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「別れ」
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「別れ」
12月25日午前1時。つい30分前まで門工女子バスケ部3年生メンバーで25日の「本クリスマス」のカウントダウンをして、最後に美咲が作った「部歌」である「ぱにゃにゃんだー門工女バス!」(※「ぱにゃにゃんだー」はラオス語で「頑張れ」の意。(諸説あり))を5人で歌い、正月の初詣をみんなで行く約束をして解散したのだった。
後片付けまで手伝うと皆は言ってくれたのだが、時間も時間だったので那依が皆を説得して帰したのだった。すっかり元気になったさくらの父が車で迎えに来てくれたので4人を送ってもらった。
後片付けしながらも笑顔が溢れる那依にクリスが言った。
「改めて、メリークリスマス那依。そして誕生日おめでとう…。今日、いや昨日は楽しかったわね!少しはドイツのサンタクロースである「クリストキント」のことを信じてくれた?那依の作ってくれたオムライスの上の流れ星が遥かドイツからユーラシア大陸を越えてここ日本で那依の「昔みたいに心の底から「笑いたい」…。」に「忖度」してくれたのよ。」
「うん、ありがとう。「クリストキント」様…、いや「クリス」のおかげで凄く楽しかったよ。私からすると「クリス」が女神様かクリスマスの聖霊みたい。「クリス」と出会えたのはお父さんからの「クリスマスプレゼント」だって思うわ。本当にありがとう。
私は、「女バス」のみんなと仲直りできるって「夢」見たい…。「その点」は私にとっては最高のクリスマスプレゼントだったわ…。でも…。いや、贅沢言っちゃ「バチ」が当たっちゃうわね…。」
と言葉を切り、ティーカップを洗い始めた。
クリスは優しく那依の肩に手を添え、じっと目を閉じた。(ん、那依の願い事はもう一つあるのね…。)洗い物を続ける那依に対し30秒の沈黙の後、
「ほんと、那依は優しいわね…。「自分」が満足より「周りの人」…。いや、「周りの人」の幸せを「自分」の幸せと思う那依がもしかしたら「女神様」なのかもね…。私は「神」に仕えるものとして、那依の為なら「もう少し無理してでも精一杯応援させてもらうわ…。」
と那依の耳元で囁いた。
「私が「女神様」ってアホなこと言わんといて。そんな事あるわけないやろ!さあ、明日はクリスは帰国せなあかんねんから片付けは私一人で大丈夫やから、先に自分の荷物の片付けしときや。明日バタバタせんようにな…。」
と、照れながら答える那依に一言かけてキッチンを出た。
「じゃあ、「最後の一つ前の御奉仕」の後、ゆっくりさせてもらうわな…。最後は「明日」に…。」
クリスは洗い物カゴから「あるモノ」を手に取ると、荷物を置いた那依の部屋に行く前に麻衣の寝ている部屋のドアを開けたが、(さっき、クリスが言ってた「ルール違反」ってなんやろ?まあ、時々日本語おかしい時あるから気にする事でもないか…。)と思いながら洗い物をする那依は気づかなかった。
12月25日朝8時。那依は自分のベッドの上で麻衣の朝食時間のスマホのアラームで目が覚めた。(あれ?なんで私がベッドに?ベッドはクリスに譲って、私は床の布団で寝てるはずやのに…。もしかして、クリスを布団に寝かせてしまったの?最後の夜に失礼しちゃったからしっかりと謝らないとね。)と思い、ベッドの横に敷かれているであろう布団を見るときれいにたたまれていた。
(あぁ、私が寝過ごしちゃったからもうクリスは先に起きてるのね。すぐに朝ごはん作ってあげないとね。10時にはここを出て「関西空港」に向かわなきゃいけないんだもんね。)と慌てて飛び起きると、昨晩は寝間着に着替えず昨日のパーカーとジーンズのまま寝てしまってたことに気がついた。
ベッドの横の鏡で寝ぐせの髪のハネだけ直すと部屋を出てリビングキッチンにむかった。リビングの食卓の上にかわいいクリストキントのクッキー柄と同じイラストの入った封筒が置いてあった。(ん?こんな封筒、昨晩あったかな?)封筒の表には「やさしいないへ」と小学生のようなへたくそな字で宛名が書いてあった。(たぶん、クリスね。なにかサプライズのつもりかしら…。)と思いながら封筒を開け、中の便せんを取り出した。中の手紙もやはりすべてひらがなだった。
