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第五章 番外編 影を産んだ女の話
第七話 「あいしてる」
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影人の背が少し伸びた。けど、状況は何も変わらない。
切り取られた青空を部屋から見上げるのが、もう精一杯だ。
(…………)
ランドセルを背に、一人で外を歩けるようになった影人。お金の計算も出来るようになって、簡単なおつかい程度ならお願いできるほどに成長した。
「お腹が空いたら、これで好きなものを買って食べてね」……そんなことを、何度繰り返してきたことだろうか。
ゴミ箱に突っ込まれたままのコンビニ弁当が、日に日に増えていく。料理を盛り付けるためのお皿なんて、もう何日も食器棚の中に閉じ込めっぱなしだ。
テーブルの上には影人が持ってきたおたよりやカップ酒のゴミ――処理しきれないほどの物が散乱している。
手元には、最近通い始めた病院からもらった薬。その薬を飲んだ後のゴミでさえ、ゴミ箱に入れずテーブルの上に置きっぱなしだ。
(……彰人さん……)
影人が大きくなってから、彰人さんの暴力もかなり酷くなった。
私たちの体はどこもかしこも傷だらけで……影人に至っては、もう半袖なんて着させてあげられない。
引きずられて皮が剥けた痕、熱湯をかけられて火傷を負った痕、包丁で切られた痕――一目見れば思い出すほど、痛々しくおぞましい。
私よりも小さな影人は、大人でさえ背負いきれないほどの傷を負わされていた。
『影都、ただいま』
『彰人さん……? ……おかえりなさい、彰人さん』
私たちに暴力を振ってばかりの彰人さんも、ごく稀に機嫌良く帰ってくる時もある。
そういう時の彰人さんは、あの頃と同じ笑顔で私を抱いてくれた。
ベッドの上で、大きな手が私の体を優しく撫でてくれる。
穏やかな目で私を見つめながらキスをしてくれて、……私と、激しく繋がってくれる。
完全に愛想を尽かされたわけじゃない。この人は、やっぱり私を愛してくれているんだ。
そう思わせてくれるような彰人さんとセックスは、貴重な安らぎの時間で――何よりの救いだった。
……でも、それが終わればまた元通り。
次に帰ってきた時の彰人さんは、大体機嫌が悪い。
そうして、また私と影人の体に傷跡を増やしていくのだ。
そんな日々を、もう何年も過ごしている。
仕事の時間でもなければ、彰人さんも影人もいない、静かな時間。
こうして部屋で一人でいる時間が、私は大嫌いだった。
ひとりぼっちの時間は、余計なことをぐるぐると考えてしまう。私の思考を邪魔するものが、いない。
……だから、考えたくないことを、考えてしまう。
(彰人さんから「好き」って言葉を最後に聞いたのは、いつだっけ……?)
あの家から出たくて、大好きな彰人さんといつまでも一緒にいたくて……その一心で、今の生活を手にした。
『俺からしたら、しんどくなるまで頑張った影都ちゃんはすげーなって思うよ。本当』
『よく頑張りました』
私にそう言ってくれた彰人さんとなら幸せになれる。
繰り返しになるけれど、私はそう信じてやまなかったのだ。ようやく、両親から抜け出せると思っていたのだから。
……でも、そうして必死になって手に入れた その結果は?
(どうして……こんなことになっちゃったんだろう)
「影都ちゃんはいつも頑張ってる」なんて褒めてもくれなくなった、最愛の人。
いつだって虐げられて、父親に怯えるようになった我が子。
そんな我が子を守れず、最愛の人も怒らせてばかりの……出来損ないの妻。
彰人さんも、影人も、全然幸せそうじゃない。
私が思い描いていた家庭なんて、どこにもないじゃないか。
考えれば考えるほど、気持ちがどんどん暗くなっていく。
もう私なんていなくなってしまえば――そんな思考が過ぎるたび、気付けば自分の体に何度もナイフを立てていた。
病院で目覚めては泣きじゃくる影人の声に我を取り戻し、もう二度とするまいと何度も誓いを立てていたけれど……気がつけば、また。その繰り返しだ。
(私は一体、何をどうすればいいの……?)
望んだ結末とはまったく真逆の現実に、何もかもが崩れてしまいそうだった。
……あぁ、でも。こんなことばかり考えちゃいけない。
この家庭を望んだのは、他の誰でもない私なんだから。
可愛くて傍に起きたくなる「いい奥さん」でいなきゃ。
明るい笑顔で優しい「お母さん」でいなきゃ。
(今度の授業参観……影人のために、行かなきゃ……)
(若くて綺麗で優しそう、って……影人が誇れるお母さんでいなきゃ……)
――紙製の白い袋が目に入る。
そうだ、こういう時にお薬を飲めばいいんだ。
気持ちが落ち着かない時に飲んでください。お医者さんは、そう言ってたはずだ。
これを飲めば、私のこんな気持ちもきっとどこかへ飛んでいく。
自然と笑えていた、あの頃の私に戻れる。家事も育児も頑張れる、"いいお母さん"になれるはずだ。
いつまでもうじうじしていたら、彰人さんにまた怒られちゃう。
影人も、きっと心配してしまうだろう。あの子はとっても優しい男の子だから。
水を用意して、袋の中からお薬を出す。
少し多めに飲んでおけば、早く効いてくれるかな?
大丈夫。私はまだまだ頑張れるわ。
大好きな彰人さんと、優しい影人がついてるんだから。
……大丈夫。
まだ……
まだ――――……
◇ ◇ ◇
青空に桜が映える季節がまた戻り、影人もまた少し大きくなった。
「ママ、ただいま」
小学校三年生になった影人の顔つきも、また少し大人びて。
彰人さんが帰らない日々を嘆く間にも、世界の時は進んでいる――そう、嫌でも実感してしまう。
「……おかえり」
彰人さんは、ますます家に帰らなくなった。私が彰人さんを焦がれれば焦がれるほど、彼は私からどんどん遠ざかっていく。
彰人さんの笑顔が忘れられない。
私に触れてくれたあの手の感触も、繋がってくれた時の悦びも――この体は、隅から隅まで覚えてしまっている。
殴られるのも蹴られるのも怖いけれど、私は彰人さんを嫌いになれない。
時々私を愛でてくれるあの時間を思い出しては、どうしようもなく焦がれてしまう。
そうして体の芯から彰人さんを求めてしまうけれど――現実を振り返れば、絶望しかない。
「ママ、見て。今日、学校の小テストだったんだけどね……」
ランドセルからクリアケースを出し、影人が私にプリントを見せてくる。
漢字の小テストで、10点中9点。なかなか上出来だ、当時の私より頭がいい。
「クラスの中でもいい成績だって、先生に褒められたんだよ。すごいでしょ?」
胸を張りながら、影人がニッコリと微笑んだ。
歯を見せるようなやんちゃな笑顔ではなく、口角を上げて笑みを浮かべる――子ども特有の丸みを帯びた顔の中に、私はどこか大人びた雰囲気を感じ取った。
「……ママ?」
……あぁ、とてもよく似ている。
初めて会った頃、私に優しく微笑んでくれた彰人さんに。
そっと髪の毛に触れてみれば、指の間からすり抜けるようなサラサラとした感触がある。
あの人にそっくりな、艶やかな黒い髪。まるで、あの人の髪の毛を触っているかのようだ。
「ママ? どうしたの?」
もっと顔を見せて。目を丸くする影人の頬をそっと包み、距離を近づける。
きっと、彰人さんが幼い頃はこんな顔をしていたのかもしれない。
彰人さんと私の血を分けた子は――こんなにも、愛しい人にそっくりだ。
(彰人さん……)
見れば見るほど、あの人を思い出す。幼い顔立ちの中に、あの人の面影が見えてしまう。私が今、誰よりも強く求めている人。あの笑顔を、あの温もりを、あの声を――全てが、欲しい。
あぁ、彰人さん。私に触れて。私に愛を囁いて。
さもなければ、貴方に触れさせて。たった一瞬でもいい、貴方を感じさせてほしい。
「ママ? どうしたの? ……なんか、こわい……」
「……彰人さん……」
「え……?」
「愛してるわ、彰人さん」
――小さな唇に触れた瞬間、私の中の「母親」は砕け散った。
