悪役令嬢は今日から下町娘!?

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第三章

十一話 下町暮らしは想像よりも過酷で…②

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 ボロ家に引っ越してきてから、一週間が経った今日、
「やっと終わった~」
 私達はやっとの思いで掃除&ボロ家の修復を終わらせた。
 私は疲れきった体を休めるため、ソファーに腰を下ろし、周りを見渡した。
 ソファーから見えたのは、ボロボロだった床や壁を全て新しいものに変えてソファーやカーテンなどは新調し(費用は全て父のヘソクリ)、ホコリやクモの巣だらけだった窓枠や天井はみんなで協力して掃除したおかげで、ボロ家だったとは思えないほど見違えた我が家と、新しくて綺麗な床に倒れ込む皆の姿だった。
「お疲れ様です」
 まぁ、私のすぐ側で冷たい紅茶を差し出しているルイ以外は、だけどね。
「ありがとう。そういえば、ルイは休まないの?いいのよ、別に」
「お気遣い、ありがとうございます。でも、私は大丈夫です。この国の執事は皆、一ヶ月間、飲まず食わずしても生きられるように訓練されていますので」
 そう言ってうやうやしく頭を下げるルイ。
 凄いなぁ、執事って。
 普通、人間って七日間飲まず食わずだと死んじゃうって本で読んだことあるのに。
 本当に凄い、な…って。
「えっ?もう一回言ってもらえるかしら」
「[執事は主人が緊急事態の時に備えて、一ヶ月間は飲まず食わずしても生きられるようにしなければならない]という法律がこの国にはあるんですよ。一ヶ月耐えられないものは執事にはなれません」
「はぁっ?何その法律、おかしいんじゃないの?もはや、執事じゃなくてただの超人だから、そんなのっ」
「ついでに言いますが、そこで寝転がっているメイドだった二人も、一週間は飲まず食わずでも生きられるはずですよ…」
「えっ、だって…二人とも凄いつらそうだったよ。そんなはず…」
 私がそう言いながらルイが指さした先を見ると、そこにはゴロゴロと床に寝転がって疲れを癒している元メイドの二人が…、
「さぁ、ついでに今日の夕飯の材料も買ってきましょう!」
「そうですね!少し豪華な物でも作りましょうか!!」
 …なかった。
 さっきまで心底つらそうにしてたのに、ルイの言葉を聞いた途端、キビキビと動き始めていた。
 彼女達が本当に一週間飲まず食わずでも生きられるのかは不明だが、今度から二人がだらけていた時はこの合言葉を使おうと私は心に決めた。
 
 ③に続く

 
 


 


    
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