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混沌の始まり
第十二話 ようやく登場
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所長である、ディオニュソスが誰にも行き先を告げずに、どこかへ消えてしまったので、とりあえず蓮やコータを始めとする総長は緊急会議を開いた。
今は、本部にある卓球台を囲んで、会議の最中である。
なぜか、卓球台を囲んで会議をするのが慣例となっているので、呼ばれた斉藤も、誰一人口を挟まないのを見て、自分も静かにその席を囲っている。
「しっかし、マサルさんが帰ってくるなんてな~」
「マサルはああいう性格だから、連絡がないのも頷けるけど、もうちょっと連絡が欲しいよね?」
「そうですね。 準備するこっちの身にもなって欲しいわ」
ひとまず、今後の方針が決まった一同が、解散していく中、そう声を発したのは、蓮と、「美の意志をつぐ者」の総長である柏木 沙羅と、「学問の意志をつぐ者」の総長の霧野 沙織である。
美形の蓮と、言うまでも無く美少女である人気者の沙羅に、静かな雰囲気の沙織。
沙織は、「意志をつぐ者」には珍しく、姉妹である。
妹であるカオリとは2歳差だが、沙織のほうがもっと大人っぽく見えるのは当たり前だろう。
なんせ、妹があんななのだから仕方ないだろう。
意外な組み合わせに見えるが、この三人はマサルを師に持つ、類稀なヒト達なのだ。
もちろん、マサル仕込みなので、三人ともかなり強い。
「マサルさんって、訓練所でも変わらないみたいですね?」
「斉藤さん、むしろ訓練所がホームだから、こっちのほうが多分スゴイですよ」
「あぁ、なんか納得できそうです」
未だに残っていた斉藤が、隣に座っているコータに、確認するように聞く。
だが、悩ましげに首を振りつつ、こめかみを押さえながら言うコータに、察したとでも言わんばかりに頷く斉藤。
「ですが、あの宴ってなんなんです? 襲撃に備えて警備を増やすのと、結界を張るのに私も参加するのはわかりますが、なぜ宴をするんですか?」
斉藤は、先程の会議で決められた今後の予定の中にある項目についてコータに聞く。
結界は後日だと言っていたが、警備の増員と宴が今日中なのがよくわからない。
「あぁ、それは、マサルが帰ってくるときはいつもやってるんですよ。 一応、伝説の中のヒトですから、無下にも断れなくて」
「…………なんか不憫ですね」
5年前の大戦の時に活躍した英雄達を伝説の中のヒトというのだが、マサルも数少ないその一人なのだ。
他には、斉藤の上司である鷲目大将もそうである。
確かにそれくらいの大物の言葉は無視できないのを知っているのか、憐れむような声音で世の中の不条理を再確認するように言葉をかける斉藤。
「それは言わないでください。 余計に悲しくなりますから」
「…………すみません」
悲しそうな顔をしながら言うコータに謝罪する斉藤。
そんな二人を誰かが後ろから声をかける
「ちょっと、二人とも、大丈夫? すごく沈んで見えたけど」
後ろを振り返ると、そこにはブラックの缶コーヒーを二つ持ったカオリが立っていて、座っているコータと斉藤を屈(かが)みながら、心配そうに見ている。
「ええ、大丈夫ですよ」
「あぁ…………カオリか、大丈夫だよ」
微笑みながら返す斉藤と、少し残念そうにするコータ。
そして、そのコータの真意を見計らったカオリが眉根を寄せて不機嫌そうに言う。
「むぅ~、今、なんでユキじゃないんだって思ったでしょ?」
「そ、そんなコト、欠片も思っちゃいないぞっ!?」
「ホントかなぁ?」
「ほ、ホントです」
「まぁ、いいけどね。 はい、コーヒー。 あげるよ」
「あ、ありがとう」
ふくれた顔のカオリに、どもりながらだが、言い切るコータ。
多少、期待していたので、キッパリとは言い切れない。
(声が違うから、ヘンな期待はそこで捨てたほうが良かったかな、やっぱり)
心の中でそう思っていた矢先、缶コーヒーを貰ったので、毒でも入ってるのではないかと警戒してしまう。
「はい、斉藤さんも」
「いいんですか? ありがとうございます」
「どういたしまして」
