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「カルテ1 蒸芽ガイルの場合」
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「カルテ1 蒸芽ガイルの場合」
「すみません。ここって「マリアの方舟」っていう駆け込み寺ですよね。夫の暴力から逃げて来たんですけど私と子供を少しの期間でいいので匿ってもらえませんか?」
皆で昼食を食べていると、突然、大阪ニコニコプロレスの道場を幼い女の子の手を引いて西欧系の白人を思わせる白い肌と高い鼻を持つ赤毛の若い女が道場のインターホンを鳴らした。
「ん?まあ、駆け込み寺って訳やあれへんねんけど、訳ありの様子やな。まあ、中に入ってや。役に立てるかどうかはわからんけど話くらいは聞くで。」
と市民サロンの老人たちの昼食を準備していた直がインターホン越しに返事をした。
道場2階の事務所に入ると女は身の上話を始めた。白人女の名は「蒸芽ガイル」。オランダ人の父と日本人の母を持つ日本生まれのハーフ美人で25歳との事だった。娘の名は「蘭」で3歳になるという事だった。父親が長期日本出張の時に母と出逢い、ガイルは日本で生まれた。
一度はフランスに赴任した父についてフランスで生活した後、フランスで大人気だった日本アニメにはまり、高校を卒業すると日本の大学に留学し、成人を迎えるにあたって「日本国籍」を選択し、日本の大手企業に就職した。
そこで知り合った10歳年上の日本に帰化した中国系エンジニア男性と大恋愛の後、結婚した。普通の企業人と思っていた夫の裏の顔を知ったのは第1子である「蘭」が生まれた後の事だった。
保育園の入園抽選の際に家族全員を記載した住民票が必要だという事で、夫のマイナンバーカードを持ち出してコンビニで誤って戸籍謄本を取得した時に夫に複数の男性の養子がいることがわかったと説明をした。
「はっ?あんたの旦那さんって10歳上っていう事はまだ35歳やろ?離婚前の子供やなくて養子ってか?」
稀世が不思議そうな顔をしてガイルに尋ねた。ガイルも同じことを考えたという。市役所の戸籍課に行って尋ねると、香港からの男性の養子を4人受け入れているという事だったが、ガイルは私生活の中でも結婚式の時にもそんな男は見た事も会ったことも無い。
その日の夜、ガイルは夫に尋ねた。すると、香港に居た親戚が日本での就労ビザが下りなかった為、就職の際に日本国籍を取得する為に養子として戸籍を貸したという事だった。
「その時、私も驚いちゃって「その親戚ってどこにいるの?」、「今も付き合いはあるの?」って問い詰めたんです。そこからギクシャクしだして…。
そして、ある日、夫のネットバンクの取引履歴を見ちゃったんです…。給料以外に大きな金額の入金が4回あって、その日付は「養子縁組」の時期と重なってたんです。しかも、入金元は明らかに中国人の名前で、入金直後に海外法人にその殆どが送金されてたんですよ。」
と答えたガイルにまりあが「どういう意味」?」と尋ねた。
ガイルは夫が送金した先の企業名を検索したところ、いわゆる「香港マフィア」の隠れ蓑としていた企業と分かった。
夫にその事を突き詰めた時から、ガイルへの暴力が始まった。家から出ることは買い物と保育園の送り迎え以外は許されず、わずかな口答えでもすれば即殴られた。
どこにも相談できずにいたガイルが買い物に行った帰りに通りがかったひなびた倉庫街で、偶然夫の姿を見かけた。スーツ姿でビジネスバッグを持つ夫の前に、いかつい黒塗りのベンツが止まった。そのベンツから降りて来たのは、明らかに夫の会社の取引先とは思えない風貌で、「やくざ」か「マフィア」だと直感的に感じたという。
夫は素人でないであろう男に、ビジネスバックを手渡すとその場を離れた。
「それでどないしたん?」
