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Chapter.1 シスコン、異世界へ。
1-9:シスコン、街の危機を知る。
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執事男、名をピオスと名乗った彼が、少女についての事情を話し始める。
「まずは、私の本当の名前を。私は、アスクレピオスと申します。お嬢様の執事のようなものをやらせていただいております」
「アスクレピオスでピオスか。よろしく頼む。それで、彼女の名前は?」
「お嬢様の名前は、ヒーリ。姓は故あって名乗れないのをお許しください」
ヒーリ、か。ヒジリとヒーリ、名前は似ている気はするが、さすがにそれはこじつけだろう。
それに姉さんは、こんなに幼い少女では無いのだから。
「俺はルトだ。ただのルト。それで、なんであんなことになってたんだ?」
「ルトさんですね。それを話すにはまず、お嬢様がある勢力から追われる身だということを話さねばなりませんね」
「追われている? それはこの国の勢力なのか?」
「いいえ。プラキア王国内の勢力ではありません。他国の……もっと大きな国の、勢力です」
それはそれで心配になってくるんだがな。他国の勢力、しかも戦闘能力の高そうな武装勢力と考えていいだろうか。それが秘密裏に入国していて、自国で少女を殺そうというのだから、プラキア王国からしたらたまったものじゃないだろう。
下手したら、我が国の無辜の少女を殺したと罪を擦り付けられるかもしれない。そこから戦争何かに発展する可能性もないとは言いきれないだろう。
「それで、その、大きな国ってのはどんな国なんだ? 正直俺は、プラキア王国以外の国についてはそんなに詳しくないんだが」
「他国の情報なんて、よほど有名な話以外は伝わりにくいですからね。仕方ありません。お嬢様の命を狙っているのは、神聖ウルノキア皇国。ウルノキア神を唯一神とするウルノキア教の、総本山です」
「……!」
ここにきて、ようやく神の情報の一つを得られた気がする。ウルノキア、それが、この世界の神の名前か。
しかし、宗教か……宗教関係は、少し面倒だな。
聞けば、ウルノキア教はこの世界で一番信じられている宗教だそうで、総本山である神聖ウルノキア皇国はプラキア王国からかなり離れた土地にあるのだとか。ヒーリも元々は神聖ウルノキア皇国の神聖教会でシスター見習いとして働いていたという。
だが、ただの見習いの少女が何故、その国に追われているのだろうか。
「私には、詳しいことは分かりませんが……恐らく、見てはいけないものを、見てしまったのではないかと」
「宗教団体が、見られて困るものか……」
どんなものか想像は出来ないが、遠く離れた地にまで追っ手を寄越すようなヤツらだ。きっとろくでもないものを見てしまったのだろう。
それこそ、ウルノキア教の存続に関わるような、そんなものを。
「私は元々お嬢様が聖教会に入る前にお仕えしていたのですが、風の噂でお嬢様が殺されると聞き、いてもたってもいられず……」
「なるほどな。あんたらの事情はよく分かった」
きっと彼らを匿ったり手助けをしたりしたら、俺もそのウルノキア教とやらに狙われることになるのだろう。基本的に、手助けするメリットは無いはずだ。
無いはずだが、俺は既に彼女の命を助けているし、見ず知らずの教会と大切な人に似ている少女。どちらを助けるかなんて、自明の理というやつだろう。
「俺に出来ることがあれば協力しよう。ま、ただのしがないEランク冒険者だがな」
「その実力でEランクとは、詐欺にもほどがありますね。あなたに協力してもらえるのなら、これほど心強いことはない。しかし、またどうして?」
「……大切な人に似てるんだ、彼女は。だから、だろうか」
「……なるほど。それならば、納得です」
「それで、あんたらはこれからどうするつもりだ? アルダートの街に寄るというなら案内するが」
