【完結】スライム5兆匹と戦う男

毛虫グレート

文字の大きさ
10 / 71
第1章 栄光への旅立ち編

第10話 名誉のための小芝居

しおりを挟む
第10話 名誉のための小芝居


「おっすー。レンジちゃん。元気してたぁ?」

 口を開くと、ラウェニアの唇がぷるぷると震える。その挑発的なエロい服装といい、一緒に冒険しているあいだ、いつもそばで悶々としてたレンジには、下腹部の海綿体に血が集まってくるのを止められなかった。もう条件反射だ。

 むかつくが、やっぱかわいいなこんちくしょう!

 心の中の叫びとは裏腹に、口に出たのは「あ、どうも」という一言だった。

「やあ、すみませんすみません」

 そこへ追放パーティのリーダー、剣士シトラスが走ってきた。あいかわらず腰が低い。若いのに、すでに苦労人の風格があった。

「さっき、最後のダンジョンの戦利品が全部片付いたんですよ。それで、清算をしようかと」

「ああ、そうか。悪いな。わざわざ」

 パーティでは、冒険で得た利益は山分け、という契約になっていた。生活費がいつもカツカツの底辺魔法使いであるレンジは、かなりその配分には意地汚く、露骨に主張をするので嫌な顔をされることが多かった。
 しかし、今は違う。なにしろ、普通にはお目にかかれない額の金貨を手に入れてしまったのだから。

「ああ、いいよいいよこれで」

 内訳を説明しようとするシトラスを止めて、レンジは自分に用意されていた銀貨をそのまま受け取った。
 めんどくさい男に文句を言わせないため、配分の根拠をしっかりと固めてきたシトラスは、拍子抜けした。

「あ、そうですか。では、これで契約は解除ということで」

「ああ。ありがとう。悪かったな色々」

 ホッとした顔のシトラスと、レンジは握手をした。
 なにしろ、こんなはした金などかすむような大金が、いま自分の家の金庫に眠っているのだ。

 そこへ、遅れてシトラスの仲間たちがやってきた。そのなかに、見慣れない顔の男がいた。魔法使いのローブを着ている。まだ若い。10代だろうか。耳にはピアス2つずつ。
 男はレンジの視線に気づいて、「あ、ちーっす」と頭を一瞬下げた。

「あ、新人?」

「ええ」

 バツが悪そうにシトラスが答える。

 俺の後釜か……。

 レンジは陰鬱な気持ちになった。たった2日でもう新しい魔法使いが加わっている。
 きっと、俺より能力が高いんだろうな。変な年齢の壁もないし。俺を厄介払いできて、みんなハッピーハッピー。良かったじゃないか。

 あ、これ、この感じ、エールを吐くまで飲みたくなるやつだ。

 レンジは頭を振って、嫌な気持ちを振り払う。

「なー。レンジちゃ~ん」

 ラウェニアが蠱惑的な声色で言う。形の良い腰をぐっと右へ入れて手を添えている。

「あんたいつまで冒険者続けんのぉ~? もう28でしょ。いいかげん自分の人生見つめてみなよぉ」


「おい、ラウェニア」

 シトラスが焦って、服の袖を引っ張った。
 本人はそれを無視して続ける。

「あんたのために言ってんのよぉ。正直もう、あんたを雇うパーティないと思うんだよね。あたしたちも噂で聞いてて、ヤダっつってんのに、リーダーがギムレットさんの頼みは断れないっつってさ。うちらはこれで縁切れていいけど、他のパーティもいつまでもあんたを雇ってやらないと思うよぉ。って、もがもがもが」

 ようやくシトラスがラウェニアの口をふさいだ。若い魔法使いの男がそれを見て、ニヤニヤしている。

 レンジが俯いて黙っていると、シトラスの手をかいくぐって、ラウェニアがとどめの一言を放った。

「引退しろよモジャモジャ頭! あんた役立たずなんだよバカ」

 レンジは自分の頭を撫でた。たしかにモジャモジャしている。生まれついてのモジャ毛だ。だから、そう言われてもしかたがない。後半はなんて言ってるのかよく聞き取れなかった。