まりあは尋ねなおすと、ガイルはこっそりと黒塗りのベンツを尾行したとの事だった。そのベンツが到着したビルは、夫が過去に数回大きな振り込みをした会社の看板が掛けられていた事でガイルは夫の正体を悟った。
「その日の夜、夫が帰る前に私は夫の私室を調べました。部屋から複数の拳銃や反社と思われる者たちの名刺が出てきたんです…。はい、夫は香港マフィアの一員でした…。おそらく企業スパイとして日本企業に送り込まれていたのだと思います。
これ以上、夫といることは娘の蘭にとっても良くないと思い、今日、こっそりとここに来たんです。まりあ様、ご迷惑を承知でお願いします。手持ちのお金も殆ど無いので落ち着き先が決まるまでここで仕事をしながら匿って欲しいんです…。」
と最後は涙をこぼしながらまりあに訴えた。
「へー、香港マフィアってか?まあその前に女に暴力を振るうような奴は許したらあかんやろ!まりあちゃん、「儀を見てせざるは勇なきなり」や。対応は金城事務所の森先生と副島はんに相談するとして、このまま母娘を家に帰すわけにもいかへんやろ。3階にスペースはあるんやから預かったりや。
ガイルちゃんは別嬪さんやから「BARまりあ」の客も喜んで飲みよるやろうから、引っ越し代が溜まるまで給料払ったったらええやろ。」
の直の一言でガイルと蘭は今しばらく道場で一緒に生活する事が決まった。
その場にいた、出口はガイルにインタビューを始めた。まりあはその横で、「あぁ、大変やったな…。」、「それは辛かったな…。」とガイルの感情に合わせて相槌を打った。
一通りの説明が終わるとガイルはすっきりとした顔つきになっていた。
「まりあさんって本物のマリア様みたいですね。」
ようやくこわばった表情から笑顔に変わったガイルに災難が襲う8時間前の事だった。
夜8時、ガイルは蘭を直に預けて「BARまりあ」の初出勤となった。ニコニコ商店街の男性客は自然の赤毛美人に笑顔を向け次々とおかわりを頼み、新しいボトルを入れた。気さくな客と暫しの楽しいおしゃべりタイムを過ごしていると、午後8時半を少し過ぎた頃、「招かれざる客」がやって来た。
明らかに「チンピラ」風の若くいかつい2人の男と一緒に入店してきたスーツ姿の男がカウンター内にいるガイルに
「おい、ガイル!なにお前、勝手に書き残し置いて出て行ってるんだ。さあ、帰るぞ!蘭はどこに居るんだ?」
と怒鳴ると、勝手にカウンター内に侵入しガイルを抱え上げると肩に担いで店を出て行こうとした。ガイルと一緒にカウンターに入っていた夏子と陽菜が「あんたらガイルちゃんに何すんねん!」と男達に食って掛かったが、「邪魔や!」、「お前らに用はない!」と一蹴にされ、吹っ飛ばされた。
奥のボックス席で客を接待していたまりあと稀世はその怒声の内容からガイルの夫がガイルを連れ戻しに来たのだと直感で理解し、「ちょっとごめん!」、「すぐ戻るから待っててな!」と断りを入れ、席を立つと3人の男とガイルを追った。
店を出た前の道路に黒い大型ワゴンがハザードランプをつけて止まっていた。「きゃー、まりあさん、稀世さん助けてー!」とガイルの声が夜の商店街に響いた。
「ゴルァ!ガイルちゃんに何するんじゃい!」
と叫んだ稀世のドロップキックがひとりのチンピラの背中にさく裂し、男はつんのめって顔から道路に叩きつけられた。
もうひとりの男は「なんじゃお前ら!」と叫びきる前にまりあのラリアットが顎先から喉元に決まり、空中で270度回転して顔から道路に落ちた。
ガイルの夫は2人の仲間が瞬殺されるのを見て、ガイルを放り出すとスーツの内ポケットから左手でジャックナイフを取り出しまりあに向けた。
「女相手にナイフかい!そんなもん出すと高くつくで!」
ヒールレスラーらしく低い声でまりあは警告すると同時に、浴びせ蹴りでガイルの夫の左肩口に踵を食い込ませると「ゴリュッ!」と骨が砕ける音がして、男はナイフを落とした。
「畜生!」と男は叫び、今度は右手で拳銃を取り出し稀世に向け、有無を言わさず引き金を引いた。
