幼馴染

はんだやじるし

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あの時からずっと

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中学に入学して半年がたった頃、私は今まで出会ってきた男の子の中で一番を見つけた。

東 青涙

文化祭準備中にカッターで怪我をした私に絆創膏をくれた男の子。
顔を見た瞬間好きになった…
きれいな青い髪に青い目…その冷淡な瞳に私は胸がときめいていた。
何か傷ついたような顔、それなのにそれすらも美しく思えるほどきれいな顔だった。

彼は、同じ学年の隣のクラスだった。
一緒にいる時間が少なくあの時は、ものすごく落ち込んだが、何度も隣のクラスに行き彼を眺めていた。
それはとても幸せな時間だった。


それから中学卒業をし彼と同じ高校に通うようになり、彼と同じクラスなことに泣くほど喜んだ。
中学の頃からクラスのカースト上位に
いた私は高校でもそれは変わらなかった。

これで、彼に近づくことができる。と思い。
私は、積極的に青涙に話しかけるようにした。
彼はいつも冷たい顔をしている。
この顔を笑顔にできるのは私だけ。
だって、私には優しくしてくれたもの。
きっと私にその冷たい顔を溶かしてほしいのよ。
だからどうにかしようと話をたくさんした。
私の好きなもののことや私の友達のこと。
いろんな人にも合わせた、ふれあいは大事だもの。
それから、少ししてあの出会いのあった10月の1日に告白して付き合うことになった。
これで何か変わるはず、きっと私に笑顔を向けてくれるはずと期待していた。
けど彼は、私の話に一度も笑顔など向けたことがなかった。
あなたのために私は、ボブにしたのに。

何が私には足りない?
彼が私に救いを求めたはずなのになぜ?

でも最近わかったことがある。孝浩にだけはよく笑っていた。
幼馴染だからだらうと納得していたが、もう一人、二人の会話の中で出てきた名前があった。
その名前を呼ぶときの青涙の顔は、いつも穏やかだった。

"ツカちゃん"

とそいつは呼ばれていた。
青涙を穏やかにするそのツカちゃんに私は心底腹が立った。

青涙を笑顔にするとは私は!
それは、あの時からずっと変わらない!

どうにかしてあいつから青涙を遠ざけなければならない。
そうじゃなきゃ、壊れちゃう!
私が綺麗なままな青涙を笑顔にさせないと!
あいつには絶対にさせない!
あいつのせいで綺麗だった顔が壊れることは許さない!
許さない!許さない!許さない!

(お話しなきゃ)
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