「街に寄りたいのは山々なのですが、既にあの街は……」
「待て。あの街がどうした?」
俺は、何かおぞましいものが足元から巻きついてくるような、そんな感覚を覚えた。
何か、取り返しのつかないことが起きようとしているような、そんな感じがする。
ピオスは俺の顔を見て、非常に言いにくそうな表情を浮かべながら言った。
「あの街に罪はない。ただ、我々が近くに寄ってしまったことで、あの街の破滅が決定してしまった、ということです」
「……わけが分からない。俺にも分かるように説明してくれないか?」
「……我々には、ウルノキア教からの追っ手がかかっていることは先ほども言った通りですが。生物を操ることの出来る男が、その追っ手なのです。しかもその男は、吐き気を催す邪悪のような男でして」
そうしてピオスから語られた男の情報に、俺は思わず下唇を噛み締めた。
男の名前は分からないが、教会関係者の中ではクルーエル・ファナティックと呼ばれているらしい。意味は、残酷な狂信者。
敬虔な信徒からは避けられ、狂信的な信徒から神の行為の代弁者とも信奉される、ウルノキア教の中でもトップクラスに危険な男らしい。
神への行き過ぎた信仰心と、残酷な行為を残酷な行為と思わず、挙句にその行為を楽しんでみせる狂った精神。まさに、狂信者と呼ぶに相応しい男というわけか。
クルーエルは特殊な能力を持っているらしく、生物を操る能力を持っているのだとか。
どうやら人間は操れないようだが、モンスターは操れる、と。その能力を使い、ここに来るまでにピオスたちが寄ろうとしていた街を滅ぼしてしまったこともあるとか。
「……とんでもないイカレ野郎だな、そいつは」
「ええ。お嬢様を襲っていたのはクルーエルの能力で操られたモンスターたちでしょう。つまり彼は、既にこの街の近くまで来ている」
「……それで、あの街は、アルダートは破滅する、ということか。だが、アルダートは交易都市だ。規模もそこそこに大きい。影響力もそこそこにあるだろう。そんな都市を、本当に滅ぼすつもりなのか、クルーエルは」
「彼にとって、街の規模や、影響力なんて関係ないんですよ。あるのは、信ずる神の恩寵を受けているか否か。つまり、神聖ウルノキア皇国以外の国は、彼にとっては別に滅ぼしても構わないものなのです」
教義にも、他の国を滅ぼしてはいけないとは書いていませんからね、と苦笑気味に笑うピオス。
開いた口が塞がらない、とはこのことだろうか。そんな、考え方や存在の根底から違う、同じ人間とは思えないやつがこの世界にいるなんて。
……ピオスたちがアルダートに寄ろうと寄るまいと、クルーエルはアルダートを滅ぼす。何故なら、アルダートは少女を救ってしまうかもしれない街だから。
クルーエルは少女を確実に殺すために、出来ることをやっているだけなのだろう。努力の方向性が、かなりねじ曲がってはいるみたいだが。
「……アルダートには来たばかりだが、それなりの愛着があってな」
「ルトさん」
「ピオス。仮にここでクルーエルから逃げたとして、その後はどうなる? 無事に逃げ切れるのか? アルダートが滅んだ後、他の街が滅ばないと思うか?」
「それは……」
「きっと変わらない。クルーエルによっていくつもの街が滅びるだろう。ヒーリを追った結果な」
「分かっては、います。しかし、私ではお嬢様を守りつつ、クルーエルを討つことは出来ません。いくら私でも、一人で竜種を殺すことは出来ませんから」
そういう情報をさらっと言わないで欲しいのだが。
竜種……竜かぁ……俺が戦った竜猪よりも強いんだろうな。
クルーエルの生き物を操る能力というのは、竜まで操れると言うのだろうか。そうだとしたら、街が滅ぶというのも頷ける。
上位の竜種ともなれば、国すら片手間で滅ぼせるという逸話があるくらいなのだから。
いくら七つの大罪を使えるとはいえ、国を軽々と滅ぼせる存在と戦えるかというと……。
グラとスペルビアの権能で竜の攻撃をシャットアウト、インウィディアの権能で空を飛び、アワリティアで斬り殺す……殺せるか?
