56 / 110
最後の魔女55 高位悪魔1
しおりを挟む
"悪しきものを浄化する力を我に⋯光を持ってその身を滅せん"
《聖なる十字架》
悪魔目掛けて飛来する光輝く十字架。
《聖なる十字架》は、聖属性魔法の中でもかなり上位に属する。当たれば高位悪魔でも痛いじゃ済まされないはず。
普通の属性魔法だとあの厄介な剣で全て掻き消されてしまった。
だから、聖属性ならと思って放つと効果覿面。悪魔は受け止めることすらせずにただ逃げ回るだけだった。
それでも隙を見て距離を詰めようとする相手を聖散弾で牽制する。
相手も逃げ回っているばかりじゃなく、先程の闇色の剣を飛ばしてくる。
自身に施している防御膜頼みで敢えて避けることはしない。だって、避けてる隙を見せるとたぶん、一瞬で懐に潜られてそれで詰みそう。
身体強化を最大まで使ってるけど、それでもスピードは相手の方が上。
どうやら近接戦闘が得意みたいだし、わざわざ相手の土俵に立ってやる必要はない。
ギウスの様子をチラリと確認すると、敵さんの数を減らすどころか逆に増えていた。
なにか仕掛けがありそうだけど、生憎とそっちに意識を避ける時間はない。ごめんね、自力で頑張って。
さて、私が無駄に十字架だけを降らせてたわけではないとだけ言っておく。
やっと魔力が溜まった。
相手が速くて捕まらないなら、範囲を広げるまで。
《広範囲重力》
これは相手がどんなに素早くても絶対に避けれない。
だって、前方見渡す限りの範囲を指定したのだから。おかげで発動に要する時間と魔力と今も継続してゴリゴリと消費し続ける魔力が凄いけど。
大地を縦横無尽で走っていた悪魔の足が止まった。
何が起こったのか理解していないみたい。
そのまま喰らって成仏して。
《聖なる十字架》
身動きの取れなくなった所に頭上から3本の十字架が降り注がれる。
流石にこれはダメージを負っただろうと私も思ったよ。だけど、相手は私も考えが及ばない行動を取った。
その場から消えたかと思ったら背後から私を一文字に斬り裂いた。
今の一撃で防御膜を1枚消費してしまった。連撃が来る前に後方へと跳躍する。
私が動いたことで、広範囲重力が解除されてしまった。
あれは相手の動きを阻害する代わりに発動中はその場を動くことが出来ない仕様になっていた。
これにより私は相手にダメージを与えることが出来ないままただ無駄に膨大な魔力を消費してしまった。
それにしても相手が転移を使えるとは思わなかった。私と同じ回数制限なら次はないはずだけど、生憎と賭けに出るほど無駄に魔力は消費したくない。
次の手を考えないと。
しかし、相手は待ってくれないみたい。
私の手が止まった隙を逃さず次なる攻撃を仕掛けてきた。
何だろうあれは⋯
魔力の渦?
何だか嫌な気配を感じる。
紫色の球体が四方からゆっくりとこちらに向かって迫ってきた。
渦を巻いており、周りの物を吸収しながら進むそれは、私の知ってる魔法に近いのがあるのを思い出した。
闇系魔法の最上位に属する、確か黒点。でもあれは、そう簡単には行使出来ないはず。私でもそれなりに準備が必要。それを4個同時なんて、ありえない。
!?
あれ、身体が動かない⋯
何故?
何かの術を喰らったの?
