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第三部 第三章「ベルゲングリューンの光と闇」(9)
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9
「くっさっ!!! くっさっ!!!!!」
「えっ?!」
しがみついていた火竜の首から離れ、後方宙返りで華麗に着地したルッ君が意気揚々と駆け寄ってきて、僕は思わず声を上げた。
他のみんなも同じだったらしく、嗅覚が敏感なノームたちは鼻を押さえてルッ君から後ずさった。
「な、なんだよ!? みんなひどくね?!」
「お、おい、咆哮が来るぞ!!」
抗議するルッ君からササッと距離を離しながら、ヴェンツェルが叫んだ。
尻尾を切断されてのたうち回っていた火竜が、倒れ込んだ姿勢のまま大きく口を開いていた。
「まずい!! みんな耳を塞いで口を……あれ?!」
一瞬、自分の耳が遠くなったのかと思った。
火竜は大きく口を開けて咆哮を上げているはずなのだけれど、何も聞こえてこない。
「ルッ君、もしかして……」
「ああ!! 例の魔法石をばっちり首の後ろに取り付けてやったぜ!!!」
そう言って、ニカッと笑って親指を突き立てたルッ君から、僕は三歩後ずさった。
ルッ君の両手はドロドロになっている。
「くっさ!!! なんなの、その泥みたいなの……」
「さっきからなんだよその反応。そういう悪趣味なイジり方すんなよな……」
ルッ君はそう言ってから、その泥だらけの指で鼻をすすった。
どうやら、鼻が詰まっていて、本人はこの強烈な臭さがわからないらしい。
「ほら、まつおさんが壁を塗った時に使った泥みたいなやつあるだろ? 火竜の足元にあれが積んであったから、それを使って魔法石を首にくっつけてやったんだよ」
「ルッ君……」
素晴らしい機転だと思う。
やっぱり、ルッ君の判断に任せて良かったと、心から思う。
でも……。
「壁の補修に使ったやつはさ、必要な分しか作ってないから、材料は何も余らせてないよ」
「へ? どういうこと?」
「それは、壁を塗った時に使ったやつじゃないってこと」
「え……、じゃ、じゃあ……何……?」
「いや、この臭さで泥みたいなやつって言ったら、そりゃ……」
「えっ……」
「ぎゃははははは!!! うんこだ!! それ、ドラゴンのうんこだぞ!!! ドラゴンはうんこの臭さも最強であったか!!! わはははは!!!」
大爆笑した花京院にイラっとしたのか、ルッ君が両手の指を花京院の顔に向かって弾いて、その飛沫を飛ばした。
「ぶっ!? う、うわっ、な、なんてことしやがるんだ!! 顔にかかっちまっただろ?! う、うわっ、くっさ!!」
ああ見えて潔癖なところがある花京院が必死に手で顔を拭った。
「うるせー!! せっかく命がけで頑張ったオレの見せ場を台無しにしやがって!!」
「ちょ、ちょっとアンタたち! 今はそれどころじゃないでしょ!!」
「そう言いながら半笑いでオレから後ずさるのやめろよ!!」
ルッ君が半泣きになりながらユキに言った。
「い、いや、ルッ君は良くやったと思うよ、うん」
「そんなフォローはもう手遅れなんだよ!」
ルッ君が僕に言った。
本当に、ルッ君って、冒険者としてはすごく頼りになるし、活躍もしているはずなのに、どうしてこうも毎回残念な結果になるんだろう。
「ルッ君、一度アリサの教会でお祓いしてもらえば?」
「お願いだから、来る前にちゃんと手を洗ってから来てね」
「ぷっ」
アリサの言葉に、ヒルダ先輩とメルが噴き出した。
「……卿よ、気をつけろ。火竜の姿勢が変わったぞ」
口元を押さえながら、ジルベールが言った。
最初鼻を押さえているのかと思ったら、どうやら笑いもこらえていたらしい。
僕たちは何もふざけていたわけじゃない。
ルッ君は若獅子戦の時に覚えたロープを使った壁移動を使って、一気にヤツに接近することができたけど、尻尾を切断されて大きく飛び下がった火竜と僕たちの間にはかなりの距離がある。
まだエレインの弓やアリサの螺旋銃の射程圏ですらない。
だから、陣形を整えて、急な咆哮や火炎の息に備えながら、前進している。
