クマのおなかの歌

つせうよち

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クマのおなかの歌

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 僕はクマ町に住んでいるクー太郎、子犬ぐらい小さいころから一緒にいる大事な友達がいる。

 最近、友達にフルーツをあげると楽しいことが起きることに気付いた。

 それは、おなかから歌が聞こえるというものだ。

 どんな音が聞こえるかだって?

 それは友達が来てのお楽しみ。

 今日もそんな不思議なことができる友達と遊ぶ予定だ。

 ちなみに友達の名前は、ベア次郎っていうんだ。

 次男だからベア次郎なんだってさ。

 ピンポーン。

 そんな話をしていたら、ベア次郎が来たみたいだ。

クー太郎「はーい、今開けるね」

 ガチャ。

ベア次郎「よっ! 久しぶり」

クー太郎「2日前にも家に来たじゃないか」

ベア次郎「あれ? そうだったっけ」

クー太郎「そうだよ。 ってそんなことより今日もあの歌聞かせて」

ベア次郎「クー太郎は、ほんとにあれ好きだな。」

クー太郎「はやくはやく」

 クー太郎は、冷蔵庫からおやつのフルーツをたくさん持ってきた。
 クー太郎は母クマとおやつは1日1つと約束しているのに、クー太郎は歌を聞きたいがために、全部持ってきた。
 そして、ベア次郎にすべて食べさせた。

ベア次郎「おーーそろそろくるぞ」

クー太郎「おーー」

ベア次郎のおなか「わっしょいわっしょいもーーぐもーーぐ」

 大きな音がベア次郎のおなかから聞こえてきた。

クー太郎「ケラケラケラ」

 クー太郎は大笑い。

 笑いすぎてせき込んでしまうほどに。

ベア次郎「どうだ面白かっただろう」

クー太郎「うん、とても面白かったよ。 また聞きたいな」

 ガチャ

 玄関からドアが開く音がした。

母クマ「ただいま!」

クー太郎「お母さんおかえりなさい」

 母クマは、靴を脱いだ後、あることに気が付く。

 子供たちが食べ散らかしたフルーツの皮が床に落ちている。

クー太郎「あ! これは違うんだよお母さん。 今片付けようと思っていたんだよ」

 母クマの顔が鬼のようになっていく。

母クマ「クー太郎! おやつは1日1つでしょ!」

ベア次郎「あっ! やべ」

 クー太郎とベア次郎は、今日、3つのことを学んだ。

 約束は守る、後片付けはすぐする、おやつは1日1つ。
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