えっと、もしかしてヤバくない? 黒点がジリジリとこちらに迫って来る。
悪魔は余裕の表情で腕を組んでいた。
うわあ、魔法が使えれば打開策はいくらでもあるんだけど、使おうにも身体が動かない⋯
今度こそ、詰んだのかな⋯
防御膜がどれだけ持つのか分からないけど、あれの前じゃ一瞬で削られそうね。
はぁ、駄目だね。余計な概念が⋯雑念が入って来る。
目を閉じて少しだけ冷静になろう。
黒点が私に触れるまでもうそんなに時間はない。
彼が私に何らかの行動阻害かつ魔法行使阻害の術を使用したと考えるのが妥当。だけど、そこまでの効果の術をされて全く私が気が付かないなんてそんなことあるのだろうか。
いや、ありえない。
精神を研ぎ澄ませてた戦闘中にそんなミスは犯さない。記憶がないのなら、何かもっと別な方があるはず。
例えば⋯
周囲を見渡し、ある異変に気がつく。
不可視で隠してある短剣のような物が私の周りの地面に刺してある。
なるほど、これが原因か。
ネタが分かれば、解くのは簡単。
植物の楽園を発動させて、短剣を引っこ抜く。
これ、魔界でピンチの時も助けてもらったんだけど、予め発動前で待機させておき、後は私の意思一つで思い通りに動かすことが出来る。
魔法や手足が動かせなくなってもこれだけは任意で発動させられる私の切り札の一つ。
そうして動けるようになった所で、黒点から間一髪逃れることに成功した。
《聖なる十字架》
悪魔目掛けて飛来する光輝く十字架。
《聖なる十字架》は、聖属性魔法の中でもかなり上位に属する。当たれば高位悪魔でも痛いじゃ済まされないはず。
普通の属性魔法だとあの厄介な剣で全て掻き消されてしまった。
だから、聖属性ならと思って放つと効果覿面。悪魔は受け止めることすらせずにただ逃げ回るだけだった。
それでも隙を見て距離を詰めようとする相手を聖散弾で牽制する。
相手も逃げ回っているばかりじゃなく、先程の闇色の剣を飛ばしてくる。
自身に施している防御膜頼みで敢えて避けることはしない。だって、避けてる隙を見せるとたぶん、一瞬で懐に潜られてそれで詰みそう。
身体強化を最大まで使ってるけど、それでもスピードは相手の方が上。
どうやら近接戦闘が得意みたいだし、わざわざ相手の土俵に立ってやる必要はない。
ギウスの様子をチラリと確認すると、敵さんの数を減らすどころか逆に増えていた。
なにか仕掛けがありそうだけど、生憎とそっちに意識を避ける時間はない。ごめんね、自力で頑張って。
さて、私が無駄に十字架だけを降らせてたわけではないとだけ言っておく。
やっと魔力が溜まった。
相手が速くて捕まらないなら、範囲を広げるまで。
《広範囲重力》
これは相手がどんなに素早くても絶対に避けれない。
だって、前方見渡す限りの範囲を指定したのだから。おかげで発動に要する時間と魔力と今も継続してゴリゴリと消費し続ける魔力が凄いけど。
大地を縦横無尽で走っていた悪魔の足が止まった。
何が起こったのか理解していないみたい。
そのまま喰らって成仏して。
《聖なる十字架》
身動きの取れなくなった所に頭上から3本の十字架が降り注がれる。
流石にこれはダメージを負っただろうと私も思ったよ。だけど、相手は私も考えが及ばない行動を取った。
その場から消えたかと思ったら背後から私を一文字に斬り裂いた。
今の一撃で防御膜を1枚消費してしまった。連撃が来る前に後方へと跳躍する。
私が動いたことで、広範囲重力が解除されてしまった。
あれは相手の動きを阻害する代わりに発動中はその場を動くことが出来ない仕様になっていた。
これにより私は相手にダメージを与えることが出来ないままただ無駄に膨大な魔力を消費してしまった。
それにしても相手が転移を使えるとは思わなかった。私と同じ回数制限なら次はないはずだけど、生憎と賭けに出るほど無駄に魔力は消費したくない。
次の手を考えないと。
しかし、相手は待ってくれないみたい。
私の手が止まった隙を逃さず次なる攻撃を仕掛けてきた。
何だろうあれは⋯
魔力の渦?
何だか嫌な気配を感じる。
紫色の球体が四方からゆっくりとこちらに向かって迫ってきた。
渦を巻いており、周りの物を吸収しながら進むそれは、私の知ってる魔法に近いのがあるのを思い出した。
闇系魔法の最上位に属する、確か黒点。でもあれは、そう簡単には行使出来ないはず。私でもそれなりに準備が必要。それを4個同時なんて、ありえない。
!?
あれ、身体が動かない⋯
何故?
何かの術を喰らったの?
えっと、もしかしてヤバくない? 黒点がジリジリとこちらに迫って来る。
悪魔は余裕の表情で腕を組んでいた。
うわあ、魔法が使えれば打開策はいくらでもあるんだけど、使おうにも身体が動かない⋯
今度こそ、詰んだのかな⋯
防御膜がどれだけ持つのか分からないけど、あれの前じゃ一瞬で削られそうね。
はぁ、駄目だね。余計な概念が⋯雑念が入って来る。
目を閉じて少しだけ冷静になろう。
黒点が私に触れるまでもうそんなに時間はない。
彼が私に何らかの行動阻害かつ魔法行使阻害の術を使用したと考えるのが妥当。だけど、そこまでの効果の術をされて全く私が気が付かないなんてそんなことあるのだろうか。
いや、ありえない。
精神を研ぎ澄ませてた戦闘中にそんなミスは犯さない。記憶がないのなら、何かもっと別な方があるはず。
例えば⋯
周囲を見渡し、ある異変に気がつく。
不可視で隠してある短剣のような物が私の周りの地面に刺してある。
なるほど、これが原因か。
ネタが分かれば、解くのは簡単。
植物の楽園を発動させて、短剣を引っこ抜く。
これ、魔界でピンチの時も助けてもらったんだけど、予め発動前で待機させておき、後は私の意思一つで思い通りに動かすことが出来る。
魔法や手足が動かせなくなってもこれだけは任意で発動させられる私の切り札の一つ。
そうして動けるようになった所で、黒点から間一髪逃れることに成功した。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる