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第004話 生活基盤ゲットだぜ(予定)
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「へぇ。行商までされているんですか。いやぁ、お若い!!」
「ゃだよぉ、そんな。おだてても何も出ないよぉ?」
「そんな、おだててなんかないですよ? 本心です、本心」
「あんれまぁ。口が上手くってぇ」
派遣先にはイベント会社への出向というのもありまして。
コミュ障気味ではありましたが、お仕事というのであれば否応なく。
司会もあれば、物販、テキ屋のあんちゃんというのも経験済みという事で。
あっとうてきこみにけーしょん能力を以って、おば様を篭絡した次第でございます。
いや、火の向こうでめっちゃ胡散臭いものを見る目でこちらを眺めている少女もいる訳ですが。
おっさん人生が長いと、こう、少女に胡散臭い目を向けられるのに慣れているというか。
飴ちゃんいる、とか聞きたくなってしまった。
お腹ペコペコな旨を伝えると、行商に出た残り物をミックスしたとろみありの野菜スープを分けてくれたので舌鼓。
その後はおべっか、追従、ヨイショの嵐を仕掛けてみた次第。
という訳で、和んだところで色々と話をしてみたのですが。
少女の名前は、リサさん。
十六歳のぴちぴち女子高校生。
いや、高校とかないので、家事手伝い。
で、妙齢の女性がセベルさん。
御年は教えてもらえなかったけど、二児の母。
ちなみにお子様は既に成人して、元気に農業に励んでいるという事で。
ここで野営している理由としては、村で出来た作物を近くの町に売りに行った帰りだそう。
村からは町までは馬車に満載状態で二日かからない程度の距離。
村までは後四半日程度の距離なのだそうで。
この岩場が復路の野営ポイントとなっていて、ここで休憩するのが一般的との事。
しかし二日がかりの距離を馬車があるといっても女性が二人で旅をするのは如何なものかと思うけど。
どうも男性陣は秋口の収穫に忙しく、比較的手隙な女性が行商に出る文化みたい。
「これがあるから」
ぼそっと呟いたリサさんが、ちょっと誇らし気な表情で弓を持ち上げて見せてくる。
家事手伝いではありますが、家のお仕事は猟師をしている。
リサさんも猟に出るが故、お手伝い以上護衛未満な感じで同行しているとの事でした。
「護衛を買って出るなんて凄いですね」
心底から褒めてみると、ちょっと照れたような表情が返ってくるのはスレてなくて好感度大。
あぁ、私に関しては、記憶喪失でふらついている謎のおっさんであるミシマという事にしておきました。
何か細かい事を聞かれても、答えようがありませんし。
「じゃあ、行く当てがないんかぃ」
「そうなんですよ。飢えて野垂れ死に寸前でした」
「あんれまぁ……」
という訳で、セベルさんと交渉して村で少しの間過ごす許可を頂きました。
どうも、行商に出られるだけの学があるのは村長筋の人間ぐらいのようで。
セベルさんは先代の村長さんの娘で、村に一件しかない商家にお嫁に出たそうです。
なので、ある程度の権限は持っているようなので、このまま交渉をお願いしようかなと。
「じゃあ、夜番は任せて下さい」
ザ・夜型人間。
三日三晩の徹夜は織り込み済みの社畜としましては、健全な肉体を得た今、少々の夜番程度は大丈夫だろうと買って出る事に。
元々道沿いだし、そこまで危険な場所でもないので夜番を置かないレベルでも、折角人員がいるんだからと説き伏せて、毛布に包まってもらう。
さてさて。
当座の生活基盤はゲット出来たのかなと、秋の夜長に向かって沈思黙考する事にした。
「ゃだよぉ、そんな。おだてても何も出ないよぉ?」
「そんな、おだててなんかないですよ? 本心です、本心」
「あんれまぁ。口が上手くってぇ」
派遣先にはイベント会社への出向というのもありまして。
コミュ障気味ではありましたが、お仕事というのであれば否応なく。
司会もあれば、物販、テキ屋のあんちゃんというのも経験済みという事で。
あっとうてきこみにけーしょん能力を以って、おば様を篭絡した次第でございます。
いや、火の向こうでめっちゃ胡散臭いものを見る目でこちらを眺めている少女もいる訳ですが。
おっさん人生が長いと、こう、少女に胡散臭い目を向けられるのに慣れているというか。
飴ちゃんいる、とか聞きたくなってしまった。
お腹ペコペコな旨を伝えると、行商に出た残り物をミックスしたとろみありの野菜スープを分けてくれたので舌鼓。
その後はおべっか、追従、ヨイショの嵐を仕掛けてみた次第。
という訳で、和んだところで色々と話をしてみたのですが。
少女の名前は、リサさん。
十六歳のぴちぴち女子高校生。
いや、高校とかないので、家事手伝い。
で、妙齢の女性がセベルさん。
御年は教えてもらえなかったけど、二児の母。
ちなみにお子様は既に成人して、元気に農業に励んでいるという事で。
ここで野営している理由としては、村で出来た作物を近くの町に売りに行った帰りだそう。
村からは町までは馬車に満載状態で二日かからない程度の距離。
村までは後四半日程度の距離なのだそうで。
この岩場が復路の野営ポイントとなっていて、ここで休憩するのが一般的との事。
しかし二日がかりの距離を馬車があるといっても女性が二人で旅をするのは如何なものかと思うけど。
どうも男性陣は秋口の収穫に忙しく、比較的手隙な女性が行商に出る文化みたい。
「これがあるから」
ぼそっと呟いたリサさんが、ちょっと誇らし気な表情で弓を持ち上げて見せてくる。
家事手伝いではありますが、家のお仕事は猟師をしている。
リサさんも猟に出るが故、お手伝い以上護衛未満な感じで同行しているとの事でした。
「護衛を買って出るなんて凄いですね」
心底から褒めてみると、ちょっと照れたような表情が返ってくるのはスレてなくて好感度大。
あぁ、私に関しては、記憶喪失でふらついている謎のおっさんであるミシマという事にしておきました。
何か細かい事を聞かれても、答えようがありませんし。
「じゃあ、行く当てがないんかぃ」
「そうなんですよ。飢えて野垂れ死に寸前でした」
「あんれまぁ……」
という訳で、セベルさんと交渉して村で少しの間過ごす許可を頂きました。
どうも、行商に出られるだけの学があるのは村長筋の人間ぐらいのようで。
セベルさんは先代の村長さんの娘で、村に一件しかない商家にお嫁に出たそうです。
なので、ある程度の権限は持っているようなので、このまま交渉をお願いしようかなと。
「じゃあ、夜番は任せて下さい」
ザ・夜型人間。
三日三晩の徹夜は織り込み済みの社畜としましては、健全な肉体を得た今、少々の夜番程度は大丈夫だろうと買って出る事に。
元々道沿いだし、そこまで危険な場所でもないので夜番を置かないレベルでも、折角人員がいるんだからと説き伏せて、毛布に包まってもらう。
さてさて。
当座の生活基盤はゲット出来たのかなと、秋の夜長に向かって沈思黙考する事にした。
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