号 :《魔聖》 魔法攻撃力、所有魔力量が上昇。一部の状態異常無効(毒、睡眠、混乱、魅了、催淫、誘引)。
スキル:〈秘伝調理〉 〈料理〉スキルレベル+2。新しい調理法や調味法、レシピを次々に思いつく。
ミリア
称号 :《竜騎士》 攻撃力、耐久力が上昇。馬以外にも魔獣、竜に騎乗できる。騎乗時、全ステータス一・五倍(竜の場合は二倍)。
スキル:〈騎乗共鳴〉騎乗対象の生物と精神的に共鳴し、戦闘中にシンクロして攻撃・回避ができる。簡単な会話も可能。
俺とエリュシア、ヒカルは称号をもらえなかった。称号は本来一つしかもらえないのかもしれない。
俺の〈共有(空間)〉は、自分の亜空間の指定した範囲を他の〈空間魔法〉を持つ人と共有できるスキルだ。物のやり取りを許可した人全員と、いつでも行えるため、これまで使っていた指輪やマジックバッグより便利になる。
エリュシアの〈魔物擬人化〉はその名の通り、これまで食べたことのある魔物を“擬人化”した姿に変身できる。バルログやグレートゴートでは魔族っぽい見た目になるが、強さは変わらず、完全に対俺専用のスキルである。絶対、昨晩のサキュバスの影響だろう……。
リンファとエルマの称号《拳聖》《魔聖》は、攻撃のジャンルは違うものの同じような効果を持つ。指輪が不要になったな。
エルマの〈秘伝調理〉は戦闘とは関係ないが、他スキルのレベルを+2できるスキルがあるとは思わなかった。これでエルマの〈料理〉スキルはMAXのレベル10だ。世界最高の料理人かもしれない。
ミリアの《竜騎士》も気になる。元々ミリアは〈騎馬〉スキルを持っているので、馬には乗れるが――竜か。従魔にできるのだろうか。できたとしてもサイズが大きく、ダンジョンには連れて行けないし、十五メートル級のドラゴンを置ける場所は、普通の屋敷にはないだろう。他の《竜騎士》はどうしているのだろう。後でギルドで聞いてみよう。
◇
冒険者ギルドのドアを開け、受付までまっすぐ歩く。
本来、冒険者ギルドへの凱旋のはずなのに、相変わらずヒカルへの蔑む視線は止まらない。
だが今日のヒカルは動じない。リンファやエルマが両脇で視線を遮っているわけでもなく、一人堂々と立っていた。
しばらくすると、周りの冒険者たちもいつもと違う雰囲気のヒカルを見てざわつき始めた。
「最下層でドラゴンを倒してきました」
受付でヒカルがそう報告すると、ギルド内が一斉に騒ぎ始めた。
「うそだろ!? 《萎れ花》だぞ!?」
「あの水色の髪の女! 騎士団最弱の《青の徒花》じゃねぇか!」
「あと、一緒にいるのは元メイドに元料理人だろ? 倒せるわけないだろ!」
俺とエリュシアもいるんだけどね。四人の満面の笑顔のほうが目立ってしまうようだ。
唖然として固まっていた受付嬢がようやく口を開いた。
「ヒ、ヒカルさん、虚偽報告にはペナルティがありますが、ご存知ですよね?」
はあ、とため息をついたヒカルが振り向き
「アレス、ドラゴンの首、出せる?」
「ああ、はい、どうぞ」
二メートル近くあるドラゴンの頭部をその場でヒカルに渡す。
ギルド内は騒然となった。
「これと、あとギルドカードを確認してみて。それでも文句があるなら後で聞いてあげるわ」
ヒカルは無造作に受付のカウンターにドラゴンの首と銀色のギルドカードを置き、腕組みして受付嬢を睨んだ。
「すぐに確認してきます! 少々お待ちください!」
慌てた受付嬢はギルドカードを持ち、事務所の中に駆け込んでいった。
「あたしたちのこと、忘れてんじゃないの?」
エルマがぼそっと言った。
そりゃそうだ。Aランクになるのはヒカルだけではなく、リンファ、エルマ、ミリアもだ。受付嬢はこの三人のカードも確認する必要があるはずだ。
走って戻ってきた受付嬢が
「ただいま確認しておりますので、少々お待ち――」
「あたしたちも一緒に倒したんだけどね!」
そう言ってエルマはギルドカードを受付嬢に投げつけた。この受付嬢は常に冷たい視線をヒカルに送っていた女性で、恨みもあるのだろう。
