42 / 242
第四十三話:露店散策
しおりを挟む
新たな仲間にリンを迎えた俺たちは、朝から装備を新調するべく、武具を取り扱っているエリアに足を運んでいた。
「リンの攻撃スタイルは、楯無の長刀でいいのか?」
「はい、今まで色々な型を試してきましたが、その型が私に合っていました。ですが、本当に私なんかの為に武器を買って頂いて良いのですか?」
「リンが強くなれば俺たちパーティも助かるしね」
道行く冒険者の口コミで、最も高価な長刀を売っている露店の前まで来ていた。
どれどれ・・
名前:ギリアン・レイグ
説明:先端形状が突きに特化した長刀。殺傷力と耐久性に優れている。重量は重い。
特殊効果:貫通力向上(中)、殺傷力向上(中)
相場:金貨20枚
希少度:★★☆☆☆☆
やはり、大した事はないな。
比較した上で俺はストレージから、1本の刀を取り出してリンに手渡す。
そう、これは古都ツガール帝国でノアに貰った神器だ。
「こ、これは・・!」
リンは、目を見開き驚いていた。
徐ろにその刀を手に取り、触り心地を確かめている。
そして、鞘を抜き、軽く素振りしていた。
「わ、私、こんなにシックリ来る刀は初めてです。手に馴染むというか、まるで体の一部のような感覚です」
そういえば、ノアが言ってた気もするな。良い武器は、持ち主を選ぶと。
魔刀フラムジャイルがリンを新たな持ち主として認めたって事か。
「使えそうなら、その刀はリンに上げるよ」
「え!?本当ですか!あ、でも・・きっとすごく高価な物ですよね」
「神器と呼ばれている代物だから、高価なんじゃないかな。名は、魔刀フラムジャイル」
「神器!?だめです!そんな貴重な物貰えません!」
「さっきも言ったけど、リンが強くなれば俺も助かるんだ。旅をしている都合上、凶悪なモンスターと戦う事なんてザラだし、パーティーの戦力強化は必須なんだよ」
その後も何度か説得し、やっとの事で受け取ってくれた。
ユイの短剣も強化したかったが、今装備している物よりも良質なものは結局見当たらなかった。
俺の杖に至っては論外だ。
防具に関しては、露店数が半端なく多かった。値段は特に気にする事なく、性能と効果で、それぞれに選んでもらった。
その際、異様なオーラを発している鎧を発見した。
「いらっしゃい」
「その鎧を見せてもらっても?」
近くで見ると、鎧と言っても甲冑に覆われているわけではなく、何かの金属で編んだようなメッシュだった。
「コイツは、やめた方がいいぜダンナ。性能はピカイチなんだがよ、呪われてんだ。装備している者の魂を吸うようで、今までコイツを装備した何人かが意識不明になったらしい」
ならば、そんな危ない物売らなければいいのに・・。
名前:デビルノクス
説明:魔族一の技師、オーウェンの最高傑作の一つ。
魔族専用の戦闘服。自動サイズ調整機能付、自身の潜在能力を極限まで高める。
特殊効果:敏捷性向上(極大)、防御力向上(極大)
相場:金貨500枚
希少度:★★★★☆☆
魔族専用とか書いてあるぞ・・。
「これは、何処で手に入れたんですか?」
店主曰く、半年程前に、ここから東へ行った先に何かの衝撃で荒廃してしまった土地があり、そこで拾った冒険者から安く買い取ったのだそうだ。
状況から察するに、魔族がその場所で何らかの戦闘行為を行い、鎧を置き忘れ?か、手放した、そんな所だろうか。
「買い取りたい。いくらですか?」
鑑定で見えていた相場の金貨500枚を予想していたのだが、それよりも遥かに安い、提示された額は金貨10枚だった。
クロに着せるつもりなのだが、本当に呪われていなければいいのだけど。
防御力が上がるに越した事はない。
さて、装備の新調はこれくらいにしておこう。
お次は、魔導具だ。
便利な物があれば、買漁るつもりだった。
しかし、行商の街広しと言えど魔導具を取り扱っている露店は、何時間も探した結果、全部で2つしかなかった。
それだけに魔導具の希少さが伺える。
どう考えても使い道のない物や、現在所有している物の劣化版を覗くと、4つの魔導具が気になっている。
1.無重力シール
説明:これを貼られた対象の重さを強制的に0にする。
価格:金貨50枚
2.マジックバック
