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「新たな謎」
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「新たな謎」
午後3時に原メンタルクリニックを出て、邦と颯は近くのファミレスに入った。昼ごはん抜きで腹は空いているはずなのに空腹感は無かったが、頭がいっぱいで脳が甘いものを欲していた邦は「パンケーキホイップクリームのせ」と「アイスココア」を頼んだ。颯は冷静を装おうとするものの動揺は隠せず、「カルボン、いやカルボニャ、すみませんカルボーン」と3度名称を間違えて「これ下さい。」と指さしで「カルボナーラ」と「アイスコーヒー」をオーダーした。そんな颯の様子を見て笑いを堪えながら
「颯さん、今日はなかなか「ぎょへー」な展開やったな…。まだ、原先生のラボで見たものが現実なんかそれとも実は作りもんの「夢」なんか私の頭はまだ理解できてへんねん。颯さんはどう思った?」
届いたばかりのアイスココアを飲みながら邦が尋ねると、颯は未だに現実として受け入れ切れていないようで「僕の想像と記憶が混在してる自分で作った「夢」かもしれないと…。だって、昭和20年の特攻隊の出撃前夜のシーンやのに出てきた女の子は現在の「邦ちゃん」で夢の主体は「颯」って「僕」のことやろ?」と呟いた。
原の催眠術を使った夢を動画化するシステムについて否定はしなかった。実験中の颯の言動はいわゆる「コテコテ」の関西弁で、宮崎に来てから極力抑えている今の話し方と違い、まさに大阪で過ごしていた高校生の頃の話し方に戻っていたので、深層意識の颯が前面にでて話していた事は素直に認めた。
自作の夢かも知れないという根拠としては、現実世界の当事者ふたりが昭和20年5月29日に特攻隊員とその世話をしている旅館の女の子という設定はあり得ないというものだった。
生成AIの技術的なものはほとんど理解できていないが、否定すべき夢の内容としては、颯が調べた範囲では「第433振武隊」以上に大きな番号の部隊名は存在しない事と、寄せ書きで「姓」をいれない事はあり得ないという事だった。
「ましてや、特攻隊員は「軍神」扱いっていうのが常識でしょ。「命」を賭して国の為に闘うんですから。それが夢の中で「僕」自身が言っていた「護衛戦闘機」どころか「戦果確認機」も同行せず、見送りも無いってあり得へんでしょ。」
と正論を述べられると邦は何も言い返せず「新たな謎」として残っただけだった。
「まあ、帰りながら「夢」の3D動画はもう一回見てみようや。少なくとも寄せ書きに「颯」の文字は確認できたし、仲間の4人の名もきちんと読めたし夢の中での颯さんの言葉とも「博士」は除いてマッチしてたで。原先生はAIは学習機能があるって言うてたように、他の夢もスパコンのAIに読み込ませたら仲間の顔や苗字なんかもはっきりするんとちゃうかな。」
邦のフォローに颯は一口、コーヒーを口にして自身の意見を述べた。
「いや、そこがポイントなんやわ。最後に邦ちゃんの顔だけははっきりと再生されてたやろ。それも最後のシーンだけでそれまでは白くもやっとしたモザイクがかかってるような状況やったんが邦ちゃんの顔だけが明確に出るって出来すぎやろ。やっぱり今の僕の記憶が具現化されただけとちゃうんかな?」
それを聞いた瞬間、邦は夢再生のラストシーンを思い起こした。
「最後に「心置きなく出撃できます。」って言うた後、颯さんの視線が仲間の方に振り返った一瞬、私の顔だけでなく仲間の顔もはっきり見えたような気がしたんやけど…。まあ、それは私の気のせいかもしれへんし、次の診察で原先生の意見も聞いてみようや。ちなみに次のクリニックの休みで一緒に宮崎に来られる日っていつになる?」
話を方向転換して問われた颯は手帳を取り出した。最短の休祝日での休みは祝日扱いの5月3日金曜日と4日の土曜日という事だった。その次は18日の日曜日だという。「私も3、4日は休みやからそこで診てもらおうか。」と颯の了承を得ると速攻で原宛に「今日はありがとうございました。5月3日と4日は私たちは休みです。先生の御都合はいかがですか?」とメールを送った。