「私も」「私も」そう言ってリンファとミリアもカードを渡す。エルマのように投げたりはしなかったが、睨みつける目は同じだった。
「失礼しました! 少々お待ちください!」
再び三人のカードを持って事務所に駆け込んでいった。
隣にいたエリュシアがぽつりと聞いた。
「なあ、アレス。アタシたちのギルドカードはいいのか?」
「本当は俺たちのも確認したほうがいいんだけどな。まあ、俺たちは昇格するわけじゃないし、ダンジョン踏破はカードに記録されているから、最悪Sランクになるときだけでも構わないみたいだぞ」
「じゃあ、出さないんだ」
「いや、次に受付嬢が戻ってきたら、『俺もだけど』って言って出すぞ」
「うわ、性格悪ー。アタシもやろーっと」
その後、三度事務所に駆け込む受付嬢がいた。
無事、最下層のドラゴン討伐が認められ、〈黎花の翼〉は金色のAランクカードを手に入れた。
本来はAランク昇格手続きはこれで終了だが、〈黎花の翼〉はギルド長に呼ばれた。ヒカルの二つ名が前回保留されていたからだ。
俺たちはその間にリーファリア王国への通行許可証をもらう手続きを行い、ダンジョンで拾った素材と宝箱の中身を一部売り払った。
ドラゴンの素材を売ってほしいと頼まれたが、俺は売る気はない。次にヒカルたちが潜ったときに頼めばいいとだけ答えた。これまでヒカルを蔑んできた人たちだ。少しぐらい頭を下げてもらわないとな。
しばらくして戻ってきたヒカルは満面の笑みだった。
「アレス! 私の二つ名、《暁咲の剣》だって!」
相変わらず他の人の二つ名は格好いい。『暁咲』はギルド長の造語らしい。『暗闇のような困難や絶望を乗り越え、夜明けの光を掴み、花開いた剣』という意味が込められているそうだ。保留にしたことへの謝意もあるのだろうが、いい言葉だと思う。俺も、そんな二つ名が欲しかったな。
◇
《万紫千紅》でAランクになったときは外で打ち上げをしたが、どう考えてもエルマの料理が一番おいしい。屋敷に戻って打ち上げをすることにした。
俺はアストラニア王国で覚えたカクテルを食後に作って振る舞った。
「みんな、Aランク昇格おめでとう。同時に俺とエリュシアも目的だったダンジョン踏破を達成できた。そこで、俺とエリュシアは四日後にこの国を旅立つことにした」
「いやでーす」
ちょっと酔ったヒカルが俺にしがみつきながら言った。
「ヒカル、俺たちは四日後にまっすぐリーファリア王国に行くんじゃなくて、一度アストラニア王国に戻るんだ。だから、リーファリア王国に行くときには、またこの屋敷に来るよ」
実はアストラニア王国のメンバーに新たなスキルが生えたらしい。レベルを上げてほしいから、一度帰ってきてほしいと頼まれていた。
俺も〈共有(空間)〉を使って亜空間の共有化をしたかったので、ちょうどよかった。
「……どれくらいで戻ってくるの?」
上目遣いで俺を見るヒカル。
「二週間くらいかな」
「……わかった。待ってるね」
そう言うと、普通に俺にキスをしてくるヒカル。こういうところはすごく大胆だ。お酒のせいもあるのだろう。
そして、この四日の間に〈黎花の翼〉のスキルレベル上げと、それぞれが欲しいスキルを渡すことを約束した。
「おーい、まだ終わりじゃないぞ。ダンジョンコアまで行って、称号とスキルをもらいに行くぞ」
「そうよヒカル。早く行こう! 何がもらえるかな!」
ミリアはヒカルの手を引っ張って、走ろうとしていた。
「ミリア、全員で一緒に行くぞ。慌てるな」
先ほどまでと違い、全員の胸は期待で膨らんでいるようだ。リンファやエルマですら、ワクワクした表情をしていた。
――最下層。ダンジョンコアルーム。
以前、アストラニア王国の『王城の地下迷宮』で見たものと全く同じように、無機質なその部屋の中央には、二メートル四方の黒い立方体が、角を地面に突き立てるように斜めにそびえていた。
気づくと〈黎花の翼〉は全員で手を握り、横一列になっていた。俺とエリュシアもその列に加わることになった。
「じゃあ、全員でダンジョンコアの前まで行こう。近づくだけで大丈夫だ」