斉藤にも缶コーヒーを渡し、嬉しそうに受け取ってくれた斉藤に、ニッコリとお礼を返すカオリ。
そして、斉藤がその場でプルトップを開け、飲んだので、ハラハラしながら見守るコータ。
目の前で斉藤がイイ飲みっぷりで缶コーヒーを飲み干したので、コータも恐る恐る口につける。
別に今、飲まなくてもいいのだが、カオリの視線がさっきから痛いので、これを和らげる為に飲むことにした。
飲みきったコータだが、いつも飲んでいるブラックコーヒーより、苦く感じたのは錯覚だろう。
「おいしかった?」
「オイシイデス」
「どうかした?」
「イイエ、ナニモ」
わざとらしく悪意の篭った声で聞いてくるカオリに感情のない声音で返すコータ。
その二人を斉藤はキョトンとしながら見ていた。
「あ、お姉ちゃん!!」
「あら、カオリ。 どうかしたの?」
「うん、それがねー、コータが私のあげた缶コーヒーじゃなくて、ユ―――」
「うわあああああ!!!! なんでもないよっ、沙織さん!!」
悪戯っぽく微笑みながら、近くにいた姉を巻き込んでコータを失脚させようとするカオリに、コータは飛び掛り、その口を塞ぎながら姉の沙織に言う。
「そうなの…・・・?」
「はい、なにもないです! カオリは貰っていきますね!!」
そう言って、カオリを引き摺り、本部の外まで運ぶコータ。
途中に捕まえた郷田先輩にカオリを引き渡し、宴の準備を強制的に手伝わせるように言い、自分はその場を離れ、チームメンバーと合流しようとする。
その時、カオリに「この女たらし~!!」と罵られたが、心当たりもないのでキッパリと無視した。
会議が終わり、宴の準備をしていたコータと、そのチームは、開始の時刻までコータの部屋に集まって、ヒマを潰していた。
男4人で今はトランプをしている。
内容はポーカーであり、賭けの代償は情報である。
チップを賭ける要領で、先にどんな類の情報かを提示するのである。
「はい、俺の勝ちー。 コータが最下位だから、なんか話してもらおうかー?」
ワタルがそう言い、手札のストレートを場に出す。
コータの手には、ワンペアすらもなかったので、勝ち目無く降参する。
因みに、勝ち抜き戦でやったため、残った二人の頂上決戦となったのだ。
名前の通り、ストレート負けしたコータなので、ろくにかけひきもなかったが。
「くぅ~、負けたかぁ」
「うわっ、ザコいな」
「呆気ない」
精一杯戦ったという雰囲気を醸し出すコータに、遠慮なく浴びせる誠二とミツル。
「ヒドイっ!! こんなに頑張ったのに!」
「三回勝負とか言っておいて、二回戦目で負け確定だったけどねー」
冷たい言葉を浴びせてくる誠二とミツルの二人に、トランプを眼前にかざしながら言うコータだったが、勝者であるワタルが軽く言う。
「仕方ないじゃん、いいカードが来なかったんだもん…………」
「じゃあ、そんな運の無いコータ君には、洗いざらい喋ってもらいましょうかー」
「そうだな。 賭けの材料だし」
「全く、わかったよ」
コータは、賭けていた情報、マサルという人物との関係を話すことになった。
ここにいる3人は、まだマサルにあったことがないのだ。
というか、その名前すらついさっき知ったみたいだった。
比較的、新参者である彼らにとっては無理も無いことだとは思うが、教えていなかったコータも悪いので、潔く話すことにした。
「じゃあ、まず、僕とマサルの関係についてだけど…………簡単に言うと、僕とマサルは―――」
みんなが固唾を呑んで次の言葉を待っていると、そこで部屋のチャイムが鳴らされた。
「あ、ゴメン。 誰か、来たみたい。 ちょっと、待ってて」
「なんだよっ!?」
「いい所でっ!!」
「運がいいヤツ」
応対に出るため、玄関へと足早に去っていくコータに、三者三様の反応を示す三人。
「はーい、どちらさまですか?」
「いいから、早く開けなさいよぉっ!!」
「!?!?」
玄関の扉の前で困惑するコータだったが、関係者しかこの訓練所には入れないので、誰かしら知り合いだと思い、ドアを開ける。
そして、そこにいた人物を見て、驚愕に顔を染める。
「テヘッ、来ちゃった♪」
「なっ!?」
「俺もいるぞ」
「あぁ、知ってる」
「おおい、それはないだろうっ!?」
はにかむかなり親しい仲の女性がいたのに驚きを隠せなかったが、もう一人はすでに連絡があったので、来てもおかしくない人だったので、別になんとも思わなかった。
即ち、話題のマサルがやってきたのである。
これでアイツらへの説明が省けたと嬉しく思うコータであった。
今は、本部にある卓球台を囲んで、会議の最中である。
なぜか、卓球台を囲んで会議をするのが慣例となっているので、呼ばれた斉藤も、誰一人口を挟まないのを見て、自分も静かにその席を囲っている。
「しっかし、マサルさんが帰ってくるなんてな~」
「マサルはああいう性格だから、連絡がないのも頷けるけど、もうちょっと連絡が欲しいよね?」
「そうですね。 準備するこっちの身にもなって欲しいわ」
ひとまず、今後の方針が決まった一同が、解散していく中、そう声を発したのは、蓮と、「美の意志をつぐ者」の総長である柏木 沙羅と、「学問の意志をつぐ者」の総長の霧野 沙織である。
美形の蓮と、言うまでも無く美少女である人気者の沙羅に、静かな雰囲気の沙織。
沙織は、「意志をつぐ者」には珍しく、姉妹である。
妹であるカオリとは2歳差だが、沙織のほうがもっと大人っぽく見えるのは当たり前だろう。
なんせ、妹があんななのだから仕方ないだろう。
意外な組み合わせに見えるが、この三人はマサルを師に持つ、類稀なヒト達なのだ。
もちろん、マサル仕込みなので、三人ともかなり強い。
「マサルさんって、訓練所でも変わらないみたいですね?」
「斉藤さん、むしろ訓練所がホームだから、こっちのほうが多分スゴイですよ」
「あぁ、なんか納得できそうです」
未だに残っていた斉藤が、隣に座っているコータに、確認するように聞く。
だが、悩ましげに首を振りつつ、こめかみを押さえながら言うコータに、察したとでも言わんばかりに頷く斉藤。
「ですが、あの宴ってなんなんです? 襲撃に備えて警備を増やすのと、結界を張るのに私も参加するのはわかりますが、なぜ宴をするんですか?」
斉藤は、先程の会議で決められた今後の予定の中にある項目についてコータに聞く。
結界は後日だと言っていたが、警備の増員と宴が今日中なのがよくわからない。
「あぁ、それは、マサルが帰ってくるときはいつもやってるんですよ。 一応、伝説の中のヒトですから、無下にも断れなくて」
「…………なんか不憫ですね」
5年前の大戦の時に活躍した英雄達を伝説の中のヒトというのだが、マサルも数少ないその一人なのだ。
他には、斉藤の上司である鷲目大将もそうである。
確かにそれくらいの大物の言葉は無視できないのを知っているのか、憐れむような声音で世の中の不条理を再確認するように言葉をかける斉藤。
「それは言わないでください。 余計に悲しくなりますから」
「…………すみません」
悲しそうな顔をしながら言うコータに謝罪する斉藤。
そんな二人を誰かが後ろから声をかける
「ちょっと、二人とも、大丈夫? すごく沈んで見えたけど」
後ろを振り返ると、そこにはブラックの缶コーヒーを二つ持ったカオリが立っていて、座っているコータと斉藤を屈(かが)みながら、心配そうに見ている。
「ええ、大丈夫ですよ」
「あぁ…………カオリか、大丈夫だよ」
微笑みながら返す斉藤と、少し残念そうにするコータ。
そして、そのコータの真意を見計らったカオリが眉根を寄せて不機嫌そうに言う。
「むぅ~、今、なんでユキじゃないんだって思ったでしょ?」
「そ、そんなコト、欠片も思っちゃいないぞっ!?」
「ホントかなぁ?」
「ほ、ホントです」
「まぁ、いいけどね。 はい、コーヒー。 あげるよ」
「あ、ありがとう」
ふくれた顔のカオリに、どもりながらだが、言い切るコータ。
多少、期待していたので、キッパリとは言い切れない。
(声が違うから、ヘンな期待はそこで捨てたほうが良かったかな、やっぱり)
心の中でそう思っていた矢先、缶コーヒーを貰ったので、毒でも入ってるのではないかと警戒してしまう。
「はい、斉藤さんも」
「いいんですか? ありがとうございます」
「どういたしまして」
斉藤にも缶コーヒーを渡し、嬉しそうに受け取ってくれた斉藤に、ニッコリとお礼を返すカオリ。
そして、斉藤がその場でプルトップを開け、飲んだので、ハラハラしながら見守るコータ。
目の前で斉藤がイイ飲みっぷりで缶コーヒーを飲み干したので、コータも恐る恐る口につける。