食事が終わった午後3時55分、原から「大丈夫です。それまでに調べものもしておきますね。くれぐれもこの事は「SNS」等で公表はしないようお願いします。」と返事が来た。
店を出る時にふと邦の足が止まった。(あれ、なんで足が止まったんやろか?)と通路の両サイドの席に目をやると大きく赤字で「ムー」と書かれた黒いTシャツを着た一組の若い男がテーブルの上で開いた雑誌の「テレパスは古代人類の通信手段だった!」の大見出しが目に入った。
ふたりの男はゲイカップルのように向かい合わせで手を握り合い「俺の頼みたいものわかった?」、「ハンバーグオニオンソースとフォッカチオセットかな?」、「うーん、違うなぁ。マヨコーンピザと旨辛チキンなんだけど…。」、「まあ、俺らは「現代人」やから「テレパス」は無くて当たり前やろ。カラカラカラ。」と他愛のない会話だったがなぜか邦の頭の中に「テレパス」と言う4文字が残った。(なんや、今の感覚?「カクテルパーティー現象(※注13)」かな?)と思ったが「邦ちゃん、行くよ。」の颯の声に意識は現実世界に戻された。
邦が運転席に乗り込むと「颯さん、夢の生成動画のDVDをしっかり見直してみてや。」と言い、カーナビに原からもらった今日のDVDをセットした。
画面は2分割されていて、左が実験中の颯の姿、右はAIが生成した3分後の「夢」の生成動画が並んで映し出されている。睡眠導入から「夢のはじめ」までは颯の見たものなので鮮明な動画が映し出されていたのが、「夢」の中の赤糸旅館のシーンに入ると画面はセピアのモノトーンに変わった。
「あぁ、こんな感じの「夢」を繰り返し見るんですよ…。「色」がない世界です。はっきりとした記憶はないですがこんな感じです。
ラボで見させられたときは「信じられない」気持ちが強すぎて画面も音も頭に入ってこなかったんですけど、改めてみると凄くリアルに再現されてるんですね。左の催眠状態の僕のセリフが「他の4人」いや、「邦ちゃん」も含めると5人に声色も変えられて生成されるんですね。」
と助手席で颯が呟いているのを左耳で邦は聞いている。
「あっ、僕の違和感はここなんですよ。この間、邦ちゃんがお正月に作ってくれたオリジナルの料理が昭和20年の時代にある訳ないですよね。僕が調べた中でも「知覧」で有名な「鳥濱トメ」さんの「富屋食堂」だって質素な卵丼なのに、「夢」の中では「ふわとろオムレツ」が丼になってたり…。更にあの時代で邦ちゃん特製の「ロワイユ」なんかあり得ませんよね。
そして「ここ」です。「同期の桜」は「海軍」の軍歌なんですよ。しかも歌詞がめちゃくちゃですよね。「貴様と俺とは同期の桜」が「君と僕とは二輪の桜」って催眠状態の僕が口ずさんだものをAIが生成したんでしょうけどこんな滅茶苦茶な歌詞はあり得ないし、陸軍航空隊がこの歌を歌うってナッシングですよ。
そして「寄せ書き」です。名前しか書かないってあり得ませんよね。飲み屋やサークル活動じゃないんですから…、」
颯の言葉を聞きながら(うーん、料理の部分はおばあちゃんに教えてもらった「スペシャリテ」やから、戦中に提供してたかどうかは聞いてみな分からへんな…。「歌」と「寄せ書き」はそういわれるとそう思えてしまうけど、無茶苦茶な歌詞を「夢」の中で歌うっていうのもおかしいような気がするな。私的には颯さんの「否定」を素直には受け入れられへんな…。まあ、謎解きは始まったばっかりや。次の3日に期待してみよか。)と思いながらハンドルを握り続けた。
(注13) 「カクテルパーティー現象」とは、「音声の選択的聴取」と訳される現象で、賑やかな雑踏やパーティー会場のような人混みの中でも「自分の名」や「興味のある言葉」には無意識で反応する事を指す。
筆者も満員電車の中での他人の会話で「つちのこ」や「UFO」と言った言葉に敏感に反応してしまう。
その会話の主に目を向けるとその多くは赤字で「ムー」と大きく描かれたTシャツを着ているか、カバンに「モアイ像」、「リトルグレイ」、「つちのこ」キーホルダーがついている事が多い。
