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王子との出会い

人生の選択

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取引先の指定した料亭に向かった。
一軒目は無事に終わり、2軒目に行っていた。
ジョンはウィリアムを見て、
「マリアですか?」ジョン
「そう、朝に俺が仕事に行く時、マリアが仕事に行く時、時々、仕事の前に、それと仕事が終わったら、メールか電話をするように言ってあるから。」ウィリアムは説明した。
「ウィリアムって、独占欲強いですか?」苦笑いしてひきつった。
「そうだな。独占欲も強いし、嫉妬深いし、独り占めしたいから、触れられるのも嫌だね。」
「かなり身近な人でも?」
「誰であっても関係ない。傷つけたら許せないし、場合によってはタダじゃおかない。潰すか殺す。」真剣な表情で言った。
「そうですか・・」ひきつった。

マリアはこの日は、ウィリアムたちの夕食がないので、他の会社の夕食を手伝っていた。

ウィリアムは会談をしていた。
昼食は一つ目の会合で、取引先と食べた。
その時にマリアがメールした。
後でそれを見て返信した。

2つ目の会談の時に
(マリアは今日、どこの仕事をしているのだろう)と気にしていた。
自分たちの夕食が中止になったから気になっていた。
明日会えるのに落ち着かない。


ウィリアムとジョンは2つ目の取引先と食事をしていた。
そこに綺麗な女性がいた。取引先の秘書だった。
ウィリアムは全く気にしてなかった。それよりも、マリアが気になっていた。
女性はウィリアムを好きだった。
クランベル国の次期国王継承者でイケメン王子。言う事もない相手だ。
ジョンに取引先の会長が話を持ちかけていた。
「うちの秘書なんだが、令嬢でウィリアムさまを気に入っている。まだ独身でしたよね」会長と聞いた。
「ええ、確かに独身ですが、その話は申し訳ございませんが、お断りします。」ジョンは断った。
「どうしてだね?いい話だが。プリンセスを探していたとか。」会長。
「はい、探してました。ですが、今はもう必要ありません。見つかりましたから。」
「誰でもいいわけではないので、ウィリアムが気に入らないと話が進みません。」ジョン。
「その、見つかった相手は、気に入っているのですか?」会長
「はい、ウィリアムが相手に一目惚れして、つい先日決まりました。ウィリアムが必死になって口説き落としたので、例えこの話をしても断ると思います。」ジョン
「その相手に惚れていると?」
「はい。ウィリアムの方が惚れています。結婚も考えていると思います。」ジョン
「そうですか。」会長

令嬢が話しかけていた。
「お食事進んでます?」令嬢
「え?あぁ、食べている」ウィリアム
「ウィリアムさま、今度、2人でお食事でも行きませんか?」令嬢
「えっ?何の話?」ウィリアムは話を聞いていない。
「食事です。一緒に。」令嬢
「食べているよ」ウィリアム
「連絡先の交換をしてもらえます?今度電話します」令嬢
「連絡先?あぁ、社長に言えば伝わるよ。それか、ジョンにね」ウィリアムは、どこか上の空だった。
令嬢はムスッとしていた。

食事が終わり会談も終わった。
「では、会談の方は宜しくお願いします。」会長
「こちらこそ、宜しくお願いします」ジョン
「こちらの資料はまた後ほど整理して送ります。」会長
「はい、今日はありがとうございました。」ジョン
「はい、ありがとうございました。」会長
「宜しくお願い致します。」ジョン。

