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3章
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しおりを挟む木漏れ日が綺麗なある森の中に、2人の少女がいた。その2人の顔も体型もそっくりで、目の色と髪型だけが違う。
「サーシャ。次の国には闘技場あったっけ?」
紫の瞳をもつ少女が青色の瞳をもつ少女に問いかける。
「あるところに決まってるじゃん。そろそろ稼がないとお金ない。ミーシャ、頑張って。」
サーシャと呼ばれた少女は、気だるそうに答える。
「ギルドは?」「ある。」
ギルドの存在を聞いてミーシャはご満悦である。
「3日で終わる仕事にしなさいよ?」
「わかってるって。」
サーシャの忠告を本当に聞いているのか、ミーシャは即答した。
「で、なんで動かないの?もう昼になっちゃうよ?」
「ミーシャ。この状況下で動きたいの?死にたいの?」
ふとまわりを見渡すと、大量の魔物に囲まれているのがわかった。
「もしや、香入れたの...?」
「さあミーシャ、仕事だよっ。」
「だよっ、じゃないよ!?なんでこんなことしたの。」
んっ、と差し出された紙を見て、ミーシャは複雑な気持ちになった。そこには次の場所への経路と、そこを通るのに遭遇すると思われる魔物の概算が書いてあった。
「探査魔法かけてみたの。あと前の国で聞いたんだけど、この森に中ボスみたいなのがいて、次の国はそいつに脅かされているらしい。倒しながら進んでも、一気にここで終わらしても、消耗量は一緒かなって。」
「だからって呼び寄せ香をたかなくても...。」
不満そうにミーシャは文句をいった。
「何使うの?」「広範囲の雷の槍かな?」
2人がぶつぶつ話していると、魔物は2人にむかって飛びかかってきた。
しゅっ、という風をきる音とともに飛びかかってきた魔物は、真っ二つに斬り裂かれた。
「おーすごいすごい。」
「サーシャ茶化さないの。早く詠唱始めてよ。」
丸投げしようかな、と思っていたサーシャは、しぶしぶ詠唱を始める。その間にミーシャはザクザクと魔物たちを斬り捨てていく。
「詠唱終了。広範囲魔法、雷の槍。」
サーシャが最後の言葉を言うと、空から降ってきた無数の槍に貫かれ、囲んでいた魔物は断末魔をあげ全て絶命した。
「あー。魔物いないと早いねー!」
「ほら、みなさい。」
「サーシャ、調子乗らない。」
凄まじい速さで森を抜けると、眼前には立派な壁がそびえたっていた。
「門はどこかなー。」「どこかなー。」
「あったあった。あの魔物が群がっているところじゃない?」
「ほんとだ。いこっか。」
「すみませーん。どいてもらえないですかあっ!」
言葉とは裏腹に、どく暇も与えずミーシャは斬り捨てていく。ざくっざくっ、という音は一種の音楽のようだ。ミーシャが斬り残した魔物は、サーシャが、ふぁいあっ!、と叫びながら次々と燃やしていった。
あっという間に魔物は片付く。
「ふう。」
「もんばんさーん。人間ですよー。入国したいのですがー?」
がらがらと2人の目の前で、閉じられていた格子が開いた。
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