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25.記憶
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「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」
張りのある涼安和尚の読経に耳を傾けながら、千勢は手を合わせて目をつぶり稔の笑顔を思い浮かべる。
稔さん……。
「願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい)
我等與衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成佛道(かいぐじょうぶつどう)」
澄んだ鈴の音が響く。一瞬の静寂。袈裟の衣擦れが聞こえて目を開ける。
和尚が恭しくお辞儀をする。
「以上となります。ご苦労様でございました」
「ありがとうございました」
千勢も両手をついて頭を下げる。
稔の新盆、棚経は瑞雲寺の涼安和尚にお願いした。参列した親族は誰もおらず、千勢だけだった。
帰り支度をする和尚に「些細ではありますが、お納めください」と丁寧に挨拶して袱紗に包んだ御布施を渡す。
「では、頂戴致します」
買っておいたペットボトルのお茶も差し出す。
「暑いですからお茶でもどうぞ。会食などは設けなかったので……。お忙しいでしょうからお持ち帰り頂いても結構ですよ」
それを聞いた和尚は部屋の半分以上を占める盆棚に視線を向けた。様々な法要に呼ばれる和尚の目には、一人だけの新盆はさぞかし寂しく映るだろう。
「あっ、えっと……。稔さんの実家のほうにも連絡したんですけどね。熊本の本家のほうで執り行うそうで。私の両親のお墓も富山にあって従弟が管理しているから、そちらでってことで。稔さんの同僚や友人にもですね、この時期にお声がけするのは憚られて……」
何も聞かれていないのに、参列者のいない新盆になった言い訳が次から次へと口から出てくる。
本心では千勢一人で稔だけを迎え入れたかった。
しかし、お盆はご先祖様の御霊を供養する行事だ。千勢と稔の両親も祖父母も、顔を知らないご先祖様の御霊も迎え入れたかった。改めて感謝したいと思っていた。
ただ、日本の慣例として墓を守る本家が基準となる。結果的に一人になった新盆は、今まで親戚付き合いを蔑ろにしてきた報いだと思った。
「場所はどこであっても、弔う気持ちが大切なんですよ」
柔らかい和尚の言葉が後ろめたさを抱えて沈んでいた千勢の気持ちをほんの少しだけ軽くした。まるで全てを見透かされているようだ。
「はい。分かりました。弔う気持ち、ですね」
普段は遠い場所で眠る大切な人達が「お久しぶりです」なんて言いながら再会していたらいいな。そんな夢みたいな場面を想像させるのはお盆の雰囲気のせいかもしれない。
和尚が帰ると家の中の静けさが気になった。庭に出て「みーちゃーん」と草むらで遊んでいるはずのミルクを呼んだ。
ミィー。すぐ近くにいたようで千勢の足元にすり寄ってきた。ミルクを抱きかかえて家に戻る。
納骨をして以来、墓参りをしない日は初めてだ。
「みーちゃん、写真見よっか?」
茶箪笥の引き出しからノートパソコンを取り出す。この家はネット環境が整っていない。千勢がパソコンを使う目的は一つ、稔との写真を見ることだ。
引っ越しを決めた時、一番手放したくなかったのがアルバムだ。稔との38年の思い出が詰まっている。いや、赤ちゃんの頃からのものを含めれば、稔の人生そのものだった。
初めは何十冊ものアルバムを断捨離するつもりはなかった。しかし千勢も亡くなった後、他人が処分するのに一番困るのはアルバムだろう。
そこでふと目に付いたのが写真データ化のサービスだった。膨大な量で多少なりとも金額はかかったが、コンパクトにまとめられたDVDを見て千勢は満足だった。
