82 / 110
最後の魔女81 決戦2
しおりを挟む
《雷時雨》
ドレイク目掛けて雷の雨が降り注ぐ。常人ならば数発も受ければ、痺れて動けなくなってしまう。
さしものドレイクも無数に注がれる雨を避けることは叶わず、自らの剣で作った超振動フィールドを展開し、防いでいた。
なにあれ、魔法でもないのにあんな真似出来るものなの⋯反則じゃない?
《重力》
動けないだろうから避ける術はないよね。
そのまま⋯⋯え、重力に争ってる?
確か私の発動した重力は、通常の100倍だったと思うんだけど。このお爺さん本当に人族?
ドレイクは、一瞬のダメージを覚悟で超振動フィールドを解除し、雷時雨の範囲から縮地で離脱する。
そのまま、無双斬撃を放つ。
刹那のタイミングで放たれた50を超える斬撃が今度はリアを襲う。
流石にこれは石壁とか植物じゃ防ぎ切れない。消耗するけど防御障壁に頼る他ない。
重ね掛けしていた防御障壁が一瞬の内に1枚、また1枚と砕かれる。50の斬撃全てを受け切るのに6枚の防御障壁を消費してしまった。
何とか相手の動きを止めないと、勝ち目はない。
《凍結》
雷時雨で濡れた大地を利用し、リアは一瞬で辺り一帯を凍らせる。
予備動作なしの魔法にドレイクは対応出来ず、空間と一緒に凍ってしまった。
やっと、止まったわね。
その隙を狙い、リアはいくつかの魔法を発動させた。
氷の空間に『ピキリ』と小さなヒビが入る。小さなヒビは次第に増えて、やがて大きなヒビとなりて巨大な氷塊は砕かれた。
中から刀身に炎を宿したドレイクが現れる。
《空間断絶》
リアはドレイクが現れる場所を予測していた。故に座標指定魔法を発動させたのだ。
最短距離で私の首を取りにくると思ったわ。
ドレイクの四方を透明な壁が囲う。
「なんじゃ、これは」
必死に斬りかかるもその切っ先は空を舞う。
無駄だよ。いくらお爺さんがマッチョでもその空間断絶は別次元に繋がっているの。決して逃れることが出来ない見えない牢獄。私が解除しない限りは出れないわ。
中々苦労したけど、これで残りは周りの⋯⋯あれ、シュリちゃん相手に中々奮闘してるじゃない。
いや、あれは、動きを封じられてるのか。魔導具の類かな⋯
あっ⋯視界が宙を舞い、反転した。
そのまま、地面へと転がる。
リアの首から血が吹き出し、その背後にいたのは血だらけのドレイクだった。
ドレイクは空間断絶から脱出したのだ。
完全に油断しきっていた隙だらけのリアの背後からその首を跳ねた。
「流石に一瞬だけあの世が見えたわい」
ドレイクは、次元を切り裂いた。
当然そんな技を持ち合わせていた訳ではない。あの空間断絶の中で脱出する為に死に物狂いで会得したのだ。周りから見れば見えない速度でただ剣を振るい続けていただけに過ぎない。脳内に次元を斬り裂くイメージを持ち、何百、何千、何万と剣を振るう。
ドレイクの格言の一つに『この手で斬れぬものは存在しない』と言うものがある。
彼は、今まで形の有る無しに関わらず全てを斬ってきた。
そして、ついに次元まで斬り裂いた。
「次元斬とでも名付けるかの」
全員を戦闘不能にしたシュリがこちらに視線を送る。
「まさかたった一人で倒してしまうとはな。まぁ、元より足止めによる時間稼ぎが目的。お前さんの主人は今し方天に召されたぞ」
その言葉を聞いたシュリは、呆れた感じで足元を指差した。
地面からウニョウニョと這い出てきた蔓がドレイクの足首を雁字搦めにする。そのまま一瞬の内に全身を覆い尽くす。
手に持っていた剣も蔓に奪われてしまった。
「な、何だコイツは! 術者が死んで何故まだ発動するのだ!」
リアの首なし人形から伸びた蔓。リアは自身の人形に植物の楽園を発動させていた。
リア自身、空間断絶が破られるとは思っていなかったが、念には念を入れ、凍結状態の時に自身と瓜二つの人形とすり替わっていた。市場で買ってストックしていたケチャップを血糊代わりに添えて。
「その子たちは、血が好みなの。もがけばもがく程に吸われる」
しかし、ドレイクには聞こえない。何とか逃れようともがき、奪われた剣を手探りで探す。
既に周りからは姿が見えない程に植物の根や茎、蔓や蔦で覆われてしまった。
右手首だけが辛うじて外から見える位置で動いていたが、やがて血の気を失ったように赤みが消え、やがて動かなくなった。
ドレイクが息絶えたと同時に対魔消失結界が解除される。結界の媒介となっていたのは、他ならぬドレイク本人だったのだ。
剣王と呼ばれるだけあって、恐ろしい相手だった。
事前に戦っていなければ、命を取られていたのはこっちの方だったかもしれない。
ドレイク目掛けて雷の雨が降り注ぐ。常人ならば数発も受ければ、痺れて動けなくなってしまう。
さしものドレイクも無数に注がれる雨を避けることは叶わず、自らの剣で作った超振動フィールドを展開し、防いでいた。
なにあれ、魔法でもないのにあんな真似出来るものなの⋯反則じゃない?
