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第二百十二話:謀反の理由
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地下牢に囚われていた人達を安全な場所へと転移する事に成功した。
「こ、これが転移というものなのか⋯」
皆がキョロキョロと自分の身に起きた事を必死に理解しようとしていた。
俺自身当たり前のように使っている転移だけど、本来ならば魔族しか使えないと言われているスキルだ。仲間たちには、もはや見慣れた光景でもそれ以外の人と一緒に転移すると、ちょっとした騒ぎになってしまう。
現在俺たちは、今は使われていない離れの御所という場所に身を隠していた。この場所なら、多少は時間を稼げるかもしれない。どちらにしても、逃げ出した事はすぐにバレるだろう。
「お父様、教えて下さい。一体私がいない間に何が起きたのでしょうか?」
エレナが真剣な眼差しで、エルフの里プラメルの王である父親に問う。
「わしにも一体何が起きておるのか分からんのじゃ。事が起きたのは、2日前の事じゃ。そう、お前がユウ殿と里を発った日じゃよ」
2日前にエルフの里プラメルの近衛隊の殆どが、いきなり王政に反旗を翻し、王宮にいた王様たちを拘束したのだ。その中には、あのマルベスの姿もあったようだ。
「逆らったり抵抗した者は、全員殺されてしまった。すぐに抵抗を止めるように伝えたのじゃが⋯」
「さ、里の人達はどうなったのですか⋯」
王様が視線をくべた先には、一人の青年が座っていた。青年は視線を感じたのか、肩をビクッと動かした後、立ち上がり、ゆっくりとエレナの隣にやってくる。
「オルムと言います姫様。近衛隊に所属していました。私がこの中では最後に捕まったのですが、その時点では各々家に鍵を掛けて、絶対に中から出ないようにと指示を出していたようです。ですので、里の住人たちは恐らくですが、安全だと⋯思います」
青年の言葉にエレナが、ホッと胸をなで降ろす。
「そうですか⋯でも、少しだけホッとしました。オルムさん、ありがとうございます」
青年は、若干頬を赤らめペコペコと頭を下げて、後ろへと下がった。
うーん、今の話を聞く限りでは、王政に不満のあった近衛隊が謀反を起こしただけなんだけど、何だかそんな単純な話じゃない気がするな。
だけど、これだけでは情報が足らなさ過ぎる。
「オルムさん、一ついいですか?」
「はい、なんでしょうか」
「今回謀反を起こしたのは大多数が近衛隊という事ですけど、事前に近衛隊内でそのような動きはあったのでしょうか?」
だって、近衛隊の大多数の人数が同時に謀反を起こすなんて、前もって相談し合っていない限りありえないだろう。
「それが⋯何もないんです」
「本当に? 何の兆候すらもなかったんですか?」
「⋯無かったです。最初は気でも狂ったのかと思いました。1人、また1人と次第に周りにいる仲間の殆どが一斉に王政へ反旗を翻して⋯居た堪れなくなった私は、止めようと立ち上がった8人で彼等を説得しようと試みたんです。だけど、結果的に私以外の7人は⋯⋯殺されてしまいました。私は⋯私は、命が惜しくて逃げだしてしまったんです⋯。本当に申し訳ありません」
青年は跪き、額を地面に何度も打ち付けている。
すぐにエレナが寄り添い、優しく青年に話し掛ける。
「顔を上げてください。死が怖くない人なんて誰もおりません。ですから、あまり御自分を責めないで下さい。私はオルムさんがご無事で嬉しく思いますよ」
「うぅ⋯⋯姫様⋯」
青年が涙目になっている。
うん、確かにエレナは優しい。だけど、青年よ。勘違いするなよ? 誰に対しても優しいんであって、キミだけに優しい訳じゃないんだぞ?
だから、間違っても好意を持ったりしたら許さないからな。って、何俺は嫉妬してるんだか⋯。
青年は、その後隠れているところを見つかり、地下牢へと移されたらしい。
しかし、分からない。何故一斉に反旗を翻したのか。聞けば、この里は平和で殺しなど過去に一度も無かったらしい。それなのに、まるで誰かに操られているかのように。
ん、操られている?
