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第二百二十六話: 吸血島の異変
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何故だか魔界に飛ばされてしまった。
仕方なく脱出を試みるも、現在魔界では厳戒令が行使されていて、魔界から出る為には魔王の許可が必要だった。
現在俺たちは、魔王不在の中、魔王代理を訪れていた。
「あれ、ユウじゃない! なんで、こんなとこにいるのよ?」
聴き覚えのある声に思わず振り向く。
小柄な体躯に、鋭い目つき…メルシーだ。
何度か会っている数少ない魔族の知り合いだった。
「メルシーじゃないか。久し振り」
周りの人達が膝をつき、頭を下げていた。
何故?と一瞬思ったが、メルシーの横にいた人物を見て納得が言った。
フランさんだ。
彼女はメルシーの姉的立場の人物で、魔界でも屈指の実力者だ。
その実力は、力をつけたジラやクロよりも恐らく上だろう。
それに魔王とも信仰が熱く、また信頼されている。
他の魔族達が頭を下げる理由は、十分過ぎる程だ。
俺は、魔族じゃないから頭を下げる必要はないけど。
「フランさん、この間はどうも」
「はい、ユウ様。またお会い出来て嬉しいです」
メルシーと違い、仰々しく頭を下げるフランさん。
「メルシーも少しはフランさんを見習って礼儀ってものを身に付けないと駄目だぞ?」
「礼儀? 何それ美味しいの?」
「聞いた俺が馬鹿だったよ」
何故だか俺達のやり取りを驚いた表情で見ている魔族達。
特段気にかける事なく、話を続ける。
「で、なんでここに、ていうか魔界にいるのよ」
「事故だ」
「は?」
「だから、事故で魔界に来ちゃったから、すぐに地界に帰りたいんだけど、なんでも帰るためには魔王様代理の許可がいるらしいからな。それを貰いに来たんだよ」
「ふーん。じゃ、あたしに会いに来たんだ」
「なんでそうなる。メルシーじゃなくて、魔王代理に会いに来たんだよ」
「だ・か・ら!その魔王代理ってのが、あたしなの!」
「おいおい、冗談は良くないぞ?確かにメルシーは、魔王の堕とし子だけど、それだけで魔王代理なんて務まるはずが――」
クロが袖をクイクイと引っ張る。
「メルシーが魔王様代理なの本当」
「え、まじか」
メルシーは、腕を組みドヤ顔をかましていた。
憎たらしいが、仮にも本当に仮なのだが、魔王代理ならば仕方がない。素直に認めるしかない。
「まぁいいわ。あたしもユウに話がしたかったの。中へ入って」
一室に通された俺達は、支度するからと退室したメルシーを待っていた。フランさんは、メルシーと一緒に退室した。
「それにしてもメルシーが魔王代理ってのには驚いたな」
「私は冷や汗が流れましたよ」
そう言い、冷や汗を拭う真似をするジラ。
「魔王の堕とし子と言えば、クロも同じ立場だよな」
「うん。私は辞退した」
「辞退?」
「えっと、説明しますね」
ジラがコホンと咳払いし、口を開く。
要約するとこうだ。
魔王不在の間、その魔王自身の捜索や7大魔王の対応など、魔王がしていた指揮命令系統の業務を行う人物が必要という事で、誰を魔王代理とするかで議論が行われた。魔王の堕とし子が妥当だと元老院等の意見によって、投票が行われた。
結果一番投票数を獲得したメルシーが選ばれたとね。
まぁ、聞くところによれば、主に指揮命令系統をしているのはフランさんという事だし。
彼女なら安心だろう。
実力もあるしね。
「で、魔王様代理である、あ・た・し、に何の用だって?」
「だから、その件はもう誤っただろ。いい加減根に持つなよな。子供じゃあるまいし」
「いいじゃない!少しくらいからかったって。日々の魔王様業務でストレス溜まってるのよ!」
隣のフランさんが、再びコホンと咳払いする。
多少なりともピリピリ空気が漂っていた。
「ごめん」
「ご、ごめんなさい…」