可能性はありそうだが、随分と分の悪い賭けだな。
だけどまぁ、分の悪い賭けは嫌いじゃないし、何よりもクルーエル自体がウルノキア教に、【神】に繋がる大事な情報源だ。素直に喋ってくれるとは思わないが、可能性があるならそれに賭けるのも悪くないだろう。
それに、姉さんを取り戻すまでは死ぬ気は無い。狂信者だろうと竜だろうと、俺の邪魔をするなら死んでもらうしかないだろうな。
……おっと、今思考が傲慢に引っ張られたか? 少し落ち着こう。
ふぅ、と息を吐いて、俺はピオスに問いかける。
「例えば。通りすがりの冒険者が、クルーエルの最大戦力であろう竜種を倒したらどうなる?」
「ルトさん、それは……!」
「例えばの話だ。そうすれば、ヒーリとお前はもう逃げなくていいのか?」
「……いえ、恐らく次の追っ手が送り込まれてくることでしょう。それだけ、ウルノキア教はお嬢様を消したがっていますから」
「だが、追っ手が送り込まれてくるまでは時間があるか」
俺は、自らが抱いている少女を見る。
あどけない寝顔だ。さっきまで命の灯火が消えていたとは到底思えないな。
……別に、関係はないはずなのだ。この少女たちと、俺には。
だがやはり、俺の心の奥の部分が叫んでくる。この少女を死なせてはならないと。
「まずは一旦街に戻ろう。もしかしたらまだ時間が残されているかもしれないからな。もし、既に街が襲われていたら……」
「いたら?」
「近くでその様子を見ているだろうクルーエルを倒しに行く。ピオスは、ヒーリを守っていてくれ」
「……すみません」
「別に謝ることじゃないだろう。それに、知ってるか?」
「?」
俺の言葉に首を傾げたピオスに向かって、俺はにやりとした笑みを浮かべて言った。
「アルダートにはな、それなりに頼りになる人たちがいるんだよ」
さて、と。のんびりしている暇はないな。
イカれた狂信者を、倒しに行くとしようか。
俺はグラとインウィディアを装着して、アルダートの街がある方角を睨むのだった。
「まずは、私の本当の名前を。私は、アスクレピオスと申します。お嬢様の執事のようなものをやらせていただいております」
「アスクレピオスでピオスか。よろしく頼む。それで、彼女の名前は?」
「お嬢様の名前は、ヒーリ。姓は故あって名乗れないのをお許しください」
ヒーリ、か。ヒジリとヒーリ、名前は似ている気はするが、さすがにそれはこじつけだろう。
それに姉さんは、こんなに幼い少女では無いのだから。
「俺はルトだ。ただのルト。それで、なんであんなことになってたんだ?」
「ルトさんですね。それを話すにはまず、お嬢様がある勢力から追われる身だということを話さねばなりませんね」
「追われている? それはこの国の勢力なのか?」
「いいえ。プラキア王国内の勢力ではありません。他国の……もっと大きな国の、勢力です」
それはそれで心配になってくるんだがな。他国の勢力、しかも戦闘能力の高そうな武装勢力と考えていいだろうか。それが秘密裏に入国していて、自国で少女を殺そうというのだから、プラキア王国からしたらたまったものじゃないだろう。
下手したら、我が国の無辜の少女を殺したと罪を擦り付けられるかもしれない。そこから戦争何かに発展する可能性もないとは言いきれないだろう。
「それで、その、大きな国ってのはどんな国なんだ? 正直俺は、プラキア王国以外の国についてはそんなに詳しくないんだが」
「他国の情報なんて、よほど有名な話以外は伝わりにくいですからね。仕方ありません。お嬢様の命を狙っているのは、神聖ウルノキア皇国。ウルノキア神を唯一神とするウルノキア教の、総本山です」
「……!」
ここにきて、ようやく神の情報の一つを得られた気がする。ウルノキア、それが、この世界の神の名前か。
しかし、宗教か……宗教関係は、少し面倒だな。