「直立姿勢をやめて、四足で立ってるね……」
「……おそらく、尻尾を切られて、直立ではあの巨体のバランスが取れなくなったんだろう」
ヴェンツェルが解説してくれた。
「四足になると、何かが変わるの?」
「……わからん。私が読んだ文献の中には、そんな記述は一切なかった」
「私も聞いたことがないわ」
ヴェンツェルの言葉に、メンバーの中で一番冒険者としてのキャリアがあるミスティ先輩が続いた。
「ヤツが尻尾を失った今、テイルスイングの脅威はなくなった。咆哮の心配もない。ブレスだけを警戒し、このまま遠距離で攻撃すれば良いのではないか?」
ヒルダ先輩の提案。
普通に考えればその通りだと思う。
だけど……。
ルッ君が取り付けてくれた魔法石のおかげで、竜のうなり声はほとんど聞こえない。
でも、その眼光は獰猛な輝きを見せ、鱗は逆立ち、鼻から高温の蒸気のようなものが噴き出している。
ヤツは、怒っている。
それも、尋常でないほどに。
「僕を、睨んでる」
完全に目が合ってしまった。
「ヘビに睨まれたカエル」ってセリカ王国の諺にあったっけ。
きっと、こういう状態を言うのだろう。
火竜の目を見ているだけで、どんどん力が削がれていきそうになるのだけど、なぜか目をそらすことができない。
「ベル、気をつけて、何かを仕掛ける気よ……!!」
メルが盾を構えながら、僕に耳打ちする。
火竜はこちらをじっと睨みながら、まるでエスパダの闘牛のように、後ろ足で地面を蹴りはじめた。
「突進する気か?! みんな離れて!!!!」
僕は叫んだ。
叫んだのはいいけれど、僕自身が、火竜の眼の力のせいか、なぜか動けない。
あ、ダメだ、無理だ。
情けないけど、仲間に頼るしかない。
「花京院、ジョセフィーヌ、ごめん、僕を運んでくれない? 動けない」
「あいよっ!!」
「変なトコ触っても許してねん!」
花京院とジョセフィーヌが目で合図をして、僕の両肩をそれぞれが組んだ。
「うぎゃあああああ!!! いでえええええっ!!!!」
「あ、すまん、折れてんだっけか」
僕の左腕を自分の肩にのせた花京院が言った。
「はぁはぁ、い、いや、大丈夫……、他に手はないし」
人生でこれまで味わったことがないような激痛に気が遠くなりそうになりながら、必死に気力を振り絞ってそう言った。
アドレナリン、もう少し頼むよ……。
「キツいと思うが、辛抱してくれな? あいつ、お前を狙ってるみてぇだから」
うなずく力もなく、目だけで花京院に返事をして、僕たちはその場から離脱を開始する。
その次の瞬間。
ビュオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!
「なっ?! 早っ!!!」
それまでの、どちらかといえば鈍重な動きで、僕は完全に目測を誤っていた。
生物最強と言われる強靭な筋力と、その巨大な翼を使った火竜の突進は、まるで旋風のようなスピードだった。
「ぐああっ!!!」
「グゲェェェッ!!」
「あ、あかんっ!!! ええかお前ら、防ごうと思うな!! 死ぬど!!」
テイルスイングの脅威がなくなり、密集隊形を取っていた僕たちの散開は、とても間に合わなかった。
直撃こそ免れたものの、大きなトゲがついた翼や身体に接触したゴブリンやノームたちが大きく吹き飛ばされた。
おそらく軽傷ではないだろう。
そのまま、勢いを殺すことなく、火竜がこちらに向かってくる。
「あ、まつおちゃん、ダメ、間に合わない!」
「くそっ!!!」
火竜はその巨大な体躯を左に大きく傾けて、ズザザザザザザッと後足で地面を滑らせながら、その巨木のような右前足を大きく振り上げて、あらゆるものを切り裂くような鉤爪をこちらに振り上げる。
その爪の先は、僕を担いで完全に無防備な花京院の首筋に……。
ガキィィィィィィ――ッ!!!!!
「ぐああああっ!!!!!!!」
「っくっ!!!!!!!!」
「ングッッッッ!!!!」
左腕を担いでもらっていて、助かった。
火竜の右前足の鉤爪は、花京院を切り裂くことなく、僕がなんとか意識を集中して出現させた水晶龍の盾と衝突した。
パシャッ――!!!!!