「やさしいないへ
この1しゅうかんやさしくしてくれてありがとうね。
いまだからいうけど、この1しゅうかんのことは2ねんまえからわかってました。
わたしのおとうさんは、ないのおとうさんとおなじちーむでぷれいしていた「ふむとあんでる・ときんと」です。
ないのおとうさんからは「ふむとあんでる」というなまえから「まんじゅう」とよばれていました。
(ないはおぼえてないかな?びりけんずがゆうしょうしたとしにわたしのおとうさんもいたんだよ。)
わたしのおとうさんは、しんじてもらえないかもしれないけど「みらい」がみえるひとでした。きょねん、ひさしぶりににほんにきて、ないのおとうさんのみせにいきました。(わたしもそのときにいっしょでした。)
ないのおとうさんに、「ことしの1がつにびょうきでたおれ、7がつにこのよにいなくなる。そしてないのおかあさんもたおれ、ないはおかあさんのかんびょうでたいへんなおもいをするよ。」ってつたえました。
ないのおとうさんはわたしのおとうさんのいうことをしんじて「おれはそれがうんめいならしかたない。どうしたらよめとないはしあわせになれるの?」とわたしのおとうさんにたずねました。
おとうさんは「あつたのむすめがひとりでこんなんをのりこえるどりょくができるこであれば、くりすますにうちのくりすをおくさんとむすめさんのところにおくるからこうかんりゅうがくせいのてつづきをとっておけ。」っていいました。
2022ねんのあきのはなしです。
にほんにきてわたしはないのやさしさにひかれました。
ほんらいの「くりすときんと」のしごとをいつだつしてふたつのぷれぜんとをのこしました。
4にんのなかまとおなじく、おかあさんともなかよくやってくださいね。
さいごに、ほんとうにたのしい1しゅうかんをありがとう。
げんきでね。
くりす・ときんと」
(えっ、何この手紙…。クリスの冗談よね。)と手紙を食卓の上に残し、慌てて自分の部屋に戻った。そこにあるはずのクリスのスーツケースは無かった。玄関に走るとあるはずのクリスの靴が見つからない。
洗面所に行くと、昨日まで使っていたクリス用の歯ブラシは無く、キッチンの食器乾燥機のなかの「箸立て」を見たがクリスの使っていた箸も消えていた。もう一度、手紙を読みなおそうとリビングの食卓に戻るとその手紙自体が消えていた。
食卓テーブルの下や、周りに並んでいる椅子の座面や座布団の下も探したが、2分前に読んだばかりの「ひらがな」だけの手紙が見つかることはなかった。
(いったい、クリスはどこにいっちゃったの?一人でこの時間に関空に帰っちゃうなんてことはありえないはずなのに…。)スマホを取り出し、クリスに電話をしようとしたが、会った初日に電話帳アプリに入力し「何度もかけた」クリスの登録が消えており、ラインの過去ログも残っていなかった。昨日の「女バス」のグループラインを見ても、「クリス」の存在を示すメッセージは全く残っておらず、昨日までの1週間の写真ホルダをチェックしたが、毎朝の麻衣の血圧計の記録写真と昨日のクリスマスパーティーの女バスの4人と那依の写真しか出てこなかった。
交換留学生協会に連絡を入れようと、担当者の名刺と書類を探したがそれらも消えていた。
「クリスって、いったい…。」と那依が1人で呟いた瞬間、廊下の奥から「那依ちゃん…」と声が聞こえた。その声に慌てて、那依は麻衣の寝ている部屋に走った。
急いでドアを開けると、麻衣が顔を部屋の入口に向け入ってきた那依の顔を見て
「那依ちゃん、のどが渇いたからお茶ちょうだい…。」
と数カ月ぶりに声をかけて来た。左脳の奥深いところに血栓ができ、手術もカテーテル処置もできず脳梗塞が進行し、言語を司る左脳が麻痺し、言葉を失って2ケ月以上経っており、それ以来、那依の声を聴くのは初めてだった。
「お母さん…、話せるようになったの…?私のことがわかるの…?」
「何言ってんのよ。娘の顔を忘れるわけないでしょ。まあ、ちょっとここしばらくの記憶はあいまいだけどね…。そのあいまいな記憶の中で、金髪の天使に会ったのよ。那依はよく頑張ってるから、「褒めてあげて」って言われたのよ。よくわかんないけど、お母さん半年近く寝たきりになってて、ずっと那依が面倒を見てくれてたんだって?
