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「玖美との出会い」
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「玖美との出会い」
稀世が東大阪産業大学文学部2年生の鈴木玖美と出逢ったのは3月上旬の金沢のホテルだった。メディアクリエイト入社以来、4本目の大スクープに対する所長の太田敏夫からのご褒美ともいえる3日間の休暇と10万円の臨時ボーナスで、門真市駅東通り商店街、通称ニコニコ商店街にある「向日葵寿司」の若き大将の長井三朗と3度目の「お泊りデート」中に玖美が酔客に絡まれていた場に居た稀世が助けに入ったのがきっかけだった。
過去2度のホテルデートも「引き寄せ体質」の稀世は事件に巻き込まれてしまい、未だに三朗と結ばれてはおらず、22歳の処女と27歳の童貞カップルは付き合い始めて1年4か月を迎えている。前回の金沢旅行でファーストキスを経験し、意気揚々と大浴場での入浴後の部屋で「初めて」を三朗に捧げるつもりでいた稀世は三度、事件に巻き込まれた。
出張デート風俗嬢の玖美がサービス中の客の仲間2人に契約外の「本番サービス」を強要され、逃げ出したところに偶然に居合わせた稀世が2人の男をプロレス技で瞬殺した。玖美は本来の客の男から「しらけてしもたから「デート」はここまででええわ。じゃあ先に1泊2日デートプラン、「本番無し」の「ベッド120分コース」の6万円を払っておくわな。まあ、俺と一緒に朝まで居るのもいややろうから、今晩の部屋代で2万、帰りの新幹線代と駅弁代で2万円つけとくわ。1日で仕事が終わって、2日分の稼ぎになったんやからこいつらの「お痛」はまけたってくれな。」と言われ予定のサービス料以上の金員を受け取った玖美の仕事内容を稀世は理解した。
しかし当日のシングルルームに空きは無く、その場の流れで「えらい「訳あり」みたいやけど、なんやったら、うちの部屋に来るか?」との稀世の言葉にすがられて、稀世と三朗の初体験は先送りとなったが三朗はそんなやさしさを持つ稀世の事をますます好きになった。
稀世は三朗と玖美と部屋に戻り、玖美から闇風俗ビジネスについて聞くことになった。京都北部の舞鶴出身で東大阪産業大学に下宿で通う当時1年生の玖美の父親が夏休み前の前期授業期間中に倒れ、仕送りが厳しくなりアルバイトを始めたが、米価や野菜等の食費や光熱費、交通費も含むすべての生活物価高による生活費の高騰と学費と学費以外にかかる経費や実家への見舞いの交通費等で生活は困窮し、学内で知り合ったものから「風俗」のアルバイトの紹介を受けた。「そこの仕事は「現金払い」で支払われ、月に8万円以上稼いでも扶養家族には残れるし課税されることも無く全額が手元に残る」という条件だったという。
最初は「風俗営業」に嫌悪感があり「リフレ」とよばれる「手淫」行為サービスで始まったのだが、その収入では生活はできず、徐々に玖美の提供するサービスはエスカレートしていった。現在は「デリバリーヘルス」、「デート嬢」として「本番」一歩手前のサービスまで行い何とか生活できているという話だった。
玖美の話から、学内や同じ仕事場で同じような境遇の女子学生は多く、風俗に身を落とした女学生を「貧困女子学生」と呼ばれている事を知った。玖美から一般的な風俗業の報酬割合や支払い方法を聞き、常に後払いで継続的な出勤が必要であり、その業務に対する支払率は風俗事業者に一任せざるを得ず、いわゆる「中抜き」や「裏サービス」で風俗嬢が事業者を通さず報酬を客から得ることができない報酬体系が確立している事を知り、風俗業界における女性キャストの立場の弱さと厳しさを知った。
しかし予想に反して闇風俗の方がキャストに対するホスピタリティーは高く、報酬率も良かった事は新発見だった。
玖美と一緒に車で帰阪する間も「貧困女子」と「闇風俗ビジネス」についてのヒヤリングは続き、その背景にある組織の解明も含め次の取材対象を「闇風俗ビジネス」と決めた稀世はメディアクリエイト社に玖美を連れて行き、所長の太田に取材許可を求めた。
玖美の証言から、「半グレグループ」や「海外マフィア」の関係が予想されるキーワードがいくつか出た。闇風俗に身を落とした女性の容姿や要望に応じて「風俗営業」は最低ランクの「リフレ」に始まり、上《・》は「ソープランド」、「愛人契約」まであり、見た目の良くないものは顔出しの必要のないいわゆる「本番壁嬢」から「SM」の「M嬢」までメニューが存在しているらしい。