まさかな。
だけど、もしかしたら⋯。これは確かめる必要があるな。
対峙していた時は、そんな考えがなかったから、鑑定での確認を怠っていた。もし、操られているならそれで把握出来るはずだ。そして、仮に謀反を起こした人達が操られているのだとすれば、それは恐らく7大魔王の仕業である可能性は非常に高い。このタイミングでこんな事を仕出かすのは、奴らしかいない。
だけど、少し前に奴ら全員の居場所を確認した限りでは、少なくともこの近くには居なかったはず。
いや、むしろ反旗を翻したのが今から2日前なら、7大魔王の1人がこの里を訪れたのが2日前って事になる。
「少し外を見てきますので、皆さんは絶対にここから出ないで下さい」
「ユウ様」
エレナと目が合う。
「気をつけて下さい」
「ああ、少し偵察するだけだよ」
離れの御所から出た俺は、まずエレナが懸念していた居住区の様子を伺う事にした。
以前この里に滞在していた事があるので、ある程度の土地勘はあるつもりだった。
居住区は、まるでゴーストタウンのような静けさを醸し出していた。逆に不気味なくらいだな。
「正午過ぎだってのに、人っ子1人見当たらない」
てっきり近衛隊でも巡回してるかと思いきや、それすら見当たらない。
範囲探索で確認する限りでは、住人はちゃんと家の中にいる。鍵は施錠されているようだ。敵対である赤の反応は、どうやらこの辺りにはいない。王宮の方にしかいないみたいだな。
姿を隠したまま王宮へ向かうと、門の前に2人の門番らしき人物が立っていた。
すぐに鑑定を使用する。
⋯⋯やはりか。
状態が洗脳となっている。
これで、急変したのは頷けるんだけど。という事はやはり7大魔王の関与と見て間違いないだろう。ならば、ただの洗脳だと思わない方が賢明か。
などと考えていると、俺目掛けて槍が飛来する。間一髪の所でそれを躱す。
距離があったにも関わらずかなりのスピードだ。
っていうか、なぜ、俺が見える?
門番の一人が真っ直ぐこちらに向かい突進してくる。理由は定かではないが、バレているなら仕方がない。透明化マントを脱ぎ、それに応戦する。
甲高い音が辺りに鳴り響く。
槍と剣とが錯綜する。
突然上空に魔法陣が現れ、2人を飲み込む形で落雷が降り注がれた。
チラリと目をやると、もう1人の門番の仕業らしい。
転移で技を発動させた門番の背後へと周り、首筋に手刀を喰らわせ悶絶させる。
俺の代わりに一緒に落雷の餌食になった門番は、黒焦げになりながらも、槍を杖にして立ち上がる素振りを見せていた。
彼等は操られているだけで、自分の意思で動いていない。故になるべく怪我はさせたくはないんだよな。
2人目の門番同様に背後へと周り、悶絶させた。
一応、回復させておく。
さて、ただの洗脳ならば、状態回復で治るはずなんだが。
やはり、そんなに簡単ではないらしい。
「解除出来ないな⋯って、うおっ、あっぶね」
またしても背後から槍が飛んで来た。
おかしい。この場には他には誰もいないのは確認済みだった。
「おいおい、もう立ち上がるのかよ⋯」
槍を放ったのは最初に悶絶させた門番だった。今度は何やら詠唱を始めている。
ただのエルフの兵隊にしては強すぎないか?