自分の中では元気に「ロメンディー」のドームツアーに行ったり、お父さんと旅行したりしてた記憶があるんだけどね。でも、よく考えたら、お父さんは7月に亡くなっちゃったんだもんね。お母さん45歳を前にして「ボケ」ちゃったのかな?ケラケラケラ。」
とひょうひょうとした表情で話す麻衣の元に走り、那依は思い切り泣いた。手足の自由は利かないが、少なくとも視覚、聴覚、言語の機能は戻り、コミュニケーションが取れるようになったことに感謝して、麻衣の両手を握り締め泣き続けた。
12月25日午前1時。つい30分前まで門工女子バスケ部3年生メンバーで25日の「本クリスマス」のカウントダウンをして、最後に美咲が作った「部歌」である「ぱにゃにゃんだー門工女バス!」(※「ぱにゃにゃんだー」はラオス語で「頑張れ」の意。(諸説あり))を5人で歌い、正月の初詣をみんなで行く約束をして解散したのだった。
後片付けまで手伝うと皆は言ってくれたのだが、時間も時間だったので那依が皆を説得して帰したのだった。すっかり元気になったさくらの父が車で迎えに来てくれたので4人を送ってもらった。
後片付けしながらも笑顔が溢れる那依にクリスが言った。
「改めて、メリークリスマス那依。そして誕生日おめでとう…。今日、いや昨日は楽しかったわね!少しはドイツのサンタクロースである「クリストキント」のことを信じてくれた?那依の作ってくれたオムライスの上の流れ星が遥かドイツからユーラシア大陸を越えてここ日本で那依の「昔みたいに心の底から「笑いたい」…。」に「忖度」してくれたのよ。」
「うん、ありがとう。「クリストキント」様…、いや「クリス」のおかげで凄く楽しかったよ。私からすると「クリス」が女神様かクリスマスの聖霊みたい。「クリス」と出会えたのはお父さんからの「クリスマスプレゼント」だって思うわ。本当にありがとう。
私は、「女バス」のみんなと仲直りできるって「夢」見たい…。「その点」は私にとっては最高のクリスマスプレゼントだったわ…。でも…。いや、贅沢言っちゃ「バチ」が当たっちゃうわね…。」
と言葉を切り、ティーカップを洗い始めた。
クリスは優しく那依の肩に手を添え、じっと目を閉じた。(ん、那依の願い事はもう一つあるのね…。)洗い物を続ける那依に対し30秒の沈黙の後、
「ほんと、那依は優しいわね…。「自分」が満足より「周りの人」…。いや、「周りの人」の幸せを「自分」の幸せと思う那依がもしかしたら「女神様」なのかもね…。私は「神」に仕えるものとして、那依の為なら「もう少し無理してでも精一杯応援させてもらうわ…。」
と那依の耳元で囁いた。
「私が「女神様」ってアホなこと言わんといて。そんな事あるわけないやろ!さあ、明日はクリスは帰国せなあかんねんから片付けは私一人で大丈夫やから、先に自分の荷物の片付けしときや。明日バタバタせんようにな…。」
と、照れながら答える那依に一言かけてキッチンを出た。
「じゃあ、「最後の一つ前の御奉仕」の後、ゆっくりさせてもらうわな…。最後は「明日」に…。」
クリスは洗い物カゴから「あるモノ」を手に取ると、荷物を置いた那依の部屋に行く前に麻衣の寝ている部屋のドアを開けたが、(さっき、クリスが言ってた「ルール違反」ってなんやろ?まあ、時々日本語おかしい時あるから気にする事でもないか…。)と思いながら洗い物をする那依は気づかなかった。
12月25日朝8時。那依は自分のベッドの上で麻衣の朝食時間のスマホのアラームで目が覚めた。(あれ?なんで私がベッドに?ベッドはクリスに譲って、私は床の布団で寝てるはずやのに…。もしかして、クリスを布団に寝かせてしまったの?最後の夜に失礼しちゃったからしっかりと謝らないとね。)と思い、ベッドの横に敷かれているであろう布団を見るときれいにたたまれていた。
(あぁ、私が寝過ごしちゃったからもうクリスは先に起きてるのね。すぐに朝ごはん作ってあげないとね。10時にはここを出て「関西空港」に向かわなきゃいけないんだもんね。)と慌てて飛び起きると、昨晩は寝間着に着替えず昨日のパーカーとジーンズのまま寝てしまってたことに気がついた。
ベッドの横の鏡で寝ぐせの髪のハネだけ直すと部屋を出てリビングキッチンにむかった。リビングの食卓の上にかわいいクリストキントのクッキー柄と同じイラストの入った封筒が置いてあった。(ん?こんな封筒、昨晩あったかな?)封筒の表には「やさしいないへ」と小学生のようなへたくそな字で宛名が書いてあった。(たぶん、クリスね。なにかサプライズのつもりかしら…。)と思いながら封筒を開け、中の便せんを取り出した。中の手紙もやはりすべてひらがなだった。
「やさしいないへ
この1しゅうかんやさしくしてくれてありがとうね。
いまだからいうけど、この1しゅうかんのことは2ねんまえからわかってました。
