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第三.五章 文化祭編
第六話 赤い目の人形
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「……終わったよ、蛍」
「へ? あ、あぁ……はい、ありがとうございます」
考え事をしているうちに、化粧が済んでしまったようだ。手に持っていた道具を置くなりボクの顔を支えていた影人さんの手も離れ、互いに近くなっていた距離も少し遠ざかる。
「見てみなよ、多分驚くから」
そう言って手渡されたのは、手のひらより少し大きい程度の小さな鏡。
そういえば黒葛原さんに対しても「お前より上手くできる自信ある」なんて言っていたけれど、どんなもんなのだろう。
黒葛原さんによるボクの化粧顔も、それなり評判は良かったのだ。アレより上手くできる、なんて言うくらいだから相当自信があるのだろうけれど。
「へぇ、そんなに自信がおありで………………え?」
──自信がある、なんてどころではなかった。
かなり、いや、それはもう元がボクとはわからないくらいの代わり映えだった。たとえて言うなら「特殊メイク」か、テレビでよく使われる「ビフォーアフター」。
ぱっちりと大きく強調された目元、透き通るようなきめ細かな白い肌にほんのりと色づいた頬、艶のある唇。
ほんの僅かにボクだと分かる程度に施された黒葛原さんの化粧とは違い、今のボクは完全に男としての要素が消えた顔をしている。
自分の顔ながら、どこの美少女だ……と、見事に見惚れてしまっていた。
正直、今の顔ならそこら辺の女子にすら勝てる自信も……なくはない。
「め、……めっちゃ凄いじゃないですか、影人さん」
「だから言ったでしょ、あいつより上手く出来る自信あるって」
「……えぇ……こりゃ、先手打った黒葛原さんが可哀想に思ってしまうレベルですよ……」
鏡で見る自分の顔に、色んな意味でため息が出る。
黒葛原さんも、メイクの腕にそれなりに自信があるようにドヤ顔してた人だ。こんなのを見せつけられたら、きっと悔しがるに違いない。
何せ、相手は中学の頃の同級生──しかも、男子だ。基本的に女子の武器とされているメイクで男子に負けたとなれば、黒葛原さんがどんな反応をするのやら……。
(黒崎に負けたー! なんて、言いそうな気がするけどなぁ)
まだ見ぬ黒葛原さんの反応に思いを馳せつつ、部屋の隅へ移動。影人さんに背を向ける形で、用意されたメイド服に袖を通す。
……膝上のスカートというのは、やはり慣れない。動きやすくはあるのかもしれないが、どうにも空気の通りが良すぎてスースーする。
女々しいことを言うようだが、これでは少し走っただけで揺れて中が見えてしまうんじゃないかと思うと正直気が気ではない。
(女子はいつもこんな服装で動いているのか……)
中にはそれこそ太股が少し見えるくらいまで、なんて短さで歩いている女子もいる。この感覚に慣れきってしまっているのだろう……女子は強い。
ただ、それなのにうっかり中が見えてしまった途端「えっち!」だの「変態!」だの言ってくるのは少々理不尽に思えるものだが。
(……影人さん、は)
着替えを終えたところで、ボクは影人さんのいる後ろを振り返る。
先ほどボクに見せていた鏡を机上に置き、真剣(に見える様)な目つきで自身の顔に化粧を施していた。
慣れた手つきで睫毛や肌色を整える。毎朝叔母さんが化粧をしている姿を見てはいるけれど、それと大差ないくらい手の動きに迷いがない。
ボクには化粧のことなんて道具も手順もさっぱり分からないが、影人さんにとってはもうお茶の子さいさいなのだろう。
どんな顔になるんだろう。
気がつけば、じっとその姿を後ろから見つめてしまっていた。
「……蛍」
「は、はい?」
「俺、そろそろ着替えるんだけど。見たいの?」
「はい!?」
鏡越しの言葉に、思わずびくりと肩を震わせる。
自分の化粧も終わったのだろう、ポーチの中に道具をしまって服を脱ぎ始める影人さん。
その動作を見るなり顔がかっと熱くなってしまい、思わず目を逸らしてしまった。
日帰り温泉の時は平気だったのになぁ……。
今になって何だか挙動不審な自分に戸惑いつつ、影人さんに背を向けた。
「べべ、別にそういうわけじゃありませんよ! ……なんていうか、凄い手慣れてるみたいでしたから、化粧するの。教えてもらったんですか?」
「うん、バンドの奴らにね。教え方も上手かったし、自分でもやってくうちに慣れた」
「へぇ……」
布が擦れる音だけが響く準備室の中語られる、ちょっとした昔話。
彼の口から語られるバンドの仲間というのは、その存在を知ってはいるものの――まだ、姿かたちを見たことはない。
他の誰かのことを自ら進んで語ることなど滅多にない影人さんが口にするくらいだ、彼にとっては相当信頼のおける仲間なのだということはわかる。
(バンドのメンバーの前だと、どんな感じなんだろうなぁ)
ボクと影人さんが出会うよりずっと前に知り合って、影人さんの心を開いて。きっと、ボクの知らない彼の姿もバンドのメンバーは知っているのだろう。
高校に入ってからずっと二人きりの時間が多かったからか、周りの誰よりも彼のことを理解している気になっていたけれど。ボクが知っている姿なんて、まだほんの一部分なのかもしれない。
そう考えるなり、ボクの口からため息が零れる。それも、気がつけば出てしまっていたという、無意識の――。
「……できたよ」
向こうは向こうで、女装をして文化祭に参加することが憂鬱なのだろう。いつもより重たいため息が聞こえた。
初めて目にすることになる、影人さんの女装。どんな姿になったのだろう、期待に胸を膨らませながらボクはくるりと視線と体を向けた。
「……、……えっ……」
―― 心臓が一瞬だけ止まったかのようだった。
光無くとも輝いて見える銀色のおさげ、造り物かと紛うほどに白く美しい肌。緻密に作り込まれたフランス人形の如く長い睫毛の下で、紅玉の瞳が淡い輝きを放っている。
いつもはマスクで隠されている口元も今は露わになっており、艶やかな桃色の唇が目立ちすぎない程度にその存在を主張している。
頭を飾るヘッドドレスやフリルがたっぷりあしらわれたメイド服がめちゃくちゃ似合う、なんてどころのレベルじゃない。
「服に着られている」という言葉はよく聞いたことあるけれど、今の場合は「服が影人さんに着ていただいている」と表現しても過言ではない。
メイド服の黒が影人さんの銀髪と白い肌を程よく強調していて、彼本来の魅力を更に引き出していた。
「等身大の人形です」と謳ってドール展に飾ったとしても、きっと違和感なく溶け込めるだろう。それほどまでに、今の影人さんの姿は目を見張るほど美しい女性に見事擬態できている。
……世界中の美男美女が、その輝きに恐れおののき平伏してしまうくらいには。
「……蛍」
「……あ、はい。な、なんでしょう」
「もしかして、見惚れてんの?」
カツ、カツ……と、ヒールの音を鳴らす影人さん。ゆっくり縮められる距離に、思わず後ずさりをしてしまう。
「へっ? あ、いや、その」
「鳩が豆鉄砲食ったような顔してたけど」
まぁ、俺顔良いしね。なんて余裕綽々な態度に少しだけ腹が立つ。否定できないのが、尚のこと悔しい。
絶世の美少女(男)に距離を詰められて、じっとその目で見つめられて──平常心でいられるわけがない。
先ほどまで意味不明な動悸に襲われていたボクだ。それも相まってか、余計に体中が熱を帯びて訳のわからない状況になってしまっている。
「っ……か、影人さん、準備出来たなら戻らないと! みんな待ってますから! 会場の準備も手伝わなきゃいけないし!」
「えー……あいつらやる気満々だし、任せればいいじゃん……」
「ここでバックれたら全クラスメイトに缶ジュース一本ですよ、いいんですか?」
いくら見た目を着飾ろうとも、中身は影人さんだ。ダウナーイケメンがダウナー美少女に変わったところで、やる気のない態度は健在である。
ただ、だからといって金を出すのも嫌なのだろう。分かったよ、なんて渋々といった様子で返事をしながら荷物をまとめてドアを開ける。
(影人さんのもとに変な人が舞い込んできませんように……)
揺れる銀色のお下げとその背の後を追いながら、ただ心の中で祈り続けた。
「へ? あ、あぁ……はい、ありがとうございます」
考え事をしているうちに、化粧が済んでしまったようだ。手に持っていた道具を置くなりボクの顔を支えていた影人さんの手も離れ、互いに近くなっていた距離も少し遠ざかる。
「見てみなよ、多分驚くから」
そう言って手渡されたのは、手のひらより少し大きい程度の小さな鏡。
そういえば黒葛原さんに対しても「お前より上手くできる自信ある」なんて言っていたけれど、どんなもんなのだろう。
黒葛原さんによるボクの化粧顔も、それなり評判は良かったのだ。アレより上手くできる、なんて言うくらいだから相当自信があるのだろうけれど。
「へぇ、そんなに自信がおありで………………え?」
──自信がある、なんてどころではなかった。
かなり、いや、それはもう元がボクとはわからないくらいの代わり映えだった。たとえて言うなら「特殊メイク」か、テレビでよく使われる「ビフォーアフター」。
ぱっちりと大きく強調された目元、透き通るようなきめ細かな白い肌にほんのりと色づいた頬、艶のある唇。
ほんの僅かにボクだと分かる程度に施された黒葛原さんの化粧とは違い、今のボクは完全に男としての要素が消えた顔をしている。
自分の顔ながら、どこの美少女だ……と、見事に見惚れてしまっていた。
正直、今の顔ならそこら辺の女子にすら勝てる自信も……なくはない。
「め、……めっちゃ凄いじゃないですか、影人さん」
「だから言ったでしょ、あいつより上手く出来る自信あるって」
「……えぇ……こりゃ、先手打った黒葛原さんが可哀想に思ってしまうレベルですよ……」
鏡で見る自分の顔に、色んな意味でため息が出る。
黒葛原さんも、メイクの腕にそれなりに自信があるようにドヤ顔してた人だ。こんなのを見せつけられたら、きっと悔しがるに違いない。
何せ、相手は中学の頃の同級生──しかも、男子だ。基本的に女子の武器とされているメイクで男子に負けたとなれば、黒葛原さんがどんな反応をするのやら……。
(黒崎に負けたー! なんて、言いそうな気がするけどなぁ)
まだ見ぬ黒葛原さんの反応に思いを馳せつつ、部屋の隅へ移動。影人さんに背を向ける形で、用意されたメイド服に袖を通す。
……膝上のスカートというのは、やはり慣れない。動きやすくはあるのかもしれないが、どうにも空気の通りが良すぎてスースーする。
女々しいことを言うようだが、これでは少し走っただけで揺れて中が見えてしまうんじゃないかと思うと正直気が気ではない。
(女子はいつもこんな服装で動いているのか……)
中にはそれこそ太股が少し見えるくらいまで、なんて短さで歩いている女子もいる。この感覚に慣れきってしまっているのだろう……女子は強い。
ただ、それなのにうっかり中が見えてしまった途端「えっち!」だの「変態!」だの言ってくるのは少々理不尽に思えるものだが。
(……影人さん、は)
着替えを終えたところで、ボクは影人さんのいる後ろを振り返る。
先ほどボクに見せていた鏡を机上に置き、真剣(に見える様)な目つきで自身の顔に化粧を施していた。
慣れた手つきで睫毛や肌色を整える。毎朝叔母さんが化粧をしている姿を見てはいるけれど、それと大差ないくらい手の動きに迷いがない。
ボクには化粧のことなんて道具も手順もさっぱり分からないが、影人さんにとってはもうお茶の子さいさいなのだろう。
どんな顔になるんだろう。
気がつけば、じっとその姿を後ろから見つめてしまっていた。
「……蛍」
「は、はい?」
「俺、そろそろ着替えるんだけど。見たいの?」
「はい!?」
鏡越しの言葉に、思わずびくりと肩を震わせる。
自分の化粧も終わったのだろう、ポーチの中に道具をしまって服を脱ぎ始める影人さん。
その動作を見るなり顔がかっと熱くなってしまい、思わず目を逸らしてしまった。
日帰り温泉の時は平気だったのになぁ……。
今になって何だか挙動不審な自分に戸惑いつつ、影人さんに背を向けた。
「べべ、別にそういうわけじゃありませんよ! ……なんていうか、凄い手慣れてるみたいでしたから、化粧するの。教えてもらったんですか?」
「うん、バンドの奴らにね。教え方も上手かったし、自分でもやってくうちに慣れた」
「へぇ……」
布が擦れる音だけが響く準備室の中語られる、ちょっとした昔話。
彼の口から語られるバンドの仲間というのは、その存在を知ってはいるものの――まだ、姿かたちを見たことはない。
他の誰かのことを自ら進んで語ることなど滅多にない影人さんが口にするくらいだ、彼にとっては相当信頼のおける仲間なのだということはわかる。
(バンドのメンバーの前だと、どんな感じなんだろうなぁ)
ボクと影人さんが出会うよりずっと前に知り合って、影人さんの心を開いて。きっと、ボクの知らない彼の姿もバンドのメンバーは知っているのだろう。
高校に入ってからずっと二人きりの時間が多かったからか、周りの誰よりも彼のことを理解している気になっていたけれど。ボクが知っている姿なんて、まだほんの一部分なのかもしれない。
そう考えるなり、ボクの口からため息が零れる。それも、気がつけば出てしまっていたという、無意識の――。
「……できたよ」
向こうは向こうで、女装をして文化祭に参加することが憂鬱なのだろう。いつもより重たいため息が聞こえた。
初めて目にすることになる、影人さんの女装。どんな姿になったのだろう、期待に胸を膨らませながらボクはくるりと視線と体を向けた。
「……、……えっ……」
―― 心臓が一瞬だけ止まったかのようだった。
光無くとも輝いて見える銀色のおさげ、造り物かと紛うほどに白く美しい肌。緻密に作り込まれたフランス人形の如く長い睫毛の下で、紅玉の瞳が淡い輝きを放っている。
いつもはマスクで隠されている口元も今は露わになっており、艶やかな桃色の唇が目立ちすぎない程度にその存在を主張している。
頭を飾るヘッドドレスやフリルがたっぷりあしらわれたメイド服がめちゃくちゃ似合う、なんてどころのレベルじゃない。
「服に着られている」という言葉はよく聞いたことあるけれど、今の場合は「服が影人さんに着ていただいている」と表現しても過言ではない。
メイド服の黒が影人さんの銀髪と白い肌を程よく強調していて、彼本来の魅力を更に引き出していた。
「等身大の人形です」と謳ってドール展に飾ったとしても、きっと違和感なく溶け込めるだろう。それほどまでに、今の影人さんの姿は目を見張るほど美しい女性に見事擬態できている。
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「……蛍」
「……あ、はい。な、なんでしょう」
「もしかして、見惚れてんの?」
カツ、カツ……と、ヒールの音を鳴らす影人さん。ゆっくり縮められる距離に、思わず後ずさりをしてしまう。
「へっ? あ、いや、その」
「鳩が豆鉄砲食ったような顔してたけど」
まぁ、俺顔良いしね。なんて余裕綽々な態度に少しだけ腹が立つ。否定できないのが、尚のこと悔しい。
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「っ……か、影人さん、準備出来たなら戻らないと! みんな待ってますから! 会場の準備も手伝わなきゃいけないし!」
「えー……あいつらやる気満々だし、任せればいいじゃん……」
「ここでバックれたら全クラスメイトに缶ジュース一本ですよ、いいんですか?」
いくら見た目を着飾ろうとも、中身は影人さんだ。ダウナーイケメンがダウナー美少女に変わったところで、やる気のない態度は健在である。
ただ、だからといって金を出すのも嫌なのだろう。分かったよ、なんて渋々といった様子で返事をしながら荷物をまとめてドアを開ける。
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