白黒写真がカラー写真になり、フィルムカメラがデジタルカメラになり、今ではデータ保存が当たり前。すごい技術の進歩だなと、どこの誰が発明したかは分からないが感心した。
パソコンの電源を入れてDVDを差し込む。普段は晩ご飯を食べた後に見ているが、数時間でみられるのは1枚分くらいだった。
今日も明日も時間はたっぷりある。DVDを全て見ようと決めた。
稔が亡くなった直後はタオルを握りしめ瞼を腫らしてページをめくったアルバム。最近は楽しかった思い出を語りかけながらマウスをクリックしている。
「稔さんの子供の頃の写真ってやっぱり固いよねぇ」
動物園の入口らしき所で真っ直ぐ前を見て行儀よく立っている、10歳くらいの稔。
(親父に撮るとき「気をつけしろ!」って言われたんだよ)
他の写真もカメラ目線で真顔。動きのないものがほとんどだ。家族写真でも全員きっちり立って睨むような目を向けている。もしかして写真を撮ると魂を吸い取られると信じていたのだろうか。
「ウチと大違いよねぇ、ほんと」
(ちーちゃんのは見てて面白いよね)
千勢の写真は真逆で、お茶目なポーズをしたり遊んでいる横顔だったり。ただ、動き回っている分ブレてしまって何だか分からない写真も多い。
「高校生の稔さん、ひょろひょろだよね」
(あー、その頃はいくら食べても太らなかったんだよなぁ)
「成人式の写真でやっと会った時の稔さんに繋がるのよね」
(ちーちゃんだって着物を着てたら別人だよ。あ、きれいって褒めてるよ。あはは)
DVDを入れ替える。最初に出てきたのは羽織袴の稔と白無垢の千勢。
「稔さんの転勤があって慌てて結婚したけど、結婚式は幸せの絶頂だったなぁ」
(俺は緊張したなー。ちーちゃんを守っていかなきゃっていう覚悟でさ。気合い入りまくった顔してるよな)
「そのおかげで千勢は幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」
(あはは! ハッピーエンドだね)
稔のおかげで幸せに暮らせたのは本当だ。突然の別れがくるまでは。
これ以上、アルバムが増えることはない。結末が決まっている。それは「めでたし」で終わる物語ではなかった。
「あ、これ覚えてる? 新婚旅行で行った伊勢志摩で偶然、伊勢神宮の『神楽祭』見られて。雅な舞だったよね」
(見事だったね。平安時代にタイムスリップしたのかと思うくらい)
その後、英虞湾を巡りエンゲージリングがなかったからと買ってくれた真珠の指輪は今でも大切な宝物だ。
「これ、日光東照宮で『見ざる言わざる聞かざる』の真似したよね」
(あ、山梨のワイナリーで、ちーちゃんボトルもって満面の笑みだよ」
「稔さん、蔵王のお釜の前でオカマのポーズしてる」
(本場で食べた松阪牛のステーキ、最高だったよなぁ)
パソコン画面には2人の旅行写真が次々と映し出される。全国47都道府県で足を運んでいない観光地はないのではと思うほど国内を旅した。かけがえのない思い出が次々と蘇える。
写真をひと通り見終わって、いつも思う。
――もっと日常生活の稔さんを残しておけばよかった。
ビシッとスーツを着る稔さん。
寝グセがついたパジャマ姿の稔さん。
レジ袋を持ってくれる稔さん。
新聞を真剣に読む稔さん。
車を運転する稔さん。
手料理をほお張る稔さん。
テレビを見て大笑いする稔さん。
目を閉じれば千勢と一緒に暮らしていた稔をはっきりと思い描ける。しかし、それが時間と共に輪郭がぼやけてくるのは分かっている。頭の中にいる稔もDVDに保存できたらいいのに。
(ちーちゃん。俺はいつもちーちゃんのそばにいるよ)
ミルクがとんっと膝の上に乗ってきた。千勢は乱暴に抱きしめる。
「そばにいるだけじゃ、だめなんだよ……」
苦しくてミルクが逃げ出そうと暴れる。千勢はそれを許さない。
手を握りたい。
ほほを寄せ合いたい。
耳たぶを触りたい。
抱きしめたい。
抱きしめられたい。
「稔さんの温もりを感じたい……」
カナカナカナカナ。カナカナカナカナ。憂いを帯びた音色でヒグラシが鳴いている。
夕闇の中で千勢は藁に火を着けた。炎が瞬間的に大きくなり、そして小さくなる。白い煙は細くなって、消えた。焙烙には黒くなった藁の燃え殻だけが残った。
こうして幸せで哀しい新盆は終わりを迎えた。
張りのある涼安和尚の読経に耳を傾けながら、千勢は手を合わせて目をつぶり稔の笑顔を思い浮かべる。
稔さん……。
「願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい)
我等與衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成佛道(かいぐじょうぶつどう)」
澄んだ鈴の音が響く。一瞬の静寂。袈裟の衣擦れが聞こえて目を開ける。
和尚が恭しくお辞儀をする。
「以上となります。ご苦労様でございました」
「ありがとうございました」
千勢も両手をついて頭を下げる。
稔の新盆、棚経は瑞雲寺の涼安和尚にお願いした。参列した親族は誰もおらず、千勢だけだった。
帰り支度をする和尚に「些細ではありますが、お納めください」と丁寧に挨拶して袱紗に包んだ御布施を渡す。
「では、頂戴致します」
買っておいたペットボトルのお茶も差し出す。
「暑いですからお茶でもどうぞ。会食などは設けなかったので……。お忙しいでしょうからお持ち帰り頂いても結構ですよ」
それを聞いた和尚は部屋の半分以上を占める盆棚に視線を向けた。様々な法要に呼ばれる和尚の目には、一人だけの新盆はさぞかし寂しく映るだろう。
「あっ、えっと……。稔さんの実家のほうにも連絡したんですけどね。熊本の本家のほうで執り行うそうで。私の両親のお墓も富山にあって従弟が管理しているから、そちらでってことで。稔さんの同僚や友人にもですね、この時期にお声がけするのは憚られて……」
何も聞かれていないのに、参列者のいない新盆になった言い訳が次から次へと口から出てくる。
本心では千勢一人で稔だけを迎え入れたかった。
しかし、お盆はご先祖様の御霊を供養する行事だ。千勢と稔の両親も祖父母も、顔を知らないご先祖様の御霊も迎え入れたかった。改めて感謝したいと思っていた。
ただ、日本の慣例として墓を守る本家が基準となる。結果的に一人になった新盆は、今まで親戚付き合いを蔑ろにしてきた報いだと思った。
「場所はどこであっても、弔う気持ちが大切なんですよ」
柔らかい和尚の言葉が後ろめたさを抱えて沈んでいた千勢の気持ちをほんの少しだけ軽くした。まるで全てを見透かされているようだ。
「はい。分かりました。弔う気持ち、ですね」
普段は遠い場所で眠る大切な人達が「お久しぶりです」なんて言いながら再会していたらいいな。そんな夢みたいな場面を想像させるのはお盆の雰囲気のせいかもしれない。
和尚が帰ると家の中の静けさが気になった。庭に出て「みーちゃーん」と草むらで遊んでいるはずのミルクを呼んだ。
ミィー。すぐ近くにいたようで千勢の足元にすり寄ってきた。ミルクを抱きかかえて家に戻る。
納骨をして以来、墓参りをしない日は初めてだ。
「みーちゃん、写真見よっか?」
茶箪笥の引き出しからノートパソコンを取り出す。この家はネット環境が整っていない。千勢がパソコンを使う目的は一つ、稔との写真を見ることだ。
引っ越しを決めた時、一番手放したくなかったのがアルバムだ。稔との38年の思い出が詰まっている。いや、赤ちゃんの頃からのものを含めれば、稔の人生そのものだった。
初めは何十冊ものアルバムを断捨離するつもりはなかった。しかし千勢も亡くなった後、他人が処分するのに一番困るのはアルバムだろう。
そこでふと目に付いたのが写真データ化のサービスだった。膨大な量で多少なりとも金額はかかったが、コンパクトにまとめられたDVDを見て千勢は満足だった。
白黒写真がカラー写真になり、フィルムカメラがデジタルカメラになり、今ではデータ保存が当たり前。すごい技術の進歩だなと、どこの誰が発明したかは分からないが感心した。
パソコンの電源を入れてDVDを差し込む。普段は晩ご飯を食べた後に見ているが、数時間でみられるのは1枚分くらいだった。