わたしのおとうさんは、ないのおとうさんとおなじちーむでぷれいしていた「ふむとあんでる・ときんと」です。
ないのおとうさんからは「ふむとあんでる」というなまえから「まんじゅう」とよばれていました。
(ないはおぼえてないかな?びりけんずがゆうしょうしたとしにわたしのおとうさんもいたんだよ。)
わたしのおとうさんは、しんじてもらえないかもしれないけど「みらい」がみえるひとでした。きょねん、ひさしぶりににほんにきて、ないのおとうさんのみせにいきました。(わたしもそのときにいっしょでした。)
ないのおとうさんに、「ことしの1がつにびょうきでたおれ、7がつにこのよにいなくなる。そしてないのおかあさんもたおれ、ないはおかあさんのかんびょうでたいへんなおもいをするよ。」ってつたえました。
ないのおとうさんはわたしのおとうさんのいうことをしんじて「おれはそれがうんめいならしかたない。どうしたらよめとないはしあわせになれるの?」とわたしのおとうさんにたずねました。
おとうさんは「あつたのむすめがひとりでこんなんをのりこえるどりょくができるこであれば、くりすますにうちのくりすをおくさんとむすめさんのところにおくるからこうかんりゅうがくせいのてつづきをとっておけ。」っていいました。
2022ねんのあきのはなしです。
にほんにきてわたしはないのやさしさにひかれました。
ほんらいの「くりすときんと」のしごとをいつだつしてふたつのぷれぜんとをのこしました。
4にんのなかまとおなじく、おかあさんともなかよくやってくださいね。
さいごに、ほんとうにたのしい1しゅうかんをありがとう。
げんきでね。
くりす・ときんと」
(えっ、何この手紙…。クリスの冗談よね。)と手紙を食卓の上に残し、慌てて自分の部屋に戻った。そこにあるはずのクリスのスーツケースは無かった。玄関に走るとあるはずのクリスの靴が見つからない。
洗面所に行くと、昨日まで使っていたクリス用の歯ブラシは無く、キッチンの食器乾燥機のなかの「箸立て」を見たがクリスの使っていた箸も消えていた。もう一度、手紙を読みなおそうとリビングの食卓に戻るとその手紙自体が消えていた。
食卓テーブルの下や、周りに並んでいる椅子の座面や座布団の下も探したが、2分前に読んだばかりの「ひらがな」だけの手紙が見つかることはなかった。
(いったい、クリスはどこにいっちゃったの?一人でこの時間に関空に帰っちゃうなんてことはありえないはずなのに…。)スマホを取り出し、クリスに電話をしようとしたが、会った初日に電話帳アプリに入力し「何度もかけた」クリスの登録が消えており、ラインの過去ログも残っていなかった。昨日の「女バス」のグループラインを見ても、「クリス」の存在を示すメッセージは全く残っておらず、昨日までの1週間の写真ホルダをチェックしたが、毎朝の麻衣の血圧計の記録写真と昨日のクリスマスパーティーの女バスの4人と那依の写真しか出てこなかった。
交換留学生協会に連絡を入れようと、担当者の名刺と書類を探したがそれらも消えていた。
「クリスって、いったい…。」と那依が1人で呟いた瞬間、廊下の奥から「那依ちゃん…」と声が聞こえた。その声に慌てて、那依は麻衣の寝ている部屋に走った。
急いでドアを開けると、麻衣が顔を部屋の入口に向け入ってきた那依の顔を見て
「那依ちゃん、のどが渇いたからお茶ちょうだい…。」
と数カ月ぶりに声をかけて来た。左脳の奥深いところに血栓ができ、手術もカテーテル処置もできず脳梗塞が進行し、言語を司る左脳が麻痺し、言葉を失って2ケ月以上経っており、それ以来、那依の声を聴くのは初めてだった。
「お母さん…、話せるようになったの…?私のことがわかるの…?」
「何言ってんのよ。娘の顔を忘れるわけないでしょ。まあ、ちょっとここしばらくの記憶はあいまいだけどね…。そのあいまいな記憶の中で、金髪の天使に会ったのよ。那依はよく頑張ってるから、「褒めてあげて」って言われたのよ。よくわかんないけど、お母さん半年近く寝たきりになってて、ずっと那依が面倒を見てくれてたんだって?
自分の中では元気に「ロメンディー」のドームツアーに行ったり、お父さんと旅行したりしてた記憶があるんだけどね。でも、よく考えたら、お父さんは7月に亡くなっちゃったんだもんね。お母さん45歳を前にして「ボケ」ちゃったのかな?ケラケラケラ。」
とひょうひょうとした表情で話す麻衣の元に走り、那依は思い切り泣いた。手足の自由は利かないが、少なくとも視覚、聴覚、言語の機能は戻り、コミュニケーションが取れるようになったことに感謝して、麻衣の両手を握り締め泣き続けた。
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