「もういいかな。これから出掛けなきゃいけないんだ」

 力なくそう言ったレンジに、シトラスは「あの。なんて言っていいか。すみません」と頭を下げた。

 レンジが歩き出し、ラウェニアがさらに追い打ちの言葉を放とうとしていて、新入り魔法使いがガムを噛みながら「もういいっしょ」と言いかけた時だった。

「お迎えに上がりましたレンジ殿!」

 セトカの良く通る声が、大通りに響いた。

 いつの間に現れたのか、おそろいの白いマントに白い鎧という女性騎士たちの一団が、通りの石畳の上に整列している。
 そして、先頭のセトカが片膝を地面について顔を上げた。
 それにうしろの騎士たちが一斉にならい、ザザッという小気味のよい音がそろった。

「レンジ殿。ともに参りましょう。我らにあなたのその力をお貸しください」

 セトカは真摯なまなざしをレンジに向けてそう言った。

「ともに」

 セトカがもう一度言うと、騎士たちも「ともに!」と声をそろえて復唱する。
 バレンシアもとても楽しそうに声を出していた。

 シトラスやラウェニアたちは、なにが起こっているのかわからず目を白黒させている。
 レンジは驚いたが、ラウェニアに罵倒されていたのをセトカたちに聞かれていたのだと気づいた。

「ちょっとぉ。目立たないでよね、こんなとこで。あんたらマジで」

 魔法使いたちは少し離れた場所にいて、魔術師長のライムがぶつぶつと文句を言っている。

「プライドだとか名誉だとかにマジでムキになるよね、脳筋たちは。わっかんないわー」

 そうなのだ。セトカたちは、俺のために芝居を打ってくれているのだ。

 レンジは膝が震えた。それは魔物に怯えたときのそれとはまったく違った。まったく、違っていた。

「た、立ってくれ」

 レンジの言葉に、セトカは顔を向けただけだった。

 レンジは癖で頭をかき、その手を服の腹で拭いたあとで、目の前で片膝をつく女騎士に差し出した。

「ああ。ともに、行こう」

 セトカはにっこりと笑うと、その手を握り返し、ゆったりと立ち上がった。うしろに控える騎士たちも立ち上がり、ザンッという音を立てて、両足を揃えた。
 壮観な絵だった。

「な、なに。なんなのあんたら」

 ラウェニアはうろたえて、シトラスにもたれかかった。そのシトラスはセトカの美しい姿に目を奪われていた。

「きれいだ」

「はあ?」

 ラウェニアは目を剥いたが、パーティのほかの男たちも全員同じ状態だった。白い女騎士たちの姿に目を奪われている。

「あのへたれ魔法使いが、どうなってんのよこれ」

 ラウェニアの悪態に目もくれず、セトカは手で合図をする。すると、騎士たちはいっせいに左右にわかれ、道を開けた。
 そこを、セトカに先導され、レンジは進んでいく。
 そして横から現れたギムレットが、「よおし、久しぶりに肩車だ。子どものころによくやってやったろ。懐かしいな」と言って、レンジを股から担ぎ上げた。

「どわああ」

「落ちんなよ。どうだ。いい景色だろう」

 視界が高くなり、周りがよく見えた。

 往来の人々の目線がこちらに向いている。騎士たちを引き連れて歩くレンジを、みんな見ているのだ。
 今までの人生で、こんなに注目されることはなかった。気恥ずかしさと、高揚感が入り混じって、なんだかふわふわしている。

「どおれ。英雄の門出だぁ。派手に祝うとするか」

 ギムレットはそう言うと、レンジを肩車したまま懐から皮袋を取り出した。手を突っ込むと、金色の砂が握られている。
 砂金だった。さっき魔神回廊の案内をする報酬として、セトカからもらったものだった。レンジの金貨ほどではないが、これもかなりの額だったはずだ。

「それ!」

 ギムレットはそれを、空にまいた。

 無数の砂金が、太陽の光を反射して、キラキラと輝きながらレンジたちのまわりにシャワーのように降り注ぐ。

 周囲の人々がそれを見て、「ワッ」と歓声を上げた。

「私もやりたいであります!」

「お、やれやれ。お嬢ちゃんも」

 許可をもらったマーコットは、ギムレットの皮袋に手を突っ込んで、砂金をつかむと、派手にばらまいた。
 さらに、二度、三度とそれを繰り返しながら、まるで子どものように、「わーっ」と楽しげな声を出して喜んでいる。

