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第103話 代行

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 とりあえず、住居が幾つか建った段階で生殺与奪抽選会の勝者が徐々に領軍の人に連れられながら、村に到着し始めました。

 あ、ちなみに。

 抽選を外れた方は前科がある人となっております。

 流石に犯罪を手段として認識した人を村に組み込むのはまずかろうと断腸の思いで今回は外しました。

 ただ、これだけの人数が動いたので町の方でも手当はしやすくなったそうなので、早晩飢える事はないだろうという話は救いでした。

 それでも、ビル間鉄骨渡りみたいな選別を行ったんだなというのはちょっと嫌な感覚が残っているので、来られた方を慰撫することで代償としようかなと考えてはいます。

 で。

 徐々に分け分けして来て頂いているのは住居の問題があるからで、到着した人は荷物を置いたら、次の住居の作成に走ってもらいます。

 自転車操業ですが、流石にまだまだ朝晩は寒い最中。

 頑張ってもらわないと、凍死しちゃいます。

 で、そんな時に役立つ村の人達は何をしているかと言いますと。

 私を筆頭に周辺の村に出向いております。

 何故、こんな事をしているかというと領主さんの依頼ではあるのですが、自分の行いの尻拭いですね。

 豪族さん対策で、村を棄てた時。

 畑を完全に壊してから移動したのですが。

 こちらの畑を再生しようと豪族さんが周囲の村々から働き手を集めたのですが。

 その行為が完全に致命傷になっておりまして。

 周辺の村々に関して、食糧難と畑の維持が困難な状況が発生しているのです。

 遠隔地で作業をする事。

 それだけで余分な食糧を必要とするのですが。

 元々飢える間際だった村々。

 完全にポイントオブノーリターンを超えて、餓死ラインに進んでいたのです。

 そちらに関しては豪族さんの対策を行っている領主さんが町の方から余剰を募って何とか食つなぐ手立ては立ったようなのですが。

 畑の維持がおろそかになっていた。

 こちらに関しては、そこまで人手に余裕がある訳でなし、町で対応するのが無理と頼まれました。

 冬の最中でも野菜などを作る事により生きた状態で維持する畑ですが、手をかけていないとすぐに締まって固くなります。

 また春野菜から麦の種まきにかけて、耕しては植えて、深耕しては植えてとものすごく人手を食う時期なのです。

 という訳で、畑仕事を片付けた我々が出張して作業を手伝うという話となりました。

 女性陣は村に残って畑の世話ですがね。

 精霊さんに対応してもらった部分も、種を蒔くのは人手ですし。

 という訳で、精霊さんの力を借りて楽をする姿を見せられない分、人手をかけるしかない作業を頑張ろうという話です。

 町の人手の余裕を受け取った身ですから、頑張るしかありません。

 えいえいおーです。
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