全員でダンジョンコアの前に立つと、前回と同じように、機械的な声が頭の中に響いた。
『スキル〈共有(空間)〉を得ました』
【貰った称号・スキル】
アレス
称号 :なし
スキル:〈共有(空間)〉 自分の亜空間の指定した範囲を、他の〈空間魔法〉もつ人と共有できる。
エリュシア
称号 :なし
スキル:〈魔物擬人化〉 食べたことのある魔物を“擬人化”した姿に変身できる。
ヒカル
称号 :なし
スキル:〈光魔法[1]〉
リンファ
称号 :《拳聖》 攻撃力、敏捷が上昇。一部の状態異常無効(毒、睡眠、混乱、魅了、催淫、誘引)。
スキル:〈無音格闘〉 徒手空拳で戦うとき、最初の一撃を相手に感知されない。
エルマ
称号 :《魔聖》 魔法攻撃力、所有魔力量が上昇。一部の状態異常無効(毒、睡眠、混乱、魅了、催淫、誘引)。
スキル:〈秘伝調理〉 〈料理〉スキルレベル+2。新しい調理法や調味法、レシピを次々に思いつく。
ミリア
称号 :《竜騎士》 攻撃力、耐久力が上昇。馬以外にも魔獣、竜に騎乗できる。騎乗時、全ステータス一・五倍(竜の場合は二倍)。
スキル:〈騎乗共鳴〉騎乗対象の生物と精神的に共鳴し、戦闘中にシンクロして攻撃・回避ができる。簡単な会話も可能。
俺とエリュシア、ヒカルは称号をもらえなかった。称号は本来一つしかもらえないのかもしれない。
俺の〈共有(空間)〉は、自分の亜空間の指定した範囲を他の〈空間魔法〉を持つ人と共有できるスキルだ。物のやり取りを許可した人全員と、いつでも行えるため、これまで使っていた指輪やマジックバッグより便利になる。
エリュシアの〈魔物擬人化〉はその名の通り、これまで食べたことのある魔物を“擬人化”した姿に変身できる。バルログやグレートゴートでは魔族っぽい見た目になるが、強さは変わらず、完全に対俺専用のスキルである。絶対、昨晩のサキュバスの影響だろう……。
リンファとエルマの称号《拳聖》《魔聖》は、攻撃のジャンルは違うものの同じような効果を持つ。指輪が不要になったな。
エルマの〈秘伝調理〉は戦闘とは関係ないが、他スキルのレベルを+2できるスキルがあるとは思わなかった。これでエルマの〈料理〉スキルはMAXのレベル10だ。世界最高の料理人かもしれない。
ミリアの《竜騎士》も気になる。元々ミリアは〈騎馬〉スキルを持っているので、馬には乗れるが――竜か。従魔にできるのだろうか。できたとしてもサイズが大きく、ダンジョンには連れて行けないし、十五メートル級のドラゴンを置ける場所は、普通の屋敷にはないだろう。他の《竜騎士》はどうしているのだろう。後でギルドで聞いてみよう。
◇
冒険者ギルドのドアを開け、受付までまっすぐ歩く。
本来、冒険者ギルドへの凱旋のはずなのに、相変わらずヒカルへの蔑む視線は止まらない。
だが今日のヒカルは動じない。リンファやエルマが両脇で視線を遮っているわけでもなく、一人堂々と立っていた。
しばらくすると、周りの冒険者たちもいつもと違う雰囲気のヒカルを見てざわつき始めた。
「最下層でドラゴンを倒してきました」
受付でヒカルがそう報告すると、ギルド内が一斉に騒ぎ始めた。
「うそだろ!? 《萎れ花》だぞ!?」
「あの水色の髪の女! 騎士団最弱の《青の徒花》じゃねぇか!」
「あと、一緒にいるのは元メイドに元料理人だろ? 倒せるわけないだろ!」
俺とエリュシアもいるんだけどね。四人の満面の笑顔のほうが目立ってしまうようだ。
唖然として固まっていた受付嬢がようやく口を開いた。
「ヒ、ヒカルさん、虚偽報告にはペナルティがありますが、ご存知ですよね?」
はあ、とため息をついたヒカルが振り向き
「アレス、ドラゴンの首、出せる?」
「ああ、はい、どうぞ」
二メートル近くあるドラゴンの頭部をその場でヒカルに渡す。
ギルド内は騒然となった。
「これと、あとギルドカードを確認してみて。それでも文句があるなら後で聞いてあげるわ」
ヒカルは無造作に受付のカウンターにドラゴンの首と銀色のギルドカードを置き、腕組みして受付嬢を睨んだ。