「おまけ」
午後3時に原メンタルクリニックを出て、邦と颯は近くのファミレスに入った。昼ごはん抜きで腹は空いているはずなのに空腹感は無かったが、頭がいっぱいで脳が甘いものを欲していた邦は「パンケーキホイップクリームのせ」と「アイスココア」を頼んだ。颯は冷静を装おうとするものの動揺は隠せず、「カルボン、いやカルボニャ、すみませんカルボーン」と3度名称を間違えて「これ下さい。」と指さしで「カルボナーラ」と「アイスコーヒー」をオーダーした。そんな颯の様子を見て笑いを堪えながら
「颯さん、今日はなかなか「ぎょへー」な展開やったな…。まだ、原先生のラボで見たものが現実なんかそれとも実は作りもんの「夢」なんか私の頭はまだ理解できてへんねん。颯さんはどう思った?」
届いたばかりのアイスココアを飲みながら邦が尋ねると、颯は未だに現実として受け入れ切れていないようで「僕の想像と記憶が混在してる自分で作った「夢」かもしれないと…。だって、昭和20年の特攻隊の出撃前夜のシーンやのに出てきた女の子は現在の「邦ちゃん」で夢の主体は「颯」って「僕」のことやろ?」と呟いた。
原の催眠術を使った夢を動画化するシステムについて否定はしなかった。実験中の颯の言動はいわゆる「コテコテ」の関西弁で、宮崎に来てから極力抑えている今の話し方と違い、まさに大阪で過ごしていた高校生の頃の話し方に戻っていたので、深層意識の颯が前面にでて話していた事は素直に認めた。
自作の夢かも知れないという根拠としては、現実世界の当事者ふたりが昭和20年5月29日に特攻隊員とその世話をしている旅館の女の子という設定はあり得ないというものだった。
生成AIの技術的なものはほとんど理解できていないが、否定すべき夢の内容としては、颯が調べた範囲では「第433振武隊」以上に大きな番号の部隊名は存在しない事と、寄せ書きで「姓」をいれない事はあり得ないという事だった。
「ましてや、特攻隊員は「軍神」扱いっていうのが常識でしょ。「命」を賭して国の為に闘うんですから。それが夢の中で「僕」自身が言っていた「護衛戦闘機」どころか「戦果確認機」も同行せず、見送りも無いってあり得へんでしょ。」
と正論を述べられると邦は何も言い返せず「新たな謎」として残っただけだった。
「まあ、帰りながら「夢」の3D動画はもう一回見てみようや。少なくとも寄せ書きに「颯」の文字は確認できたし、仲間の4人の名もきちんと読めたし夢の中での颯さんの言葉とも「博士」は除いてマッチしてたで。原先生はAIは学習機能があるって言うてたように、他の夢もスパコンのAIに読み込ませたら仲間の顔や苗字なんかもはっきりするんとちゃうかな。」
邦のフォローに颯は一口、コーヒーを口にして自身の意見を述べた。
「いや、そこがポイントなんやわ。最後に邦ちゃんの顔だけははっきりと再生されてたやろ。それも最後のシーンだけでそれまでは白くもやっとしたモザイクがかかってるような状況やったんが邦ちゃんの顔だけが明確に出るって出来すぎやろ。やっぱり今の僕の記憶が具現化されただけとちゃうんかな?」
それを聞いた瞬間、邦は夢再生のラストシーンを思い起こした。
「最後に「心置きなく出撃できます。」って言うた後、颯さんの視線が仲間の方に振り返った一瞬、私の顔だけでなく仲間の顔もはっきり見えたような気がしたんやけど…。まあ、それは私の気のせいかもしれへんし、次の診察で原先生の意見も聞いてみようや。ちなみに次のクリニックの休みで一緒に宮崎に来られる日っていつになる?」
話を方向転換して問われた颯は手帳を取り出した。最短の休祝日での休みは祝日扱いの5月3日金曜日と4日の土曜日という事だった。その次は18日の日曜日だという。「私も3、4日は休みやからそこで診てもらおうか。」と颯の了承を得ると速攻で原宛に「今日はありがとうございました。5月3日と4日は私たちは休みです。先生の御都合はいかがですか?」とメールを送った。