今日も明日も時間はたっぷりある。DVDを全て見ようと決めた。
稔が亡くなった直後はタオルを握りしめ瞼を腫らしてページをめくったアルバム。最近は楽しかった思い出を語りかけながらマウスをクリックしている。
「稔さんの子供の頃の写真ってやっぱり固いよねぇ」
動物園の入口らしき所で真っ直ぐ前を見て行儀よく立っている、10歳くらいの稔。
(親父に撮るとき「気をつけしろ!」って言われたんだよ)
他の写真もカメラ目線で真顔。動きのないものがほとんどだ。家族写真でも全員きっちり立って睨むような目を向けている。もしかして写真を撮ると魂を吸い取られると信じていたのだろうか。
「ウチと大違いよねぇ、ほんと」
(ちーちゃんのは見てて面白いよね)
千勢の写真は真逆で、お茶目なポーズをしたり遊んでいる横顔だったり。ただ、動き回っている分ブレてしまって何だか分からない写真も多い。
「高校生の稔さん、ひょろひょろだよね」
(あー、その頃はいくら食べても太らなかったんだよなぁ)
「成人式の写真でやっと会った時の稔さんに繋がるのよね」
(ちーちゃんだって着物を着てたら別人だよ。あ、きれいって褒めてるよ。あはは)
DVDを入れ替える。最初に出てきたのは羽織袴の稔と白無垢の千勢。
「稔さんの転勤があって慌てて結婚したけど、結婚式は幸せの絶頂だったなぁ」
(俺は緊張したなー。ちーちゃんを守っていかなきゃっていう覚悟でさ。気合い入りまくった顔してるよな)
「そのおかげで千勢は幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」
(あはは! ハッピーエンドだね)
稔のおかげで幸せに暮らせたのは本当だ。突然の別れがくるまでは。
これ以上、アルバムが増えることはない。結末が決まっている。それは「めでたし」で終わる物語ではなかった。
「あ、これ覚えてる? 新婚旅行で行った伊勢志摩で偶然、伊勢神宮の『神楽祭』見られて。雅な舞だったよね」
(見事だったね。平安時代にタイムスリップしたのかと思うくらい)
その後、英虞湾を巡りエンゲージリングがなかったからと買ってくれた真珠の指輪は今でも大切な宝物だ。
「これ、日光東照宮で『見ざる言わざる聞かざる』の真似したよね」
(あ、山梨のワイナリーで、ちーちゃんボトルもって満面の笑みだよ」
「稔さん、蔵王のお釜の前でオカマのポーズしてる」
(本場で食べた松阪牛のステーキ、最高だったよなぁ)
パソコン画面には2人の旅行写真が次々と映し出される。全国47都道府県で足を運んでいない観光地はないのではと思うほど国内を旅した。かけがえのない思い出が次々と蘇える。
写真をひと通り見終わって、いつも思う。
――もっと日常生活の稔さんを残しておけばよかった。
ビシッとスーツを着る稔さん。
寝グセがついたパジャマ姿の稔さん。
レジ袋を持ってくれる稔さん。
新聞を真剣に読む稔さん。
車を運転する稔さん。
手料理をほお張る稔さん。
テレビを見て大笑いする稔さん。
目を閉じれば千勢と一緒に暮らしていた稔をはっきりと思い描ける。しかし、それが時間と共に輪郭がぼやけてくるのは分かっている。頭の中にいる稔もDVDに保存できたらいいのに。
(ちーちゃん。俺はいつもちーちゃんのそばにいるよ)
ミルクがとんっと膝の上に乗ってきた。千勢は乱暴に抱きしめる。
「そばにいるだけじゃ、だめなんだよ……」
苦しくてミルクが逃げ出そうと暴れる。千勢はそれを許さない。
手を握りたい。
ほほを寄せ合いたい。
耳たぶを触りたい。
抱きしめたい。
抱きしめられたい。
「稔さんの温もりを感じたい……」
カナカナカナカナ。カナカナカナカナ。憂いを帯びた音色でヒグラシが鳴いている。
夕闇の中で千勢は藁に火を着けた。炎が瞬間的に大きくなり、そして小さくなる。白い煙は細くなって、消えた。焙烙には黒くなった藁の燃え殻だけが残った。
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