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第五話:竜王討伐戦
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陽の光が目に当たり俺は目が覚めた。
「朝か・・」
俺は、大きく伸びをしてベッドから降りる。
二人はすでに起きており、朝食を食べていた。
「ユウおはよー。冷めないうちに食べちゃってね〜」
俺は朝食をペロリと平らげた。
「ユウ、今日は二人で修行をするぞ」
ん、なんで二人なのか?俺が聞く前に理由を説明してくれた。
なんでもギルドからの討伐依頼だそうだ。時折、先生へ近隣の街にあるギルドから依頼が来るのだという。
おそらく先生の実力を見越しての依頼だろうな。
「場所が場所じゃからな、今回はミリーは留守番を頼むぞ」
「ラジャー! お土産を期待してるね!」
そう言って笑顔で俺たち二人を送り出してくれた。
今日は、走って移動している。距離がある為との事だが、目的地は教えてくれていない。道中モンスターが襲ってきたが、俺たち二人の前にモンスターどもは瞬殺だ。モンスターのレベルは10~20程度だった。いつの間にやら3hほどほぼノンストップで動き続けていた。流石に疲れたな。俺たちは休憩する事にした。
「ユウ。魔力はどれくらい残っているのじゃ?」
俺は答えた。
「残り3分の2です」
これを飲んでおけと、先生は俺にMP回復ポーションを3本手渡した。
「この先激戦になるじゃろう。ユウは強い。だから心配はしていないが、魔力が枯渇した場合に使うんじゃ。この世界で生きていくからには、今後とも厳しい戦いに身をおく事もあるじゃろう。魔術師の火力は圧倒的じゃ。じゃがな、魔力がなくなればどんな職業よりも脆い。より長く戦えるよう魔力を温存する戦い方も学ぶ必要があるのじゃ」
先生はいつも以上に険しい表情で俺に説明していた。
「了解です。今まで先生に習った事を全部ぶつけてやりますよ」
先生が今回の依頼内容を話してくれた。
ギルドの依頼はこうだ。この樹海の奥に禊の祠という洞窟がある。その洞窟は、ここから一番近い町にある聖職ギルドの巡礼地なのだそうだ。この近辺は普段ならばそこまで高レベルモンスターは生息していないが、あろう事かこの洞窟にドラゴンが生息してしまい、そのドラゴンの何らかの影響下で高レベルモンスターが周囲一帯に生息してしまっている。どの程度の相手なのかは実際に現地へ赴かないと先生も分からないのだとか。場合によっては、即退散なんて事もありえる。
俺は先生と一つだけ約束した。
「もしワシが逃げろと言ったら、何をおいても何が見えても全速力でその場から退避するのじゃぞ」
30分ほど休憩し、移動を再開した。
しばらく進むと、禊の祠に近づいた影響か、モンスターのレベルも数も増えてきた。
それにしても先生はすごい。
魔術の腕ははもちろんだが、その身のこなしも素早いなんてものじゃない、動きに一切の無駄がないのだ。俺も負けじと先生の動きを参考にしながらモンスターどもを潰していく。
少しして、先生の足が止まった。俺もレーダーで確認しているから分かるが、モンスターの数が尋常じゃない。200匹~300匹は下らないだろう。それも狭い範囲に密集している。レベルも30~40と今の俺よりも高い。
「ユウ、ワシが合図をしたらファイアーストームを最大レベルであの集団目掛けて放つのじゃ」
俺はうなずく。
お互い魔力を溜める。フルチャージだ。あまり、俺自身戦闘で本気で魔術を放った事はない。
威力が強すぎるからだ。
先生はその鋭い視線をモンスターの集団に送っている。恐らく絶妙なタイミングを狙って機会を伺っているのだ。
そしてその時が訪れた。
「今じゃ!」
先生が叫んだ。
俺と先生は同時に、杖を集団に向けて振りかざした。
「ファイアーストーム!」
「サンダーストーム!」
物凄い爆音と共に放たれた周辺は巨大な火柱に包まれている。そして天からは龍の形に見えなくもない、稲妻が何本も何本も火柱の辺り目掛けて降り注いでいた。
この世のものとは思えない光景だ。
俺の視界のレーダーから赤い点が次々に消滅していく。それと同時に視界全体が点滅を繰り返していた。
先生は放った魔術をコントロールし、残ったモンスターを根こそぎ殲滅していく。
5分位経過しただろうか、辺りは焼け野原となっており、モンスターの焼けた匂いで充満していた。所々まだ燃えている。先生は素早くアクアボルトを放ったかと覚えば、的確に燃えているところに命中させて消火していく。
気が付くとレベルが一気に62になっていた。
恐ろしい・・・今の戦闘でいったいどれほどの経験値を獲得したのやら。
先生は俺のレベルとMP値を確認して、訪ねてくる。
「行けるか?」
「もちろん」
俺達は再び禊の祠の目指して足を進める。
先ほどのような集団に出くわす事はなかった。
各個撃破で俺たちは進んでいく。
そして1匹のモンスターが俺たちの前に立ちはだかった。
5mはあろうかという巨体に頭が3つある化け物だ。
俺はすぐさま鑑定を使用する。
名前「キマイラ」
レベル61
種族:竜
弱点属性:なし
スキル:雷撃咆哮Lv4、焔撃咆哮Lv4、氷撃咆哮Lv4
「ユウ。戦い方を見ておくのじゃ。ワシがやる」
先生はそう言い、俺を後ろに下げる。
キマイラは3つの首を巧みに使い、頭はそれぞれが意志を持っているのか、別々の魔法を行使してくる。
先生はまさに閃光のごとく、そのすべてを華麗に躱し、複数の魔法で頭を一つずつ確実に潰していく。
わずか2分ほどの出来事だった。
すごい・・。
瞬きも忘れてしまうくらい、ユウはその様に見とれていた。
倒し終えた先生が俺の方に戻ってくる。
「今のユウでもあの程度は可能じゃ」
いやいやいや、無理だから!