「すぐに確認してきます! 少々お待ちください!」
慌てた受付嬢はギルドカードを持ち、事務所の中に駆け込んでいった。
「あたしたちのこと、忘れてんじゃないの?」
エルマがぼそっと言った。
そりゃそうだ。Aランクになるのはヒカルだけではなく、リンファ、エルマ、ミリアもだ。受付嬢はこの三人のカードも確認する必要があるはずだ。
走って戻ってきた受付嬢が
「ただいま確認しておりますので、少々お待ち――」
「あたしたちも一緒に倒したんだけどね!」
そう言ってエルマはギルドカードを受付嬢に投げつけた。この受付嬢は常に冷たい視線をヒカルに送っていた女性で、恨みもあるのだろう。
「私も」「私も」そう言ってリンファとミリアもカードを渡す。エルマのように投げたりはしなかったが、睨みつける目は同じだった。
「失礼しました! 少々お待ちください!」
再び三人のカードを持って事務所に駆け込んでいった。
隣にいたエリュシアがぽつりと聞いた。
「なあ、アレス。アタシたちのギルドカードはいいのか?」
「本当は俺たちのも確認したほうがいいんだけどな。まあ、俺たちは昇格するわけじゃないし、ダンジョン踏破はカードに記録されているから、最悪Sランクになるときだけでも構わないみたいだぞ」
「じゃあ、出さないんだ」
「いや、次に受付嬢が戻ってきたら、『俺もだけど』って言って出すぞ」
「うわ、性格悪ー。アタシもやろーっと」
その後、三度事務所に駆け込む受付嬢がいた。
無事、最下層のドラゴン討伐が認められ、〈黎花の翼〉は金色のAランクカードを手に入れた。
本来はAランク昇格手続きはこれで終了だが、〈黎花の翼〉はギルド長に呼ばれた。ヒカルの二つ名が前回保留されていたからだ。
俺たちはその間にリーファリア王国への通行許可証をもらう手続きを行い、ダンジョンで拾った素材と宝箱の中身を一部売り払った。
ドラゴンの素材を売ってほしいと頼まれたが、俺は売る気はない。次にヒカルたちが潜ったときに頼めばいいとだけ答えた。これまでヒカルを蔑んできた人たちだ。少しぐらい頭を下げてもらわないとな。
しばらくして戻ってきたヒカルは満面の笑みだった。
「アレス! 私の二つ名、《暁咲の剣》だって!」
相変わらず他の人の二つ名は格好いい。『暁咲』はギルド長の造語らしい。『暗闇のような困難や絶望を乗り越え、夜明けの光を掴み、花開いた剣』という意味が込められているそうだ。保留にしたことへの謝意もあるのだろうが、いい言葉だと思う。俺も、そんな二つ名が欲しかったな。
◇
《万紫千紅》でAランクになったときは外で打ち上げをしたが、どう考えてもエルマの料理が一番おいしい。屋敷に戻って打ち上げをすることにした。
俺はアストラニア王国で覚えたカクテルを食後に作って振る舞った。
「みんな、Aランク昇格おめでとう。同時に俺とエリュシアも目的だったダンジョン踏破を達成できた。そこで、俺とエリュシアは四日後にこの国を旅立つことにした」
「いやでーす」
ちょっと酔ったヒカルが俺にしがみつきながら言った。
「ヒカル、俺たちは四日後にまっすぐリーファリア王国に行くんじゃなくて、一度アストラニア王国に戻るんだ。だから、リーファリア王国に行くときには、またこの屋敷に来るよ」
実はアストラニア王国のメンバーに新たなスキルが生えたらしい。レベルを上げてほしいから、一度帰ってきてほしいと頼まれていた。
俺も〈共有(空間)〉を使って亜空間の共有化をしたかったので、ちょうどよかった。
「……どれくらいで戻ってくるの?」
上目遣いで俺を見るヒカル。
「二週間くらいかな」
「……わかった。待ってるね」
そう言うと、普通に俺にキスをしてくるヒカル。こういうところはすごく大胆だ。お酒のせいもあるのだろう。
そして、この四日の間に〈黎花の翼〉のスキルレベル上げと、それぞれが欲しいスキルを渡すことを約束した。
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