また「気持ち」や「容姿」がまったく風俗営業が向かない者には「女湯」や「女子更衣室」、「女子トイレ」等の盗撮の仕込み業務や、出会い系サイトにおける「美人局」や「冤罪痴漢」等の「グレー」を通り越して「ブラック」な犯罪行為以外にも、「AV出演」に関して、知り合いをだまして巻き込む非合法に近い企画もあった事が玖美の口から語られた。
更に驚く事に「失踪」、「薬物」から「人身売買」等、素人の19歳の女の子の口からは出ることのない言葉に太田のアンテナも反応した。
「おっしゃ、またまたスクープの臭いがしてきたで。関西学生界に巣食う「闇風俗グループ」ってか!今の玖美ちゃんの話からすると、とてもやないけど学生だけでできる話やあれへん。ええやないか、稀世ちゃん、次も悪い奴達の闇を暴いてひどい目に遭わされる女の子を今後はひとりも出さんようにしたるんや。もし、チャイニーズドラゴンやアジアンマフィアが絡んでるんやったら前回同様に「ファクト・ハンター」社が情報は買い取ってくれるはずやしな。
国内メディアが取り上げられへんタブーも「ファクト・ハンター」やったら大丈夫や。玖美ちゃんはもし協力してくれるんやったら、闇風俗は止めてうちの仕事をしてくれたらええ。いや、闇風俗はもう辞めた方がええ!メディアファクトリーは1から取材すること考えたら、中身を知ってる玖美ちゃんが居ったら大分近道できるからな。」
と太田も前向きに捉えた。稀世も玖美に真面目な顔をして
「玖美ちゃん、犯されかかるような仕事なんか続けたらあかん。女の身体は大事な人の為だけにあるんやからな。私の場合は私の身体はサブちゃん以外に触らせたらあかんねん。今回も結ばれへんかった恨みを闇風俗事業者にぶつけたるからな!って私何言うてるねん。きゃー、今の無しにしてな。」
と最後は暴走しつつも玖美に闇風俗は辞めるように求めた。
玖美は瞼を閉じ、温泉で男2人に組み伏せられそうになったことを思い出し、闇風俗と決別することを決心し、太田と稀世に元気よく言葉にした。
「わかりました。では、この取材が終わるまではここでお世話になる事にします。原稿のパソコン入力、校正に始まって稀世さんの助手までできることは何でもやります。幸い、2年生はカリキュラム的にも余裕があるので精いっぱい頑張らせていただきます!よろしくお願いします。」
稀世が東大阪産業大学文学部2年生の鈴木玖美と出逢ったのは3月上旬の金沢のホテルだった。メディアクリエイト入社以来、4本目の大スクープに対する所長の太田敏夫からのご褒美ともいえる3日間の休暇と10万円の臨時ボーナスで、門真市駅東通り商店街、通称ニコニコ商店街にある「向日葵寿司」の若き大将の長井三朗と3度目の「お泊りデート」中に玖美が酔客に絡まれていた場に居た稀世が助けに入ったのがきっかけだった。
過去2度のホテルデートも「引き寄せ体質」の稀世は事件に巻き込まれてしまい、未だに三朗と結ばれてはおらず、22歳の処女と27歳の童貞カップルは付き合い始めて1年4か月を迎えている。前回の金沢旅行でファーストキスを経験し、意気揚々と大浴場での入浴後の部屋で「初めて」を三朗に捧げるつもりでいた稀世は三度、事件に巻き込まれた。
出張デート風俗嬢の玖美がサービス中の客の仲間2人に契約外の「本番サービス」を強要され、逃げ出したところに偶然に居合わせた稀世が2人の男をプロレス技で瞬殺した。玖美は本来の客の男から「しらけてしもたから「デート」はここまででええわ。じゃあ先に1泊2日デートプラン、「本番無し」の「ベッド120分コース」の6万円を払っておくわな。まあ、俺と一緒に朝まで居るのもいややろうから、今晩の部屋代で2万、帰りの新幹線代と駅弁代で2万円つけとくわ。1日で仕事が終わって、2日分の稼ぎになったんやからこいつらの「お痛」はまけたってくれな。」と言われ予定のサービス料以上の金員を受け取った玖美の仕事内容を稀世は理解した。
しかし当日のシングルルームに空きは無く、その場の流れで「えらい「訳あり」みたいやけど、なんやったら、うちの部屋に来るか?」との稀世の言葉にすがられて、稀世と三朗の初体験は先送りとなったが三朗はそんなやさしさを持つ稀世の事をますます好きになった。