一瞥の不安を感じながら詠唱途中で意識を奪う。
さて、どうしたもんかなぁ⋯。
洗脳といえど、魔術に違いないはずだ。
なら、強制解除が使えるかもしれない。どうせ駄目もとだ。
門番の一人に強制解除を使用する。
その後、鑑定で確認すると、洗脳が解除されていた。
よっしゃ! どうやら成功みたいだな。
すぐにもう1人の洗脳も解除し、その2人を連れて転移する。
偵察で得た情報と洗脳から解除された2人の会話を交えて、今後の作戦を打ち合わせする。
「するとお前たちは、いつ洗脳を誰に掛けられたのか分からぬと申すか?」
「も、申し訳ございません⋯」
まぁ、そう簡単に手掛かりが掴めるとも思ってないけどね。
「敵の術中にハマっていたとはいえ、王様や王妃様に危害を加えたとあっては⋯⋯。覚悟は出来ております。何なりと処分をお与え下さい」
声を発しようとするロイド王を妻であるミリハ王妃が諌める。
「顔を上げて下さい。貴方に罪はありませんよ」
「で、ですが王妃様⋯」
「そう思うのでしたら、首謀者を捉える事に全力を注いで下さい」
兵士たちは泣き崩れていた。
「⋯⋯わ、分かりました。必ずやご期待に応えて見せます」
「ユウさんも協力して下さいね」
ニコッと笑うミリハさん。エレナの優しさは母親であるミリハさん譲りかもしれない。
そういえば、この人の前では隠し事が通用しないんだったな。
「一ついいでしょうか。恐らく、今回の騒動ですが、7大魔王が関わっていると睨んでいます」
エレナの表情が強張る。
「なんですか、その7大魔王と言うのは?」
「お母様、その件に関しては私の方から説明します」
元々エレナには、同じエルフ族に対して、7大魔王の存在、驚異、対策、そして協力の打診をお願いしてもらう算段だった。
先手を打つつもりが、逆に先手を取られるなんてな。
小一時間掛け、一通りのエレナの説明が終わった。
「なんて事だ。と言うことは此度のエルフの里の襲撃も奴らの仕業だと?」
「可能性は高いと思います。この世界を征服する上の一環だと思います」
奴らは、実質7人しかいない。アーネストを倒したから今は6人だけど。
そんな人数で世界を相手取るなんて到底不可能だ。必ず、仲間を増やすはずだ。
少なくとも7大魔王の中に高度な洗脳スキルを持った人物がいる。そういえば、アーネストも洗脳を使ってたよな。もしかして、全員が使えるとか?
まさかね⋯。
「こ、これが転移というものなのか⋯」
皆がキョロキョロと自分の身に起きた事を必死に理解しようとしていた。
俺自身当たり前のように使っている転移だけど、本来ならば魔族しか使えないと言われているスキルだ。仲間たちには、もはや見慣れた光景でもそれ以外の人と一緒に転移すると、ちょっとした騒ぎになってしまう。
現在俺たちは、今は使われていない離れの御所という場所に身を隠していた。この場所なら、多少は時間を稼げるかもしれない。どちらにしても、逃げ出した事はすぐにバレるだろう。
「お父様、教えて下さい。一体私がいない間に何が起きたのでしょうか?」
エレナが真剣な眼差しで、エルフの里プラメルの王である父親に問う。
「わしにも一体何が起きておるのか分からんのじゃ。事が起きたのは、2日前の事じゃ。そう、お前がユウ殿と里を発った日じゃよ」
2日前にエルフの里プラメルの近衛隊の殆どが、いきなり王政に反旗を翻し、王宮にいた王様たちを拘束したのだ。その中には、あのマルベスの姿もあったようだ。
「逆らったり抵抗した者は、全員殺されてしまった。すぐに抵抗を止めるように伝えたのじゃが⋯」
「さ、里の人達はどうなったのですか⋯」
王様が視線をくべた先には、一人の青年が座っていた。青年は視線を感じたのか、肩をビクッと動かした後、立ち上がり、ゆっくりとエレナの隣にやってくる。
「オルムと言います姫様。近衛隊に所属していました。私がこの中では最後に捕まったのですが、その時点では各々家に鍵を掛けて、絶対に中から出ないようにと指示を出していたようです。ですので、里の住人たちは恐らくですが、安全だと⋯思います」
青年の言葉にエレナが、ホッと胸をなで降ろす。
「そうですか⋯でも、少しだけホッとしました。オルムさん、ありがとうございます」
青年は、若干頬を赤らめペコペコと頭を下げて、後ろへと下がった。
うーん、今の話を聞く限りでは、王政に不満のあった近衛隊が謀反を起こしただけなんだけど、何だかそんな単純な話じゃない気がするな。
だけど、これだけでは情報が足らなさ過ぎる。
「オルムさん、一ついいですか?」
「はい、なんでしょうか」
「今回謀反を起こしたのは大多数が近衛隊という事ですけど、事前に近衛隊内でそのような動きはあったのでしょうか?」
だって、近衛隊の大多数の人数が同時に謀反を起こすなんて、前もって相談し合っていない限りありえないだろう。
「それが⋯何もないんです」
「本当に? 何の兆候すらもなかったんですか?」
「⋯無かったです。最初は気でも狂ったのかと思いました。1人、また1人と次第に周りにいる仲間の殆どが一斉に王政へ反旗を翻して⋯居た堪れなくなった私は、止めようと立ち上がった8人で彼等を説得しようと試みたんです。だけど、結果的に私以外の7人は⋯⋯殺されてしまいました。私は⋯私は、命が惜しくて逃げだしてしまったんです⋯。本当に申し訳ありません」
青年は跪き、額を地面に何度も打ち付けている。
すぐにエレナが寄り添い、優しく青年に話し掛ける。
「顔を上げてください。死が怖くない人なんて誰もおりません。ですから、あまり御自分を責めないで下さい。私はオルムさんがご無事で嬉しく思いますよ」
「うぅ⋯⋯姫様⋯」
青年が涙目になっている。
うん、確かにエレナは優しい。だけど、青年よ。勘違いするなよ? 誰に対しても優しいんであって、キミだけに優しい訳じゃないんだぞ?
だから、間違っても好意を持ったりしたら許さないからな。って、何俺は嫉妬してるんだか⋯。
青年は、その後隠れているところを見つかり、地下牢へと移されたらしい。
しかし、分からない。何故一斉に反旗を翻したのか。聞けば、この里は平和で殺しなど過去に一度も無かったらしい。それなのに、まるで誰かに操られているかのように。
ん、操られている?
まさかな。
だけど、もしかしたら⋯。これは確かめる必要があるな。
対峙していた時は、そんな考えがなかったから、鑑定での確認を怠っていた。もし、操られているならそれで把握出来るはずだ。そして、仮に謀反を起こした人達が操られているのだとすれば、それは恐らく7大魔王の仕業である可能性は非常に高い。このタイミングでこんな事を仕出かすのは、奴らしかいない。
だけど、少し前に奴ら全員の居場所を確認した限りでは、少なくともこの近くには居なかったはず。
いや、むしろ反旗を翻したのが今から2日前なら、7大魔王の1人がこの里を訪れたのが2日前って事になる。
「少し外を見てきますので、皆さんは絶対にここから出ないで下さい」
「ユウ様」
エレナと目が合う。
「気をつけて下さい」
「ああ、少し偵察するだけだよ」
離れの御所から出た俺は、まずエレナが懸念していた居住区の様子を伺う事にした。
以前この里に滞在していた事があるので、ある程度の土地勘はあるつもりだった。
居住区は、まるでゴーストタウンのような静けさを醸し出していた。逆に不気味なくらいだな。
「正午過ぎだってのに、人っ子1人見当たらない」
てっきり近衛隊でも巡回してるかと思いきや、それすら見当たらない。
範囲探索で確認する限りでは、住人はちゃんと家の中にいる。鍵は施錠されているようだ。敵対である赤の反応は、どうやらこの辺りにはいない。王宮の方にしかいないみたいだな。
姿を隠したまま王宮へ向かうと、門の前に2人の門番らしき人物が立っていた。
すぐに鑑定を使用する。
⋯⋯やはりか。
状態が洗脳となっている。
これで、急変したのは頷けるんだけど。という事はやはり7大魔王の関与と見て間違いないだろう。ならば、ただの洗脳だと思わない方が賢明か。
などと考えていると、俺目掛けて槍が飛来する。間一髪の所でそれを躱す。
距離があったにも関わらずかなりのスピードだ。
っていうか、なぜ、俺が見える?