聞けば、ウルノキア教はこの世界で一番信じられている宗教だそうで、総本山である神聖ウルノキア皇国はプラキア王国からかなり離れた土地にあるのだとか。ヒーリも元々は神聖ウルノキア皇国の神聖教会でシスター見習いとして働いていたという。
だが、ただの見習いの少女が何故、その国に追われているのだろうか。
「私には、詳しいことは分かりませんが……恐らく、見てはいけないものを、見てしまったのではないかと」
「宗教団体が、見られて困るものか……」
どんなものか想像は出来ないが、遠く離れた地にまで追っ手を寄越すようなヤツらだ。きっとろくでもないものを見てしまったのだろう。
それこそ、ウルノキア教の存続に関わるような、そんなものを。
「私は元々お嬢様が聖教会に入る前にお仕えしていたのですが、風の噂でお嬢様が殺されると聞き、いてもたってもいられず……」
「なるほどな。あんたらの事情はよく分かった」
きっと彼らを匿ったり手助けをしたりしたら、俺もそのウルノキア教とやらに狙われることになるのだろう。基本的に、手助けするメリットは無いはずだ。
無いはずだが、俺は既に彼女の命を助けているし、見ず知らずの教会と大切な人に似ている少女。どちらを助けるかなんて、自明の理というやつだろう。
「俺に出来ることがあれば協力しよう。ま、ただのしがないEランク冒険者だがな」
「その実力でEランクとは、詐欺にもほどがありますね。あなたに協力してもらえるのなら、これほど心強いことはない。しかし、またどうして?」
「……大切な人に似てるんだ、彼女は。だから、だろうか」
「……なるほど。それならば、納得です」
「それで、あんたらはこれからどうするつもりだ? アルダートの街に寄るというなら案内するが」
「街に寄りたいのは山々なのですが、既にあの街は……」
「待て。あの街がどうした?」
俺は、何かおぞましいものが足元から巻きついてくるような、そんな感覚を覚えた。
何か、取り返しのつかないことが起きようとしているような、そんな感じがする。
ピオスは俺の顔を見て、非常に言いにくそうな表情を浮かべながら言った。
「あの街に罪はない。ただ、我々が近くに寄ってしまったことで、あの街の破滅が決定してしまった、ということです」
「……わけが分からない。俺にも分かるように説明してくれないか?」
「……我々には、ウルノキア教からの追っ手がかかっていることは先ほども言った通りですが。生物を操ることの出来る男が、その追っ手なのです。しかもその男は、吐き気を催す邪悪のような男でして」
そうしてピオスから語られた男の情報に、俺は思わず下唇を噛み締めた。
男の名前は分からないが、教会関係者の中ではクルーエル・ファナティックと呼ばれているらしい。意味は、残酷な狂信者。
敬虔な信徒からは避けられ、狂信的な信徒から神の行為の代弁者とも信奉される、ウルノキア教の中でもトップクラスに危険な男らしい。
神への行き過ぎた信仰心と、残酷な行為を残酷な行為と思わず、挙句にその行為を楽しんでみせる狂った精神。まさに、狂信者と呼ぶに相応しい男というわけか。
クルーエルは特殊な能力を持っているらしく、生物を操る能力を持っているのだとか。
どうやら人間は操れないようだが、モンスターは操れる、と。その能力を使い、ここに来るまでにピオスたちが寄ろうとしていた街を滅ぼしてしまったこともあるとか。
「……とんでもないイカレ野郎だな、そいつは」
「ええ。お嬢様を襲っていたのはクルーエルの能力で操られたモンスターたちでしょう。つまり彼は、既にこの街の近くまで来ている」
「……それで、あの街は、アルダートは破滅する、ということか。だが、アルダートは交易都市だ。規模もそこそこに大きい。影響力もそこそこにあるだろう。そんな都市を、本当に滅ぼすつもりなのか、クルーエルは」
「彼にとって、街の規模や、影響力なんて関係ないんですよ。あるのは、信ずる神の恩寵を受けているか否か。つまり、神聖ウルノキア皇国以外の国は、彼にとっては別に滅ぼしても構わないものなのです」