稀世は三朗と玖美と部屋に戻り、玖美から闇風俗ビジネスについて聞くことになった。京都北部の舞鶴出身で東大阪産業大学に下宿で通う当時1年生の玖美の父親が夏休み前の前期授業期間中に倒れ、仕送りが厳しくなりアルバイトを始めたが、米価や野菜等の食費や光熱費、交通費も含むすべての生活物価高による生活費の高騰と学費と学費以外にかかる経費や実家への見舞いの交通費等で生活は困窮し、学内で知り合ったものから「風俗」のアルバイトの紹介を受けた。「そこの仕事は「現金払い」で支払われ、月に8万円以上稼いでも扶養家族には残れるし課税されることも無く全額が手元に残る」という条件だったという。
最初は「風俗営業」に嫌悪感があり「リフレ」とよばれる「手淫」行為サービスで始まったのだが、その収入では生活はできず、徐々に玖美の提供するサービスはエスカレートしていった。現在は「デリバリーヘルス」、「デート嬢」として「本番」一歩手前のサービスまで行い何とか生活できているという話だった。
玖美の話から、学内や同じ仕事場で同じような境遇の女子学生は多く、風俗に身を落とした女学生を「貧困女子学生」と呼ばれている事を知った。玖美から一般的な風俗業の報酬割合や支払い方法を聞き、常に後払いで継続的な出勤が必要であり、その業務に対する支払率は風俗事業者に一任せざるを得ず、いわゆる「中抜き」や「裏サービス」で風俗嬢が事業者を通さず報酬を客から得ることができない報酬体系が確立している事を知り、風俗業界における女性キャストの立場の弱さと厳しさを知った。
しかし予想に反して闇風俗の方がキャストに対するホスピタリティーは高く、報酬率も良かった事は新発見だった。
玖美と一緒に車で帰阪する間も「貧困女子」と「闇風俗ビジネス」についてのヒヤリングは続き、その背景にある組織の解明も含め次の取材対象を「闇風俗ビジネス」と決めた稀世はメディアクリエイト社に玖美を連れて行き、所長の太田に取材許可を求めた。
玖美の証言から、「半グレグループ」や「海外マフィア」の関係が予想されるキーワードがいくつか出た。闇風俗に身を落とした女性の容姿や要望に応じて「風俗営業」は最低ランクの「リフレ」に始まり、上《・》は「ソープランド」、「愛人契約」まであり、見た目の良くないものは顔出しの必要のないいわゆる「本番壁嬢」から「SM」の「M嬢」までメニューが存在しているらしい。
また「気持ち」や「容姿」がまったく風俗営業が向かない者には「女湯」や「女子更衣室」、「女子トイレ」等の盗撮の仕込み業務や、出会い系サイトにおける「美人局」や「冤罪痴漢」等の「グレー」を通り越して「ブラック」な犯罪行為以外にも、「AV出演」に関して、知り合いをだまして巻き込む非合法に近い企画もあった事が玖美の口から語られた。
更に驚く事に「失踪」、「薬物」から「人身売買」等、素人の19歳の女の子の口からは出ることのない言葉に太田のアンテナも反応した。
「おっしゃ、またまたスクープの臭いがしてきたで。関西学生界に巣食う「闇風俗グループ」ってか!今の玖美ちゃんの話からすると、とてもやないけど学生だけでできる話やあれへん。ええやないか、稀世ちゃん、次も悪い奴達の闇を暴いてひどい目に遭わされる女の子を今後はひとりも出さんようにしたるんや。もし、チャイニーズドラゴンやアジアンマフィアが絡んでるんやったら前回同様に「ファクト・ハンター」社が情報は買い取ってくれるはずやしな。
国内メディアが取り上げられへんタブーも「ファクト・ハンター」やったら大丈夫や。玖美ちゃんはもし協力してくれるんやったら、闇風俗は止めてうちの仕事をしてくれたらええ。いや、闇風俗はもう辞めた方がええ!メディアファクトリーは1から取材すること考えたら、中身を知ってる玖美ちゃんが居ったら大分近道できるからな。」
と太田も前向きに捉えた。稀世も玖美に真面目な顔をして
「玖美ちゃん、犯されかかるような仕事なんか続けたらあかん。女の身体は大事な人の為だけにあるんやからな。私の場合は私の身体はサブちゃん以外に触らせたらあかんねん。今回も結ばれへんかった恨みを闇風俗事業者にぶつけたるからな!って私何言うてるねん。きゃー、今の無しにしてな。」
と最後は暴走しつつも玖美に闇風俗は辞めるように求めた。
玖美は瞼を閉じ、温泉で男2人に組み伏せられそうになったことを思い出し、闇風俗と決別することを決心し、太田と稀世に元気よく言葉にした。
「わかりました。では、この取材が終わるまではここでお世話になる事にします。原稿のパソコン入力、校正に始まって稀世さんの助手までできることは何でもやります。幸い、2年生はカリキュラム的にも余裕があるので精いっぱい頑張らせていただきます!よろしくお願いします。」
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