その後、本当の意味でもメルシーと仲直り?し、正式に地界へと渡る許可を得た。
「また来なさいよね」
「ああ、今度はこんなバタバタな時じゃなく観光に仲間達全員と伺うよ」
「約束ね」
帰路は一瞬だった。
転移魔法陣で、地界と魔界とを繋ぐ場所まで送ってもらい、晴れて地界へと戻って来る事が出来た。
「この度は、本当にお父様が、すみませんでした。今度会った時に文句を言っておきますから!」
セリアが申し訳なさそうにしている。
「いやいや、もしかしたら何か意味があったのかもしれないしさ」
その時だった、怪しげな反応を範囲探索が捉えた。
「みんな、こっちに」
手を繋ぎ、透明化マントを羽織る。
岩陰に隠れて様子を伺っていると、そこに現れたのは意外な人物だった。
「この場所が例の場所か?」
「ええ、間違いねぇですぜ」
「だが、魔族しか動作させれないんじゃないのか?」
「それも調達済みですぜ。すでに魔界に仲間を送り込んでおりますので、後は開くのを待つだけですぜ」
黒マントを羽織った二人の人物は、一頻り祠の周りを確認すると、何処かへ去って行った。
「捉えて目的を吐かせますか?」
「いや、どうせならこのまま案内してもらうよ」
「7大魔王の配下?」
「分からないが、このタイミングだしな、たぶん、いや間違いなくそうだろう。だとしたら、思い通りにさせてやるいわれはないな」
(もしかしたらお父様は、これを予期して)
(地界の様子を窺い知る事が出来るみたいだから、もしかしたらそうかもしれないな)
(だとしたらこんな回りくどいことせず、直に言って下さればいいですのに。やっぱり、今度会った時に文句を言っておきます!)
はははっ…はぁ…
念の為に、7大魔王の居場所を確認する。
この近くには居ないな。
それにしても疑問なのは、さっきの二人だな。
異世界から来た7大魔王に、そもそもこっちの世界の協力者はいないはずだ。
エルフ達を襲った時のように洗脳めいた術を使うのだろうか?
もしかしたらコイツがエルフの里を襲った張本人か?
いや、それはないな。
さっきの二人を鑑定で確認した限りでは、洗脳の文字は見えなかった。
それより、驚いたのは種族だ。
吸血鬼族と妖魔族だったのだ。
「ジラ、吸血鬼族と妖魔族は、仲が良いのか?」
「どうでしょうか、どちらも希少種と言われている種族です。それに、一族共同で暮らしているはずですので、単独行動というのは、俄かには信じられませんね」
「なら確かめに行かないとな」
「え?」
「ジラは奴等の尾行を頼めるか? 俺は、それぞれの種族の長に聞いてくるよ」
「分かりました。ユウ様は、吸血鬼族と妖魔族にお知り合いの方がいらっしゃるのですか?」
「うん、ちょっと以前ね。 それなら、伝令役をセリア頼めるか?」
(分かりました。その間、他の精霊から何か情報が入りましたら一緒にお伝えしますね)
(頼んだよ)
妖魔族との繋がりは、なるべく秘密にしておかないとね、そういう約束だったし。
吸血鬼族もその数を減らし、今では吸血島という場所のみに住んでいると聞いていた。
先に吸血島に行って裏付けを取ってくるか。
どのみに7大魔王の件も説明しておく必要があったしね。
転移で吸血島にやってきた俺とクロは、まずその異様な光景に警戒心を抱かずにはいられなかった。
「クロ、油断するなよ。敵対反応はそこらじゅうにあるぞ」
イキナリ人がたくさんいる場所に転移すると驚かせてしまう恐れがあった為、吸血島の外れにある小さな港に転移したのだが、まず島全体が黒い靄に包まれていた。
正午過ぎだと言うのに、まるで夜になってしまったかの様だった。
明らかにおかしい。
範囲探索も敵対表示を示す赤反応が多数確認出来る。
エルフの里同様に占拠されているのだろうか?
一人の反応が近付いてきた為、岩陰に隠れて様子を伺う。
視認すると、すぐに鑑定を使用する。
しかし、これと言っておかしな箇所は見当たらない。
表情も洗脳者特有の虚ろな目をしておらず、至って普通だ。
もしかして、範囲探索が壊れたのか?
