精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

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第071話 精霊炉

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 村に到着しまして、ハッサム君を皆さんに紹介しました。

 その中でフレッド君はちょっと驚いたご様子。

 元々鋳造の金型の元。

 木型をフレッド君の工房で作って卸していたので、仲良しさんだったとの事。

 ちょっと照れた感じで、フレッド君がハッサム君を案内しているのが微笑ましいです。

 村のお姉様方も、ほぉっと熱い息を漏らしながら眺めていますね。

 うん、時と場所を移しても、きっとお腐れ様はいらっしゃるのでしょう。

 ざぁっと、村の案内が終わったら、工房に案内します。

 火を扱うという事で、湖のほとりに建てたフレッド君渾身の一軒家。

 工房兼住居です。

 これにはハッサム君も感動のご様子。

 今まで、大家族から弟子として集団に入ったので、自分の部屋とか持った事が無いそうで。

 独立の味を噛み締めているようです。

 で、工房には。

 じゃーん。

 本邦初公開。

 精霊さん炉、略して精霊炉。

 こちら、一般的な炉の構造を聞き出しまして精霊さんと一緒に作った逸品。

 端に無限回転ダイヤルチックな木の円柱が出ていまして。

 そちらを回すと、精霊さんがふー。

 息を吹きかけると、炎がぼー。

 もっと回すと、ふーふー。

 炎が勢いよくぼーぼー。

 もっともっと回すと、横で待機してた精霊さんがてちてち移動して一緒にふーふー。

 炎の色がどんどん変わっていきます。

 と、実践したところ。

 ハッサム君、呆然自失です。

 金属加工の肝心かなめは温度管理となります。

 そのためには、炎を色の見極め、そして炎を望むだけ熾す技が必要です。

 それが、ダイヤルをくるくるするだけで簡単に操作出来ちゃう。

 ちょっとの間、現実と理想の間でもがき、格闘していたようですが。

 魔道具と説明し、技術向上も重要だけど量産も重要だと伝えたら、ふんすと気合が入りました。

 ちなみに、炉の精霊さん達もふんすと。

 お仕事出来る場所は人気なので、炉はかなり高倍率だそうです。

 一等地?

 で、ですね。

 量産を希望する物、第一位は。

 ドルルルルルルルルルル、ドン。

 つーりーばーりー。

 いやね。

 農機具とか、色々あるだろうと言いたい気持ちは分かります。

 でも、そういうのって町でそこそこの数を買ってきたし、フレッド君がある程度手入れしてくれているので、比較的需要が無いのです。

 釣り針に関してはですね。

 村の男衆の一定数以上が、釣りに目覚めてしまいましてね。

 鰻筌で良いじゃんという話なのですが。

 暇を見つけては、ぽちょんぽちょんと釣りに勤しんでいるんですよ。

 で。

 針はともかく、糸が貧弱なのは相変わらずで。

 ぷっつん、ぷっつん、針を取られるケースが多発しておりまして。

 その都度私が釣り針を作るとなると、発狂しそうになるので。

 男衆にも作り方を教えたのですが。

 それ以上のペースでぷっつん、ぷっつん。

 挙句の果てには、奥様の裁縫用の針をくすねて作り替えちゃう人も出て。

 あぁ、大丈夫です。

 ぷっつんした奥様の鉄拳制裁済みなので。

 そんな需要が急上昇の釣り針を量産して欲しいなと。

 出来れば、鋳造でがっぽがっぽ作ってもらえればありがたい次第なのです。

 という訳で、ハッサム君に釣り針とはなんぞいやから説明し、制作に進むのでした。

 ちなみに、これを機にハッサム君が試験を経て、釣りに嵌まるとまでは私も見通せてなかったですけどね。

 読めなかった、この私の目をもってしても……。
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