見合いの話はいっさいしなかった。
令嬢は不思議がっていた。
ウィリアムも興味なさそうだった。いつもと変わらない。

9時すぎ、
ウィリアムとジョンはホテルへ戻った。

令嬢と会長は帰り道、車の中で話していた。
「ウィリアムさまの事は諦めてください。」
「どうして?」ショックを受けていた。
「もう、婚約者がいます。ウィリアムさまの方が惚れられて、その方をひつこく口説き落としたそうです。もう結婚も考えている。」
「そんな、、今、決めたなら気持ちが変わるかも。」
「やめといた方がいいです。邪魔したら、ウィリアムさまに嫌われますよ。誰であっても、婚約者を傷つけられるのは、死んでも嫌だそうです。男女問わず許せないみたいです。引き下がった方がいい」社長
「さっき、連絡先を聞いたり、デートに誘ったのに、上の空だった。」令嬢。
「でしょうね。婚約者が気になるのでしょう。けっこう束縛と独占欲と嫉妬深いみたいで、肩時も離さないみたいです。メールや電話も毎日して、1日に4回くらいしているとか」社長
「やっぱり、携帯は持っていたんだ。」令嬢
「プライベートの携帯を持っているみたい。婚約者とは、それで連絡を取り合っているみたいですね。」社長
令嬢はショックを受けていた。
本気だったのだろう。

ウィリアムとジョンはホテルにいた。
「では、おやすみなさい」
「明日は10時ですから」
「おやすみ」

部屋に入り、直ぐにメールを見た。
まだ、マリアからメールが来ていない。
10時だった。
『マリア、今どこ?』
『俺は今ホテルの部屋にいる』

10時15分ごろ
『ごめんなさい、今日は1時間残業をしました。今、終わった。』マリアは返信した。
『今から、帰る』
ウィリアムは電話した。
「今、大丈夫?」ウィリアムは心配した。
「うん、今から帰る」マリア
「部屋に来て」ウィリアム
「分かった」マリア
電話を切り、ウィリアムの部屋に行った。

ジョンは部屋に主任を呼び、
マリアのクランベルに行くことを伝えた。手続きが終わり次第連れて行くと伝えた。
ジョンが迎えに行くことも伝えた。

マリアはウィリアムの部屋に行き、
部屋に入ったら、ウィリアムが鍵を掛けて、ギュッと抱きしめられた。
「どうしたの?」マリアも背中に手をまわした。
「うん、マリアに1日会えなかったから、気になって」
「そんな事言ったら、クランベルに帰った時はどうするの?」
「うん、一緒に帰ろうか」
「時間ないし、私は直ぐには行けないよ」マリア
「嫌だ。会えなかったら、狂いそうだよ。」ウィリアムは拗ねた。
「メールも毎日するし、いっとき我慢しよう」マリアと宥めた。
「マリアは寂しくないの?」
「寂しいよ」マリア
「出来るだけ早く手続きをするように言う。」ウィリアム

ウィリアムはマリアの手を引っ張って奥の部屋へ行った。
そう、ベッドの部屋に行き座った。
マリアに濃厚なキスをした。
推し倒したウィリアム
その時、チャイムが鳴った。
「邪魔が入った。待っていて」
(邪魔って)とマリアは苦笑いした。

ウィリアムはドアを開けた。
ジョンが立っていた。
「マリアは?」ジョンは中を見た。
「中にいるけど、さっき仕事が終わって、来てもらった。」ウィリアム
「ちょっといいですか?マリアには聞かせない方がいいと思います」ジョン。
「部屋で待っていて」ウィリアム。
マリアの所へ行き、
「ジョンに呼ばれたから、行ってくる」ウィリアム
「帰ろうか?」マリア
「ダメ。俺が戻るまで帰らない事。待っていて、いいね」ウィリアムはマリアに言った。
「うん、分かった」マリア。
「直ぐに戻る」と言いキスをして、頭を撫でて赤くなっていた。

ウィリアムはジョンの部屋に行くときに、自分の部屋の前にいる騎士に
「俺以外の人が来ても、部屋に入れるなよ。マリアに何かあったら大変だから。」ウィリアム
「了解しました。きちんとお守りします」と騎士は敬礼した。
ウィリアムは勘がいい、危険を感じた。