「えっと、すみません…」
確認の為に姿を現し、直接聞いてみる。
「なっ、貴様は我らの敵か! ここで殺してやる!」
ノータイムで右手に手にした槍を突き出して来る。
しかし、槍が届く前にクロによって気絶させられた。
「助かったよ。しかし、一体どうなってるんだ?」
確かに見ず知らずの人物だったから敵だと判断して襲って来たのか?
これは、俺を知ってる人物に会う必要がありそうだな。
依然、ここを訪れた際に吸血鬼族の兄妹を助けた事があった。
ステラとリュイならば、俺の事を覚えているはずだ。
以前の記憶を頼りに、ステラの家まで向かう。
透明化マントは、ジラに渡している為、バレずに進む事は出来ない為、すれ違う住民達は申し訳ないけど、眠って貰った。
そこまで広い島ではない為、すぐに目的地の場所へ到着し、徐に中へと入る。
中にいる反応は三人だ。
ステラとリュイ。そして、兄のスヴェンだろう。
まず目に飛び込んで来たのは、兄のスヴェンだった。
他の吸血鬼族同様に、俺へと殴りかかって来る。
「待って下さい。人族のユウです。覚えてないですか?」
「お前は、両親を殺した我らの敵だ、覚悟!」
問答無用で放たれた拳を受け止め、気絶させた。
その際の物音に気が付き、二人が隣の部屋から出て来る。
「兄ちゃん、今の音は…お前は|」
「久しぶりだね。俺だよユウだ。覚えてないか? バーン帝国で一緒に妹のステラを助けたよな」
「お前なんて知らない。お前が兄ちゃんをやったのか! 許さない、許さないぞ!」
ステラの隣には、妹のリュイがいた。
「リュイ、俺だ。分からないか?」
しかし、リュイは睨みつけたまま何も語らない。
「リュイは下がってろ。コイツは俺が倒す、はぁぁ!」
やはり、駄目なようだ。
ステラを気絶させると、リュイが向かって来る。
「クロ、その子を押さえててくれ」
「分かった」
気絶させるのではなく、クロが後ろに周り、手足を拘束する。
「離して、離してよ、お兄ちゃん達をよくも、この悪魔、最低!」
ジタバタともがくステラ。
そのステラに対して、状態回復を使用する。
少しの間効果の程を確認するが、何も変わらなかった。
仕方なく脱出を試みるも、現在魔界では厳戒令が行使されていて、魔界から出る為には魔王の許可が必要だった。
現在俺たちは、魔王不在の中、魔王代理を訪れていた。
「あれ、ユウじゃない! なんで、こんなとこにいるのよ?」
聴き覚えのある声に思わず振り向く。
小柄な体躯に、鋭い目つき…メルシーだ。
何度か会っている数少ない魔族の知り合いだった。
「メルシーじゃないか。久し振り」
周りの人達が膝をつき、頭を下げていた。
何故?と一瞬思ったが、メルシーの横にいた人物を見て納得が言った。
フランさんだ。
彼女はメルシーの姉的立場の人物で、魔界でも屈指の実力者だ。
その実力は、力をつけたジラやクロよりも恐らく上だろう。
それに魔王とも信仰が熱く、また信頼されている。
他の魔族達が頭を下げる理由は、十分過ぎる程だ。
俺は、魔族じゃないから頭を下げる必要はないけど。
「フランさん、この間はどうも」
「はい、ユウ様。またお会い出来て嬉しいです」
メルシーと違い、仰々しく頭を下げるフランさん。
「メルシーも少しはフランさんを見習って礼儀ってものを身に付けないと駄目だぞ?」
「礼儀? 何それ美味しいの?」
「聞いた俺が馬鹿だったよ」
何故だか俺達のやり取りを驚いた表情で見ている魔族達。
特段気にかける事なく、話を続ける。
「で、なんでここに、ていうか魔界にいるのよ」
「事故だ」
「は?」
「だから、事故で魔界に来ちゃったから、すぐに地界に帰りたいんだけど、なんでも帰るためには魔王様代理の許可がいるらしいからな。それを貰いに来たんだよ」
「ふーん。じゃ、あたしに会いに来たんだ」
「なんでそうなる。メルシーじゃなくて、魔王代理に会いに来たんだよ」
「だ・か・ら!その魔王代理ってのが、あたしなの!」