《重力》
動けないだろうから避ける術はないよね。
そのまま⋯⋯え、重力に争ってる?
確か私の発動した重力は、通常の100倍だったと思うんだけど。このお爺さん本当に人族?
ドレイクは、一瞬のダメージを覚悟で超振動フィールドを解除し、雷時雨の範囲から縮地で離脱する。
そのまま、無双斬撃を放つ。
刹那のタイミングで放たれた50を超える斬撃が今度はリアを襲う。
流石にこれは石壁とか植物じゃ防ぎ切れない。消耗するけど防御障壁に頼る他ない。
重ね掛けしていた防御障壁が一瞬の内に1枚、また1枚と砕かれる。50の斬撃全てを受け切るのに6枚の防御障壁を消費してしまった。
何とか相手の動きを止めないと、勝ち目はない。
《凍結》
雷時雨で濡れた大地を利用し、リアは一瞬で辺り一帯を凍らせる。
予備動作なしの魔法にドレイクは対応出来ず、空間と一緒に凍ってしまった。
やっと、止まったわね。
その隙を狙い、リアはいくつかの魔法を発動させた。
氷の空間に『ピキリ』と小さなヒビが入る。小さなヒビは次第に増えて、やがて大きなヒビとなりて巨大な氷塊は砕かれた。
中から刀身に炎を宿したドレイクが現れる。
《空間断絶》
リアはドレイクが現れる場所を予測していた。故に座標指定魔法を発動させたのだ。
最短距離で私の首を取りにくると思ったわ。
ドレイクの四方を透明な壁が囲う。
「なんじゃ、これは」
必死に斬りかかるもその切っ先は空を舞う。
無駄だよ。いくらお爺さんがマッチョでもその空間断絶は別次元に繋がっているの。決して逃れることが出来ない見えない牢獄。私が解除しない限りは出れないわ。
中々苦労したけど、これで残りは周りの⋯⋯あれ、シュリちゃん相手に中々奮闘してるじゃない。
いや、あれは、動きを封じられてるのか。魔導具の類かな⋯
あっ⋯視界が宙を舞い、反転した。
そのまま、地面へと転がる。
リアの首から血が吹き出し、その背後にいたのは血だらけのドレイクだった。
ドレイクは空間断絶から脱出したのだ。
完全に油断しきっていた隙だらけのリアの背後からその首を跳ねた。
「流石に一瞬だけあの世が見えたわい」
ドレイクは、次元を切り裂いた。
当然そんな技を持ち合わせていた訳ではない。あの空間断絶の中で脱出する為に死に物狂いで会得したのだ。周りから見れば見えない速度でただ剣を振るい続けていただけに過ぎない。脳内に次元を斬り裂くイメージを持ち、何百、何千、何万と剣を振るう。
ドレイクの格言の一つに『この手で斬れぬものは存在しない』と言うものがある。
彼は、今まで形の有る無しに関わらず全てを斬ってきた。
そして、ついに次元まで斬り裂いた。
「次元斬とでも名付けるかの」
全員を戦闘不能にしたシュリがこちらに視線を送る。
「まさかたった一人で倒してしまうとはな。まぁ、元より足止めによる時間稼ぎが目的。お前さんの主人は今し方天に召されたぞ」
その言葉を聞いたシュリは、呆れた感じで足元を指差した。
地面からウニョウニョと這い出てきた蔓がドレイクの足首を雁字搦めにする。そのまま一瞬の内に全身を覆い尽くす。
手に持っていた剣も蔓に奪われてしまった。
「な、何だコイツは! 術者が死んで何故まだ発動するのだ!」
リアの首なし人形から伸びた蔓。リアは自身の人形に植物の楽園を発動させていた。
リア自身、空間断絶が破られるとは思っていなかったが、念には念を入れ、凍結状態の時に自身と瓜二つの人形とすり替わっていた。市場で買ってストックしていたケチャップを血糊代わりに添えて。
「その子たちは、血が好みなの。もがけばもがく程に吸われる」
しかし、ドレイクには聞こえない。何とか逃れようともがき、奪われた剣を手探りで探す。
既に周りからは姿が見えない程に植物の根や茎、蔓や蔦で覆われてしまった。
右手首だけが辛うじて外から見える位置で動いていたが、やがて血の気を失ったように赤みが消え、やがて動かなくなった。
ドレイクが息絶えたと同時に対魔消失結界が解除される。結界の媒介となっていたのは、他ならぬドレイク本人だったのだ。
剣王と呼ばれるだけあって、恐ろしい相手だった。
事前に戦っていなければ、命を取られていたのはこっちの方だったかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる