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第五章 番外編 影を産んだ女の話
第四話 進展
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「グランツ」に通い始めて数ヶ月──
「三栗谷さん、ここのところ授業中の居眠りやぼんやりしていることが増えたようですが、体調でも悪いのですか?」
「すみません……」
学校でのお昼休憩中、担任に呼ばれた私は職員室に来ていた。
理由は簡単、最近の私の授業態度についてだ。ここのところ「仕事」とグランツ通いで忙しい私は学校で集中力が散漫になることが増えている。
……否、「集中力が散漫」はかなり優しい言い方。正しくは担任が言ったとおりのままだ。
教師の話は右から左で、頭の中はアキラさんのことばかり。ノートは開いた「ふり」、シャーペンも持った「ふり」。
私にとってはもはや呪文のような、どうでもいい話ばかり聞かされている時間だ。
グランツに行きたい、アキラさにんに会いたい──そればかりの私にとって、授業は以前にも増して退屈で苦痛な時間でしかなかった。
「その、最近あまり眠れなくて……」
「そうですか。……睡眠不足は勉強に支障をきたします、しっかり睡眠を取るようにしてくださいね。再来週には期末テストも控えてるんですから」
「……はい」
そんな私の態度がいい加減に見えたのだろう。両親と同じような、冷たく見下ろす目を向けてくる。
きっと、この担任も同じなのだろう。私の成績が悪ければ、それだけクラスの平均点も下がる。
クラスの平均点が下がるということは、担任の評価にも繋がるのだろうから……私にも、頑張ってほしいのだろう。
(──正直……)
(心底、どうでもいいわ)
結局、この人も両親と同じだ。この人にとって私は、きっと学校から見た自分の評価をあげるための道具でしかないのだ。
ただでさえ苦手な勉強を、こんなやつのためになんてなおさら頑張りたくない。
(早くアキラさんに会いたい……)
アキラさんへの想いを叶えたい。
何もかもが邪魔だった。
◇ ◇ ◇
ホストクラブには、「アフター」というシステムも存在するらしい。
簡単に言えば、担当ホストが営業終了後にお客さんとデートをしてくれるというものだ。お店以外でもアキラさんに会える……なんて夢のようなお話なのだろう。
「待たせてごめん、影都ちゃん」
「ううん、大丈夫! アキラさんが来るの、すごく楽しみだったから」
「可愛いこと言ってくれるなぁ」
スマホで調べたところ、初回のお客さんや数回ほど来ただけだと断られる確率が高いらしい。
その点、私は何度もお店に来てはアキラさんに何百万と落としている。それなら大丈夫だろうと踏んで誘ってみたところ、アキラさんは快くOKしてくれた。
お店でしか会えなかったアキラさんと、いつも見慣れた風景を歩いている。
お店では他のお客さんと取り合いも多かったアキラさんが、私一人の隣にいる……。
(私だけのアキラさんだ!)
ライバルのクソババアどももいない、口うるさい両親もいない。同級生も、兄さんもいない……二人だけの世界。
見慣れた道も、変わりないファミレスも、アキラさんが隣にいるだけで何もかもが特別だった。
「ここの日替わりデザートがすごく美味いんだよね、俺もたまに来るんだけどさ。影都ちゃんも食べてみる?」
「うん! じゃあ、私も同じものを注文し」
「影都ちゃん、口開けて」
私をドキドキさせる気怠げな笑顔が、私に向かってスプーンを差し出している。その上には小さくカットされた黄桃とイチゴ、そして寄り添うようにくっついている生クリーム。
……もしかして、これは俗に言う「あーん」というやつなのでは。そう思った瞬間、嬉しさと恥ずかしさで胸の鼓動が早くなる。
(こ、恋人同士みたい……!)
そんな夢のような言葉を心の中で紡ぎつつ、そっと口を開ける。するとスプーンが前へと進み、口の中へと入る。
──なんだろう。すごく甘く感じる。
口の中で生クリームと果物を踊らせるたび、口の中にふわっと甘みが広がっていく。
食べ慣れた生クリームも果物も、なんだかいつもより甘さが増している……気がする。
「おいしい?」
「う、うん……」
「そう。今の影都ちゃん、すごく可愛いよ。食べちゃいたいくらいね」
咀嚼をする私を見て、にっこりと微笑むアキラさん。
いつもはみんなに振りまく笑顔を、今は私にだけ向けてくれる──ただその事実が嬉しくて、心も体も舞い上がる。
(食べちゃいたいくらい可愛い、だなんて)
──そんなの、期待しちゃうじゃないか。
好きな人から「食べちゃいたいくらい可愛い」だなんて言われて、嫌な女がこの世のどこにいるんだろうか。
この人は、私に好意を向けてくれている。
私の何もかもを受け入れて、包んでくれて、こうして私を肯定してくれる。
「……、なら」
「ん?」
「……アキラさんになら、食べられたいな」
きゃー! 言っちゃった! ……などという、どこかでちらっと見かけたドラマのようなセリフが、頭を過ぎる。
ただ、嘘も隠しもしない本心。アキラさんになら食べられたいし、……もっと、近くに来てもらいたい。
「それって、俺のこと好きってこと?」
「う、うん……好き。……ううん、大好き」
「そっかぁ、それは嬉しいな。……俺もね」
私の頬に、大きな手を添えて。
「影都ちゃんのこと、大好きだよ」
心に火が灯る。
燃えさかる炎のように、いつまでも消えない──アキラさんへの想いが、止まらない。
やっとだ。
やっと、アキラさんに「大好き」って言えた。
そして、アキラさんに「大好き」って言ってもらえた。
勉強だらけの毎日、自尊心も何もかも傷つけられていくばかりの毎日から。
ようやく、私は抜け出せそうだ。
「ねぇ、影都ちゃん」
「なぁに?」
「……良かったら、このまま俺んちにおいでよ。影都ちゃんと、もっと一緒にいたいんだ」
……。
願ってもない、嬉しすぎる一言だ。
アキラさんの自宅に、入れてもらえるだなんて。
それに……今のを聞いただろうか?
「もっと一緒にいたい」だって。
「……うん、行く! 私も、今日はずっとアキラさんと一緒にいたい!」
そんなの、私からも言いたかった言葉だった。舞い上がる心を抑えることもせず、私はアキラさんの手を握って答える。
アキラさんは、とても嬉しそうに微笑んでくれた。
あぁ、私はこの人に愛されている! そう思えば、この先の人生は希望しかない。
手強い女どもに、私は勝った。
私はとうとう、アキラさんを自分だけのアキラさんに出来たんだ!
もう、学校なんてどうでもいい。家族なんてどうでもいい。
両親が気にしていた「世間体」だって、どうでもいい。
──私には、アキラさんさえいてくれればいいんだ。
「それじゃ、行こうか。夜道は危ないから、手を繋いで行こうね」
「……うん」
暗い街並みを照らす電光が、私たちを祝福する光のように見える……幸せな夜。
私とアキラさんは、この晩──心も体も、全てが一つになった。
「三栗谷さん、ここのところ授業中の居眠りやぼんやりしていることが増えたようですが、体調でも悪いのですか?」
「すみません……」
学校でのお昼休憩中、担任に呼ばれた私は職員室に来ていた。
理由は簡単、最近の私の授業態度についてだ。ここのところ「仕事」とグランツ通いで忙しい私は学校で集中力が散漫になることが増えている。
……否、「集中力が散漫」はかなり優しい言い方。正しくは担任が言ったとおりのままだ。
教師の話は右から左で、頭の中はアキラさんのことばかり。ノートは開いた「ふり」、シャーペンも持った「ふり」。
私にとってはもはや呪文のような、どうでもいい話ばかり聞かされている時間だ。
グランツに行きたい、アキラさにんに会いたい──そればかりの私にとって、授業は以前にも増して退屈で苦痛な時間でしかなかった。
「その、最近あまり眠れなくて……」
「そうですか。……睡眠不足は勉強に支障をきたします、しっかり睡眠を取るようにしてくださいね。再来週には期末テストも控えてるんですから」
「……はい」
そんな私の態度がいい加減に見えたのだろう。両親と同じような、冷たく見下ろす目を向けてくる。
きっと、この担任も同じなのだろう。私の成績が悪ければ、それだけクラスの平均点も下がる。
クラスの平均点が下がるということは、担任の評価にも繋がるのだろうから……私にも、頑張ってほしいのだろう。
(──正直……)
(心底、どうでもいいわ)
結局、この人も両親と同じだ。この人にとって私は、きっと学校から見た自分の評価をあげるための道具でしかないのだ。
ただでさえ苦手な勉強を、こんなやつのためになんてなおさら頑張りたくない。
(早くアキラさんに会いたい……)
アキラさんへの想いを叶えたい。
何もかもが邪魔だった。
◇ ◇ ◇
ホストクラブには、「アフター」というシステムも存在するらしい。
簡単に言えば、担当ホストが営業終了後にお客さんとデートをしてくれるというものだ。お店以外でもアキラさんに会える……なんて夢のようなお話なのだろう。
「待たせてごめん、影都ちゃん」
「ううん、大丈夫! アキラさんが来るの、すごく楽しみだったから」
「可愛いこと言ってくれるなぁ」
スマホで調べたところ、初回のお客さんや数回ほど来ただけだと断られる確率が高いらしい。
その点、私は何度もお店に来てはアキラさんに何百万と落としている。それなら大丈夫だろうと踏んで誘ってみたところ、アキラさんは快くOKしてくれた。
お店でしか会えなかったアキラさんと、いつも見慣れた風景を歩いている。
お店では他のお客さんと取り合いも多かったアキラさんが、私一人の隣にいる……。
(私だけのアキラさんだ!)
ライバルのクソババアどももいない、口うるさい両親もいない。同級生も、兄さんもいない……二人だけの世界。
見慣れた道も、変わりないファミレスも、アキラさんが隣にいるだけで何もかもが特別だった。
「ここの日替わりデザートがすごく美味いんだよね、俺もたまに来るんだけどさ。影都ちゃんも食べてみる?」
「うん! じゃあ、私も同じものを注文し」
「影都ちゃん、口開けて」
私をドキドキさせる気怠げな笑顔が、私に向かってスプーンを差し出している。その上には小さくカットされた黄桃とイチゴ、そして寄り添うようにくっついている生クリーム。
……もしかして、これは俗に言う「あーん」というやつなのでは。そう思った瞬間、嬉しさと恥ずかしさで胸の鼓動が早くなる。
(こ、恋人同士みたい……!)
そんな夢のような言葉を心の中で紡ぎつつ、そっと口を開ける。するとスプーンが前へと進み、口の中へと入る。
──なんだろう。すごく甘く感じる。
口の中で生クリームと果物を踊らせるたび、口の中にふわっと甘みが広がっていく。
食べ慣れた生クリームも果物も、なんだかいつもより甘さが増している……気がする。
「おいしい?」
「う、うん……」
「そう。今の影都ちゃん、すごく可愛いよ。食べちゃいたいくらいね」
咀嚼をする私を見て、にっこりと微笑むアキラさん。
いつもはみんなに振りまく笑顔を、今は私にだけ向けてくれる──ただその事実が嬉しくて、心も体も舞い上がる。
(食べちゃいたいくらい可愛い、だなんて)
──そんなの、期待しちゃうじゃないか。
好きな人から「食べちゃいたいくらい可愛い」だなんて言われて、嫌な女がこの世のどこにいるんだろうか。
この人は、私に好意を向けてくれている。
私の何もかもを受け入れて、包んでくれて、こうして私を肯定してくれる。
「……、なら」
「ん?」
「……アキラさんになら、食べられたいな」
きゃー! 言っちゃった! ……などという、どこかでちらっと見かけたドラマのようなセリフが、頭を過ぎる。
ただ、嘘も隠しもしない本心。アキラさんになら食べられたいし、……もっと、近くに来てもらいたい。
「それって、俺のこと好きってこと?」
「う、うん……好き。……ううん、大好き」
「そっかぁ、それは嬉しいな。……俺もね」
私の頬に、大きな手を添えて。
「影都ちゃんのこと、大好きだよ」
心に火が灯る。
燃えさかる炎のように、いつまでも消えない──アキラさんへの想いが、止まらない。
やっとだ。
やっと、アキラさんに「大好き」って言えた。
そして、アキラさんに「大好き」って言ってもらえた。
勉強だらけの毎日、自尊心も何もかも傷つけられていくばかりの毎日から。
ようやく、私は抜け出せそうだ。
「ねぇ、影都ちゃん」
「なぁに?」
「……良かったら、このまま俺んちにおいでよ。影都ちゃんと、もっと一緒にいたいんだ」
……。
願ってもない、嬉しすぎる一言だ。
アキラさんの自宅に、入れてもらえるだなんて。
それに……今のを聞いただろうか?
「もっと一緒にいたい」だって。
「……うん、行く! 私も、今日はずっとアキラさんと一緒にいたい!」
そんなの、私からも言いたかった言葉だった。舞い上がる心を抑えることもせず、私はアキラさんの手を握って答える。
アキラさんは、とても嬉しそうに微笑んでくれた。
あぁ、私はこの人に愛されている! そう思えば、この先の人生は希望しかない。
手強い女どもに、私は勝った。
私はとうとう、アキラさんを自分だけのアキラさんに出来たんだ!
もう、学校なんてどうでもいい。家族なんてどうでもいい。
両親が気にしていた「世間体」だって、どうでもいい。
──私には、アキラさんさえいてくれればいいんだ。
「それじゃ、行こうか。夜道は危ないから、手を繋いで行こうね」
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