ジョンの部屋に行った。
そこにはさっき会った令嬢がいた。
「どういうこと?」ウィリアム
「断ったのですが」ジョン。
「今日、会談の時に見合いの話を頼んだら、決まった人がいるからと断られたのですが、どうしても納得いかないし諦めきれなくて。」令嬢
「申し訳ありませんが、もう婚約者が居ますから、お断りします。」ウィリアムは冷静に冷たく言った。
「言ったでしょう、断られると」ジョンは冷静だった。
「じゃ、その人に会わせてください」令嬢
「会ってどうするのですか?」ウィリアムは聞いた。
「どんな人か会ってみたくて、話もしたくて。」令嬢。
「話す必要ないですよ。こちらから断ったのですから、それに危害でも加えられたら嫌なので、その時は私が許しませんよ。」ウィリアムは警戒した。
「別に・・そんなに大切ですか?」令嬢。
「ええ。誰よりも命懸けで彼女を守ります。1番大切な人ですから。」ウィリアム
「今日はもういいでしょう。遅いですし、この話は白紙に戻してください。何もなかったと言うことで。」ジョンは冷静に言った。
「そういう事で、諦めてください、じゃ、俺は行くよ。」ウィリアム
「車は?」ジョンは令嬢に聞いた。
「待たせています」令嬢
「そうですか。エレベータまでお送りして」ジョンは冷静に騎士に伝えた。
皆んなで部屋を出た。 
ウィリアムも途中まで見送り、
自分の部屋の前に行き、騎士に
「何もない?」ウィリアムは聞いた。
「はい、今のところ」騎士
ウィリアムがドアを開けた瞬間、
「ウィリアムさま、後ろ!」と騎士に言われ振り替えるのと、気付くのが同時だった。
令嬢がバックからナイフを取り出していた。
たぶん、婚約者を狙ったのだと思う。ウィリアムがドアを開けた瞬間を狙っていた。
マリアは声を聞いてドアの方へ来た。ウィリアムはマリアが見えていた。マリアに「来るな!」と言った。ウィリアムはドアの隙間を自分の体で塞ぎ、令嬢の腕を掴んで捻った。同時に騎士も令嬢に飛びついて取り抑えた。騎士がナイフを奪って抑えた。
ナイフに大量の血液が付いていた。
「ウィリアムさま、怪我しています」騎士が慌てた。
そこへジョンが近づいて、
「ウィリアム、大丈夫か?」ジョンは腕を見た。
「大丈夫」ウィリアムは腕を押さえていた。
「怪我しています」騎士
ジョンがウィリアムの腕を見て、
腕から流血していた。
「取り敢えず部屋へ入ろう」ジョン。
2人はウィリアムの部屋へ入り、
「病院に連れて行きます、ついてきてください」ジョンはマリアに言った。
「えっ?どうして」マリアはウィリアムの腕を見て「怪我している」と言い少し動揺したが、直ぐに冷静になった。少しドキドキしていた。「分かりました」さすがホテルの教育をされただけある冷静だった。
「荷物はハンドバッグだけでいいです。」ジョンはマリアに言った。
「ウイリアム、腕出して」マリアはウィリアムの左腕にハンドタオルを巻いて抑えた。
「止血だよ。病院までは押さえてて」
マリアは冷静だった。
「ありがとう」ウィリアム。
部屋から出たら、フロントスタッフと警察が来ていた。
令嬢は取り抑えられていた。
「後で事情を聞いてもいいですか?」警察がジョンとウィリアムに言った。「はい、病院に連れて行っても?」ジョンはウィリアムを見て警察に許可をとった。
「はい」警察はウィリアムの怪我を確認した。
「そちらの方は?」とマリアを指した。
「婚約者です」ウィリアムはマリアを見て言った。
令嬢がマリアを睨んだ。
マリアは冷静だった。
ウィリアムと騎士の間に立っていた。
ウィリアムは左腕を押さえていた。
「大丈夫?」マリアは心配した。
「大丈夫」とウィリアムは、ニコッとした。頭を優しく撫でた。
「行こう」とマリアの肩に手をやり、ジョンとウィリアムは病院に行った。
タクシーで病院に行った。