その後は何の問題もなく進み、ついに俺達は、禊の祠の前まで辿り着いた。
外の物陰に隠れ、しばらく気配を伺う。
そこまで深い洞窟ではないようだ。その証拠に洞窟の再奥にいると思われるドラゴンは、俺のレーダーにはっきりと映っている。
先生にそれを告げた。
先生はドラゴンに動きがないか気配を探っている。
すると赤い点がゆっくりとこちらに近づいてきた。
先生の指示で一旦俺達は後ろに下がる。正体が分かるまでは絶対に先に相手に気付かれてはならない。
洞窟の入り口から100mは離れただろうか。俺のレーダーが届くギリギリの範囲だ。そして気配を殺してその姿が現れるのを待つ。
しばらくして赤い点の主がその姿を現した。
「流石にこれは大物じゃな・・」
隣にいた先生からそんな声が聞こえてきた。ドラゴンは体長40mはあるだろうか。あまりのサイズに一瞬思考が止まりそうになったが、俺はすぐに鑑定で確認した。
名前「グランドドラゴン」
レベル95
種族:竜
弱点属性:なし
スキル:????
おいおい、レベルがヤバいぞ。
それにスキルが????ってなんだよ。
今まで????なんて見た事がない。
俺は鑑定で知り得た情報を先生に伝える。
先生は、より一層険しい表情になっている。
先生よりLvが高いからな・・今回ばかりはいくら先生でも相手が悪すぎる。
俺は先生に視線を向ける。
「お主は逃げろ」
元来た道を指差しながら、先生が俺に小声で発言した。
ここに来る道中俺は先生と約束していた。
逃げろと言ったら、何をおいても逃げろと。
その時だった。突如ドラゴンが咆哮を上げたのだ。
「ガルルルルルルルー」
直後凄まじい風圧が俺たち二人を襲う。
俺たち二人の前に石の壁がそびえ立っている。しかしすぐに崩れてしまった。
俺はその壁がすぐに先生が発動した石壁だと理解した。
ドラゴンの正面約100mが無残な姿に変わり果てていた。
木々はなぎ倒され、例えるならば竜巻が通り去った後のような光景となっていた。
何故居場所がばれたんだ・・。
「早く逃げるんじゃ!あやつは別格じゃ。ワシらが太刀打ち出来る相手ではない」
「なら先生も一緒に逃げよう!」
「時間稼ぎする者がいないと無理じゃ!」
「なら・・・二人で倒そう!」
なぜ逃げ腰の俺がこの時は逃げずにこんな事を言ってしまったのだろう。
だがしかし後悔はしていない。このまま俺だけ逃げて助かっても先生が助かるとは到底思えなかったからだ。
そんな事になったら、俺はきっと死ぬほど後悔する。それだけは嫌だ絶対に。
それなら二人で戦ってやられた方がまだましだ。
しかし俺には自殺願望はない。
俺は思考を巡らせていた。役に立つかわからないが、昔やっていたゲームで巨大竜を倒すクエストがあったのを思い出す。
その時の攻略手順はこうだ。
1、絶対に竜の正面には立たない。
2、先に狙うのは翼だ。
3、竜の胴体は強固な為、狙うならば口の中だ。
4、倒れ込んだ所で目を狙う。
だめもとでやってみよう。
俺は先生に作戦の説明をした。
まず二人で左右の翼を風撃の連撃で引き裂く。
そしてひとりが囮となってドラゴンの注意を引く。もう一人はドラゴンに近付き、至近距離からドラゴンの口の中目掛けて火撃をねじ込む!
「馬鹿な!無理じゃ!一撃でも喰らったらそれで終わりなんじゃぞ」
「分かってる。分かってるけど何故だが、上手く行く気がするんです」
根拠なんてない。だが俺が少しでも不安を思わせると先生は俺だけを逃がそうとするだろう。
先生は俺が断固として意見を変えない事が分かったのか、了承してくれた。
「まったく・・ワシの弟子はワシの言う事を聞かぬ連中ばかりじゃな」
ばかりって事はミリーにもそんな事があったのだろうか?