切り取られた青空を部屋から見上げるのが、もう精一杯だ。
(…………)
ランドセルを背に、一人で外を歩けるようになった影人。お金の計算も出来るようになって、簡単なおつかい程度ならお願いできるほどに成長した。
「お腹が空いたら、これで好きなものを買って食べてね」……そんなことを、何度繰り返してきたことだろうか。
ゴミ箱に突っ込まれたままのコンビニ弁当が、日に日に増えていく。料理を盛り付けるためのお皿なんて、もう何日も食器棚の中に閉じ込めっぱなしだ。
テーブルの上には影人が持ってきたおたよりやカップ酒のゴミ――処理しきれないほどの物が散乱している。
手元には、最近通い始めた病院からもらった薬。その薬を飲んだ後のゴミでさえ、ゴミ箱に入れずテーブルの上に置きっぱなしだ。
(……彰人さん……)
影人が大きくなってから、彰人さんの暴力もかなり酷くなった。
私たちの体はどこもかしこも傷だらけで……影人に至っては、もう半袖なんて着させてあげられない。
引きずられて皮が剥けた痕、熱湯をかけられて火傷を負った痕、包丁で切られた痕――一目見れば思い出すほど、痛々しくおぞましい。
私よりも小さな影人は、大人でさえ背負いきれないほどの傷を負わされていた。
『影都、ただいま』
『彰人さん……? ……おかえりなさい、彰人さん』
私たちに暴力を振ってばかりの彰人さんも、ごく稀に機嫌良く帰ってくる時もある。
そういう時の彰人さんは、あの頃と同じ笑顔で私を抱いてくれた。
ベッドの上で、大きな手が私の体を優しく撫でてくれる。
穏やかな目で私を見つめながらキスをしてくれて、……私と、激しく繋がってくれる。
完全に愛想を尽かされたわけじゃない。この人は、やっぱり私を愛してくれているんだ。
そう思わせてくれるような彰人さんとセックスは、貴重な安らぎの時間で――何よりの救いだった。
……でも、それが終わればまた元通り。
次に帰ってきた時の彰人さんは、大体機嫌が悪い。
そうして、また私と影人の体に傷跡を増やしていくのだ。
そんな日々を、もう何年も過ごしている。
仕事の時間でもなければ、彰人さんも影人もいない、静かな時間。
こうして部屋で一人でいる時間が、私は大嫌いだった。
ひとりぼっちの時間は、余計なことをぐるぐると考えてしまう。私の思考を邪魔するものが、いない。
……だから、考えたくないことを、考えてしまう。
(彰人さんから「好き」って言葉を最後に聞いたのは、いつだっけ……?)
あの家から出たくて、大好きな彰人さんといつまでも一緒にいたくて……その一心で、今の生活を手にした。
『俺からしたら、しんどくなるまで頑張った影都ちゃんはすげーなって思うよ。本当』
『よく頑張りました』
私にそう言ってくれた彰人さんとなら幸せになれる。
繰り返しになるけれど、私はそう信じてやまなかったのだ。ようやく、両親から抜け出せると思っていたのだから。
……でも、そうして必死になって手に入れた その結果は?
(どうして……こんなことになっちゃったんだろう)
「影都ちゃんはいつも頑張ってる」なんて褒めてもくれなくなった、最愛の人。
いつだって虐げられて、父親に怯えるようになった我が子。
そんな我が子を守れず、最愛の人も怒らせてばかりの……出来損ないの妻。
彰人さんも、影人も、全然幸せそうじゃない。
私が思い描いていた家庭なんて、どこにもないじゃないか。
考えれば考えるほど、気持ちがどんどん暗くなっていく。
もう私なんていなくなってしまえば――そんな思考が過ぎるたび、気付けば自分の体に何度もナイフを立てていた。
病院で目覚めては泣きじゃくる影人の声に我を取り戻し、もう二度とするまいと何度も誓いを立てていたけれど……気がつけば、また。その繰り返しだ。
(私は一体、何をどうすればいいの……?)