夜間救急で診てもらった。
レントゲンを撮って診察した。
ウィリアムとジョンは少しだけ日本語は話せた。
「傷は割と深いですね。15センチくらいだと思います。」医師
「そうですか」ウィリアム
マリアも心配していた。
ウィリアムは手当をしてもらった。
ジョンとマリアは待合室で待っていた。
ジョンが説明した。
「今日、2つ目の会談の食事で、その時に彼女が来ていて、あの人は相手の取引先の秘書なのです。令嬢でもあるのですが、ウィリアムを気に入っていて、好意を持っていたみたいで、相手の会社の会長から、話は私が聞いたのですが、ウィリアムは上の空でその話は聞いてませんでした。仕事だけはしましたけど。プライベートだったので興味が無かったみたいで。」
「何でうわの空?」マリア
「それは、マリアの事を考えていたからです。今日は夕食をホテルでできなかったから、元々不機嫌でした。ウィリアムには一大事です」ジョン
「それだけで」マリア
「さっきの話ですが、令嬢には、婚約者がいるのでと言って断ったのですが、令嬢も会長の話を聞いていたのに、ホテルに乗り込んできて、ウィリアムに自分で話したのですが、スパッと断られていました。令嬢に婚約者が大切ですか?と聞かれて」
「婚約者はマリアですよ」
「ウィリアムはマリアが1番大切だから命懸けで守ると、傷つけたら許さないと言ってました。」ジョンはニコッとした。
「えっ」マリアは赤くなり
「まさか、それで刺された?」
「それもありますが、マリアを庇ったのでしょう。ウィリアムとしては、怪我するのは珍しいですが、いつもは素早く交わすのです。騎士より素早いですし、剣捌きは優秀です。でも、誰が相手でも、ウィリアムはモテますから、これは王子にはつきものです。大勢の女性が狙っています。ライバルは多いです。でもウィリアムはマリアを愛しています。それは本物です。何があっても信じていいと思います。」
「今日は付いていてあげてください。」
「会談は1日だけなので、明日はウィリアムは静養させます。明後日の夕方に帰る予定でしたが予定を変更して今月末までいます。」ジョンは言った。
「えっいいのですか?」マリア。
「はい、その代わり、マリアも仕事はしなくていいです。職場のホテルには私が話します。手続きを済ませてください。大きな手続きは私がします。」「月曜日から帰るつもりだったので、何もないので、ウィリアムと手続きをしてきてください。」ジョン。

そこへウィリアムが来た。
「大丈夫ですか?」ジョン
「うん、大丈夫」とウィリアムはニコッとした。
マリアの横に座った。
ジョンは会計に行き支払いをした。
「ごめんね。巻き込んで。」ウィリアムはマリアを見た。
「いいよ。ウィリアムは大丈夫?」マリアは心配した。
「うん、俺は大丈夫、マリアに怪我がなくてよかった。」優しく微笑んで頭を撫でた。
「ジョンにウィリアムに付いていてって頼まれた」マリア
「そうなの?」ウィリアム
「月曜日から用事がないから、全部の手続きを2人でしてきてくださいって、今月末までいるみたい」マリア
「本当に?」ウィリアム
「ウィリアムと2人で、仕事も明日からしなくていいから、ホテルにはジョンが話すって言われた」マリア。
「そうなの?」ウィリアム
「後でジョンに聞いて」マリア。
「分かった」ウィリアムはニコッとした。
「もしかしたら、一緒にクランベルに行く気なのかも」ウィリアム
「そうなの?」マリア
「うん、たぶん、今日みたいな事があると、マリア1人じゃ危ないし狙われる」
「まさか・・」マリア。
「いや・・マリアは俺のプリンセスだから、直ぐにこの話は広まる。そしたら狙われる。」
「危害を加える輩が現れる。マリア、自覚してね。もうマリアはプリンセスなのだから。俺らがいない時は騎士が守る、プリンセスを守るのが騎士の役目で仕事。俺といる時は俺が守るよ。今日は不意打ちを喰らった。いつもこうじゃないから。」ニコッとした。

ジョンが来て
「火曜日にもう一度消毒に来て手当をするそうです。マリアも一緒について来てください。」
「帰りましょうか」
「うん」ウィリアム
マリアもニコッとした。
タクシーを呼んでホテルに帰った。

ホテルのフロントで鍵をもらい、
コンシェルジュが待っていた。
「大丈夫でしたか?」
「はい、ご心配かけました。」ウィリアム
「少し深かったですが、大丈夫です。」ジョン。
「そうですか。」
ウィリアムとジョンとマリアは部屋へ行った。












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