「パン、パン、パン」と乾いた音がこだました。稀世の姿は猛ダッシュで銃口を通り過ぎ、男の胸にタックルすると同時に両腕を腰に回しロックした。
「でりゃぁぁ!」と後ろにのけぞったガイルの夫の身体を引き寄せるとその反動を活かし渾身のフロントスープレックスで稀世の身体が後ろに反り返り綺麗なアーチを描いてガイルの夫は脳天から道路に叩きつけられ意識を失った。
騒ぎや銃声に反応した商店街の仲間が「110番」してくれたようで、遠くからパトカーのサイレンが聞こえて来た。
ワゴン車から別の男が3人飛び降りてきた。「なんじゃい!まだやるんかい!」とまりあが叫んだが3人の男は路上で倒れた仲間を担いでワゴン車に放り込むと、猛スピードで去っていった。
BARまりあから飛び出してきた夏子と陽菜は道路の端に落ちたジャックナイフに気が付いた。防犯カメラの死角になっている事を確認して、こっそりとポケットに入れ、道路中央に残された拳銃についてはまりあに預けた。
まもなくパトカーが到着し、ガイルとまりあ、稀世は簡単な聴取を受けた。店内の防犯カメラでガイルが強引に誘拐されたシーンと店の表の防犯カメラ映像で相手が拳銃を出し、発砲したシーンの映像をSDカードに落とし、証拠映像として警察に渡した。
「ところで、なんでガイルちゃんがここにおる事がわかったんやろか?」と首を捻る稀世の後ろから「ガイルちゃん、ちょっとスマホ見せてや!」と夏子が首を突っ込んできた。ガイルが素直にスマホを立ち上げて夏子に手渡すと数回画面をタップして言った。
「あー、やっぱりGPS追跡アプリ入れられてるわ。しかも、丁寧に隠しフォルダに入れてある周到さや。ガイルちゃん、別のスマホ用意するからこのスマホにはおとりとして北海道にでも行ってもらおうか!」
と言うと、店に戻るとガイルのスマホのデータをブランクスマホに移送して、「釧路運輸」と書かれた釧路ナンバーの大型トラックの運転手に何か話しかけると、ガイルの元のスマホをドライバーに手渡した。
「おまけ」
「おまけのおまけ」
RBFC女子部からリクエストをもらってた「ロン毛バーテンダーの祥ちゃん(笑)」
「すみません。ここって「マリアの方舟」っていう駆け込み寺ですよね。夫の暴力から逃げて来たんですけど私と子供を少しの期間でいいので匿ってもらえませんか?」
皆で昼食を食べていると、突然、大阪ニコニコプロレスの道場を幼い女の子の手を引いて西欧系の白人を思わせる白い肌と高い鼻を持つ赤毛の若い女が道場のインターホンを鳴らした。
「ん?まあ、駆け込み寺って訳やあれへんねんけど、訳ありの様子やな。まあ、中に入ってや。役に立てるかどうかはわからんけど話くらいは聞くで。」
と市民サロンの老人たちの昼食を準備していた直がインターホン越しに返事をした。
道場2階の事務所に入ると女は身の上話を始めた。白人女の名は「蒸芽ガイル」。オランダ人の父と日本人の母を持つ日本生まれのハーフ美人で25歳との事だった。娘の名は「蘭」で3歳になるという事だった。父親が長期日本出張の時に母と出逢い、ガイルは日本で生まれた。
一度はフランスに赴任した父についてフランスで生活した後、フランスで大人気だった日本アニメにはまり、高校を卒業すると日本の大学に留学し、成人を迎えるにあたって「日本国籍」を選択し、日本の大手企業に就職した。
そこで知り合った10歳年上の日本に帰化した中国系エンジニア男性と大恋愛の後、結婚した。普通の企業人と思っていた夫の裏の顔を知ったのは第1子である「蘭」が生まれた後の事だった。
保育園の入園抽選の際に家族全員を記載した住民票が必要だという事で、夫のマイナンバーカードを持ち出してコンビニで誤って戸籍謄本を取得した時に夫に複数の男性の養子がいることがわかったと説明をした。
「はっ?あんたの旦那さんって10歳上っていう事はまだ35歳やろ?離婚前の子供やなくて養子ってか?」