説明:トータル10kgまでの物を無条件で収納出来る
価格:金貨30枚
3.豊作の水差し
説明:この水差しで水を与えられた植物は、一気に成長をとげる。
価格:金貨30枚
4.鉱石探知機
説明:この中に入れた同じ系統の鉱石を探す事が可能。
価格:金貨50枚
この大陸で最も品数が多い街と聞いて期待していたのだが、数が少ない上にあまり飛び抜けた性能の魔導具がない事に少しばかり落胆した。
取り敢えず、4つを一括購入して店を後にする。
続いては、魔術書だな。
こちらに関してはかなり豊富にあったのだが、結局種類が被っていたり、劣化版、どうみても使用目的の分からない物を除き、購入したのは、8点だった。
1.エレメンタルレジストアップLv1
説明:全属性に対する魔術耐性アップ
2.パワーアップLv1
説明:一定時間攻撃力を向上させる
3.マジックアップLv1
説明:一定時間魔術威力を向上させる
4.障壁Lv1
説明:魔術、物理攻撃を一定のダメージ分無効化する障壁を展開する。無効化量、サイズは術師の魔力量に依存する
5.時短
説明:魔術の詠唱時間を半分にする
6.延長
説明:魔術の効果時間を2倍にする
7.捕縛
説明:相手の動きを封じる
8.ストーンジャベリンLv1
説明:術師の周りに石の槍を生成し、攻撃に用いる事が可能
何度も言うが、普通ならばこれらを取得するのには何年もの歳月が必要なのだが、俺の場合は魔術書を開くだけで取得できる。
なので、使えるものは、片っ端から覚えておこう。
宿に戻ってから早速購入した魔術書を読み解いていた。
読み終わった後にそれぞれの新たな魔術を取得した。
相変わらずのチート振りに自分でも呆れてしまう。
”ブーストLv1を取得しました”
ブースト
説明:向上系魔術全てを最大Lvまで取得している場合、ブーストを使用するだけで、全ての向上系魔術を付与する事が可能。対象魔術(アジリティ、バイタリティ、パワー、エレメンタルレジスト、マジック)
わざわざ全てを使用しなくても良いのは、楽だな。
それにしても覚えるのはいいが、何を覚えているのかを覚えておく方が難しいのでは、ないだろうか?
すでに取得魔術は30を超えている。
時刻はすっかり深夜になってしまった。
俺はいつも考えていた事がある。
「そろそろ会いに行かないと殺されるかもしれないな・・」
忘れていたわけではないのだが、なんというかチャンスが無かったのだ。
みんなが寝ているし、少しだけ行ってこようか。
俺がゴソゴソと身支度をしていると、リンが起きてしまった。
「何処かへ行かれるのですか?」
「ちょっと出てくるけど、すぐ戻るよ」
俺は今、ある一室の中にいる。
目の前には、金髪碧眼の美少女が寝ている。
そう、エルフ族のエレナだ。
俺は、エルフの里を出るときにエレナと約束していた。
「週一で顔を見せに来る事!」
そうそう、こんな感じの迫力で言われたっけな。
ってあれ・・
さっきまで寝ていたはずのエレナが起きている。
「ユウ様、私、約束しましたよね?」
深夜にも関わらず、エレナ様の小言をたっぷりこってりと朝まで聞かされてしまった。
もちろん、エレナと別れてからの道中の出来事や出逢いなども説明していたのだけども。
「忙しいのは分かります。理解してます。だけど、ちょっとだけでも良いので、顔を見せて下さいね」
俺がエレナから解放された時には、既に夜が明けて朝日が見えていた。
「おはようございますユウ様」
「おはよう」
結局一睡も出来なかったな。
自業自得かもしれないが、次回からはこまめに顔を出そうと決心する。
暫くして、ユイやクロが起きてきたので、朝食を食べた後、ある場所へと向かっていた。
「今日は何買うのー?」
「うん、馬車を買おうと思ってね」
「え、お馬さん飼うの!?」
「勘違いしてないか?飼うんじゃなくて、買うんだぞ。でも馬は買わないよ」
「どっちも一緒!」
違うと思うが、もうツッコまない。
これからの旅を続けて行くには、馬車が必要だと感じていたのだ。
街間の移動も1日2日程度ならば良いが、1週間なんてザラだしね。
単に馬車と言っても、ピンきりだった。
サイズだけではなく、内装が凝ったものや、魔導具付なんて高級馬車まであった。