ため息をついた先生の横顔をチラリと見た。困った顔をしていると思ったが、先生は笑っていた。
はは、さすが先生だ。俺は泣きそうだってのに。
さてと余計な思考を巡らすのはここまでだ。
作戦開始だ。
囮役は先生に決まった。というより、絶対にワシがやると聞かなかったからなのだが・・。
以降の連絡の取り合いはテレパシーを使う事になった。
先生はアジリティアップの魔術を俺に発動し、そして自身にも発動した。速度強化の魔術だ。
行動開始だ。
俺達二人は左右に展開し、ドラゴンとの距離を縮めていく。
ドラゴンは首を左右に振っている。どちらに攻撃しようか迷っているのだろうか?
そんな事はお構い無しに俺達はドラゴンとの距離を縮めていく。
風撃が届く位置まで到達した。すかさず翼目掛けて風撃を発動させる。
脆そうな翼と言えど、なかなかに硬い。傷一つ付かない。すると先生からテレパシーで連絡が入る。
「デタラメに撃つのではなく寸分の狂いもなく同じ箇所を狙うのじゃ」
魔術歴1か月そこらの俺に無茶を言ってくれる。
しかし生き残るためにはやるしかない。
俺は、先生の指示通り、なるべく同じ箇所に攻撃を集中させる。無論、ドラゴンも黙って見ているわけはない。火炎放射であったり、地団駄によって発生した衝撃波であったりと多彩な攻撃手法を用いてくる。
俺は最小限の動きでその攻撃を躱しながらひたすら風撃を放っていく。
何発放っただろうか・・。MP回復ポーションも既に使い切った。
そのおかげもあり、ドラゴンの翼はボロボロになっていた。よし上手くいったぞ。
先生の方も成功したようだ。さすがです。俺達は次の段階に進む。
テレパシーで連絡を取りながら、先生は少しずつドラゴンから距離を置き、目立つように動き回っている。無駄に派手な魔法を使い注意を引こうとしている。ドラゴンは凄まじい衝撃波を先生目がけて放つ。
先生は咄嗟に石壁を3重に発動させ、攻撃を凌いでいた。
先ほどは距離があったのと障害物があった為、1枚で良かったのだが、先生は即座に3枚ないと防げないと判断したのだ。
先生がドラゴンの注意を引いてる隙に俺はドラゴンのすぐ近くまで近付く事に成功していた。
正面に回るのは攻撃する時だ。ドラゴンが方向を変えないように先生もその場を動かず攻撃に耐え続けていた。
その時だった。
ドラゴンが翼をバタつかせ始めた。
飛ぼうとしているのだろうが、既にその翼はすでにボロボロの為、少し浮き上がった程度ですぐに地面に着地してしまった。土煙が辺りを覆う。
これは使える!
俺はそのチャンスを逃すまいと、土煙に紛れて最後の攻撃をするべくドラゴンの正面に回った。
この時の俺はこの行動が相手の策略だと気付かなかった。
ドラゴンは俺が近付いていた事に気付いていたのだ。先生からのテレパシーが届く。
「罠じゃぁぁぁぁぁ!」
しかし遅かった。土煙に隠れて正面に回ったはずだったが、ドラゴンは目にも留まらぬスピードでその巨大な口を広げたまま俺に近付いてきた。
攻撃をする間も無く、いとも簡単に俺はドラゴンに喰われてしまったのだ。
先生が俺の名を叫ぶ声が聞こえた気がした。
「ユウっ!!!!」
「おのれドラゴン!許さぬ!許さぬぞっ!」
俺は喰われたのだろうか・・。
意識は・・ハッキリとしている。
両手で身体を触ってみた。両手両足はちゃんとある。どうやらまだ生きている。思惑通りになったようだ。
俺は喰われる瞬間あえて、奴の口の中に飛び込んだのだ。もちろん頭がおかしくなったり、恐怖に耐えられなくなったわけではない。
あえて飛び込む事により、喰いちぎられるのを回避したのだ。
さぁ、次はこっちのターンだ!
おれの魔力は残り少ない。先生から貰ったポーションは全て使用してしまった。
魔術の無駄打ちは出来ない。どうする?
