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婚約者の毒親が婚約を白紙にしようとしてくるのだけど
しおりを挟む「ディーン・ロックウェル! 君とクラリッサの婚約は、白紙にさせてもらう!」
……はぁ?
何言ってんの、このクソ親父。
内心では思い切り悪態をつくけれど、僕はそれをおくびにも出さない。
王国の懐刀、ロックウェル侯爵家で鍛えられた僕のビジネススマイルは、いつだって完璧だ。
「ええと、ブライトン伯爵。理由をお伺いしても?」
僕はあくまでもやわらかな物腰で、愛しい婚約者クラリッサの実父、ブライトン伯爵に微笑みかける。
まあ、聞かなくとも理由はわかっているけどね。
「ふん、シラを切るのだな。君の悪事は、ジェシカからしっかりと聞いているぞ!」
……はぁ、やっぱりね。
ブライトン伯爵夫妻には、三人の子供がいる。
僕の友人で、王宮に出仕している、長男のレナルド。
僕の最愛の婚約者、長女のクラリッサ。
そして問題なのが、次女のジェシカだ。
ジェシカは幼い頃から甘やかされて、ワガママ放題に育ってしまった。
病弱だと嘯いて勉強をおろそかにし、マナーも教養もない。
ピンクブロンドの髪にたれ気味の目元という庇護欲を誘う容姿と、お花畑な頭脳から発せられる直情的な言葉や行動に、何故だか皆騙されているらしい。
そして、あの特級呪物――おっと、ジェシカが直情的なのは、この父親に似たのだろう。
少しぐらい落ち着いて考えればわかることなのに、この父親は、ジェシカの話を聞いてすぐに僕を応接室に呼び出したのだから。
姉の持ち物を何でも欲しがる特級呪物が僕のことまで欲しがったのも、僕がそれを思いっきり切り捨てたのも、つい先ほどのことなのだ。
「それで、悪事……ですか?」
「そうだ! 君は、将来義妹となるジェシカを蔑ろにしただろう! 心優しいジェシカは、君のような意地の悪い男が姉の夫となるなんてと、泣きながら心配していたんだぞ!」
「はぁ」
義妹になる予定の人間を蔑ろにするのが悪事というなら、実の娘や姉を蔑ろにするのは一体何なのだ。この人と話していると、頭が痛くなってくる。
僕はこめかみを指の腹で揉みながら、なんとかビジネススマイルを保つ。
「君が意地悪をした理由はわかっている。おおかた、可愛いジェシカの気でも引こうとしたのだろう!」
「気を引こうとして意地悪を……?」
いや、どこの子供だよ。いい大人になって、好きな子に意地悪をするとか有り得ないだろう。
まあ、そもそも僕が好きなのはクラリッサただ一人だし、愛しい彼女には意地悪なんかじゃなく、目一杯の愛情をつぎ込みたいと思っている。
「そうだ。いくらジェシカが魅力的だからといって――」
「は? 魅力的? 誰が――んんっ。失礼」
しまった。ついうっかり、本気で笑ってしまうところだった。僕は咳払いをして誤魔化す。
「先ほどジェシカ嬢にもきちんとお話ししたのですが、僕が愛しているのも、愛されたいと思うのも、クラリッサ嬢ただ一人です。それ以外の女性に興味などありません」
「嘘をつくな。クラリッサと婚約を結びながらも、ジェシカに粉をかけるなど、断じて許されることではない!」
ううむ。この人は、ちゃんと人間の言葉を理解しているのだろうか。体型からしても、育ちはきっと養豚場――ごほん。
「……ええと、話を戻しますが、ブライトン伯爵家は婚約の一方的な破棄をお望みということですよね? 突然のお話ですし、実に理不尽ですね。そちらの有責ということになりますが、よろしいのですか?」
「何故そうなる! 元はと言えば、お前がジェシカを――ひっ」
僕はビジネススマイルを消し、冷たい表情でブライトン伯爵を見据えた。途端に伯爵は怯えたように言葉を飲み込む。
