9 / 71
第1章 栄光への旅立ち編
第9話 回廊の案内役
しおりを挟む
第9話 回廊の案内
ライムの言葉に、バレンシアがけしきばむ。
「負けてねえよ! あれは他の団が下手打って、別の魔物の軍勢がなだれ込んできたせいじゃねえか」
「んんー。どうあなぁ」
「んだとぉ」
「次は絶対にやっつけてやるであります!」
「ともあれ、だ」
セトカが咳ばらいをした。
「なんとしてでも、我々は回廊を突破し、無事にカラマンダリン山脈の北側へ抜けなければならない。そのためにも魔神アタランティアとの交戦は避け、神速で駆け抜ける。それがもっとも確実な方法だ。わかったな」
不満そうな副団長のバレンシアだったが、「異論はねえよ」と言った。
「じゃあ、早く行きましょ」
ライムが急かすように言ったが、レンジがそれを止めた。
「ちょっと待ってくれ。そういうことなら、その前に話を聞いておくべき人がいる」
セトカは首を傾げた。
「話を? どなたかな」
その時、店の入り口でなにか騒いでいる声がした。
ついで壊れかけてブラブラしている扉が開いて、「あ、こら。貸し切りだ。入れないってのに」と女騎士の声が飛び込んでくる。
「よお、なんか面白そうなことやってるじゃねえか、レンジぃ」
「ギムレット!」
レンジは立ち上がった。ギムレットは、女騎士たちの制止を意に介さず、ずかずか店内に入ってきた。
「お、美人に囲まれて、モテモテだなぁレンジ」
ギムレットはそのままドカッ、とレンジたちの席に座り込む。
そうか。街なかで魔法をぶっぱなすような騒動を起こしてるんだ。この街の冒険者たちの顔役であるギムレットが出てくるのは当然だった。
たとえ、市内の警備兵がびびって知らんぷりを決め込んでいたとしてもだ。
この街のトラブルは見過ごさない。ギムレットはそういう男だった。
「紹介する。このネーブルで最強の冒険者、ギムレットだ。ちょうど良かった。魔神回廊に突入する前に、この人の話を聞いておくべきだったんだ」
その言葉に、セトカたちは顔を見合わせた。そしてギムレットは眉間にシワを寄せた。笑顔が消えている。
「魔神回廊だとぉ」
「なるほど。話はわかった」
着慣れた軽いレザー装備に身を包んだギムレットは、腕組みをしたまま目を閉じて深く息を吐いた。
50歳を迎え、壮年を過ぎようかという年齢のはずだったが、その体をまとう筋肉は衰えを知らないかのように張っている。だが顔には、深いシワが刻まれ、戦いに明け暮れた歳月を感じさせる風貌をしていた。
そのギムレットは、目を開けたかと思うと、笑顔を戻して、レンジの肩を叩いた。
「お前も、大変な役目を引き受けちまったなレンジ。でも俺は、いつかお前がデカいことをやるやつだと信じてたぜ」
そのまま頭をクシャクシャとされたレンジだったが、されるがままにしていた。
ギムレットの言葉は調子のいいお世辞などではなかった。どれほどレンジがパーティから追放されようとも、ギムレットだけは見捨てずに彼を支えて来たのだから。
「あんたらの持ってきた地図」
ギムレットは、テーブルに広げられたデコタンゴール王国家伝の魔神回廊の地図に手を置いた。
「俺たちが15年前に回廊に挑んだ時の古文書と同じだ。おそらく俺たちのものが写しだろう。だが、ここ」
地図の上を指さした。
「ここは現在では足場が崩れている。北側からだと、右回りで迂回しただろう?」
「その通りだ」
ギムレットの言葉にセトカがうなづいた。
「それだと、途中でモンスター溜まりが3つ4つある。見つけにくいが、もっといいルートがある」
すすす、と地図の上のなにも描かれていない場所を指でなぞる。
「この地図はそもそも、完全じゃない。基本的に一本道しか示されてないからな。騒動のあとの警戒態勢を考えると、あんたらが来た時に抜けた道は、使えないと思ったほうがいい」
ギムレットは団長のセトカを見て言った。
「俺が案内しよう」
「ギムレット、駄目だ。」
レンジは思わず首を振った。ギムレットの魔神回廊への想いはわかっている。
しかし、これは危険なミッションなのだ。なにしろ、魔神アタランティアとどこで遭遇するかわからないのだから。
「ギムレット殿。15年前の悲劇については、哀悼の意を表する。だが、なぜ今こんな危険なことに手を貸してくれるのだ。魔神の恐ろしさを一番わかっているのがそなたではないのか」
セトカが重い声で訊ねた。
ギムレットが少し考えて、口を開きかけた時、バレンシアがぶっきらぼうに言った。