教義にも、他の国を滅ぼしてはいけないとは書いていませんからね、と苦笑気味に笑うピオス。
開いた口が塞がらない、とはこのことだろうか。そんな、考え方や存在の根底から違う、同じ人間とは思えないやつがこの世界にいるなんて。
……ピオスたちがアルダートに寄ろうと寄るまいと、クルーエルはアルダートを滅ぼす。何故なら、アルダートは少女を救ってしまうかもしれない街だから。
クルーエルは少女を確実に殺すために、出来ることをやっているだけなのだろう。努力の方向性が、かなりねじ曲がってはいるみたいだが。
「……アルダートには来たばかりだが、それなりの愛着があってな」
「ルトさん」
「ピオス。仮にここでクルーエルから逃げたとして、その後はどうなる? 無事に逃げ切れるのか? アルダートが滅んだ後、他の街が滅ばないと思うか?」
「それは……」
「きっと変わらない。クルーエルによっていくつもの街が滅びるだろう。ヒーリを追った結果な」
「分かっては、います。しかし、私ではお嬢様を守りつつ、クルーエルを討つことは出来ません。いくら私でも、一人で竜種を殺すことは出来ませんから」
そういう情報をさらっと言わないで欲しいのだが。
竜種……竜かぁ……俺が戦った竜猪よりも強いんだろうな。
クルーエルの生き物を操る能力というのは、竜まで操れると言うのだろうか。そうだとしたら、街が滅ぶというのも頷ける。
上位の竜種ともなれば、国すら片手間で滅ぼせるという逸話があるくらいなのだから。
いくら七つの大罪を使えるとはいえ、国を軽々と滅ぼせる存在と戦えるかというと……。
グラとスペルビアの権能で竜の攻撃をシャットアウト、インウィディアの権能で空を飛び、アワリティアで斬り殺す……殺せるか?
可能性はありそうだが、随分と分の悪い賭けだな。
だけどまぁ、分の悪い賭けは嫌いじゃないし、何よりもクルーエル自体がウルノキア教に、【神】に繋がる大事な情報源だ。素直に喋ってくれるとは思わないが、可能性があるならそれに賭けるのも悪くないだろう。
それに、姉さんを取り戻すまでは死ぬ気は無い。狂信者だろうと竜だろうと、俺の邪魔をするなら死んでもらうしかないだろうな。
……おっと、今思考が傲慢に引っ張られたか? 少し落ち着こう。
ふぅ、と息を吐いて、俺はピオスに問いかける。
「例えば。通りすがりの冒険者が、クルーエルの最大戦力であろう竜種を倒したらどうなる?」
「ルトさん、それは……!」
「例えばの話だ。そうすれば、ヒーリとお前はもう逃げなくていいのか?」
「……いえ、恐らく次の追っ手が送り込まれてくることでしょう。それだけ、ウルノキア教はお嬢様を消したがっていますから」
「だが、追っ手が送り込まれてくるまでは時間があるか」
俺は、自らが抱いている少女を見る。
あどけない寝顔だ。さっきまで命の灯火が消えていたとは到底思えないな。
……別に、関係はないはずなのだ。この少女たちと、俺には。
だがやはり、俺の心の奥の部分が叫んでくる。この少女を死なせてはならないと。
「まずは一旦街に戻ろう。もしかしたらまだ時間が残されているかもしれないからな。もし、既に街が襲われていたら……」
「いたら?」
「近くでその様子を見ているだろうクルーエルを倒しに行く。ピオスは、ヒーリを守っていてくれ」
「……すみません」
「別に謝ることじゃないだろう。それに、知ってるか?」
「?」
俺の言葉に首を傾げたピオスに向かって、俺はにやりとした笑みを浮かべて言った。
「アルダートにはな、それなりに頼りになる人たちがいるんだよ」
さて、と。のんびりしている暇はないな。
イカれた狂信者を、倒しに行くとしようか。
俺はグラとインウィディアを装着して、アルダートの街がある方角を睨むのだった。
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