食事が終わった午後3時55分、原から「大丈夫です。それまでに調べものもしておきますね。くれぐれもこの事は「SNS」等で公表はしないようお願いします。」と返事が来た。
店を出る時にふと邦の足が止まった。(あれ、なんで足が止まったんやろか?)と通路の両サイドの席に目をやると大きく赤字で「ムー」と書かれた黒いTシャツを着た一組の若い男がテーブルの上で開いた雑誌の「テレパスは古代人類の通信手段だった!」の大見出しが目に入った。
ふたりの男はゲイカップルのように向かい合わせで手を握り合い「俺の頼みたいものわかった?」、「ハンバーグオニオンソースとフォッカチオセットかな?」、「うーん、違うなぁ。マヨコーンピザと旨辛チキンなんだけど…。」、「まあ、俺らは「現代人」やから「テレパス」は無くて当たり前やろ。カラカラカラ。」と他愛のない会話だったがなぜか邦の頭の中に「テレパス」と言う4文字が残った。(なんや、今の感覚?「カクテルパーティー現象(※注13)」かな?)と思ったが「邦ちゃん、行くよ。」の颯の声に意識は現実世界に戻された。
邦が運転席に乗り込むと「颯さん、夢の生成動画のDVDをしっかり見直してみてや。」と言い、カーナビに原からもらった今日のDVDをセットした。
画面は2分割されていて、左が実験中の颯の姿、右はAIが生成した3分後の「夢」の生成動画が並んで映し出されている。睡眠導入から「夢のはじめ」までは颯の見たものなので鮮明な動画が映し出されていたのが、「夢」の中の赤糸旅館のシーンに入ると画面はセピアのモノトーンに変わった。
「あぁ、こんな感じの「夢」を繰り返し見るんですよ…。「色」がない世界です。はっきりとした記憶はないですがこんな感じです。
ラボで見させられたときは「信じられない」気持ちが強すぎて画面も音も頭に入ってこなかったんですけど、改めてみると凄くリアルに再現されてるんですね。左の催眠状態の僕のセリフが「他の4人」いや、「邦ちゃん」も含めると5人に声色も変えられて生成されるんですね。」
と助手席で颯が呟いているのを左耳で邦は聞いている。
「あっ、僕の違和感はここなんですよ。この間、邦ちゃんがお正月に作ってくれたオリジナルの料理が昭和20年の時代にある訳ないですよね。僕が調べた中でも「知覧」で有名な「鳥濱トメ」さんの「富屋食堂」だって質素な卵丼なのに、「夢」の中では「ふわとろオムレツ」が丼になってたり…。更にあの時代で邦ちゃん特製の「ロワイユ」なんかあり得ませんよね。
そして「ここ」です。「同期の桜」は「海軍」の軍歌なんですよ。しかも歌詞がめちゃくちゃですよね。「貴様と俺とは同期の桜」が「君と僕とは二輪の桜」って催眠状態の僕が口ずさんだものをAIが生成したんでしょうけどこんな滅茶苦茶な歌詞はあり得ないし、陸軍航空隊がこの歌を歌うってナッシングですよ。
そして「寄せ書き」です。名前しか書かないってあり得ませんよね。飲み屋やサークル活動じゃないんですから…、」
颯の言葉を聞きながら(うーん、料理の部分はおばあちゃんに教えてもらった「スペシャリテ」やから、戦中に提供してたかどうかは聞いてみな分からへんな…。「歌」と「寄せ書き」はそういわれるとそう思えてしまうけど、無茶苦茶な歌詞を「夢」の中で歌うっていうのもおかしいような気がするな。私的には颯さんの「否定」を素直には受け入れられへんな…。まあ、謎解きは始まったばっかりや。次の3日に期待してみよか。)と思いながらハンドルを握り続けた。
(注13) 「カクテルパーティー現象」とは、「音声の選択的聴取」と訳される現象で、賑やかな雑踏やパーティー会場のような人混みの中でも「自分の名」や「興味のある言葉」には無意識で反応する事を指す。
筆者も満員電車の中での他人の会話で「つちのこ」や「UFO」と言った言葉に敏感に反応してしまう。
その会話の主に目を向けるとその多くは赤字で「ムー」と大きく描かれたTシャツを着ているか、カバンに「モアイ像」、「リトルグレイ」、「つちのこ」キーホルダーがついている事が多い。
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