「ほんとのところ、アタシたちをぶつけて、魔神を倒したいんじゃねえのかよ」
次の瞬間、ギムレットが身を乗り出してテーブル越しにバレンシアの胸倉のマントを掴んだ。
「俺は! 俺が、このレンジの祖父を回廊で死なせちまったんだ。たった一人の身内をな。俺はこいつに返せねえ義理がある。そのこいつを連れて、あんたらがあの回廊に挑もうってんなら、俺は! 俺は!」
温厚でいつもひょうひょうとしているギムレットが、そんな風に激高するとこころを、レンジは見たことなかった。
ショックで声もかけられなかった。
「俺は、命を懸けて守るこいつを義務があるんだよ! それが、俺の……」
最後は言葉にならず、ギムレットはふっ、と力を抜いてバレンシアを離した。
「わりぃ。俺としたことがな。……頼む。連れて行ってくれ。この通りだ」
頭をテーブルにこすり付けたギムレットを、セトカが抱き起した。
「部下の非礼をお詫びする。こちらからも頼む。そなたは我らよりはるかに回廊に詳しいようだ。どうか我々に力を貸してくれ」
バレンシアも決まり悪そうに頭を下げている。
レンジはギムレットの顔を見られなかった。まだ自分の頬を涙がつたっていたからだ。
いざ出立と、一行は狼の尻尾亭を出た。
普段着のままだったレンジは、ダンジョンに挑むべく装備を整えるため、近くにある自宅に帰った。
前金でもらった金貨も隠さなくてはいけない。300枚ともなると、とても持っていける重さではないからだ。
人払いをする前に、常連客たちに金貨を見られている。噂はあっと言う間に広がる。長い旅になりそうだ。いつ帰ってこられるかわからない。
レンジは一人暮らしだったが、家は両親や祖父も住んでいた大きな建物だ。その地下に、大きな金庫があった。祖父オートーが貴重な物を保管するのに使っていたものだ。
魔法錠で封じるので、普通の盗人ではたちうちができない代物だ。レンジは金庫の奥に置いてある一枚の絵が目に入り、「行ってくるよ」と言って額縁を撫でた。お守りにしている絵だ。
それから金貨をしまって、念入りに魔法をかけた。
「よおし、忘れ物はないな」
食料は騎士団が用意してくれているらしいので、身の回りの装備品を確認し、レンジは家を出た。
たった2日前に、パーティから追い出されたばかりなのに、もう俺はこんな重大な冒険の旅に出ようとしている。
いつもであれば、しばらく干されたあとで、ギムレットが察してまた新しいパーティを紹介してくれる、ということを繰り返していた。自分からはクビになったと、なかなか泣きつきにいけないものだった。
それを思うと、なんだか不思議な気持ちだった。
俺は今、祖父の七光りでもなく、ギムレットのコネでもなく、俺自身の力を必要とされて、仲間たちと旅に出るのだ。
ゾクゾクした。今までにない感覚だった。恐怖心よりも、そんな万能感、英雄感のようなものに体が包まれていた。
家を出たレンジが、玄関のドアにカギをかけていると、聞き覚えのある声がした。
「あー、いた。いたいた。いたよー。リーダー! やっぱこっちだった」
レンジの家は大通りに面している。その往来に、露出の多い盗賊(シーフ)のかっこうをした若い娘が立っていて、通りの先に向かってに手を振っている。
「おまっ。ラウェニア!」
レンジを追放した張本人がそこにいた。小悪魔のような、底意地の悪そうな笑顔を浮かべて。
ライムの言葉に、バレンシアがけしきばむ。
「負けてねえよ! あれは他の団が下手打って、別の魔物の軍勢がなだれ込んできたせいじゃねえか」
「んんー。どうあなぁ」
「んだとぉ」
「次は絶対にやっつけてやるであります!」
「ともあれ、だ」
セトカが咳ばらいをした。
「なんとしてでも、我々は回廊を突破し、無事にカラマンダリン山脈の北側へ抜けなければならない。そのためにも魔神アタランティアとの交戦は避け、神速で駆け抜ける。それがもっとも確実な方法だ。わかったな」
不満そうな副団長のバレンシアだったが、「異論はねえよ」と言った。
「じゃあ、早く行きましょ」
ライムが急かすように言ったが、レンジがそれを止めた。
「ちょっと待ってくれ。そういうことなら、その前に話を聞いておくべき人がいる」
セトカは首を傾げた。
「話を? どなたかな」
その時、店の入り口でなにか騒いでいる声がした。
ついで壊れかけてブラブラしている扉が開いて、「あ、こら。貸し切りだ。入れないってのに」と女騎士の声が飛び込んでくる。
「よお、なんか面白そうなことやってるじゃねえか、レンジぃ」