「ッッッ――!?」
その衝撃で吹き飛ばされる直前に水晶龍の盾から放たれた閃光で、火竜は視界を奪われて、なんとか追撃を阻止することができたものの、まともに突進攻撃を受けた僕たちは三人とも、数メートル後方に吹き飛び、ノーム王国の石壁に激突する。
「ま、まっちゃんっ!!!!」
「……」
一番近くにいて状況を目撃したユキが、悲鳴のような声を上げる。
大丈夫だと返事をしたいのだけれど、声が出ない。
というか、呼吸がうまくできない。
左腕どころか、なんか全身の骨が折れたみたいに力が入らない。
「ひゅ、ひゅ……」
……どうやら、隣にいる花京院も同じらしい。
とりあえず、生きているようで安心した。
「あ、よかった……、まつおちゃん、生きてた……」
「じょせ、ふぃも、よか……た……ごはっ……」
なんとか会話をしようとしたら、口から鮮血が噴き出した。
肋骨か何かが肺を傷つけたのかもしれない。
「ダメよしゃべっちゃ! アリサちゃんと合流するまで待ってて!!」
火竜の反対側にいたジョセフィーヌは、比較的無事なようだ。
(アウローラごめん……、せっかく助けてもらったのに、これはちょっと、詰んだかもしれない)
僕は少し、冒険というものをナメていたかもしれない。
士官学校に入学以来、様々な冒険をしてきて、その辺の冒険者より強くなったんじゃないかと自惚れていたかもしれない。
C組で一番の落ちこぼれなのに。
剣も、魔法も、何もかも、すべてが中途半端なのに。
今の突撃で、いったいどれだけの仲間が負傷したんだろう。
僕の判断ミスで。
怒り狂った火竜の成竜がこれほど強いとは思わなかった。
上位の冒険者っていう連中は、本当にこんなバケモノを相手にして、マトモにやり合えるのだろうか。
……だとしたら、僕に冒険者なんて、無理かもしれない。
せいぜい、爆笑王とか言われて、ヴァイリスやエスパダの人たちにからかわれる人生がお似合いなのかも……。
爆笑王。
爆笑王か……。
「ふ、ふ、ふふっ……」
「ま、まつおちゃん?!」
僕は、抱き上げてくれているジョセフィーヌの肩に手を置いて、よろよろと立ち上がった。
「笑えない……んだよ……。今の僕の……どこが爆笑王なんだ……」
視界を取り戻した火竜が僕の姿を見つけ、再び突撃姿勢に入る。
火竜の凄まじい眼光が、僕の瞳を捉える。
最上位の生物が、最弱の生物を見る目。
そうだ。
人間はおまえのような鋭い牙もなければ、立派な爪もない。
エルフのような知性も、ドワーフのような膂力も、ノームのような器用さもない。
そして僕は、そんな人間の中でもきっと最弱の存在だ。
でもな……。
追い詰められたら。
追い詰められた人間の怖さを、お前は知らない。
「お前に……見せてやるよ……。爆笑王と呼ばれた男の死に様をな……」
「し、死に様って……まつおちゃん!?」
僕は火竜の眼を真っ直ぐに見返しながら、ゆっくりヤツに近づいた。
「ま、まっちゃん!! あ、あんた、何してんの!!! に、逃げて!! 早く!!」
後ろからユキの声が聞こえる。
らしくない。
そんな悲鳴みたいな声を出さないでよ。
ちょっと、そのギャップ、ぐっと来ちゃうじゃん。
「へへ……」
自分の顔は自分ではわからないけど。
たぶん、アホみたいな顔でヘラヘラ笑っている気がする。