金に物を言わせる訳ではないが、一番高価な物を購入する。あくまでも、それが一番気に入ったからだという事を付け加えておく。
馬車は、畳6畳程度の広さだ。広さは申し分ない。
それに軽量可の為の魔導具付だ。
普通このサイズなら馬3匹は必要なのだが、2匹で十分だそうだ。
馬車は、ゲットしたので、次は牽引する馬探しだな。
俺は、気になっていた事を馬主に確認する。
「馬車を引く馬は、例えば使役しているモンスターでもいいんですか?」
「ああ、モンスターテイマーが一緒なら、馬車が引けるモンスターならなんでも大丈夫だ」
というのも、この街には、馬車の行き来が山ほどあるのだが、時々モンスターが馬車を引いているのだ。
もしやと思っての確認だったが、やっぱりそうだったか。
俺には、考えがあった。
そう、馬車をモンスターに引かせようと思っている。
しかも高レベルモンスターにだ。
別に目立ちたい訳ではないが、強い=速い。と単純に考えている。
どうせなら、速い方が良い。
この辺りの情報も道中の馬車の中でシュマさん達に教えてもらっていた。
実は昨日のうちに、俺はこの街にあるギルドでモンスターテイマーに就職していたのだ。
魔術師、錬金術師に加えて、モンスターテイマーで3職目なので、さすがにどうかと思ったのだが、普通に職業に就けたので大丈夫だろう。
「と言う訳で、馬車を引いてくれる馬型のモンスターを仲間にしにいくぞ!」
「おー!」
ユイもクロも乗り気だった。
商人が行き交う街だけあり、様々な情報が集まってくる。噂の類から、確定情報まで実に様々だ。
冒険者から今回の馬型モンスターの情報を仕入れていた。
ここから2日程行った先に古城があるそうだ。
そこに馬型のモンスターが出現するらしい。
レベル帯も20程度という事なので、丁度いいだろう。
俺たちは、早速走って目的地まで向かう事にした。
いつも走って移動していたので俺とユイ、クロは大丈夫だが、リンはどうだろうか。
心配して損した。
やはりレベルが高いだけあり、体力も相当なものだ。
馬車で2日の予定が、走って1日だった。
「みんな飛ばしすぎ・・」
「お兄ちゃん、息上がってるよ~」
先に弱音を吐いたのは俺だった・・。
俺以外は、リンも含めてみんな体育会系のようだ。
まったく、先が思いやられる。
「リンの攻撃スタイルは、楯無の長刀でいいのか?」
「はい、今まで色々な型を試してきましたが、その型が私に合っていました。ですが、本当に私なんかの為に武器を買って頂いて良いのですか?」
「リンが強くなれば俺たちパーティも助かるしね」
道行く冒険者の口コミで、最も高価な長刀を売っている露店の前まで来ていた。
どれどれ・・
名前:ギリアン・レイグ
説明:先端形状が突きに特化した長刀。殺傷力と耐久性に優れている。重量は重い。
特殊効果:貫通力向上(中)、殺傷力向上(中)
相場:金貨20枚
希少度:★★☆☆☆☆
やはり、大した事はないな。
比較した上で俺はストレージから、1本の刀を取り出してリンに手渡す。
そう、これは古都ツガール帝国でノアに貰った神器だ。
「こ、これは・・!」
リンは、目を見開き驚いていた。
徐ろにその刀を手に取り、触り心地を確かめている。
そして、鞘を抜き、軽く素振りしていた。
「わ、私、こんなにシックリ来る刀は初めてです。手に馴染むというか、まるで体の一部のような感覚です」
そういえば、ノアが言ってた気もするな。良い武器は、持ち主を選ぶと。
魔刀フラムジャイルがリンを新たな持ち主として認めたって事か。
「使えそうなら、その刀はリンに上げるよ」
「え!?本当ですか!あ、でも・・きっとすごく高価な物ですよね」
「神器と呼ばれている代物だから、高価なんじゃないかな。名は、魔刀フラムジャイル」
「神器!?だめです!そんな貴重な物貰えません!」
「さっきも言ったけど、リンが強くなれば俺も助かるんだ。旅をしている都合上、凶悪なモンスターと戦う事なんてザラだし、パーティーの戦力強化は必須なんだよ」
その後も何度か説得し、やっとの事で受け取ってくれた。
ユイの短剣も強化したかったが、今装備している物よりも良質なものは結局見当たらなかった。
俺の杖に至っては論外だ。
防具に関しては、露店数が半端なく多かった。値段は特に気にする事なく、性能と効果で、それぞれに選んでもらった。
その際、異様なオーラを発している鎧を発見した。
「いらっしゃい」
「その鎧を見せてもらっても?」
近くで見ると、鎧と言っても甲冑に覆われているわけではなく、何かの金属で編んだようなメッシュだった。
「コイツは、やめた方がいいぜダンナ。性能はピカイチなんだがよ、呪われてんだ。装備している者の魂を吸うようで、今までコイツを装備した何人かが意識不明になったらしい」
ならば、そんな危ない物売らなければいいのに・・。
名前:デビルノクス
説明:魔族一の技師、オーウェンの最高傑作の一つ。
魔族専用の戦闘服。自動サイズ調整機能付、自身の潜在能力を極限まで高める。
特殊効果:敏捷性向上(極大)、防御力向上(極大)
相場:金貨500枚
希少度:★★★★☆☆
魔族専用とか書いてあるぞ・・。
「これは、何処で手に入れたんですか?」
店主曰く、半年程前に、ここから東へ行った先に何かの衝撃で荒廃してしまった土地があり、そこで拾った冒険者から安く買い取ったのだそうだ。
状況から察するに、魔族がその場所で何らかの戦闘行為を行い、鎧を置き忘れ?か、手放した、そんな所だろうか。
「買い取りたい。いくらですか?」
鑑定で見えていた相場の金貨500枚を予想していたのだが、それよりも遥かに安い、提示された額は金貨10枚だった。
クロに着せるつもりなのだが、本当に呪われていなければいいのだけど。
防御力が上がるに越した事はない。
さて、装備の新調はこれくらいにしておこう。
お次は、魔導具だ。
便利な物があれば、買漁るつもりだった。
しかし、行商の街広しと言えど魔導具を取り扱っている露店は、何時間も探した結果、全部で2つしかなかった。
それだけに魔導具の希少さが伺える。
どう考えても使い道のない物や、現在所有している物の劣化版を覗くと、4つの魔導具が気になっている。
1.無重力シール
説明:これを貼られた対象の重さを強制的に0にする。
価格:金貨50枚
2.マジックバック
説明:トータル10kgまでの物を無条件で収納出来る
価格:金貨30枚
3.豊作の水差し
説明:この水差しで水を与えられた植物は、一気に成長をとげる。
価格:金貨30枚
4.鉱石探知機
説明:この中に入れた同じ系統の鉱石を探す事が可能。
価格:金貨50枚
この大陸で最も品数が多い街と聞いて期待していたのだが、数が少ない上にあまり飛び抜けた性能の魔導具がない事に少しばかり落胆した。
取り敢えず、4つを一括購入して店を後にする。
続いては、魔術書だな。
こちらに関してはかなり豊富にあったのだが、結局種類が被っていたり、劣化版、どうみても使用目的の分からない物を除き、購入したのは、8点だった。
1.エレメンタルレジストアップLv1
説明:全属性に対する魔術耐性アップ
2.パワーアップLv1
説明:一定時間攻撃力を向上させる
3.マジックアップLv1
説明:一定時間魔術威力を向上させる
4.障壁Lv1
説明:魔術、物理攻撃を一定のダメージ分無効化する障壁を展開する。無効化量、サイズは術師の魔力量に依存する
5.時短
説明:魔術の詠唱時間を半分にする
6.延長
説明:魔術の効果時間を2倍にする
7.捕縛
説明:相手の動きを封じる
8.ストーンジャベリンLv1
説明:術師の周りに石の槍を生成し、攻撃に用いる事が可能
何度も言うが、普通ならばこれらを取得するのには何年もの歳月が必要なのだが、俺の場合は魔術書を開くだけで取得できる。
なので、使えるものは、片っ端から覚えておこう。
宿に戻ってから早速購入した魔術書を読み解いていた。
読み終わった後にそれぞれの新たな魔術を取得した。
相変わらずのチート振りに自分でも呆れてしまう。
”ブーストLv1を取得しました”
ブースト
説明:向上系魔術全てを最大Lvまで取得している場合、ブーストを使用するだけで、全ての向上系魔術を付与する事が可能。対象魔術(アジリティ、バイタリティ、パワー、エレメンタルレジスト、マジック)
わざわざ全てを使用しなくても良いのは、楽だな。
それにしても覚えるのはいいが、何を覚えているのかを覚えておく方が難しいのでは、ないだろうか?