望んだ結末とはまったく真逆の現実に、何もかもが崩れてしまいそうだった。
……あぁ、でも。こんなことばかり考えちゃいけない。
この家庭を望んだのは、他の誰でもない私なんだから。
可愛くて傍に起きたくなる「いい奥さん」でいなきゃ。
明るい笑顔で優しい「お母さん」でいなきゃ。
(今度の授業参観……影人のために、行かなきゃ……)
(若くて綺麗で優しそう、って……影人が誇れるお母さんでいなきゃ……)
――紙製の白い袋が目に入る。
そうだ、こういう時にお薬を飲めばいいんだ。
気持ちが落ち着かない時に飲んでください。お医者さんは、そう言ってたはずだ。
これを飲めば、私のこんな気持ちもきっとどこかへ飛んでいく。
自然と笑えていた、あの頃の私に戻れる。家事も育児も頑張れる、"いいお母さん"になれるはずだ。
いつまでもうじうじしていたら、彰人さんにまた怒られちゃう。
影人も、きっと心配してしまうだろう。あの子はとっても優しい男の子だから。
水を用意して、袋の中からお薬を出す。
少し多めに飲んでおけば、早く効いてくれるかな?
大丈夫。私はまだまだ頑張れるわ。
大好きな彰人さんと、優しい影人がついてるんだから。
……大丈夫。
まだ……
まだ――――……
◇ ◇ ◇
青空に桜が映える季節がまた戻り、影人もまた少し大きくなった。
「ママ、ただいま」
小学校三年生になった影人の顔つきも、また少し大人びて。
彰人さんが帰らない日々を嘆く間にも、世界の時は進んでいる――そう、嫌でも実感してしまう。
「……おかえり」
彰人さんは、ますます家に帰らなくなった。私が彰人さんを焦がれれば焦がれるほど、彼は私からどんどん遠ざかっていく。
彰人さんの笑顔が忘れられない。
私に触れてくれたあの手の感触も、繋がってくれた時の悦びも――この体は、隅から隅まで覚えてしまっている。
殴られるのも蹴られるのも怖いけれど、私は彰人さんを嫌いになれない。
時々私を愛でてくれるあの時間を思い出しては、どうしようもなく焦がれてしまう。
そうして体の芯から彰人さんを求めてしまうけれど――現実を振り返れば、絶望しかない。
「ママ、見て。今日、学校の小テストだったんだけどね……」
ランドセルからクリアケースを出し、影人が私にプリントを見せてくる。
漢字の小テストで、10点中9点。なかなか上出来だ、当時の私より頭がいい。
「クラスの中でもいい成績だって、先生に褒められたんだよ。すごいでしょ?」
胸を張りながら、影人がニッコリと微笑んだ。
歯を見せるようなやんちゃな笑顔ではなく、口角を上げて笑みを浮かべる――子ども特有の丸みを帯びた顔の中に、私はどこか大人びた雰囲気を感じ取った。
「……ママ?」
……あぁ、とてもよく似ている。
初めて会った頃、私に優しく微笑んでくれた彰人さんに。
そっと髪の毛に触れてみれば、指の間からすり抜けるようなサラサラとした感触がある。
あの人にそっくりな、艶やかな黒い髪。まるで、あの人の髪の毛を触っているかのようだ。
「ママ? どうしたの?」
もっと顔を見せて。目を丸くする影人の頬をそっと包み、距離を近づける。
きっと、彰人さんが幼い頃はこんな顔をしていたのかもしれない。
彰人さんと私の血を分けた子は――こんなにも、愛しい人にそっくりだ。
(彰人さん……)
見れば見るほど、あの人を思い出す。幼い顔立ちの中に、あの人の面影が見えてしまう。私が今、誰よりも強く求めている人。あの笑顔を、あの温もりを、あの声を――全てが、欲しい。
あぁ、彰人さん。私に触れて。私に愛を囁いて。
さもなければ、貴方に触れさせて。たった一瞬でもいい、貴方を感じさせてほしい。
「ママ? どうしたの? ……なんか、こわい……」
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