『アリサ、エレイン、聞こえているよね』
僕は魔法伝達を二人に送る。
アリサもエレインも負傷しているかもしれないし、動けないかもしれないけれど、今は安否確認をしている時間はない。
『えっとね……、あ、だめだ、ちょっ……待っ』
僕は小鳥遊を左腰に差した鞘から抜いて、杖のように地面に刺して、倒れそうになった身体を必死に支えた。
肺をやられて大声はとても出せないけど、魔法伝達ならなんとかできる……と思ったけど、どうやら僕の魔力は枯渇寸前らしい。
きっと、骨折やら何やらで生命維持に魔力を使っているんだろう。
どうやら、ペラペラしゃべっている余裕はなさそうだ。
朦朧とする意識をなんとか集中させて、僕は二人に向かって、最低限のメッセージを送ろうとした。
だけど……。
「ごふっ!!!」
限界だった。
口から鮮血を吐いて、僕は生まれたての子鹿のように、足をガクガクと震わせる。
もう魔法伝達は使えない。
そんな僕を確実に仕留めようと、火竜がじりじりとこちらに距離を詰めてくる。
花京院の肩もないから、左腕はだらんとしていて、水晶龍の盾の閃光はもう使えない。
僕は、杖がわりにした小鳥遊の柄を握りしめて、最後の気力を振り絞った。
ふぅ。
……呼吸をするだけで全身に激痛が走るんだけど、それでも、整えないわけにはいかない。
「お前……ってさ、炎は無効……なんだっけ?」
僕は意識を集中させる。
大切なのは、イメージ。
「ふふ……、それじゃ……、ちょっと、試して……みようか」
僕は小鳥遊の柄を握りしめる。
小鳥遊の柄頭にある、「アウローラの目」。
僕に力は貸さない。
彼女はいつもそう言っていた。
観客が舞台に立つような、不粋な真似はしないと。
でも、僕は知っている。
彼女はいつだって、僕に力を貸してくれている。
なぜなら、彼女は、僕を愛しているから。
(アウローラ、よろしくね)
僕は心の中でそうつぶやいて、その魔法を強く意識する。
僕が唯一、マトモに使える、マトモじゃない攻撃魔法。
「ウン・コー!!!」
ゴッッ!!!!!
僕がそう叫んだ瞬間、「アウローラの目」から巨大な火球が火竜をめがけて飛び出した。
(い、いやいや……、僕はなんでこんな弱ってる時に、今までで一番すごい火球魔法を発動させちゃってるの……)
……でも、いかに僕にとって最大火力の攻撃魔法とはいえ、士官学校で最初に教えられる初級の攻撃魔法だ。
しかも、相手は炎属性が一切通用しない火竜。
(……今、笑ったな?)
火竜の表情なんてわかるわけがないんだけど、なぜか、ヤツの眼を見ていると、そんな気がした。
ほら、それが証拠に、僕の火球魔法を避けようともしない。
僕の最後の攻撃を完全に受け止めてみせて、絶望と恐怖に歪む顔を見てから、殺すつもりなのだ。
バァァァァァンッ!!
僕が放った火球魔法が火竜の顔面に命中する。
当然ながら、火竜にはまったく効かず、身じろぎ一つしない。
生涯一の大きさだった火球は、火竜に着弾した瞬間、一瞬まばゆい光を放ったものの、まるでその皮膚に吸収されるようにすぐさま消失し、周囲に静けさが戻る。
……だが。
ダァァァァァン――ッ!!!!
シュルルルルルルルッ――バンッ!!!!!
ヒュゥゥゥゥゥゥッッ――バンッ!!!!!