稀世が不思議そうな顔をしてガイルに尋ねた。ガイルも同じことを考えたという。市役所の戸籍課に行って尋ねると、香港からの男性の養子を4人受け入れているという事だったが、ガイルは私生活の中でも結婚式の時にもそんな男は見た事も会ったことも無い。
その日の夜、ガイルは夫に尋ねた。すると、香港に居た親戚が日本での就労ビザが下りなかった為、就職の際に日本国籍を取得する為に養子として戸籍を貸したという事だった。
「その時、私も驚いちゃって「その親戚ってどこにいるの?」、「今も付き合いはあるの?」って問い詰めたんです。そこからギクシャクしだして…。
そして、ある日、夫のネットバンクの取引履歴を見ちゃったんです…。給料以外に大きな金額の入金が4回あって、その日付は「養子縁組」の時期と重なってたんです。しかも、入金元は明らかに中国人の名前で、入金直後に海外法人にその殆どが送金されてたんですよ。」
と答えたガイルにまりあが「どういう意味」?」と尋ねた。
ガイルは夫が送金した先の企業名を検索したところ、いわゆる「香港マフィア」の隠れ蓑としていた企業と分かった。
夫にその事を突き詰めた時から、ガイルへの暴力が始まった。家から出ることは買い物と保育園の送り迎え以外は許されず、わずかな口答えでもすれば即殴られた。
どこにも相談できずにいたガイルが買い物に行った帰りに通りがかったひなびた倉庫街で、偶然夫の姿を見かけた。スーツ姿でビジネスバッグを持つ夫の前に、いかつい黒塗りのベンツが止まった。そのベンツから降りて来たのは、明らかに夫の会社の取引先とは思えない風貌で、「やくざ」か「マフィア」だと直感的に感じたという。
夫は素人でないであろう男に、ビジネスバックを手渡すとその場を離れた。
「それでどないしたん?」
まりあは尋ねなおすと、ガイルはこっそりと黒塗りのベンツを尾行したとの事だった。そのベンツが到着したビルは、夫が過去に数回大きな振り込みをした会社の看板が掛けられていた事でガイルは夫の正体を悟った。
「その日の夜、夫が帰る前に私は夫の私室を調べました。部屋から複数の拳銃や反社と思われる者たちの名刺が出てきたんです…。はい、夫は香港マフィアの一員でした…。おそらく企業スパイとして日本企業に送り込まれていたのだと思います。
これ以上、夫といることは娘の蘭にとっても良くないと思い、今日、こっそりとここに来たんです。まりあ様、ご迷惑を承知でお願いします。手持ちのお金も殆ど無いので落ち着き先が決まるまでここで仕事をしながら匿って欲しいんです…。」
と最後は涙をこぼしながらまりあに訴えた。
「へー、香港マフィアってか?まあその前に女に暴力を振るうような奴は許したらあかんやろ!まりあちゃん、「儀を見てせざるは勇なきなり」や。対応は金城事務所の森先生と副島はんに相談するとして、このまま母娘を家に帰すわけにもいかへんやろ。3階にスペースはあるんやから預かったりや。
ガイルちゃんは別嬪さんやから「BARまりあ」の客も喜んで飲みよるやろうから、引っ越し代が溜まるまで給料払ったったらええやろ。」
の直の一言でガイルと蘭は今しばらく道場で一緒に生活する事が決まった。
その場にいた、出口はガイルにインタビューを始めた。まりあはその横で、「あぁ、大変やったな…。」、「それは辛かったな…。」とガイルの感情に合わせて相槌を打った。
一通りの説明が終わるとガイルはすっきりとした顔つきになっていた。
「まりあさんって本物のマリア様みたいですね。」
ようやくこわばった表情から笑顔に変わったガイルに災難が襲う8時間前の事だった。
夜8時、ガイルは蘭を直に預けて「BARまりあ」の初出勤となった。ニコニコ商店街の男性客は自然の赤毛美人に笑顔を向け次々とおかわりを頼み、新しいボトルを入れた。気さくな客と暫しの楽しいおしゃべりタイムを過ごしていると、午後8時半を少し過ぎた頃、「招かれざる客」がやって来た。
明らかに「チンピラ」風の若くいかつい2人の男と一緒に入店してきたスーツ姿の男がカウンター内にいるガイルに