「ギムレット!」
レンジは立ち上がった。ギムレットは、女騎士たちの制止を意に介さず、ずかずか店内に入ってきた。
「お、美人に囲まれて、モテモテだなぁレンジ」
ギムレットはそのままドカッ、とレンジたちの席に座り込む。
そうか。街なかで魔法をぶっぱなすような騒動を起こしてるんだ。この街の冒険者たちの顔役であるギムレットが出てくるのは当然だった。
たとえ、市内の警備兵がびびって知らんぷりを決め込んでいたとしてもだ。
この街のトラブルは見過ごさない。ギムレットはそういう男だった。
「紹介する。このネーブルで最強の冒険者、ギムレットだ。ちょうど良かった。魔神回廊に突入する前に、この人の話を聞いておくべきだったんだ」
その言葉に、セトカたちは顔を見合わせた。そしてギムレットは眉間にシワを寄せた。笑顔が消えている。
「魔神回廊だとぉ」
「なるほど。話はわかった」
着慣れた軽いレザー装備に身を包んだギムレットは、腕組みをしたまま目を閉じて深く息を吐いた。
50歳を迎え、壮年を過ぎようかという年齢のはずだったが、その体をまとう筋肉は衰えを知らないかのように張っている。だが顔には、深いシワが刻まれ、戦いに明け暮れた歳月を感じさせる風貌をしていた。
そのギムレットは、目を開けたかと思うと、笑顔を戻して、レンジの肩を叩いた。
「お前も、大変な役目を引き受けちまったなレンジ。でも俺は、いつかお前がデカいことをやるやつだと信じてたぜ」
そのまま頭をクシャクシャとされたレンジだったが、されるがままにしていた。
ギムレットの言葉は調子のいいお世辞などではなかった。どれほどレンジがパーティから追放されようとも、ギムレットだけは見捨てずに彼を支えて来たのだから。
「あんたらの持ってきた地図」
ギムレットは、テーブルに広げられたデコタンゴール王国家伝の魔神回廊の地図に手を置いた。
「俺たちが15年前に回廊に挑んだ時の古文書と同じだ。おそらく俺たちのものが写しだろう。だが、ここ」
地図の上を指さした。
「ここは現在では足場が崩れている。北側からだと、右回りで迂回しただろう?」
「その通りだ」
ギムレットの言葉にセトカがうなづいた。
「それだと、途中でモンスター溜まりが3つ4つある。見つけにくいが、もっといいルートがある」
すすす、と地図の上のなにも描かれていない場所を指でなぞる。
「この地図はそもそも、完全じゃない。基本的に一本道しか示されてないからな。騒動のあとの警戒態勢を考えると、あんたらが来た時に抜けた道は、使えないと思ったほうがいい」
ギムレットは団長のセトカを見て言った。
「俺が案内しよう」
「ギムレット、駄目だ。」
レンジは思わず首を振った。ギムレットの魔神回廊への想いはわかっている。
しかし、これは危険なミッションなのだ。なにしろ、魔神アタランティアとどこで遭遇するかわからないのだから。
「ギムレット殿。15年前の悲劇については、哀悼の意を表する。だが、なぜ今こんな危険なことに手を貸してくれるのだ。魔神の恐ろしさを一番わかっているのがそなたではないのか」
セトカが重い声で訊ねた。
ギムレットが少し考えて、口を開きかけた時、バレンシアがぶっきらぼうに言った。
「ほんとのところ、アタシたちをぶつけて、魔神を倒したいんじゃねえのかよ」
次の瞬間、ギムレットが身を乗り出してテーブル越しにバレンシアの胸倉のマントを掴んだ。
「俺は! 俺が、このレンジの祖父を回廊で死なせちまったんだ。たった一人の身内をな。俺はこいつに返せねえ義理がある。そのこいつを連れて、あんたらがあの回廊に挑もうってんなら、俺は! 俺は!」
温厚でいつもひょうひょうとしているギムレットが、そんな風に激高するとこころを、レンジは見たことなかった。
ショックで声もかけられなかった。
「俺は、命を懸けて守るこいつを義務があるんだよ! それが、俺の……」
最後は言葉にならず、ギムレットはふっ、と力を抜いてバレンシアを離した。
「わりぃ。俺としたことがな。……頼む。連れて行ってくれ。この通りだ」
頭をテーブルにこすり付けたギムレットを、セトカが抱き起した。
「部下の非礼をお詫びする。こちらからも頼む。そなたは我らよりはるかに回廊に詳しいようだ。どうか我々に力を貸してくれ」
バレンシアも決まり悪そうに頭を下げている。
レンジはギムレットの顔を見られなかった。まだ自分の頬を涙がつたっていたからだ。
いざ出立と、一行は狼の尻尾亭を出た。