次の瞬間、轟音と共に飛び出した青白く輝く一条の光が火竜の右目を貫き、別の方向から二種類の風切音が発したかと思うと、今度は火竜の左目で爆発し、その眼球を破裂させた。
「ッッッアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!」
魔法石の効果でほとんど聞こえなくなっていた火竜の唸り声だったが、どうやらその範囲を超える絶叫を上げたのだろう。
火竜の凄まじい叫び声に、僕はそのまま、ぐらぁ、と身体が崩れていくのを感じた。
「ふふ……、ゾフィアまで参加したんだね……。さすがだなぁ……」
火球魔法が火竜に通用するはずはない。
だけど、照明弾代わりにはなる。
囮になって射程範囲ギリギリまで引きつけられたことにも気付かず、ヤツは傲慢にも、僕の火球魔法を顔面で受け止めたのだ。
そして、まともに意思疎通ができなかったのに、アリサ、エレインだけでなく、ゾフィアまでがそんな僕の意図を察し、螺旋銃と焙烙火矢で、火竜の両目を見事に射抜いたのだ。
「人間様と亜人様をナメてんじゃないぞ……ドラゴンふぜいが……」
大地に全身を委ねる心地よさと、火竜に文字通り一矢報いてやったことで、僕は口元がにやけるのを感じていた。
「くっさっ!!! くっさっ!!!!!」
「えっ?!」
しがみついていた火竜の首から離れ、後方宙返りで華麗に着地したルッ君が意気揚々と駆け寄ってきて、僕は思わず声を上げた。
他のみんなも同じだったらしく、嗅覚が敏感なノームたちは鼻を押さえてルッ君から後ずさった。
「な、なんだよ!? みんなひどくね?!」
「お、おい、咆哮が来るぞ!!」
抗議するルッ君からササッと距離を離しながら、ヴェンツェルが叫んだ。
尻尾を切断されてのたうち回っていた火竜が、倒れ込んだ姿勢のまま大きく口を開いていた。
「まずい!! みんな耳を塞いで口を……あれ?!」
一瞬、自分の耳が遠くなったのかと思った。
火竜は大きく口を開けて咆哮を上げているはずなのだけれど、何も聞こえてこない。
「ルッ君、もしかして……」
「ああ!! 例の魔法石をばっちり首の後ろに取り付けてやったぜ!!!」
そう言って、ニカッと笑って親指を突き立てたルッ君から、僕は三歩後ずさった。
ルッ君の両手はドロドロになっている。
「くっさ!!! なんなの、その泥みたいなの……」
「さっきからなんだよその反応。そういう悪趣味なイジり方すんなよな……」
ルッ君はそう言ってから、その泥だらけの指で鼻をすすった。
どうやら、鼻が詰まっていて、本人はこの強烈な臭さがわからないらしい。
「ほら、まつおさんが壁を塗った時に使った泥みたいなやつあるだろ? 火竜の足元にあれが積んであったから、それを使って魔法石を首にくっつけてやったんだよ」
「ルッ君……」
素晴らしい機転だと思う。
やっぱり、ルッ君の判断に任せて良かったと、心から思う。
でも……。
「壁の補修に使ったやつはさ、必要な分しか作ってないから、材料は何も余らせてないよ」
「へ? どういうこと?」
「それは、壁を塗った時に使ったやつじゃないってこと」
「え……、じゃ、じゃあ……何……?」
「いや、この臭さで泥みたいなやつって言ったら、そりゃ……」
「えっ……」
「ぎゃははははは!!! うんこだ!! それ、ドラゴンのうんこだぞ!!! ドラゴンはうんこの臭さも最強であったか!!! わはははは!!!」
大爆笑した花京院にイラっとしたのか、ルッ君が両手の指を花京院の顔に向かって弾いて、その飛沫を飛ばした。
「ぶっ!? う、うわっ、な、なんてことしやがるんだ!! 顔にかかっちまっただろ?! う、うわっ、くっさ!!」
ああ見えて潔癖なところがある花京院が必死に手で顔を拭った。
「うるせー!! せっかく命がけで頑張ったオレの見せ場を台無しにしやがって!!」
「ちょ、ちょっとアンタたち! 今はそれどころじゃないでしょ!!」
「そう言いながら半笑いでオレから後ずさるのやめろよ!!」
ルッ君が半泣きになりながらユキに言った。
「い、いや、ルッ君は良くやったと思うよ、うん」
「そんなフォローはもう手遅れなんだよ!」
ルッ君が僕に言った。
本当に、ルッ君って、冒険者としてはすごく頼りになるし、活躍もしているはずなのに、どうしてこうも毎回残念な結果になるんだろう。
「ルッ君、一度アリサの教会でお祓いしてもらえば?」
「お願いだから、来る前にちゃんと手を洗ってから来てね」
「ぷっ」
アリサの言葉に、ヒルダ先輩とメルが噴き出した。
「……卿よ、気をつけろ。火竜の姿勢が変わったぞ」
口元を押さえながら、ジルベールが言った。
