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第3話 惚れたから告白
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「おじゃまします……」
めっちゃ緊張してそうな硬い表情で、咲茉《えま》はうつむきながら言う。
女の子を家に上げるのはこちらも初めてなので、彼女に負けないぐらい緊張しながら、ぎこちない笑顔を向けて自分の部屋まで案内した。
ここからどう接すれば良いのか分からなくなり、彼女は立ったまま、俺はベッドに腰掛けた状態でしばらく見つめ合う時間が過ぎていった。
その沈黙を破って発言したのは咲茉《えま》だった。
「……そういえば、名前、知らなかった」
「え?」
「……ごめん、私、人の名前覚えるの、あんまり得意じゃなくて……」
あぁ、と俺は声を漏らす。
恐らくだが得意不得意以前に、周囲に気を配る余裕が無いのだろう。
そう考えると、今まで声すらかけられなかった自分が情けなくなってくる。
「蒼空《そら》。蒼白の『そう』に『空』って書く」
真面目に名前を紹介すると、何故か突然、咲茉《えま》が小さくだが笑い始めた。
「……なんだよ」
「だって、わざわざ漢字まで教えてくれるとは思ってなかったんだもん」
「……別にいいだろ」
俺は彼女と視線を合わせずにぶっきらぼうに言う。
「そうだけどね」
でも、初めてこんなちゃんと笑っている姿を見ることが出来て、外面には出さないが心の中では結構うれしく思っていたりする。
「……笑うんだな」
俺は言って、地雷を踏んでしまった事に気がつく。
咲茉《えま》はさっきまでの明るい笑顔を消して、うつむいている。
「……そりゃ、さすがに笑うよ……。学校では笑えないだけだし」
「……ごめん、」
「全然いいんだけどね。蒼空《そら》……、くん? のおかげで今は久しぶりに安心出来てる訳だから」
ニコッと再び笑顔を見せた彼女は、そのまま床に座り込んだ。
「……俺の隣、座っていいよ」
そう言って、ベッドをポンポンと軽く叩く。
「……ありがとう」
咲茉《えま》は今回は遠慮せず、すっと隣に座ってくれた。
そして、こちらをじっと見つめてから、ゆっくりと口を開く。
「私、蒼空《そら》に惚れたかも」
「それ自分で言うんだ」
「こんな気持ちになったの初めてだから、どうすればいいか分かんないんだもん」
少し赤く顔を染めた彼女は、足をブラブラと揺らしながら照れたような顔をする。
初めてそういう気持ちになったのなら、普通は逆に言えないと思うのだけど。
なんてちょっと不思議に思いながらも、好意を寄せてくれている事にドキッとする。
「だからさ、付き合ってよ」
「……はい?」
全く予想すらしていなかった事を言われ、戸惑いと歓喜の気持ちが同時に混み上がってきた。
「断られるなら、」
「断ったら……?」
「もう生きてても意味ないし、今度こそ本当に自殺してくる」
咲茉《えま》は、絶対に動かせないような重いモノを天秤に乗せて、回答を迫ってきた。
そんな事を言われると、答えは一つしか無くなってしまうじゃないか。
めっちゃ緊張してそうな硬い表情で、咲茉《えま》はうつむきながら言う。
女の子を家に上げるのはこちらも初めてなので、彼女に負けないぐらい緊張しながら、ぎこちない笑顔を向けて自分の部屋まで案内した。
ここからどう接すれば良いのか分からなくなり、彼女は立ったまま、俺はベッドに腰掛けた状態でしばらく見つめ合う時間が過ぎていった。
その沈黙を破って発言したのは咲茉《えま》だった。
「……そういえば、名前、知らなかった」
「え?」
「……ごめん、私、人の名前覚えるの、あんまり得意じゃなくて……」
あぁ、と俺は声を漏らす。
恐らくだが得意不得意以前に、周囲に気を配る余裕が無いのだろう。
そう考えると、今まで声すらかけられなかった自分が情けなくなってくる。
「蒼空《そら》。蒼白の『そう』に『空』って書く」
真面目に名前を紹介すると、何故か突然、咲茉《えま》が小さくだが笑い始めた。
「……なんだよ」
「だって、わざわざ漢字まで教えてくれるとは思ってなかったんだもん」
「……別にいいだろ」
俺は彼女と視線を合わせずにぶっきらぼうに言う。
「そうだけどね」
でも、初めてこんなちゃんと笑っている姿を見ることが出来て、外面には出さないが心の中では結構うれしく思っていたりする。
「……笑うんだな」
俺は言って、地雷を踏んでしまった事に気がつく。
咲茉《えま》はさっきまでの明るい笑顔を消して、うつむいている。
「……そりゃ、さすがに笑うよ……。学校では笑えないだけだし」
「……ごめん、」
「全然いいんだけどね。蒼空《そら》……、くん? のおかげで今は久しぶりに安心出来てる訳だから」
ニコッと再び笑顔を見せた彼女は、そのまま床に座り込んだ。
「……俺の隣、座っていいよ」
そう言って、ベッドをポンポンと軽く叩く。
「……ありがとう」
咲茉《えま》は今回は遠慮せず、すっと隣に座ってくれた。
そして、こちらをじっと見つめてから、ゆっくりと口を開く。
「私、蒼空《そら》に惚れたかも」
「それ自分で言うんだ」
「こんな気持ちになったの初めてだから、どうすればいいか分かんないんだもん」
少し赤く顔を染めた彼女は、足をブラブラと揺らしながら照れたような顔をする。
初めてそういう気持ちになったのなら、普通は逆に言えないと思うのだけど。
なんてちょっと不思議に思いながらも、好意を寄せてくれている事にドキッとする。
「だからさ、付き合ってよ」
「……はい?」
全く予想すらしていなかった事を言われ、戸惑いと歓喜の気持ちが同時に混み上がってきた。
「断られるなら、」
「断ったら……?」
「もう生きてても意味ないし、今度こそ本当に自殺してくる」
咲茉《えま》は、絶対に動かせないような重いモノを天秤に乗せて、回答を迫ってきた。
そんな事を言われると、答えは一つしか無くなってしまうじゃないか。
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