いやいや、いくら僕の顔が迫力満点だからって、ちょっとばかり失礼じゃないか。だが、これでこちらのペースに持ち込めるならちょうどいい。
僕はゆっくりした動作で身を乗り出して、テーブルに両肘をつき、指を組んで顎を乗せた。
伯爵はさらに顔を青くさせる。こういう小豚……おっと、小物には、悪役ムーブは効果覿面だな。
「ブライトン伯爵。こちらの言い分も聞かず、突然婚約を白紙にと言い出したのは、あなたです。婚約とは個人間のものではなく、言わば家と家との約束であり、契約。それを一方的に白紙にするのは、正式に結んだ契約を破棄することと同義です。そして、立場ある者の言葉には責任が伴います。そうですね?」
僕は濃紺の髪にアイスブルーの瞳という容貌だから、普段から意識して微笑みと丁寧な姿勢を絶やさないようにしている。そうしないと相手を怖がらせてしまうからだ。
自分で言うのも何だが、それなりに顔立ちが整っている上、目元が鋭いので、無表情になると非常に恐ろしいらしい。
「だ、だが……そちらにも非があって……だから……」
「僕のどこに非があったと? 証拠は?」
「……ジェシカが言っていたから……」
「ブライトン伯爵。あなたは、第三者の話はおろか、当事者の話も聞かず、被害を訴えているたった一人の話だけを聞き、それを鵜呑みにすると? あなたは貴族家の当主ですよね。人を導く立場にあるあなたが、まさかまともな証拠もなしに、人を断罪するのですか? お気づきかどうかわかりませんが、伯爵、それはとても恐ろしいことですよ」
養豚伯爵――じゃなかった、ブライトン伯爵は、ようやく少しばかり思うところがあったのだろうか、顔を青くして口をパクパクさせている。餌が欲しいのか。やらないよ。
「……まあ、僕を不当に貶めたことは、百歩譲って許すとしましょう。ですが、先ほど申し上げたように、婚約とは家同士の契約です。それを、当家の意向も聞かずに一方的に破棄するという宣言は、到底看過できるものではありません。例の事業に関する一切の協力についても、見直さねばならないでしょう。近日中に、家を通じて、正式に抗議させていただきます」
「はっ、……いや、それは困る。ぐっ、わかった、謝罪するから、この話は――」
「謝罪は受け入れません」
謝罪などで済まさせるものか。僕は怒っているんだ。
これまでずっと、愛しいクラリッサと、友人のレナルドを苦しめてきた元凶め。
もう少し準備を整えてからにするつもりだったが、予定より早く、この豚さんには伯爵の椅子からどいてもらおう。
僕が自分の従者に目配せをすると、彼は速やかに部屋を出て行った。応接室に呼ばれる前に仕込んでおいた罠も、そろそろ芽吹いているはずだ。
「では、僕は帰らせていただきますね。その前に、クラリッサ嬢に挨拶を。そのぐらいは良いですよね?」
僕は冷たい表情から一転、再び完璧なビジネススマイルを浮かべる。
「う……、あぁ」
「ありがとうございます。では、失礼いたします」
ブライトン伯爵は、小さくうめき声をあげる。僕はそれを肯定と捉えて、応接室を後にした。
「きゃああ! 何よこれ!」
「ジェシカ! 早くそれを元通りに! 早く!」
「嫌よ、これはわたしが――いやぁああ!」
僕が応接室から出て数歩進んだところで、甲高い叫び声と、愛しい婚約者の焦ったような声が聞こえてきた。
うん、ピッタリだ。これなら僕の関与が疑われることもない。我ながら完璧なタイミングだな。
「い、今の叫び声は、ジェシカの!? 失礼、どいてくれ!」
後ろから飛び出してきたブライトン伯爵が、血相を変えて僕を追い越していく。
僕は一応急いでいるフリをしつつ、伯爵の後を追いかけた。
事件の現場は、先ほどまで僕がクラリッサとお茶をしていた、サロンだった。
「どうした、ジェシカ! 何があっ――」
勢い込んでサロンに突入しようとしたブライトン伯爵だったが、部屋の入り口で言葉を失い、立ちすくんでしまった。
大きな身体の隙間からひょこっと僕が覗き見ると、サロンの中では、特級呪物……じゃなくてジェシカが、ピンクブロンドの髪を振り乱し、ドレスを思い切りたくし上げて、ガニ股でヘンテコな踊りを披露しているところだった。
「やだぁ、何なのこの指輪!? つけた途端に、体が勝手に……っ」
そう言って踊り続けるジェシカの指には、大振りの指輪が輝いていた。金色の台座に、血のように赤い宝石が嵌まった、悪趣味な指輪だ。
「おお、ジェシカ、ジェシカや、どうしたんだい? そんなはしたない踊りをして――」
「いやぁぁ、お父様、助けてぇ! 止まらないの、手も足も勝手に動くのぉ!」
「なんと! 呪いの類か……!?」
ブライトン伯爵は恐る恐るジェシカに近づいていくが、自ら取り押さえようとはしない。
アワアワと手を伸ばしたり引っ込めたりするだけだ。
僕の愛しのクラリッサは、静かに椅子に座っている。
僕と一緒にいる時と異なり、ジェシカに向けている緑色の瞳は、冷たい。
茶色の髪にも衣服にも、表情にも一切の乱れがなくて、僕は一安心した。
そしてもちろん、使用人たちも手を出せず、口元を覆ったままその場に立ち尽くしている。
だが、それも仕方ないと思う。
まさに呪術的な儀式でも行っているような奇怪な動きなのだ。触らぬ神に祟りなし。
「ジェシカ、どうしてこうなったのか、お父様に説明してくれるかい?」
「お姉様にもらった指輪を嵌めたら、突然、体が勝手に……っ、ひどいわ、お姉様!」
「そうなのか? クラリッサ、お前があの指輪をジェシカに渡したのか!?」
「いいえ。ジェシカが勝手に手に取り、自ら身につけたのですわ」
「もう、お姉様の意地悪! つけちゃダメなものなら、先に言ってよぉ!」
「ジェシカ、私は止めたわよ。何回も何回も、やめて、触らないで、って言ったわ」
「だって、そんなの、いつものことじゃない! もっと本気で、ちゃんと止めてよぉ!」
「普段から本気でやめてほしいと思っていたわよ。貴女が私の持ち物を勝手に自分のものにしようとする度にね」
「お姉様の意地悪ぅぅ!!」
はぁ、なんと見苦しい。
伯爵も頼りにならないし、僕が発言しないと収拾がつかないだろう。
先ほど伯爵が動いたことでできたスペースを通り抜けて、僕もサロンの中に足を踏み入れ、口を開いた。
「ねえ、ジェシカ嬢。改めてちゃんと聞きたいんだけど、どうしてその指輪を君が嵌めているのかな? それは、僕がクラリッサに預けた物のはずだよ」
「あんたが犯人だったのね!? この最低男! わたしを陥れたのね!」
「何故だい? 僕は、これを人に贈ったつもりはないよ? クラリッサに見せようとテーブルに置いたところで、タイミング悪く君のお父上に呼ばれたから、そのままになっていただけだ。それとも、君は、他人の持ち物を勝手に奪う趣味があるのかい?」
「なっ、何ですって!?」
呪われジェシカは顔を真っ赤にして、目を吊り上げている。本当のことだから反論できないだろう。
しかしまあ、面白いぐらいに引っかかってくれたものだ。僕はドヤ顔を晒さないように、いつものビジネススマイルを浮かべる。
いつかこんな風に、僕に欲しがりの矛先が向く時が来ると見越して、ずっとこの指輪を持ち歩いていて良かった。呪いの品は、装備さえしなければ、持ち歩いていても害のない物なのだ。
――ああ、特級呪物よ、呪われてしまうとは情けない。
「ぜぇ、はぁ……これ、指輪っ、お姉様への贈り物じゃなかったの!?」
「贈る? まさか、そんなことできないよ。この指輪は、つい先日ロックウェル侯爵領の遺跡から発掘された、呪術師の遺物でね。歴史的価値の高い物だから、王室に献上する予定だったんだ。でもその前に、考古学に興味のあるクラリッサに見せたら喜ぶかと思って、持ってきていたんだよ」
「ジェシカ、君はそのように危な……いや、貴重なものを、勝手に指に嵌めたのかい? クラリッサも、どうして止めなかった!」
「お父様、先ほども申しましたが、私は止めましたわよ。ジェシカは、この指輪が私の物だと勝手に勘違いして、いつものように強引に奪ったのですわ」
「はぁ、はぁ、ひどいわ、お姉様!」
養豚伯爵は、やっぱり人間の言葉を理解できないらしい。クラリッサが止めたって話、僕はちゃんと聞いていたぞ。
呪われし特級呪物の方は、息が上がってきたみたいだな。
そもそも、よくわからない他人の持ち物を勝手に身につけるなんて非常識な行為をするから、こうなったのだ。
クラリッサのように良識ある人間なら、手を触れずに、持ち主の許可が下りるのを待つだろう。
「はぁ、疲れたよう……止まってよう……」
「で、ディーンくん! このヘンテコな踊りはどうしたら止まるんだ!?」
「装着者の体力が底をついたら、勝手に指から抜けて、止まるはずです。命を奪うことはありませんから、ご安心を。……うーん、でも、変だなあ。一般女性ならまだしばらくかかるでしょうけど、病弱で体力の少ない女性なら、もうそろそろ止まっていてもおかしくないはずなんですけどね?」
「ひぃっ」
僕がにこにこしながらそう告げると、呪われジェシカは小さく悲鳴を上げた。
僕の見立てでは、彼女はけっこう体力があるはずだから、まだまだ止まらないだろう。
病弱っていう化けの皮も剥がれるかもね。……ああ、でも、この親バカ養豚伯爵は、もしかしたら気が付かないかな?
「クラリッサ、どうやら、指輪を回収できるようになるまで帰れなくなったみたいだ。もう少し、君と一緒に過ごしてもいいかな?」
「ええ、もちろんですわ、ディーン様。よろしければ、お庭へご案内いたします。先日、薔薇のつぼみがようやく膨らみはじめたのですよ」
「うん、それはいいね。ぜひ案内を頼むよ」
僕がクラリッサに手のひらを差し出すと、彼女は頬を染めながら、指先をそっとのせる。
ここで不思議な踊りを眺めていても、精神がゴリゴリ削られていくだけだから、庭へ出るのは大賛成だ。
ビジネス用ではない甘い笑顔をクラリッサに向けると、彼女も嬉しそうに微笑み返して、寄り添ってくれた。
うん、至福だ。
それからしばらく二人で庭を散策して、ガーデンテーブルでお茶を飲んでいると、僕の従者が手紙を携えて戻ってきた。
分厚い手紙には、ロックウェル侯爵家の紋章が描かれた封蝋が施されている。
「ああ、ご苦労だったね。それで、レナルドは?」
「まもなく到着されるかと」
「わかった。到着したら教えてくれ」
僕がそう言うと、従者は一礼して下がっていった。
「ディーン様、お兄様を王宮から呼び戻されたのですか?」
「ああ。レナルドには、前々から話をつけてあってね」
そもそも、僕とクラリッサが婚約を結ぶことになったのも、クラリッサを心配したレナルドの頼みがあったからなのだ。
レナルドは、両親のジェシカに対する執愛に早くから気がついていた。
それを危険に思ったレナルドは、クラリッサにおかしな縁談が舞い込む前に、自分で信頼できる男を探すことにしたのだ。
ジェシカや両親からクラリッサを守れる強い立場を持ち、頭が回り、婚約をまだ結んでいない貴族を。
そこで白羽の矢が立ったのが、僕だったというわけだ。
僕は侯爵家の四男で、家を継ぐことも、スペアになることもない。
成人後は王宮で文官になるか、侯爵領に小さな家をもらって考古学の研究でもしようかと考えていたので、婚約を結んでいなかったのだ。
最初はそういう出会いだったけれど、僕とクラリッサが互いを心から好きになれたのも、僕とレナルドが友人どころか親友のような関係になれたのも、幸運なことだった。
「僕たちは、ブライトン伯爵が隙を見せるか、事業関連で何か起きたらすぐに動くつもりでいたんだ。クラリッサには、長いこと我慢させてしまってごめんね」
「いいえ。ディーン様が婚約を結んでくださってからは、貴方が私の心の拠り所でした。形ある物はことごとく妹に奪われても、貴方のお心は常に私に寄り添ってくれていたから……だから、私は今まで耐えることができたのですわ」
「クラリッサ……、もうこれからは、誰にも君を傷つけさせたりしないよ。僕が必ず、君を守るからね」
僕はクラリッサの髪を一房手に取り、そっと口づけを落とす。
もうすぐだ。
あと少しで、クラリッサを毒親と毒妹の魔手から救い出せる。
僕が微笑めば、クラリッサも嬉しそうに目を細めた。
その後、伯爵家へ急ぎ戻ってきたレナルドを伴って、僕はブライトン伯爵に手紙を渡した。
ロックウェル侯爵家からの、正式な抗議文だ。
読み進めるうちに、ブライトン伯爵の顔がみるみる白くなっていくのがわかった。
ロックウェル侯爵家からブライトン伯爵家への要求は、こうだ。
『現ブライトン伯爵は、ロックウェル侯爵家四男であるディーンを侮辱し、証拠もなく断罪した。これは、貴族として許されざる行為である。当主として、正しく責務が果たせるとは思えない。
なお、当家の四男を侮辱した事実、婚約を一方的に破棄しようとした事実に関して、我々は証拠を持っている。侯爵家の従者が魔道具により録音した音声だ。この魔道具による音声は、一切の捏造が不可能である。
以上のことから、ロックウェル侯爵家は、現ブライトン伯爵との事業提携および融資を直ちに停止、加えて損害賠償請求することを決定した。
ただし、現ブライトン伯爵が伯爵位を退き、嫡男にその位を譲るのであれば、事業提携および融資の停止については、すぐに取り下げることを約束する。
当該事業がもうすぐ軌道に乗り、大きな利益を上げるであろうというところでの今回の不祥事、誠に遺憾である。貴族たるもの、退き際の見極めを見誤ってはならない。正しい判断が下せることを願うばかりである――』
これでおそらく養豚伯爵は退き、レナルドが正式にブライトン伯爵となることだろう。
現在の伯爵は、自身と末娘がやらかしてきたことを背負って、どこかで隠居することになるはずだ。
今日はどこかへ出かけているのか姿を見せなかった伯爵夫人も、贅沢三昧とはいかなくなるだろう。
そして、問題はジェシカの処遇なのだが。
従者が下がった時には、呪いの指輪の事件はまだ起こっていなかった。そのため、ロックウェル侯爵家からの抗議文では、そのことに触れていない。
けれど、王室への献上品を勝手に身につけ、それを作動させてしまった罪は重い。
現伯爵ならどうにか許しを乞おうとするだろうが、次期当主となるレナルドは、容赦なくジェシカを切り捨てるだろう。
レナルドも、ジェシカと両親には散々頭を悩ませてきたのだ。修道院にでも送るのが妥当ではないだろうか。
一度下がってしまったブライトン伯爵家の評価や信用を回復するのは、並大抵のことではない。レナルドにとっては、茨の道だろう。
だから、僕が支えるのだ。
愛しいクラリッサと一緒に。
親友であり義兄となるレナルドが、茨に阻まれ傷ついて、倒れてしまわないように。
幸い、茨でも呪物でも、切って捨てるのは得意分野である。
これでも僕は、王国の懐刀、ロックウェル侯爵家の四男なのだから。
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主人公、素晴らしいと言っていただけて良かったです( *´艸`)
この後、妹や両親がどうするのか……確かにそうですね☺️
続きの執筆、検討したいと思います♪
コメントありがとうございました!!