最初鼻を押さえているのかと思ったら、どうやら笑いもこらえていたらしい。
僕たちは何もふざけていたわけじゃない。
ルッ君は若獅子戦の時に覚えたロープを使った壁移動を使って、一気にヤツに接近することができたけど、尻尾を切断されて大きく飛び下がった火竜と僕たちの間にはかなりの距離がある。
まだエレインの弓やアリサの螺旋銃の射程圏ですらない。
だから、陣形を整えて、急な咆哮や火炎の息に備えながら、前進している。
「直立姿勢をやめて、四足で立ってるね……」
「……おそらく、尻尾を切られて、直立ではあの巨体のバランスが取れなくなったんだろう」
ヴェンツェルが解説してくれた。
「四足になると、何かが変わるの?」
「……わからん。私が読んだ文献の中には、そんな記述は一切なかった」
「私も聞いたことがないわ」
ヴェンツェルの言葉に、メンバーの中で一番冒険者としてのキャリアがあるミスティ先輩が続いた。
「ヤツが尻尾を失った今、テイルスイングの脅威はなくなった。咆哮の心配もない。ブレスだけを警戒し、このまま遠距離で攻撃すれば良いのではないか?」
ヒルダ先輩の提案。
普通に考えればその通りだと思う。
だけど……。
ルッ君が取り付けてくれた魔法石のおかげで、竜のうなり声はほとんど聞こえない。
でも、その眼光は獰猛な輝きを見せ、鱗は逆立ち、鼻から高温の蒸気のようなものが噴き出している。
ヤツは、怒っている。
それも、尋常でないほどに。
「僕を、睨んでる」
完全に目が合ってしまった。
「ヘビに睨まれたカエル」ってセリカ王国の諺にあったっけ。
きっと、こういう状態を言うのだろう。
火竜の目を見ているだけで、どんどん力が削がれていきそうになるのだけど、なぜか目をそらすことができない。
「ベル、気をつけて、何かを仕掛ける気よ……!!」
メルが盾を構えながら、僕に耳打ちする。
火竜はこちらをじっと睨みながら、まるでエスパダの闘牛のように、後ろ足で地面を蹴りはじめた。
「突進する気か?! みんな離れて!!!!」
僕は叫んだ。
叫んだのはいいけれど、僕自身が、火竜の眼の力のせいか、なぜか動けない。
あ、ダメだ、無理だ。
情けないけど、仲間に頼るしかない。
「花京院、ジョセフィーヌ、ごめん、僕を運んでくれない? 動けない」
「あいよっ!!」
「変なトコ触っても許してねん!」
花京院とジョセフィーヌが目で合図をして、僕の両肩をそれぞれが組んだ。
「うぎゃあああああ!!! いでえええええっ!!!!」
「あ、すまん、折れてんだっけか」
僕の左腕を自分の肩にのせた花京院が言った。
「はぁはぁ、い、いや、大丈夫……、他に手はないし」
人生でこれまで味わったことがないような激痛に気が遠くなりそうになりながら、必死に気力を振り絞ってそう言った。
アドレナリン、もう少し頼むよ……。
「キツいと思うが、辛抱してくれな? あいつ、お前を狙ってるみてぇだから」
うなずく力もなく、目だけで花京院に返事をして、僕たちはその場から離脱を開始する。
その次の瞬間。
ビュオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!
「なっ?! 早っ!!!」
それまでの、どちらかといえば鈍重な動きで、僕は完全に目測を誤っていた。
生物最強と言われる強靭な筋力と、その巨大な翼を使った火竜の突進は、まるで旋風のようなスピードだった。
「ぐああっ!!!」
「グゲェェェッ!!」
「あ、あかんっ!!! ええかお前ら、防ごうと思うな!! 死ぬど!!」
テイルスイングの脅威がなくなり、密集隊形を取っていた僕たちの散開は、とても間に合わなかった。
直撃こそ免れたものの、大きなトゲがついた翼や身体に接触したゴブリンやノームたちが大きく吹き飛ばされた。
おそらく軽傷ではないだろう。
そのまま、勢いを殺すことなく、火竜がこちらに向かってくる。
「あ、まつおちゃん、ダメ、間に合わない!」
「くそっ!!!」
火竜はその巨大な体躯を左に大きく傾けて、ズザザザザザザッと後足で地面を滑らせながら、その巨木のような右前足を大きく振り上げて、あらゆるものを切り裂くような鉤爪をこちらに振り上げる。
その爪の先は、僕を担いで完全に無防備な花京院の首筋に……。
ガキィィィィィィ――ッ!!!!!
「ぐああああっ!!!!!!!」
「っくっ!!!!!!!!」
「ングッッッッ!!!!」
左腕を担いでもらっていて、助かった。
火竜の右前足の鉤爪は、花京院を切り裂くことなく、僕がなんとか意識を集中して出現させた水晶龍の盾と衝突した。
パシャッ――!!!!!
