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「マスコミ攻勢」
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「マスコミ攻勢」
まりあは刑事の坂井と載田と一緒に覆面パトカーの後部座席に乗り込むと門真署方面に走っていった。取り急ぎ、副島が馴染みの弁護士である「原鉄雄」に電話を入れ事情を話した。いくつかのやり取りの後、「ちょっと、「身元引受」以外でも調べて欲しい事があるんやけどな…、」と副島は電話口に話すと、事務所を出て廊下に出た。
「夏子と陽菜はこのSNSの大騒ぎの元を特定せえ!出口君は可能ならジャーナリスト仲間から情報を集めると同時に、バーターで真実を伝えてくれるメディアを当たってくれ。稀世ちゃんは、ちょっとわしに付き合え。」
直は手短に指示を出すと、稀世を連れて1階の道場へと姿を消した。
事務所に残された夏子と陽菜は出口と打ち合わせ、役割分担を決めた。出口からは
「門真に「メディアクリエイト」っていう「スクープ狙い」の番組制作会社があって、そこは「逆張り」好きなので味方してくれると思います。
スクープ情報の発信力には定評力のあるところなので、なっちゃんと陽菜ちゃんのつかんだ情報とリンクさせて欲しい。
「出口調査」によると、奥村を起点にしていくつかの「点」がまだ確証はないけど何か繋がっているような気がするんやわ。まだ、証拠が挙がってるわけやないけど、一応、俺の「予想」も話しておくわな…。」
とここ数日で調べ上げた事を、ホワイトボードにカラー付箋を貼り付けて事態の分析に入った。
夜8時、まりあが弁護士の原と共に道場の事務所に戻ってきた。原はメンバーに軽く会釈すると「再度、呼び出しがかかると思いますが、今日の所は解放されました。皆さんにもいくつかヒアリングさせてください。」と言い、ノートパソコンとボイスレコーダーを取り出した。
「おい、夏子と陽菜、そして稀世ちゃんは店に行きや。今日は、ガイルちゃん、結衣ちゃん、さくらちゃんは表に出さんと、居酒屋のバックヤードで仕事はさせるようにな。この状況でも応援してくれてる客が居るんやから、そうそう休んでおられへんでなぁ。」
と直は3人を店に追い立てると、まりあと副島と一緒に原の前の席に座った。
会議テーブルの上に置かれた、直のスマホの「ニコニコプロレス公式」アカウントの「X」には毎分数件の悪意に満ちた書き込みが次々と書き足されていくのが目に入ったが、気にしないようにしている。
出口は、自ら声をかけたメディアクリエイト社の代表であり、ジャーナリストの太田敏夫の対応にあたっていた。
「あぁ、うちにも他局の東京の制作局からの「下請け取材」の依頼が来てるわ。でも、今の出口君の行ってることが真実とするならば、うちはマスコミの主流に乗らずにあえて「逆張り」でいかせてもらうかな。
まあ、取材費をもらってちょこちょこ稼ぐより、大穴狙いで「ドカーン」とスクープ当てたる方が実入りはでかいからな。まず聞きたいのは…、」
と太田主導で逆取材が始まっていた。
その間に、まりあは次々とかかってくるクリスマス興行の参加団体との電話の対応に追われ、会議の席に落ち着いて座っている事は出来なかった。まりあの人柄を良く知る団体は「理不尽な報道に負けんと頑張ってや!」、「いずれ誤解は解けるよ。私はまりあさんを信じてるからね。」と励ましてくれたが、付き合いの薄い団体は「うちの払い戻しはどうしてくれんの?」、「大会キャンセルがほんまになった時は賠償請求させてもらうで!」、「うちが潰れたらどう責任取ってくれるんや。」、「今のままでは、もう年は越されへん。あんたの所に駆け込みたくなってしまうわ。くすんくすん。」と怒りをあらわにしたり、泣きつく者も出る始末だった。
12月15日の朝のワイドショーは民放4社が「まりあの方舟」事件を取り扱った。相変わらず1979年から1980年に社会を騒がせた「千石イエス」による「イエスの箱舟事件」と並べて論ずる若いタレントコメンテーターがいると思えば、2局のベテラン解説員は
「1979年の「千石イエス」および「イエスの方舟」への報道は結果的にマスコミの誤報だったわけですから、今回の事件も慎重に調べて報道をする必要があると思いますよ。」
と慎重な姿勢を見せた。
「ほー、4局中2局は「近畿放送」に乗っかって、2局はうちらにとって悪くない反応やな。」
と朝食を取りながら直が呟くと、夏子と陽菜が眉間にしわを寄せて呟いた。
「直さん、それは甘いで…。昼のワイドショーではおそらく4局ともうちに対して凄い逆風を吹かせて来よるで!えらいこと言いだす奴が出てきたんやわ。」
「そうそう、朝、7時の時点で私らが見た事も会ったことも無い奴数人が、「まりあの方舟の信者やった。」、「まりあさんから酷い目に遭わされた。」ってユーチューブにアップして、マスコミ取材「OK」を出してるんですよ。」
それを耳にしたまりあと稀世はため息をつくしかなかった。
朝食時の夏子と陽菜の予言はぴったりと当たった。午前10時に大阪ニコニコプロレス前に多くのデモ隊が現れ「娘を返せ!」、「嫁を開放しろ」、「どうか子供を返してください。」というとんでもない叫び声と「カルト宗教団体は出て行け!」、「門真の街にインチキ宗教団体は要らない!」、「人権無視の教団と教祖は今すぐ謝罪しろ!」等々書かれたプラカードがいくつも掲げられ、見える範囲だけでも地上波4局の取材陣が繰り出しているのが窓から見えた。
「あーあ、こりゃ、午後からは一歩も出られへんな。今日はシャッターは開けんと大人しく道場で練習やな。」
と諦め口調で稀世は呟いた。
食堂のテーブルの端では出口が夏子と陽菜を連れて3台のノートパソコンとスマホを駆使して、何やら議論を繰り返してテレビにも表の騒ぎにも意識は行かず、真剣な表情でノートを開いて話を続けている。
1台のパソコンはオンラインでメディアプロダクトの太田と繋がっているようで、話の途中で陽菜が立ち上がり直に言った。
「ガイルちゃん誘拐未遂事件の時に拾ったナイフの写真ってまだ残ってる?私のスマホに転送して欲しいねんけど。」
「おまけ」
全く本編に関係ないけどリクエストもらったので(笑)!
「おまけのおまけ」
まりあは刑事の坂井と載田と一緒に覆面パトカーの後部座席に乗り込むと門真署方面に走っていった。取り急ぎ、副島が馴染みの弁護士である「原鉄雄」に電話を入れ事情を話した。いくつかのやり取りの後、「ちょっと、「身元引受」以外でも調べて欲しい事があるんやけどな…、」と副島は電話口に話すと、事務所を出て廊下に出た。
「夏子と陽菜はこのSNSの大騒ぎの元を特定せえ!出口君は可能ならジャーナリスト仲間から情報を集めると同時に、バーターで真実を伝えてくれるメディアを当たってくれ。稀世ちゃんは、ちょっとわしに付き合え。」
直は手短に指示を出すと、稀世を連れて1階の道場へと姿を消した。
事務所に残された夏子と陽菜は出口と打ち合わせ、役割分担を決めた。出口からは
「門真に「メディアクリエイト」っていう「スクープ狙い」の番組制作会社があって、そこは「逆張り」好きなので味方してくれると思います。
スクープ情報の発信力には定評力のあるところなので、なっちゃんと陽菜ちゃんのつかんだ情報とリンクさせて欲しい。
「出口調査」によると、奥村を起点にしていくつかの「点」がまだ確証はないけど何か繋がっているような気がするんやわ。まだ、証拠が挙がってるわけやないけど、一応、俺の「予想」も話しておくわな…。」
とここ数日で調べ上げた事を、ホワイトボードにカラー付箋を貼り付けて事態の分析に入った。
夜8時、まりあが弁護士の原と共に道場の事務所に戻ってきた。原はメンバーに軽く会釈すると「再度、呼び出しがかかると思いますが、今日の所は解放されました。皆さんにもいくつかヒアリングさせてください。」と言い、ノートパソコンとボイスレコーダーを取り出した。
「おい、夏子と陽菜、そして稀世ちゃんは店に行きや。今日は、ガイルちゃん、結衣ちゃん、さくらちゃんは表に出さんと、居酒屋のバックヤードで仕事はさせるようにな。この状況でも応援してくれてる客が居るんやから、そうそう休んでおられへんでなぁ。」
と直は3人を店に追い立てると、まりあと副島と一緒に原の前の席に座った。
会議テーブルの上に置かれた、直のスマホの「ニコニコプロレス公式」アカウントの「X」には毎分数件の悪意に満ちた書き込みが次々と書き足されていくのが目に入ったが、気にしないようにしている。
出口は、自ら声をかけたメディアクリエイト社の代表であり、ジャーナリストの太田敏夫の対応にあたっていた。
「あぁ、うちにも他局の東京の制作局からの「下請け取材」の依頼が来てるわ。でも、今の出口君の行ってることが真実とするならば、うちはマスコミの主流に乗らずにあえて「逆張り」でいかせてもらうかな。
まあ、取材費をもらってちょこちょこ稼ぐより、大穴狙いで「ドカーン」とスクープ当てたる方が実入りはでかいからな。まず聞きたいのは…、」
と太田主導で逆取材が始まっていた。
その間に、まりあは次々とかかってくるクリスマス興行の参加団体との電話の対応に追われ、会議の席に落ち着いて座っている事は出来なかった。まりあの人柄を良く知る団体は「理不尽な報道に負けんと頑張ってや!」、「いずれ誤解は解けるよ。私はまりあさんを信じてるからね。」と励ましてくれたが、付き合いの薄い団体は「うちの払い戻しはどうしてくれんの?」、「大会キャンセルがほんまになった時は賠償請求させてもらうで!」、「うちが潰れたらどう責任取ってくれるんや。」、「今のままでは、もう年は越されへん。あんたの所に駆け込みたくなってしまうわ。くすんくすん。」と怒りをあらわにしたり、泣きつく者も出る始末だった。
12月15日の朝のワイドショーは民放4社が「まりあの方舟」事件を取り扱った。相変わらず1979年から1980年に社会を騒がせた「千石イエス」による「イエスの箱舟事件」と並べて論ずる若いタレントコメンテーターがいると思えば、2局のベテラン解説員は
「1979年の「千石イエス」および「イエスの方舟」への報道は結果的にマスコミの誤報だったわけですから、今回の事件も慎重に調べて報道をする必要があると思いますよ。」
と慎重な姿勢を見せた。
「ほー、4局中2局は「近畿放送」に乗っかって、2局はうちらにとって悪くない反応やな。」
と朝食を取りながら直が呟くと、夏子と陽菜が眉間にしわを寄せて呟いた。
「直さん、それは甘いで…。昼のワイドショーではおそらく4局ともうちに対して凄い逆風を吹かせて来よるで!えらいこと言いだす奴が出てきたんやわ。」
「そうそう、朝、7時の時点で私らが見た事も会ったことも無い奴数人が、「まりあの方舟の信者やった。」、「まりあさんから酷い目に遭わされた。」ってユーチューブにアップして、マスコミ取材「OK」を出してるんですよ。」
それを耳にしたまりあと稀世はため息をつくしかなかった。
朝食時の夏子と陽菜の予言はぴったりと当たった。午前10時に大阪ニコニコプロレス前に多くのデモ隊が現れ「娘を返せ!」、「嫁を開放しろ」、「どうか子供を返してください。」というとんでもない叫び声と「カルト宗教団体は出て行け!」、「門真の街にインチキ宗教団体は要らない!」、「人権無視の教団と教祖は今すぐ謝罪しろ!」等々書かれたプラカードがいくつも掲げられ、見える範囲だけでも地上波4局の取材陣が繰り出しているのが窓から見えた。
「あーあ、こりゃ、午後からは一歩も出られへんな。今日はシャッターは開けんと大人しく道場で練習やな。」
と諦め口調で稀世は呟いた。
食堂のテーブルの端では出口が夏子と陽菜を連れて3台のノートパソコンとスマホを駆使して、何やら議論を繰り返してテレビにも表の騒ぎにも意識は行かず、真剣な表情でノートを開いて話を続けている。
1台のパソコンはオンラインでメディアプロダクトの太田と繋がっているようで、話の途中で陽菜が立ち上がり直に言った。
「ガイルちゃん誘拐未遂事件の時に拾ったナイフの写真ってまだ残ってる?私のスマホに転送して欲しいねんけど。」
「おまけ」
全く本編に関係ないけどリクエストもらったので(笑)!
「おまけのおまけ」
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