俺は考えた。そして一つの魔法を使用する。
「ロックウォール!」
なぜ攻撃魔法ではなく、防御に用いる魔術を使ったのか。答えは簡単だ。こんな密閉された空間で攻撃魔術を発動させればこっちもただでは済まない。もちろんそれだけが理由ではないのだが。
ドラゴンの装甲は金属のように硬い。
しかし内部はどうだろうか?きっと脆いに違いない。ならば内部から破壊してやる。
これは賭けだった。
残った魔力のほぼ全てを使い、石壁を連打した。
その頃先生は、自分が傷つくのを恐れる事なく、ドラゴンと真っ向勝負していた。
先生自身このまま戦っても勝てる見込みがない事は分かっていた。
しかしもはや逃げるという選択肢はなかった。大事な弟子をドラゴンに奪われてしまい、理性をなくしていた。先生は徐々に、いや確実にダメージを追い、追い詰められていく。
足が動かない。視界が霞む。ついに膝をついてしまった。ここまでか・・・
ドラゴンは先生がもう動けないと悟ったのか、口を開けてゆっくりと火炎放射のチャージをし始めた。
その時だった。
口を開けたままドラゴンが急に苦しみだしたのだ。そして次の瞬間、巨大な腹の中から無数の石柱が突き出してきた。
先生は何が起こったのか分からないでいた。しかしその石柱がすぐに、石壁である事に気が付いた。ドラゴンは口から血を吐き出し、その場に倒れこんでしまった。
そして次第に動かなくなっていった。
腹の中から誰かが出てきた。その姿は血まみれで、普通ならば誰なのか到底判別出来ないのだが、先生はすぐに分かった。
ユウだ。先ほどドラゴンに食べられたはずのユウが生きていたのだ。そればかりか、内部から攻撃をしかけて、見事ドラゴンを倒したのだ。
俺もすでに魔力が枯渇してフラフラの状態だった。なんとか腹から這い出た俺は、その場に倒れこむ。
倒れ込んだはずなのだが地面の感触ではなかった。目を開けると先生がいた。受け止めてくれていたのだ。
「ばかものが」
先生は目に涙を浮かべていた。
「じゃが無事でよかった。ほんとによかった・・・」
先生は俺を抱きしめる。
「ギリギリでしたね。それに先生こそボロボロじゃないですか・・・」
先生は俺に治癒と洗浄を施す。
俺はいつの間にか気を失っていた。どれくらい気を失っていたのだろうか。
頭の下に何やら柔らかいものを感じる。
なんとも心地よい感触だ。
俺は目を開ける。
先生が俺を覗き込んでいる。どうやら先生に膝枕されていたようだ。
「先生に膝枕してもらえるなんて俺って幸せ者ですかね」
あははと俺は笑いながらつぶやいた。
先生はちょっとだけ顔が赤くなっている。
「ばかな事を言うでないわ。魔力が回復したらミリーの元に帰るぞ」
先生もすでにMPポーションは使い切っており、時間をかけて回復するしかなかった。
しかしドラゴンが倒された今、辺りを覆っていた邪悪な気配は消え、モンスターの反応もいつの間にかなくなっていた。ある程度回復した俺達は、戦利品をいくつかストレージに回収していく。
驚いたのは、あのドラゴンの巨体がストレージに易々と入ってしまったのだ。その他にもモンスターの使っていた武器や素材をまるごとストレージに放り込んだ。
念のために禊の祠内を確認しておこうと先生が言うので、俺達二人は洞窟へと足を運んだ。
100mほど進んだ先で何やらまばゆい光が目に入ってくる。
なんと祠の最奥には、ドラゴンがどこからか集めてきたものだろうか、金銀財宝の山々があったのだ。その価値は計り知れない。どうすれば良いかためらっていた俺に先生が告げる。
「こういう場合は、見つけたやつの物じゃ」
この世界では盗品は、よほど明確な証拠がない限りは本人に戻ってくる事はまずないのだそうだ。
俺はしかたなくストレージに金銀財宝を回収した。しかたなくだ。
それ以上は何もなかったため、俺達はその場を後にし、小屋へと急ぎ戻った。
不思議と道中には高レベルモンスターはいなかった。やはりドラゴンが消えたせいだろう。
小屋に辿りついた時は、すでに陽は落ち、辺りは真っ暗になっていた。
小屋のドアの前にミリーの姿があった。
ミリーは俺たちに気が付くと手を振ってくる。
「もうー二人とも遅いよー。心配したんだからねーって!何!?服ボロボロじゃん!」
ミリーは驚いている。すぐに俺達のもとへ駆け寄ってきた。
「心配かけたな、じゃが無事に任務達成じゃ」
「ギリギリだったけどな」
俺はミリーの頭をなでなでしてやり、三人は小屋の中へと戻った。
テーブルにはご飯の準備が出来ていた。少し冷めていたが、美味しかった。
うん、今日もキノコは美味しいね。
俺はミリーに今日の出来事について色々と話していた。持ち帰った金銀財宝を少しだけストレージから机の上に取り出した。これにはミリーも驚き興奮している。
これだけあれば・・グフフ・・とつぶやきながら危ない顔して笑ってらっしゃる。
ミリーさん怖いよ・・。
先生は道中獲得した綺麗なクリスタルの結晶をお土産と称してミリーに渡していた。
そうしてしばらく談笑した後、それぞれの寝床へと向かった。
「今日はなかなかにハードだったな・・。寝る前にステータスチェックでもしておくか」
名前:ユウ
レベル:80
職種:魔術師
スキル:鑑定、魔力注入、範囲探索、投石Lv2、火撃Lv5、火嵐Lv5、水撃Lv5、吹雪Lv5、雷撃Lv5、雷嵐Lv5、風撃Lv5、衝撃波Lv5、重力Lv3、治癒Lv3、浮遊術Lv3、石壁Lv3、氷壁Lv3、範囲結界Lv3、速度強化速度強化Lv3、状態回復Lv3、念話
称号:異世界人、竜王を討伐せし者
あはは・・レベルが凄い事になっている。それに称号が増えてるな。恐らくドラゴンを倒したからだろう。
今日はチェックだけにしておこう、疲れたし、もう寝る。
「朝か・・」
俺は、大きく伸びをしてベッドから降りる。
二人はすでに起きており、朝食を食べていた。
「ユウおはよー。冷めないうちに食べちゃってね〜」
俺は朝食をペロリと平らげた。
「ユウ、今日は二人で修行をするぞ」
ん、なんで二人なのか?俺が聞く前に理由を説明してくれた。
なんでもギルドからの討伐依頼だそうだ。時折、先生へ近隣の街にあるギルドから依頼が来るのだという。
おそらく先生の実力を見越しての依頼だろうな。
「場所が場所じゃからな、今回はミリーは留守番を頼むぞ」
「ラジャー! お土産を期待してるね!」
そう言って笑顔で俺たち二人を送り出してくれた。
今日は、走って移動している。距離がある為との事だが、目的地は教えてくれていない。道中モンスターが襲ってきたが、俺たち二人の前にモンスターどもは瞬殺だ。モンスターのレベルは10~20程度だった。いつの間にやら3hほどほぼノンストップで動き続けていた。流石に疲れたな。俺たちは休憩する事にした。
「ユウ。魔力はどれくらい残っているのじゃ?」
俺は答えた。
「残り3分の2です」
これを飲んでおけと、先生は俺にMP回復ポーションを3本手渡した。
「この先激戦になるじゃろう。ユウは強い。だから心配はしていないが、魔力が枯渇した場合に使うんじゃ。この世界で生きていくからには、今後とも厳しい戦いに身をおく事もあるじゃろう。魔術師の火力は圧倒的じゃ。じゃがな、魔力がなくなればどんな職業よりも脆い。より長く戦えるよう魔力を温存する戦い方も学ぶ必要があるのじゃ」
先生はいつも以上に険しい表情で俺に説明していた。
「了解です。今まで先生に習った事を全部ぶつけてやりますよ」
先生が今回の依頼内容を話してくれた。
ギルドの依頼はこうだ。この樹海の奥に禊の祠という洞窟がある。その洞窟は、ここから一番近い町にある聖職ギルドの巡礼地なのだそうだ。この近辺は普段ならばそこまで高レベルモンスターは生息していないが、あろう事かこの洞窟にドラゴンが生息してしまい、そのドラゴンの何らかの影響下で高レベルモンスターが周囲一帯に生息してしまっている。どの程度の相手なのかは実際に現地へ赴かないと先生も分からないのだとか。場合によっては、即退散なんて事もありえる。
俺は先生と一つだけ約束した。
「もしワシが逃げろと言ったら、何をおいても何が見えても全速力でその場から退避するのじゃぞ」
30分ほど休憩し、移動を再開した。
しばらく進むと、禊の祠に近づいた影響か、モンスターのレベルも数も増えてきた。
それにしても先生はすごい。
魔術の腕ははもちろんだが、その身のこなしも素早いなんてものじゃない、動きに一切の無駄がないのだ。俺も負けじと先生の動きを参考にしながらモンスターどもを潰していく。
少しして、先生の足が止まった。俺もレーダーで確認しているから分かるが、モンスターの数が尋常じゃない。200匹~300匹は下らないだろう。それも狭い範囲に密集している。レベルも30~40と今の俺よりも高い。
「ユウ、ワシが合図をしたらファイアーストームを最大レベルであの集団目掛けて放つのじゃ」
俺はうなずく。
お互い魔力を溜める。フルチャージだ。あまり、俺自身戦闘で本気で魔術を放った事はない。
威力が強すぎるからだ。
先生はその鋭い視線をモンスターの集団に送っている。恐らく絶妙なタイミングを狙って機会を伺っているのだ。
そしてその時が訪れた。
「今じゃ!」
先生が叫んだ。
俺と先生は同時に、杖を集団に向けて振りかざした。
「ファイアーストーム!」
「サンダーストーム!」
物凄い爆音と共に放たれた周辺は巨大な火柱に包まれている。そして天からは龍の形に見えなくもない、稲妻が何本も何本も火柱の辺り目掛けて降り注いでいた。
この世のものとは思えない光景だ。
俺の視界のレーダーから赤い点が次々に消滅していく。それと同時に視界全体が点滅を繰り返していた。
先生は放った魔術をコントロールし、残ったモンスターを根こそぎ殲滅していく。
5分位経過しただろうか、辺りは焼け野原となっており、モンスターの焼けた匂いで充満していた。所々まだ燃えている。先生は素早くアクアボルトを放ったかと覚えば、的確に燃えているところに命中させて消火していく。
気が付くとレベルが一気に62になっていた。
恐ろしい・・・今の戦闘でいったいどれほどの経験値を獲得したのやら。
先生は俺のレベルとMP値を確認して、訪ねてくる。
「行けるか?」
「もちろん」
俺達は再び禊の祠の目指して足を進める。
先ほどのような集団に出くわす事はなかった。
各個撃破で俺たちは進んでいく。
そして1匹のモンスターが俺たちの前に立ちはだかった。
5mはあろうかという巨体に頭が3つある化け物だ。
俺はすぐさま鑑定を使用する。
名前「キマイラ」
レベル61
種族:竜
弱点属性:なし
スキル:雷撃咆哮Lv4、焔撃咆哮Lv4、氷撃咆哮Lv4
「ユウ。戦い方を見ておくのじゃ。ワシがやる」
先生はそう言い、俺を後ろに下げる。
キマイラは3つの首を巧みに使い、頭はそれぞれが意志を持っているのか、別々の魔法を行使してくる。
先生はまさに閃光のごとく、そのすべてを華麗に躱し、複数の魔法で頭を一つずつ確実に潰していく。
わずか2分ほどの出来事だった。
すごい・・。
瞬きも忘れてしまうくらい、ユウはその様に見とれていた。
倒し終えた先生が俺の方に戻ってくる。
「今のユウでもあの程度は可能じゃ」
いやいやいや、無理だから!
その後は何の問題もなく進み、ついに俺達は、禊の祠の前まで辿り着いた。
外の物陰に隠れ、しばらく気配を伺う。
そこまで深い洞窟ではないようだ。その証拠に洞窟の再奥にいると思われるドラゴンは、俺のレーダーにはっきりと映っている。
先生にそれを告げた。
先生はドラゴンに動きがないか気配を探っている。
すると赤い点がゆっくりとこちらに近づいてきた。
先生の指示で一旦俺達は後ろに下がる。正体が分かるまでは絶対に先に相手に気付かれてはならない。
洞窟の入り口から100mは離れただろうか。俺のレーダーが届くギリギリの範囲だ。そして気配を殺してその姿が現れるのを待つ。
しばらくして赤い点の主がその姿を現した。
「流石にこれは大物じゃな・・」
隣にいた先生からそんな声が聞こえてきた。ドラゴンは体長40mはあるだろうか。あまりのサイズに一瞬思考が止まりそうになったが、俺はすぐに鑑定で確認した。
名前「グランドドラゴン」
レベル95
種族:竜
弱点属性:なし
スキル:????
おいおい、レベルがヤバいぞ。
それにスキルが????ってなんだよ。
今まで????なんて見た事がない。
俺は鑑定で知り得た情報を先生に伝える。
先生は、より一層険しい表情になっている。
先生よりLvが高いからな・・今回ばかりはいくら先生でも相手が悪すぎる。
俺は先生に視線を向ける。
「お主は逃げろ」
元来た道を指差しながら、先生が俺に小声で発言した。
ここに来る道中俺は先生と約束していた。
逃げろと言ったら、何をおいても逃げろと。
その時だった。突如ドラゴンが咆哮を上げたのだ。
「ガルルルルルルルー」
直後凄まじい風圧が俺たち二人を襲う。
俺たち二人の前に石の壁がそびえ立っている。しかしすぐに崩れてしまった。
俺はその壁がすぐに先生が発動した石壁だと理解した。
ドラゴンの正面約100mが無残な姿に変わり果てていた。
木々はなぎ倒され、例えるならば竜巻が通り去った後のような光景となっていた。
何故居場所がばれたんだ・・。
「早く逃げるんじゃ!あやつは別格じゃ。ワシらが太刀打ち出来る相手ではない」
「なら先生も一緒に逃げよう!」
「時間稼ぎする者がいないと無理じゃ!」
「なら・・・二人で倒そう!」
なぜ逃げ腰の俺がこの時は逃げずにこんな事を言ってしまったのだろう。
だがしかし後悔はしていない。このまま俺だけ逃げて助かっても先生が助かるとは到底思えなかったからだ。
そんな事になったら、俺はきっと死ぬほど後悔する。それだけは嫌だ絶対に。
それなら二人で戦ってやられた方がまだましだ。
しかし俺には自殺願望はない。
俺は思考を巡らせていた。役に立つかわからないが、昔やっていたゲームで巨大竜を倒すクエストがあったのを思い出す。
その時の攻略手順はこうだ。
1、絶対に竜の正面には立たない。
2、先に狙うのは翼だ。
3、竜の胴体は強固な為、狙うならば口の中だ。
4、倒れ込んだ所で目を狙う。
だめもとでやってみよう。
俺は先生に作戦の説明をした。
まず二人で左右の翼を風撃の連撃で引き裂く。
そしてひとりが囮となってドラゴンの注意を引く。もう一人はドラゴンに近付き、至近距離からドラゴンの口の中目掛けて火撃をねじ込む!
「馬鹿な!無理じゃ!一撃でも喰らったらそれで終わりなんじゃぞ」
「分かってる。分かってるけど何故だが、上手く行く気がするんです」
根拠なんてない。だが俺が少しでも不安を思わせると先生は俺だけを逃がそうとするだろう。
先生は俺が断固として意見を変えない事が分かったのか、了承してくれた。
「まったく・・ワシの弟子はワシの言う事を聞かぬ連中ばかりじゃな」
ばかりって事はミリーにもそんな事があったのだろうか?
ため息をついた先生の横顔をチラリと見た。困った顔をしていると思ったが、先生は笑っていた。
はは、さすが先生だ。俺は泣きそうだってのに。
さてと余計な思考を巡らすのはここまでだ。
作戦開始だ。
囮役は先生に決まった。というより、絶対にワシがやると聞かなかったからなのだが・・。
以降の連絡の取り合いはテレパシーを使う事になった。
先生はアジリティアップの魔術を俺に発動し、そして自身にも発動した。速度強化の魔術だ。
行動開始だ。
俺達二人は左右に展開し、ドラゴンとの距離を縮めていく。
ドラゴンは首を左右に振っている。どちらに攻撃しようか迷っているのだろうか?
そんな事はお構い無しに俺達はドラゴンとの距離を縮めていく。
風撃が届く位置まで到達した。すかさず翼目掛けて風撃を発動させる。
脆そうな翼と言えど、なかなかに硬い。傷一つ付かない。すると先生からテレパシーで連絡が入る。
「デタラメに撃つのではなく寸分の狂いもなく同じ箇所を狙うのじゃ」
魔術歴1か月そこらの俺に無茶を言ってくれる。
しかし生き残るためにはやるしかない。
俺は、先生の指示通り、なるべく同じ箇所に攻撃を集中させる。無論、ドラゴンも黙って見ているわけはない。火炎放射であったり、地団駄によって発生した衝撃波であったりと多彩な攻撃手法を用いてくる。
俺は最小限の動きでその攻撃を躱しながらひたすら風撃を放っていく。
何発放っただろうか・・。MP回復ポーションも既に使い切った。
そのおかげもあり、ドラゴンの翼はボロボロになっていた。よし上手くいったぞ。
先生の方も成功したようだ。さすがです。俺達は次の段階に進む。
テレパシーで連絡を取りながら、先生は少しずつドラゴンから距離を置き、目立つように動き回っている。無駄に派手な魔法を使い注意を引こうとしている。ドラゴンは凄まじい衝撃波を先生目がけて放つ。
先生は咄嗟に石壁を3重に発動させ、攻撃を凌いでいた。
先ほどは距離があったのと障害物があった為、1枚で良かったのだが、先生は即座に3枚ないと防げないと判断したのだ。
先生がドラゴンの注意を引いてる隙に俺はドラゴンのすぐ近くまで近付く事に成功していた。
正面に回るのは攻撃する時だ。ドラゴンが方向を変えないように先生もその場を動かず攻撃に耐え続けていた。
その時だった。
ドラゴンが翼をバタつかせ始めた。
飛ぼうとしているのだろうが、既にその翼はすでにボロボロの為、少し浮き上がった程度ですぐに地面に着地してしまった。土煙が辺りを覆う。
これは使える!
俺はそのチャンスを逃すまいと、土煙に紛れて最後の攻撃をするべくドラゴンの正面に回った。
この時の俺はこの行動が相手の策略だと気付かなかった。
ドラゴンは俺が近付いていた事に気付いていたのだ。先生からのテレパシーが届く。
「罠じゃぁぁぁぁぁ!」
しかし遅かった。土煙に隠れて正面に回ったはずだったが、ドラゴンは目にも留まらぬスピードでその巨大な口を広げたまま俺に近付いてきた。
攻撃をする間も無く、いとも簡単に俺はドラゴンに喰われてしまったのだ。
先生が俺の名を叫ぶ声が聞こえた気がした。
「ユウっ!!!!」
「おのれドラゴン!許さぬ!許さぬぞっ!」
俺は喰われたのだろうか・・。
意識は・・ハッキリとしている。
両手で身体を触ってみた。両手両足はちゃんとある。どうやらまだ生きている。思惑通りになったようだ。
俺は喰われる瞬間あえて、奴の口の中に飛び込んだのだ。もちろん頭がおかしくなったり、恐怖に耐えられなくなったわけではない。
あえて飛び込む事により、喰いちぎられるのを回避したのだ。
さぁ、次はこっちのターンだ!
おれの魔力は残り少ない。先生から貰ったポーションは全て使用してしまった。
魔術の無駄打ちは出来ない。どうする?