「容赦ねえなぁ」

 ギムレットは苦笑した。ほかの女騎士たちも手を叩いて喜んでいる。
 しかし、レンジはギムレットの頭の上で揺られながら、ヒュッと、心臓に冷たいものが走ったのを感じていた。
 そして、思わずギムレットの肩をつかんだ。

「ギムレット。じいちゃんの代わりに、今度は自分が、ってのはナシだぜ」

 小さな声でそう言った。死ぬ気だと思ったからだ。15年前の討伐隊のリーダーだったギムレットが生き残ったのは、オートーが身をていして彼を守ったからだと、レンジは古参の冒険者に聞かされた。
 それを聞いて、ギムレットを恨む気持ちがなかった、というと嘘になる。しかしもうレンジも大人だ。ギムレットがまだこの街に必要な男だと、オートーは思ったのだ。その意思は、ギムレット自身が汲み、受け継いでいくべきものなのだろう。

 だが同じことを繰り返して欲しくはない。
 13歳で天涯孤独の身となったレンジにとって、ギムレットはまさに親代わりだった。
 ほかの冒険者の連中がギムレットのことを慕って、「オヤジ」と呼んでいるのをよく耳にした。けれど、レンジにはそれがどうしても恥ずかしくて言えなかった。
 今、自然にその言葉が、口をついて出たのを、レンジは自分でも気づかなかったくらいだった。

「ナシだぜ。……オヤジ」

 ギムレットの、レンジの足を持つ手が一瞬熱くなった気がした。
 次の瞬間、豪快な笑い声が飛び出す。

「言うようになったな、ガキが。まだまだ青二才に心配されるほど、もうろくしちゃいねえよ!」

 ギムレットは足を持つ手を揺らした。

「うわ。落ちる、落ちるって」

 その騒ぎを見ながら、ライムは呆れた声を出した。

「だーかーらぁ、目立つなって言ってるでしょ。こいつらぁ!」

 そして、ローブの腰から杖を抜いたかと思うと、それを振りぬいた。

「あーもう。知らないからね」

 そう言った瞬間、上空が淡く光ったかと思うと、砂金の舞うさらにその上から、色とりどりの花が、舞い落ちてきた。
 その花びらが、レンジたち一行の行く道を鮮やかに彩っていった。

 まるで英雄神話に出てくるような光景に、思わず見とれていたラウェニアだったが、ハッと我に返り、去っていくレンジに大声で叫んだ。

「おい。くそレンジ! どこに、なにしに行くってんだよテメー」

 鬱屈した日々の中で浴びせられた罵声は、あんなにキツかったのに、そんな悪態も今のレンジには、なんだかかわいらしく感じられた。
 
 レンジは体をひねって振り返り、右手を挙げてみせた。

「北へ。スライムを、倒しに」

 そうして冗談めかした笑顔を浮かべ、去っていく。

「はあ? なによそれ。……わけわかんない!」

 残されたラウェニアやシトラス、先日レンジを追放したばかりの面々は、去って行く一団を見ながら、茫然と立ち尽くしていた。


 ――第1章 栄光への旅立ち編・完
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした

黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。 地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。 魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。 これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。 「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

濡れ衣を着せられ、パーティーを追放されたおっさん、実は最強スキルの持ち主でした。復讐なんてしません。田舎でのんびりスローライフ。

さら
ファンタジー
長年パーティーを支えてきた中年冒険者ガルドは、討伐失敗の責任と横領の濡れ衣を着せられ、仲間から一方的に追放される。弁明も復讐も選ばず、彼が向かったのは人里離れた辺境の小さな村だった。 荒れた空き家を借り、畑を耕し、村人を手伝いながら始めた静かな生活。しかしガルドは、自覚のないまま最強クラスの力を持っていた。魔物の動きを抑え、村の環境そのものを安定させるその存在は、次第に村にとって欠かせないものとなっていく。 一方、彼を追放した元パーティーは崩壊の道を辿り、真実も勝手に明るみに出ていく。だがガルドは振り返らない。求めるのは名誉でもざまぁでもなく、ただ穏やかな日々だけ。 これは、最強でありながら争わず、静かに居場所を見つけたおっさんの、のんびりスローライフ譚。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

処理中です...