「おいおい、冗談は良くないぞ?確かにメルシーは、魔王の堕とし子だけど、それだけで魔王代理なんて務まるはずが――」
クロが袖をクイクイと引っ張る。
「メルシーが魔王様代理なの本当」
「え、まじか」
メルシーは、腕を組みドヤ顔をかましていた。
憎たらしいが、仮にも本当に仮なのだが、魔王代理ならば仕方がない。素直に認めるしかない。
「まぁいいわ。あたしもユウに話がしたかったの。中へ入って」
一室に通された俺達は、支度するからと退室したメルシーを待っていた。フランさんは、メルシーと一緒に退室した。
「それにしてもメルシーが魔王代理ってのには驚いたな」
「私は冷や汗が流れましたよ」
そう言い、冷や汗を拭う真似をするジラ。
「魔王の堕とし子と言えば、クロも同じ立場だよな」
「うん。私は辞退した」
「辞退?」
「えっと、説明しますね」
ジラがコホンと咳払いし、口を開く。
要約するとこうだ。
魔王不在の間、その魔王自身の捜索や7大魔王の対応など、魔王がしていた指揮命令系統の業務を行う人物が必要という事で、誰を魔王代理とするかで議論が行われた。魔王の堕とし子が妥当だと元老院等の意見によって、投票が行われた。
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まぁ、聞くところによれば、主に指揮命令系統をしているのはフランさんという事だし。
彼女なら安心だろう。
実力もあるしね。
「で、魔王様代理である、あ・た・し、に何の用だって?」
「だから、その件はもう誤っただろ。いい加減根に持つなよな。子供じゃあるまいし」
「いいじゃない!少しくらいからかったって。日々の魔王様業務でストレス溜まってるのよ!」
隣のフランさんが、再びコホンと咳払いする。
多少なりともピリピリ空気が漂っていた。
「ごめん」
「ご、ごめんなさい…」
その後、本当の意味でもメルシーと仲直り?し、正式に地界へと渡る許可を得た。
「また来なさいよね」
「ああ、今度はこんなバタバタな時じゃなく観光に仲間達全員と伺うよ」
「約束ね」
帰路は一瞬だった。
転移魔法陣で、地界と魔界とを繋ぐ場所まで送ってもらい、晴れて地界へと戻って来る事が出来た。
「この度は、本当にお父様が、すみませんでした。今度会った時に文句を言っておきますから!」
セリアが申し訳なさそうにしている。
「いやいや、もしかしたら何か意味があったのかもしれないしさ」
その時だった、怪しげな反応を範囲探索が捉えた。
「みんな、こっちに」
手を繋ぎ、透明化マントを羽織る。
岩陰に隠れて様子を伺っていると、そこに現れたのは意外な人物だった。
「この場所が例の場所か?」
「ええ、間違いねぇですぜ」
「だが、魔族しか動作させれないんじゃないのか?」
「それも調達済みですぜ。すでに魔界に仲間を送り込んでおりますので、後は開くのを待つだけですぜ」
黒マントを羽織った二人の人物は、一頻り祠の周りを確認すると、何処かへ去って行った。
「捉えて目的を吐かせますか?」
「いや、どうせならこのまま案内してもらうよ」
「7大魔王の配下?」
「分からないが、このタイミングだしな、たぶん、いや間違いなくそうだろう。だとしたら、思い通りにさせてやるいわれはないな」
(もしかしたらお父様は、これを予期して)
(地界の様子を窺い知る事が出来るみたいだから、もしかしたらそうかもしれないな)
(だとしたらこんな回りくどいことせず、直に言って下さればいいですのに。やっぱり、今度会った時に文句を言っておきます!)
はははっ…はぁ…
念の為に、7大魔王の居場所を確認する。
この近くには居ないな。
それにしても疑問なのは、さっきの二人だな。
異世界から来た7大魔王に、そもそもこっちの世界の協力者はいないはずだ。
エルフ達を襲った時のように洗脳めいた術を使うのだろうか?
もしかしたらコイツがエルフの里を襲った張本人か?