「おい、ガイル!なにお前、勝手に書き残し置いて出て行ってるんだ。さあ、帰るぞ!蘭はどこに居るんだ?」
と怒鳴ると、勝手にカウンター内に侵入しガイルを抱え上げると肩に担いで店を出て行こうとした。ガイルと一緒にカウンターに入っていた夏子と陽菜が「あんたらガイルちゃんに何すんねん!」と男達に食って掛かったが、「邪魔や!」、「お前らに用はない!」と一蹴にされ、吹っ飛ばされた。
奥のボックス席で客を接待していたまりあと稀世はその怒声の内容からガイルの夫がガイルを連れ戻しに来たのだと直感で理解し、「ちょっとごめん!」、「すぐ戻るから待っててな!」と断りを入れ、席を立つと3人の男とガイルを追った。
店を出た前の道路に黒い大型ワゴンがハザードランプをつけて止まっていた。「きゃー、まりあさん、稀世さん助けてー!」とガイルの声が夜の商店街に響いた。
「ゴルァ!ガイルちゃんに何するんじゃい!」
と叫んだ稀世のドロップキックがひとりのチンピラの背中にさく裂し、男はつんのめって顔から道路に叩きつけられた。
もうひとりの男は「なんじゃお前ら!」と叫びきる前にまりあのラリアットが顎先から喉元に決まり、空中で270度回転して顔から道路に落ちた。
ガイルの夫は2人の仲間が瞬殺されるのを見て、ガイルを放り出すとスーツの内ポケットから左手でジャックナイフを取り出しまりあに向けた。
「女相手にナイフかい!そんなもん出すと高くつくで!」
ヒールレスラーらしく低い声でまりあは警告すると同時に、浴びせ蹴りでガイルの夫の左肩口に踵を食い込ませると「ゴリュッ!」と骨が砕ける音がして、男はナイフを落とした。
「畜生!」と男は叫び、今度は右手で拳銃を取り出し稀世に向け、有無を言わさず引き金を引いた。
「パン、パン、パン」と乾いた音がこだました。稀世の姿は猛ダッシュで銃口を通り過ぎ、男の胸にタックルすると同時に両腕を腰に回しロックした。
「でりゃぁぁ!」と後ろにのけぞったガイルの夫の身体を引き寄せるとその反動を活かし渾身のフロントスープレックスで稀世の身体が後ろに反り返り綺麗なアーチを描いてガイルの夫は脳天から道路に叩きつけられ意識を失った。
騒ぎや銃声に反応した商店街の仲間が「110番」してくれたようで、遠くからパトカーのサイレンが聞こえて来た。
ワゴン車から別の男が3人飛び降りてきた。「なんじゃい!まだやるんかい!」とまりあが叫んだが3人の男は路上で倒れた仲間を担いでワゴン車に放り込むと、猛スピードで去っていった。
BARまりあから飛び出してきた夏子と陽菜は道路の端に落ちたジャックナイフに気が付いた。防犯カメラの死角になっている事を確認して、こっそりとポケットに入れ、道路中央に残された拳銃についてはまりあに預けた。
まもなくパトカーが到着し、ガイルとまりあ、稀世は簡単な聴取を受けた。店内の防犯カメラでガイルが強引に誘拐されたシーンと店の表の防犯カメラ映像で相手が拳銃を出し、発砲したシーンの映像をSDカードに落とし、証拠映像として警察に渡した。
「ところで、なんでガイルちゃんがここにおる事がわかったんやろか?」と首を捻る稀世の後ろから「ガイルちゃん、ちょっとスマホ見せてや!」と夏子が首を突っ込んできた。ガイルが素直にスマホを立ち上げて夏子に手渡すと数回画面をタップして言った。
「あー、やっぱりGPS追跡アプリ入れられてるわ。しかも、丁寧に隠しフォルダに入れてある周到さや。ガイルちゃん、別のスマホ用意するからこのスマホにはおとりとして北海道にでも行ってもらおうか!」
と言うと、店に戻るとガイルのスマホのデータをブランクスマホに移送して、「釧路運輸」と書かれた釧路ナンバーの大型トラックの運転手に何か話しかけると、ガイルの元のスマホをドライバーに手渡した。
「おまけ」
「おまけのおまけ」
RBFC女子部からリクエストをもらってた「ロン毛バーテンダーの祥ちゃん(笑)」
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