「ッッッ――!?」
その衝撃で吹き飛ばされる直前に水晶龍の盾から放たれた閃光で、火竜は視界を奪われて、なんとか追撃を阻止することができたものの、まともに突進攻撃を受けた僕たちは三人とも、数メートル後方に吹き飛び、ノーム王国の石壁に激突する。
「ま、まっちゃんっ!!!!」
「……」
一番近くにいて状況を目撃したユキが、悲鳴のような声を上げる。
大丈夫だと返事をしたいのだけれど、声が出ない。
というか、呼吸がうまくできない。
左腕どころか、なんか全身の骨が折れたみたいに力が入らない。
「ひゅ、ひゅ……」
……どうやら、隣にいる花京院も同じらしい。
とりあえず、生きているようで安心した。
「あ、よかった……、まつおちゃん、生きてた……」
「じょせ、ふぃも、よか……た……ごはっ……」
なんとか会話をしようとしたら、口から鮮血が噴き出した。
肋骨か何かが肺を傷つけたのかもしれない。
「ダメよしゃべっちゃ! アリサちゃんと合流するまで待ってて!!」
火竜の反対側にいたジョセフィーヌは、比較的無事なようだ。
(アウローラごめん……、せっかく助けてもらったのに、これはちょっと、詰んだかもしれない)
僕は少し、冒険というものをナメていたかもしれない。
士官学校に入学以来、様々な冒険をしてきて、その辺の冒険者より強くなったんじゃないかと自惚れていたかもしれない。
C組で一番の落ちこぼれなのに。
剣も、魔法も、何もかも、すべてが中途半端なのに。
今の突撃で、いったいどれだけの仲間が負傷したんだろう。
僕の判断ミスで。
怒り狂った火竜の成竜がこれほど強いとは思わなかった。
上位の冒険者っていう連中は、本当にこんなバケモノを相手にして、マトモにやり合えるのだろうか。
……だとしたら、僕に冒険者なんて、無理かもしれない。
せいぜい、爆笑王とか言われて、ヴァイリスやエスパダの人たちにからかわれる人生がお似合いなのかも……。
爆笑王。
爆笑王か……。
「ふ、ふ、ふふっ……」
「ま、まつおちゃん?!」
僕は、抱き上げてくれているジョセフィーヌの肩に手を置いて、よろよろと立ち上がった。
「笑えない……んだよ……。今の僕の……どこが爆笑王なんだ……」
視界を取り戻した火竜が僕の姿を見つけ、再び突撃姿勢に入る。
火竜の凄まじい眼光が、僕の瞳を捉える。
最上位の生物が、最弱の生物を見る目。
そうだ。
人間はおまえのような鋭い牙もなければ、立派な爪もない。
エルフのような知性も、ドワーフのような膂力も、ノームのような器用さもない。
そして僕は、そんな人間の中でもきっと最弱の存在だ。
でもな……。
追い詰められたら。
追い詰められた人間の怖さを、お前は知らない。
「お前に……見せてやるよ……。爆笑王と呼ばれた男の死に様をな……」
「し、死に様って……まつおちゃん!?」
僕は火竜の眼を真っ直ぐに見返しながら、ゆっくりヤツに近づいた。
「ま、まっちゃん!! あ、あんた、何してんの!!! に、逃げて!! 早く!!」
後ろからユキの声が聞こえる。
らしくない。
そんな悲鳴みたいな声を出さないでよ。
ちょっと、そのギャップ、ぐっと来ちゃうじゃん。
「へへ……」
自分の顔は自分ではわからないけど。
たぶん、アホみたいな顔でヘラヘラ笑っている気がする。
『アリサ、エレイン、聞こえているよね』
僕は魔法伝達を二人に送る。
アリサもエレインも負傷しているかもしれないし、動けないかもしれないけれど、今は安否確認をしている時間はない。
『えっとね……、あ、だめだ、ちょっ……待っ』
僕は小鳥遊を左腰に差した鞘から抜いて、杖のように地面に刺して、倒れそうになった身体を必死に支えた。
肺をやられて大声はとても出せないけど、魔法伝達ならなんとかできる……と思ったけど、どうやら僕の魔力は枯渇寸前らしい。
きっと、骨折やら何やらで生命維持に魔力を使っているんだろう。
どうやら、ペラペラしゃべっている余裕はなさそうだ。