いや、それはないな。
さっきの二人を鑑定で確認した限りでは、洗脳の文字は見えなかった。
それより、驚いたのは種族だ。
吸血鬼族と妖魔族だったのだ。
「ジラ、吸血鬼族と妖魔族は、仲が良いのか?」
「どうでしょうか、どちらも希少種と言われている種族です。それに、一族共同で暮らしているはずですので、単独行動というのは、俄かには信じられませんね」
「なら確かめに行かないとな」
「え?」
「ジラは奴等の尾行を頼めるか? 俺は、それぞれの種族の長に聞いてくるよ」
「分かりました。ユウ様は、吸血鬼族と妖魔族にお知り合いの方がいらっしゃるのですか?」
「うん、ちょっと以前ね。 それなら、伝令役をセリア頼めるか?」
(分かりました。その間、他の精霊から何か情報が入りましたら一緒にお伝えしますね)
(頼んだよ)
妖魔族との繋がりは、なるべく秘密にしておかないとね、そういう約束だったし。
吸血鬼族もその数を減らし、今では吸血島という場所のみに住んでいると聞いていた。
先に吸血島に行って裏付けを取ってくるか。
どのみに7大魔王の件も説明しておく必要があったしね。
転移で吸血島にやってきた俺とクロは、まずその異様な光景に警戒心を抱かずにはいられなかった。
「クロ、油断するなよ。敵対反応はそこらじゅうにあるぞ」
イキナリ人がたくさんいる場所に転移すると驚かせてしまう恐れがあった為、吸血島の外れにある小さな港に転移したのだが、まず島全体が黒い靄に包まれていた。
正午過ぎだと言うのに、まるで夜になってしまったかの様だった。
明らかにおかしい。
範囲探索も敵対表示を示す赤反応が多数確認出来る。
エルフの里同様に占拠されているのだろうか?
一人の反応が近付いてきた為、岩陰に隠れて様子を伺う。
視認すると、すぐに鑑定を使用する。
しかし、これと言っておかしな箇所は見当たらない。
表情も洗脳者特有の虚ろな目をしておらず、至って普通だ。
もしかして、範囲探索が壊れたのか?
「えっと、すみません…」
確認の為に姿を現し、直接聞いてみる。
「なっ、貴様は我らの敵か! ここで殺してやる!」
ノータイムで右手に手にした槍を突き出して来る。
しかし、槍が届く前にクロによって気絶させられた。
「助かったよ。しかし、一体どうなってるんだ?」
確かに見ず知らずの人物だったから敵だと判断して襲って来たのか?
これは、俺を知ってる人物に会う必要がありそうだな。
依然、ここを訪れた際に吸血鬼族の兄妹を助けた事があった。
ステラとリュイならば、俺の事を覚えているはずだ。
以前の記憶を頼りに、ステラの家まで向かう。
透明化マントは、ジラに渡している為、バレずに進む事は出来ない為、すれ違う住民達は申し訳ないけど、眠って貰った。
そこまで広い島ではない為、すぐに目的地の場所へ到着し、徐に中へと入る。
中にいる反応は三人だ。
ステラとリュイ。そして、兄のスヴェンだろう。
まず目に飛び込んで来たのは、兄のスヴェンだった。
他の吸血鬼族同様に、俺へと殴りかかって来る。
「待って下さい。人族のユウです。覚えてないですか?」
「お前は、両親を殺した我らの敵だ、覚悟!」
問答無用で放たれた拳を受け止め、気絶させた。
その際の物音に気が付き、二人が隣の部屋から出て来る。
「兄ちゃん、今の音は…お前は|」
「久しぶりだね。俺だよユウだ。覚えてないか? バーン帝国で一緒に妹のステラを助けたよな」
「お前なんて知らない。お前が兄ちゃんをやったのか! 許さない、許さないぞ!」
ステラの隣には、妹のリュイがいた。
「リュイ、俺だ。分からないか?」
しかし、リュイは睨みつけたまま何も語らない。
「リュイは下がってろ。コイツは俺が倒す、はぁぁ!」
やはり、駄目なようだ。
ステラを気絶させると、リュイが向かって来る。
「クロ、その子を押さえててくれ」
「分かった」
気絶させるのではなく、クロが後ろに周り、手足を拘束する。
「離して、離してよ、お兄ちゃん達をよくも、この悪魔、最低!」
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