バカ犬躾けて仇となる

雑田

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「あー、しぬかとおもった」

もはや殺意すらあったんじゃないかという激しい行為の後、ベッドから起き上がることすらできない俺を満足そうな顔をした彰人が抱き上げ、浴室に連れて行った。
ぬるめのシャワーで体をくまなく洗われ、そこでもちゃっかり行為に及ぼうとした彰人を全力で阻止し、ようやく宥めてやっとの思いで湯船に浸かることができた。

「もー、大げさですよ治樹さん! あれくらいで死ぬわけないじゃないですか。俺、ちゃんと加減しましたよ?」
「嘘つけ! あれで加減してるなら、俺は普段3日に1回は死んでるぞ」

疲労困憊した俺の様子をよそに、ヤるだけヤッてすっきりした彰人は2週間前までのハリツヤをすっかり取り戻していた。
後ろから俺に抱きついた状態で見えない尻尾をぶんぶんと振り、ご機嫌な様子で俺の首筋や顔面にうっとうしいくらいにキスしてくる。

あの後も、箍が外れた彰人の性欲により散々に犯され続けた。
最後には、彰人がベッドの淵に座った背面座位の状態で、突くたびに潮を吹くようになった俺のペニスを亀頭が真っ赤になるほど撫で回された。
いやいやと首を振ってもやめてもらえず、下から突き上げられながらペニスを執拗に弄られ、指の間から漏れ出た潮が四方八方に飛び散っていた。
おかげでびしょびしょになったシーツと床は、絶対に寝る前に彰人に掃除させなければ。

「そんなこと言って、治樹さんも久しぶりのセックスに期待してたじゃないですか」
「き、期待、というか…。そりゃまあ、俺だって2週間お前としてなかったわけだし。約束通り2週間我慢できたから、俺なりに返そうと思っただけで…」
「あんなに柔らかくなるまで自分でお尻の穴ほぐして、中にローションまで仕込んでくれてたのはそういうことだったんですね~」
「おまっ、わざわざ口に出して言うな…!」

揶揄いたいのか純粋に嬉しいだけなのか。
犬のように甘えてくる年下のこの男に、なんだかんだ絆されてしまいそうになっている自分も大概だ。
よしよしと頭を撫でていると、不意に彰人が言った。

「……ところで、もう禁欲生活は終わりでいいんですよね?」
「あー、まぁ、そうかな?」

正直、自分の見通しが甘かったとはいえ、2週間セックス禁止にしてこんな目に合うとは思ってもみなかったので、またこんなことになるくらいなら以前のように日々発散してもらった方が身のためかもしれない。
そう思う反面、本当にそれでいいんだろうかと腑に落ちない部分もある。
なんとなく煮え切らない返事をしてしまったせいか、彰人が更に念を押してきた。

「じゃあ、これからはセックス禁止なんて酷いこと、もう言わないでくださいね」
「いやいや待て。そもそもこうなったのは彰人のせいでもあって、お前が日頃からセーブしてくれてれば、」
「治樹さん。俺、日頃からセーブできてましたよね? また禁欲なんてさせられたら、次こそ加減できなくなっちゃいますからね…?」
「……は、ははは」

背後からぎゅっと抱きつかれ、顔を覗き込んできた彰人は微笑んでいるはずなのに仄暗く本気の目をしている。
それ以上物申すことができなくなった俺は、さっきまで彰人にされるがままだった首筋をなんとなく手で隠した。

どうやら俺は、飼い犬の躾け方を間違ってしまったらしい。



end.


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