俺は考えた。そして一つの魔法を使用する。
「ロックウォール!」
なぜ攻撃魔法ではなく、防御に用いる魔術を使ったのか。答えは簡単だ。こんな密閉された空間で攻撃魔術を発動させればこっちもただでは済まない。もちろんそれだけが理由ではないのだが。
ドラゴンの装甲は金属のように硬い。
しかし内部はどうだろうか?きっと脆いに違いない。ならば内部から破壊してやる。
これは賭けだった。
残った魔力のほぼ全てを使い、石壁を連打した。
その頃先生は、自分が傷つくのを恐れる事なく、ドラゴンと真っ向勝負していた。
先生自身このまま戦っても勝てる見込みがない事は分かっていた。
しかしもはや逃げるという選択肢はなかった。大事な弟子をドラゴンに奪われてしまい、理性をなくしていた。先生は徐々に、いや確実にダメージを追い、追い詰められていく。
足が動かない。視界が霞む。ついに膝をついてしまった。ここまでか・・・
ドラゴンは先生がもう動けないと悟ったのか、口を開けてゆっくりと火炎放射のチャージをし始めた。
その時だった。
口を開けたままドラゴンが急に苦しみだしたのだ。そして次の瞬間、巨大な腹の中から無数の石柱が突き出してきた。
先生は何が起こったのか分からないでいた。しかしその石柱がすぐに、石壁である事に気が付いた。ドラゴンは口から血を吐き出し、その場に倒れこんでしまった。
そして次第に動かなくなっていった。
腹の中から誰かが出てきた。その姿は血まみれで、普通ならば誰なのか到底判別出来ないのだが、先生はすぐに分かった。
ユウだ。先ほどドラゴンに食べられたはずのユウが生きていたのだ。そればかりか、内部から攻撃をしかけて、見事ドラゴンを倒したのだ。
俺もすでに魔力が枯渇してフラフラの状態だった。なんとか腹から這い出た俺は、その場に倒れこむ。
倒れ込んだはずなのだが地面の感触ではなかった。目を開けると先生がいた。受け止めてくれていたのだ。
「ばかものが」
先生は目に涙を浮かべていた。
「じゃが無事でよかった。ほんとによかった・・・」
先生は俺を抱きしめる。
「ギリギリでしたね。それに先生こそボロボロじゃないですか・・・」
先生は俺に治癒と洗浄を施す。
俺はいつの間にか気を失っていた。どれくらい気を失っていたのだろうか。
頭の下に何やら柔らかいものを感じる。
なんとも心地よい感触だ。
俺は目を開ける。
先生が俺を覗き込んでいる。どうやら先生に膝枕されていたようだ。
「先生に膝枕してもらえるなんて俺って幸せ者ですかね」
あははと俺は笑いながらつぶやいた。
先生はちょっとだけ顔が赤くなっている。
「ばかな事を言うでないわ。魔力が回復したらミリーの元に帰るぞ」
先生もすでにMPポーションは使い切っており、時間をかけて回復するしかなかった。
しかしドラゴンが倒された今、辺りを覆っていた邪悪な気配は消え、モンスターの反応もいつの間にかなくなっていた。ある程度回復した俺達は、戦利品をいくつかストレージに回収していく。
驚いたのは、あのドラゴンの巨体がストレージに易々と入ってしまったのだ。その他にもモンスターの使っていた武器や素材をまるごとストレージに放り込んだ。
念のために禊の祠内を確認しておこうと先生が言うので、俺達二人は洞窟へと足を運んだ。
100mほど進んだ先で何やらまばゆい光が目に入ってくる。
なんと祠の最奥には、ドラゴンがどこからか集めてきたものだろうか、金銀財宝の山々があったのだ。その価値は計り知れない。どうすれば良いかためらっていた俺に先生が告げる。
「こういう場合は、見つけたやつの物じゃ」
この世界では盗品は、よほど明確な証拠がない限りは本人に戻ってくる事はまずないのだそうだ。
俺はしかたなくストレージに金銀財宝を回収した。しかたなくだ。
それ以上は何もなかったため、俺達はその場を後にし、小屋へと急ぎ戻った。
不思議と道中には高レベルモンスターはいなかった。やはりドラゴンが消えたせいだろう。
小屋に辿りついた時は、すでに陽は落ち、辺りは真っ暗になっていた。
小屋のドアの前にミリーの姿があった。
ミリーは俺たちに気が付くと手を振ってくる。
「もうー二人とも遅いよー。心配したんだからねーって!何!?服ボロボロじゃん!」
ミリーは驚いている。すぐに俺達のもとへ駆け寄ってきた。
「心配かけたな、じゃが無事に任務達成じゃ」
「ギリギリだったけどな」
俺はミリーの頭をなでなでしてやり、三人は小屋の中へと戻った。
テーブルにはご飯の準備が出来ていた。少し冷めていたが、美味しかった。
うん、今日もキノコは美味しいね。
俺はミリーに今日の出来事について色々と話していた。持ち帰った金銀財宝を少しだけストレージから机の上に取り出した。これにはミリーも驚き興奮している。
これだけあれば・・グフフ・・とつぶやきながら危ない顔して笑ってらっしゃる。
ミリーさん怖いよ・・。
先生は道中獲得した綺麗なクリスタルの結晶をお土産と称してミリーに渡していた。
そうしてしばらく談笑した後、それぞれの寝床へと向かった。
「今日はなかなかにハードだったな・・。寝る前にステータスチェックでもしておくか」
名前:ユウ
レベル:80
職種:魔術師
スキル:鑑定、魔力注入、範囲探索、投石Lv2、火撃Lv5、火嵐Lv5、水撃Lv5、吹雪Lv5、雷撃Lv5、雷嵐Lv5、風撃Lv5、衝撃波Lv5、重力Lv3、治癒Lv3、浮遊術Lv3、石壁Lv3、氷壁Lv3、範囲結界Lv3、速度強化速度強化Lv3、状態回復Lv3、念話
称号:異世界人、竜王を討伐せし者
あはは・・レベルが凄い事になっている。それに称号が増えてるな。恐らくドラゴンを倒したからだろう。
今日はチェックだけにしておこう、疲れたし、もう寝る。
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