すでに取得魔術は30を超えている。
時刻はすっかり深夜になってしまった。
俺はいつも考えていた事がある。
「そろそろ会いに行かないと殺されるかもしれないな・・」
忘れていたわけではないのだが、なんというかチャンスが無かったのだ。
みんなが寝ているし、少しだけ行ってこようか。
俺がゴソゴソと身支度をしていると、リンが起きてしまった。
「何処かへ行かれるのですか?」
「ちょっと出てくるけど、すぐ戻るよ」
俺は今、ある一室の中にいる。
目の前には、金髪碧眼の美少女が寝ている。
そう、エルフ族のエレナだ。
俺は、エルフの里を出るときにエレナと約束していた。
「週一で顔を見せに来る事!」
そうそう、こんな感じの迫力で言われたっけな。
ってあれ・・
さっきまで寝ていたはずのエレナが起きている。
「ユウ様、私、約束しましたよね?」
深夜にも関わらず、エレナ様の小言をたっぷりこってりと朝まで聞かされてしまった。
もちろん、エレナと別れてからの道中の出来事や出逢いなども説明していたのだけども。
「忙しいのは分かります。理解してます。だけど、ちょっとだけでも良いので、顔を見せて下さいね」
俺がエレナから解放された時には、既に夜が明けて朝日が見えていた。
「おはようございますユウ様」
「おはよう」
結局一睡も出来なかったな。
自業自得かもしれないが、次回からはこまめに顔を出そうと決心する。
暫くして、ユイやクロが起きてきたので、朝食を食べた後、ある場所へと向かっていた。
「今日は何買うのー?」
「うん、馬車を買おうと思ってね」
「え、お馬さん飼うの!?」
「勘違いしてないか?飼うんじゃなくて、買うんだぞ。でも馬は買わないよ」
「どっちも一緒!」
違うと思うが、もうツッコまない。
これからの旅を続けて行くには、馬車が必要だと感じていたのだ。
街間の移動も1日2日程度ならば良いが、1週間なんてザラだしね。
単に馬車と言っても、ピンきりだった。
サイズだけではなく、内装が凝ったものや、魔導具付なんて高級馬車まであった。
金に物を言わせる訳ではないが、一番高価な物を購入する。あくまでも、それが一番気に入ったからだという事を付け加えておく。
馬車は、畳6畳程度の広さだ。広さは申し分ない。
それに軽量可の為の魔導具付だ。
普通このサイズなら馬3匹は必要なのだが、2匹で十分だそうだ。
馬車は、ゲットしたので、次は牽引する馬探しだな。
俺は、気になっていた事を馬主に確認する。
「馬車を引く馬は、例えば使役しているモンスターでもいいんですか?」
「ああ、モンスターテイマーが一緒なら、馬車が引けるモンスターならなんでも大丈夫だ」
というのも、この街には、馬車の行き来が山ほどあるのだが、時々モンスターが馬車を引いているのだ。
もしやと思っての確認だったが、やっぱりそうだったか。
俺には、考えがあった。
そう、馬車をモンスターに引かせようと思っている。
しかも高レベルモンスターにだ。
別に目立ちたい訳ではないが、強い=速い。と単純に考えている。
どうせなら、速い方が良い。
この辺りの情報も道中の馬車の中でシュマさん達に教えてもらっていた。
実は昨日のうちに、俺はこの街にあるギルドでモンスターテイマーに就職していたのだ。
魔術師、錬金術師に加えて、モンスターテイマーで3職目なので、さすがにどうかと思ったのだが、普通に職業に就けたので大丈夫だろう。
「と言う訳で、馬車を引いてくれる馬型のモンスターを仲間にしにいくぞ!」
「おー!」
ユイもクロも乗り気だった。
商人が行き交う街だけあり、様々な情報が集まってくる。噂の類から、確定情報まで実に様々だ。
冒険者から今回の馬型モンスターの情報を仕入れていた。
ここから2日程行った先に古城があるそうだ。
そこに馬型のモンスターが出現するらしい。
レベル帯も20程度という事なので、丁度いいだろう。
俺たちは、早速走って目的地まで向かう事にした。
いつも走って移動していたので俺とユイ、クロは大丈夫だが、リンはどうだろうか。
心配して損した。
やはりレベルが高いだけあり、体力も相当なものだ。
馬車で2日の予定が、走って1日だった。
「みんな飛ばしすぎ・・」
「お兄ちゃん、息上がってるよ~」
先に弱音を吐いたのは俺だった・・。
俺以外は、リンも含めてみんな体育会系のようだ。
まったく、先が思いやられる。
0
あなたにおすすめの小説
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる