『「まりあの方舟」はカルト宗教団体?極悪女子レスラー「万石デンジャラスまりあ」のクリスマスの奇跡』

M‐赤井翼

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「夏子&陽菜殴られる」

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「夏子&陽菜殴られる」

 翌日も道場の前はデモ隊となす込み関係者と野次馬にあふれ、商店街の車も通りにくい状況が続いていた。
 まりあの任意聴取は続いており、副島が「ここに刑事が来たら、それこそマスコミやデモ隊の奥村の思いのツボですから、見つからないようにまりあさんから任意出頭してください。」と言われ門真署に通う日が続いていた。
 朝のワイドショー終盤の午前9時頃から、昼のワイドショーが終わる14時くらいまでの約5時間程、賑やかに騒いでいるがテレビの生中継が終わると潮が引くように帰っていく。

 その様子を出口がデジタルビデオで撮影し、デモ参加者の顔を夏子と陽菜が「AI分析」をかけていくとデモ隊のメンバーの殆どは同じ顔ぶれである事がわかった。
 一度、夏子がキレて窓から「ゴルァ!根畑のおばはん!お前が煽ってるっていうのはわかってんねんぞ!」と叫んでしまった後、先頭のメガホン持ちは別の男に代わったが叫ぶ内容はほぼ毎日同じである。
 SNSも相変わらずの炎上状況ではあるが、元信者を名乗る偽証言やありもしない出来事を書き込むアカウントはほぼ特定できていた。

 夏子と陽菜が裏アカウントを使って、ニコニコプロレスメンバーの偽の個人情報と御蔵良に送り付けたスパイアプリを送り付けた結果、アプリを開いた数人に奥村賢治のメッセージアプリアカウントかメールアドレス、電話番号が記録されており、アクセス履歴を拾う事ができた。
 それらの者たちの共通項として電話履歴の中に、「+86」で始まる番号の着信が見られたことで背景の一つは見えて来た。
 出口と一緒に夏子と陽菜は「おとりメッセージ」と流した偽情報から、今晩、居酒屋ニコニコに「何者か・・・」が「ガイル」、「結衣」、「さくら」の誰か、もしくは全員を対象とした、「なにかしら・・・・・」の行動に出ることが予想できた。
 闇の「人探し懸賞金サイト」にその3人をにおわす対象者があげられているのは間違いなく、グループでの申し込みがあったことまではわかっているが、その手法まではわからない。

 直に相談すると夏子と陽菜の頭の先から足先まで品定めをして尋ねた。
「今日は、まりあちゃんと稀世ちゃんはクリスマス興行の他団体にお詫びに行かなあかんし、わしの身体は「ひとつ」しかあれへんから、3人は休ませなあかんな。ところで夏子と陽菜は「ガイルちゃん」と「さくらちゃん」に変装して店に出られるか?」
「まあ、胸のサイズを除けばマスク次第で…、」と夏子と陽菜は答えた。

 陽菜はヘアカラースプレーでポニーテールを赤毛に染め、ヌーブラ二段重ねでEカップのブラジャーをしてガイルのブラウスで変装し、夏子は金髪に頭を染めて2カップ大きめのDカップのブラジャーを身に着けると、2人とも大きめのマスクと伊達メガネでいればパッと見た感じは似ているとの判断だった。
「出口君とお前らの予想やと、「ややこしい奴・・・・・・」が出てくる可能性もあるんやろ?「拉致」って賞金30万円っていう話やったら、半グレやチンピラやったら2、3人で来る可能性もあるやろうから、護身具は持っておけよ!
 ただ、くれぐれも店内では使うなよ。今度は「#暴力店員」とか新たなネタとして書き込みよるかもしれへんからな。武器の選択はお前らに任せる。
 「拉致」ってことやったら、奴らは絶対に「車」を持ち込むはずや。わしと出口君は店の前に止まったややこしそうなやつをマークするからそこは安心せえ!」

 予定通り、3人の「駆け込み組」は出店せず、「ガイル」と「さくら」のネームプレートを付けて変装した陽菜と夏子が店のホールに出た。夜、11時を過ぎた頃、店の少し前にエンジンをかけたままのワゴン車が止まった。チンピラ風の3人の男がワゴン車から降りて、「居酒屋ニコニコ」に入店したのを確認し、出口は一本裏の通りからワゴン車の前に回り込み、運転席に同じような風貌の男が控えている事を確認し、左側後部のルームミラーの死角に両面テープでGPSを貼り付けた。
「どうや、うまくいったか?」と店の出入り口の影で直が出口に確認した。出口は自信たっぷりにこれからの段取りと人員配置を説明し直した。
「はい、運転席のチンピラも降りてきた3人も同じような奴でしたから、おそらく直さんの読み通りですね。
リアウインドーに貼られたステッカーも「お決まり・・・・」のものでしたから、後は、旨く店の前でなっちゃんと陽菜ちゃんが演技をしてくれれば、店の防犯カメラで「動かぬ証拠」が得られるはずですよ。メディアクリエイトの太田さんとスタッフもこの後ろでバイクでスタンバってくれてますから、万一、なっちゃんと陽菜ちゃんが車に連れ込まれるようなことがあっても大丈夫です。」

 午後11時40分、ほぼ空になった店内で3人の男たちが、夏子と陽菜に声をかけた。2人のネームタグを確認した上で、多少変な訛りで「今日は、「デンジャラスまりあ」と「安稀世」は出てへんの?サイン欲しかったんだけどなぁ。」と尋ねた。
 (おっ、こいつらもきちんと下調べして来てるんや。まあ、あの2人相手やったら、トップクラスの男子選手でないと勝たれへんっていうのは、「ガイルちゃん事件」での情報はまわってるみたいやな。)と瞬時に判断した夏子が「残念でした。今日は2人ともお休みです。また、来てくださいね!」と営業スマイルを見せた。
 閉店時間の午前0時、3人を除くすべての客が支払いを済ませ店を出たとたんに男たちは豹変した。ひとりが強引にバックヤードに飛び込み、防犯カメラとセキュリティーシステムのスイッチを切った。残る2名の男は乱暴に夏子と陽菜の腕を掴むと「おとなしくしろ!」、「騒ぐと殺すぞ!」と安っぽいセリフを吐くと店の外に引きずり出した。

 「きゃー、助けてー!」、「いやーん、さらわれちゃうー!」と抑揚のない夏子と陽菜の棒読みのセリフが男達をイラつかせ、「ゴルァ!黙れ!」とふたりとも頭を拳骨で殴られた。
 (よっしゃっ!これで「正当防衛」立証や!後は「わし」が!)と直が物陰から飛び出そうとすると、「バシバシバシッ!」という破裂音と同時に男達の首筋に青白い光が瞬いた。
 男たちはその場で道路に崩れ落ちた。
「あれー、お兄さんたち飲みすぎじゃないの?おっと、私も足がふらついちゃった!」
と陽菜は言いながら、夏子と陽菜は男達の股間を踏みつけた。
 「がふっ!」と2人の男は泡を噴いてその場で白目を剥いた。
「お兄さん大丈夫?もう、ふらふらじゃない!こんなところで寝てると風邪ひくで!」
夏子は呟くと陽菜と共に介抱するふりをして手に隠し持った剃刀でバッチの付いた男のジャケットの襟を切り裂いた。



「おまけ」
今日は「ちっぱい派」の皆さんに忖度(笑)して「なつ&陽菜」でーす。









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