別に今、飲まなくてもいいのだが、カオリの視線がさっきから痛いので、これを和らげる為に飲むことにした。
飲みきったコータだが、いつも飲んでいるブラックコーヒーより、苦く感じたのは錯覚だろう。
「おいしかった?」
「オイシイデス」
「どうかした?」
「イイエ、ナニモ」
わざとらしく悪意の篭った声で聞いてくるカオリに感情のない声音で返すコータ。
その二人を斉藤はキョトンとしながら見ていた。
「あ、お姉ちゃん!!」
「あら、カオリ。 どうかしたの?」
「うん、それがねー、コータが私のあげた缶コーヒーじゃなくて、ユ―――」
「うわあああああ!!!! なんでもないよっ、沙織さん!!」
悪戯っぽく微笑みながら、近くにいた姉を巻き込んでコータを失脚させようとするカオリに、コータは飛び掛り、その口を塞ぎながら姉の沙織に言う。
「そうなの…・・・?」
「はい、なにもないです! カオリは貰っていきますね!!」
そう言って、カオリを引き摺り、本部の外まで運ぶコータ。
途中に捕まえた郷田先輩にカオリを引き渡し、宴の準備を強制的に手伝わせるように言い、自分はその場を離れ、チームメンバーと合流しようとする。
その時、カオリに「この女たらし~!!」と罵られたが、心当たりもないのでキッパリと無視した。
会議が終わり、宴の準備をしていたコータと、そのチームは、開始の時刻までコータの部屋に集まって、ヒマを潰していた。
男4人で今はトランプをしている。
内容はポーカーであり、賭けの代償は情報である。
チップを賭ける要領で、先にどんな類の情報かを提示するのである。
「はい、俺の勝ちー。 コータが最下位だから、なんか話してもらおうかー?」
ワタルがそう言い、手札のストレートを場に出す。
コータの手には、ワンペアすらもなかったので、勝ち目無く降参する。
因みに、勝ち抜き戦でやったため、残った二人の頂上決戦となったのだ。
名前の通り、ストレート負けしたコータなので、ろくにかけひきもなかったが。
「くぅ~、負けたかぁ」
「うわっ、ザコいな」
「呆気ない」
精一杯戦ったという雰囲気を醸し出すコータに、遠慮なく浴びせる誠二とミツル。
「ヒドイっ!! こんなに頑張ったのに!」
「三回勝負とか言っておいて、二回戦目で負け確定だったけどねー」
冷たい言葉を浴びせてくる誠二とミツルの二人に、トランプを眼前にかざしながら言うコータだったが、勝者であるワタルが軽く言う。
「仕方ないじゃん、いいカードが来なかったんだもん…………」
「じゃあ、そんな運の無いコータ君には、洗いざらい喋ってもらいましょうかー」
「そうだな。 賭けの材料だし」
「全く、わかったよ」
コータは、賭けていた情報、マサルという人物との関係を話すことになった。
ここにいる3人は、まだマサルにあったことがないのだ。
というか、その名前すらついさっき知ったみたいだった。
比較的、新参者である彼らにとっては無理も無いことだとは思うが、教えていなかったコータも悪いので、潔く話すことにした。
「じゃあ、まず、僕とマサルの関係についてだけど…………簡単に言うと、僕とマサルは―――」
みんなが固唾を呑んで次の言葉を待っていると、そこで部屋のチャイムが鳴らされた。
「あ、ゴメン。 誰か、来たみたい。 ちょっと、待ってて」
「なんだよっ!?」
「いい所でっ!!」
「運がいいヤツ」
応対に出るため、玄関へと足早に去っていくコータに、三者三様の反応を示す三人。
「はーい、どちらさまですか?」
「いいから、早く開けなさいよぉっ!!」
「!?!?」
玄関の扉の前で困惑するコータだったが、関係者しかこの訓練所には入れないので、誰かしら知り合いだと思い、ドアを開ける。
そして、そこにいた人物を見て、驚愕に顔を染める。
「テヘッ、来ちゃった♪」
「なっ!?」
「俺もいるぞ」
「あぁ、知ってる」
「おおい、それはないだろうっ!?」
はにかむかなり親しい仲の女性がいたのに驚きを隠せなかったが、もう一人はすでに連絡があったので、来てもおかしくない人だったので、別になんとも思わなかった。
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