門番の一人が真っ直ぐこちらに向かい突進してくる。理由は定かではないが、バレているなら仕方がない。透明化マントを脱ぎ、それに応戦する。
甲高い音が辺りに鳴り響く。
槍と剣とが錯綜する。
突然上空に魔法陣が現れ、2人を飲み込む形で落雷が降り注がれた。
チラリと目をやると、もう1人の門番の仕業らしい。
転移で技を発動させた門番の背後へと周り、首筋に手刀を喰らわせ悶絶させる。
俺の代わりに一緒に落雷の餌食になった門番は、黒焦げになりながらも、槍を杖にして立ち上がる素振りを見せていた。
彼等は操られているだけで、自分の意思で動いていない。故になるべく怪我はさせたくはないんだよな。
2人目の門番同様に背後へと周り、悶絶させた。
一応、回復させておく。
さて、ただの洗脳ならば、状態回復で治るはずなんだが。
やはり、そんなに簡単ではないらしい。
「解除出来ないな⋯って、うおっ、あっぶね」
またしても背後から槍が飛んで来た。
おかしい。この場には他には誰もいないのは確認済みだった。
「おいおい、もう立ち上がるのかよ⋯」
槍を放ったのは最初に悶絶させた門番だった。今度は何やら詠唱を始めている。
ただのエルフの兵隊にしては強すぎないか?
一瞥の不安を感じながら詠唱途中で意識を奪う。
さて、どうしたもんかなぁ⋯。
洗脳といえど、魔術に違いないはずだ。
なら、強制解除が使えるかもしれない。どうせ駄目もとだ。
門番の一人に強制解除を使用する。
その後、鑑定で確認すると、洗脳が解除されていた。
よっしゃ! どうやら成功みたいだな。
すぐにもう1人の洗脳も解除し、その2人を連れて転移する。
偵察で得た情報と洗脳から解除された2人の会話を交えて、今後の作戦を打ち合わせする。
「するとお前たちは、いつ洗脳を誰に掛けられたのか分からぬと申すか?」
「も、申し訳ございません⋯」
まぁ、そう簡単に手掛かりが掴めるとも思ってないけどね。
「敵の術中にハマっていたとはいえ、王様や王妃様に危害を加えたとあっては⋯⋯。覚悟は出来ております。何なりと処分をお与え下さい」
声を発しようとするロイド王を妻であるミリハ王妃が諌める。
「顔を上げて下さい。貴方に罪はありませんよ」
「で、ですが王妃様⋯」
「そう思うのでしたら、首謀者を捉える事に全力を注いで下さい」
兵士たちは泣き崩れていた。
「⋯⋯わ、分かりました。必ずやご期待に応えて見せます」
「ユウさんも協力して下さいね」
ニコッと笑うミリハさん。エレナの優しさは母親であるミリハさん譲りかもしれない。
そういえば、この人の前では隠し事が通用しないんだったな。
「一ついいでしょうか。恐らく、今回の騒動ですが、7大魔王が関わっていると睨んでいます」
エレナの表情が強張る。
「なんですか、その7大魔王と言うのは?」
「お母様、その件に関しては私の方から説明します」
元々エレナには、同じエルフ族に対して、7大魔王の存在、驚異、対策、そして協力の打診をお願いしてもらう算段だった。
先手を打つつもりが、逆に先手を取られるなんてな。
小一時間掛け、一通りのエレナの説明が終わった。
「なんて事だ。と言うことは此度のエルフの里の襲撃も奴らの仕業だと?」
「可能性は高いと思います。この世界を征服する上の一環だと思います」
奴らは、実質7人しかいない。アーネストを倒したから今は6人だけど。
そんな人数で世界を相手取るなんて到底不可能だ。必ず、仲間を増やすはずだ。
少なくとも7大魔王の中に高度な洗脳スキルを持った人物がいる。そういえば、アーネストも洗脳を使ってたよな。もしかして、全員が使えるとか?
まさかね⋯。
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