朦朧とする意識をなんとか集中させて、僕は二人に向かって、最低限のメッセージを送ろうとした。
だけど……。
「ごふっ!!!」
限界だった。
口から鮮血を吐いて、僕は生まれたての子鹿のように、足をガクガクと震わせる。
もう魔法伝達は使えない。
そんな僕を確実に仕留めようと、火竜がじりじりとこちらに距離を詰めてくる。
花京院の肩もないから、左腕はだらんとしていて、水晶龍の盾の閃光はもう使えない。
僕は、杖がわりにした小鳥遊の柄を握りしめて、最後の気力を振り絞った。
ふぅ。
……呼吸をするだけで全身に激痛が走るんだけど、それでも、整えないわけにはいかない。
「お前……ってさ、炎は無効……なんだっけ?」
僕は意識を集中させる。
大切なのは、イメージ。
「ふふ……、それじゃ……、ちょっと、試して……みようか」
僕は小鳥遊の柄を握りしめる。
小鳥遊の柄頭にある、「アウローラの目」。
僕に力は貸さない。
彼女はいつもそう言っていた。
観客が舞台に立つような、不粋な真似はしないと。
でも、僕は知っている。
彼女はいつだって、僕に力を貸してくれている。
なぜなら、彼女は、僕を愛しているから。
(アウローラ、よろしくね)
僕は心の中でそうつぶやいて、その魔法を強く意識する。
僕が唯一、マトモに使える、マトモじゃない攻撃魔法。
「ウン・コー!!!」
ゴッッ!!!!!
僕がそう叫んだ瞬間、「アウローラの目」から巨大な火球が火竜をめがけて飛び出した。
(い、いやいや……、僕はなんでこんな弱ってる時に、今までで一番すごい火球魔法を発動させちゃってるの……)
……でも、いかに僕にとって最大火力の攻撃魔法とはいえ、士官学校で最初に教えられる初級の攻撃魔法だ。
しかも、相手は炎属性が一切通用しない火竜。
(……今、笑ったな?)
火竜の表情なんてわかるわけがないんだけど、なぜか、ヤツの眼を見ていると、そんな気がした。
ほら、それが証拠に、僕の火球魔法を避けようともしない。
僕の最後の攻撃を完全に受け止めてみせて、絶望と恐怖に歪む顔を見てから、殺すつもりなのだ。
バァァァァァンッ!!
僕が放った火球魔法が火竜の顔面に命中する。
当然ながら、火竜にはまったく効かず、身じろぎ一つしない。
生涯一の大きさだった火球は、火竜に着弾した瞬間、一瞬まばゆい光を放ったものの、まるでその皮膚に吸収されるようにすぐさま消失し、周囲に静けさが戻る。
……だが。
ダァァァァァン――ッ!!!!
シュルルルルルルルッ――バンッ!!!!!
ヒュゥゥゥゥゥゥッッ――バンッ!!!!!
次の瞬間、轟音と共に飛び出した青白く輝く一条の光が火竜の右目を貫き、別の方向から二種類の風切音が発したかと思うと、今度は火竜の左目で爆発し、その眼球を破裂させた。
「ッッッアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!」
魔法石の効果でほとんど聞こえなくなっていた火竜の唸り声だったが、どうやらその範囲を超える絶叫を上げたのだろう。
火竜の凄まじい叫び声に、僕はそのまま、ぐらぁ、と身体が崩れていくのを感じた。
「ふふ……、ゾフィアまで参加したんだね……。さすがだなぁ……」
火球魔法が火竜に通用するはずはない。
だけど、照明弾代わりにはなる。
囮になって射程範囲ギリギリまで引きつけられたことにも気付かず、ヤツは傲慢にも、僕の火球魔法を顔面で受け止めたのだ。
そして、まともに意思疎通ができなかったのに、アリサ、エレインだけでなく、ゾフィアまでがそんな僕の意図を察し、螺旋銃と焙烙火矢で、火竜の両目を見事に射抜いたのだ。
「人間様と亜人様をナメてんじゃないぞ……ドラゴンふぜいが……」
大地に全身を委ねる心地よさと、火竜に文字通り一矢報いてやったことで、僕は口元がにやけるのを感じていた。
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