普段着のままだったレンジは、ダンジョンに挑むべく装備を整えるため、近くにある自宅に帰った。
前金でもらった金貨も隠さなくてはいけない。300枚ともなると、とても持っていける重さではないからだ。
人払いをする前に、常連客たちに金貨を見られている。噂はあっと言う間に広がる。長い旅になりそうだ。いつ帰ってこられるかわからない。
レンジは一人暮らしだったが、家は両親や祖父も住んでいた大きな建物だ。その地下に、大きな金庫があった。祖父オートーが貴重な物を保管するのに使っていたものだ。
魔法錠で封じるので、普通の盗人ではたちうちができない代物だ。レンジは金庫の奥に置いてある一枚の絵が目に入り、「行ってくるよ」と言って額縁を撫でた。お守りにしている絵だ。
それから金貨をしまって、念入りに魔法をかけた。
「よおし、忘れ物はないな」
食料は騎士団が用意してくれているらしいので、身の回りの装備品を確認し、レンジは家を出た。
たった2日前に、パーティから追い出されたばかりなのに、もう俺はこんな重大な冒険の旅に出ようとしている。
いつもであれば、しばらく干されたあとで、ギムレットが察してまた新しいパーティを紹介してくれる、ということを繰り返していた。自分からはクビになったと、なかなか泣きつきにいけないものだった。
それを思うと、なんだか不思議な気持ちだった。
俺は今、祖父の七光りでもなく、ギムレットのコネでもなく、俺自身の力を必要とされて、仲間たちと旅に出るのだ。
ゾクゾクした。今までにない感覚だった。恐怖心よりも、そんな万能感、英雄感のようなものに体が包まれていた。
家を出たレンジが、玄関のドアにカギをかけていると、聞き覚えのある声がした。
「あー、いた。いたいた。いたよー。リーダー! やっぱこっちだった」
レンジの家は大通りに面している。その往来に、露出の多い盗賊(シーフ)のかっこうをした若い娘が立っていて、通りの先に向かってに手を振っている。
「おまっ。ラウェニア!」
レンジを追放した張本人がそこにいた。小悪魔のような、底意地の悪そうな笑顔を浮かべて。
0
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
わけありな教え子達が巣立ったので、一人で冒険者やってみた
名無しの夜
ファンタジー
教え子達から突然別れを切り出されたグロウは一人で冒険者として活動してみることに。移動の最中、賊に襲われている令嬢を助けてみれば、令嬢は別れたばかりの教え子にそっくりだった。一方、グロウと別れた教え子三人はとある事情から母国に帰ることに。しかし故郷では恐るべき悪魔が三人を待ち構えていた。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
【完結】大魔術師は庶民の味方です2
枇杷水月
ファンタジー
元侯爵令嬢は薬師となり、疫病から民を守った。
『救国の乙女』と持て囃されるが、本人はただ薬師としての職務を全うしただけだと、称賛を受け入れようとはしなかった。
結婚祝いにと、国王陛下から贈られた旅行を利用して、薬師ミュリエルと恋人のフィンは、双方の家族をバカンスに招待し、婚約式を計画。
顔合わせも無事に遂行し、結婚を許された2人は幸せの絶頂にいた。
しかし、幸せな2人を妬むかのように暗雲が漂う。襲いかかる魔の手から家族を守るため、2人は戦いに挑む。
濡れ衣を着せられ、パーティーを追放されたおっさん、実は最強スキルの持ち主でした。復讐なんてしません。田舎でのんびりスローライフ。
さら
ファンタジー
長年パーティーを支えてきた中年冒険者ガルドは、討伐失敗の責任と横領の濡れ衣を着せられ、仲間から一方的に追放される。弁明も復讐も選ばず、彼が向かったのは人里離れた辺境の小さな村だった。
荒れた空き家を借り、畑を耕し、村人を手伝いながら始めた静かな生活。しかしガルドは、自覚のないまま最強クラスの力を持っていた。魔物の動きを抑え、村の環境そのものを安定させるその存在は、次第に村にとって欠かせないものとなっていく。
一方、彼を追放した元パーティーは崩壊の道を辿り、真実も勝手に明るみに出ていく。だがガルドは振り返らない。求めるのは名誉でもざまぁでもなく、ただ穏やかな日々だけ。
これは、最強でありながら争わず、静かに居場所を見つけたおっさんの、のんびりスローライフ譚。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる