気が付いたら心の声が聞こえます

troro

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偽り

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転職して1ヶ月で研修を終え、1人で仕事をするようになった。
上司からはノルマが言い渡された。
「月に10件の契約を取れ」
余りにも多いと感じた。
何故なら職場に営業職は15人程いるが毎月ノルマを達成できている人は2人か3人しかいないのだ。
それを新人の自分がやるとなると大変である。
出来なければ罵られ、給料を削られる。
入社して1ヶ月目でここがブラックだと認識し始めた

そして初出陣だ
最初の訪問…
インターホンを鳴らす…ピンポーン
出てきたのは独り身であろう小太りの中年サラリーマン
「こんにちは、幸せ窓口保険の深田たかしと申します、よろしければ製品の説明をさせて頂ければと思うのでますが、お時間御座いますでしょうか?」
言い忘れてたが入社した会社は保険会社だ
「今忙しいから帰ってくれる?」
とても忙しそうには見えなかったが言う通り引き上げることにした
しかしここで声が聞こえた
(どうせ病気の俺に入れる保険なんかあっても高いだけだろ、時間の無駄だ)
たかしは締めるドアを止めた
「何ですか?」
「私の会社は様々な保険会社を見比べてご紹介させて頂くシステムでして病気などでもわりやすの保険料で入れる保険会社があるますよ!」
小太りの男は「本当ですか?」
「お任せください!お客様が納得できるまで探してみせます!」
そして翌日資料を持って行き何とか契約まで成立した。
声を聞いてやっと1件…
正直声を活かしきれてないことに気が付いた

小太りの男との本契約の時、小太りの男から仕事の勧誘をされた
男は近くでバーを経営しており、最近従業員が辞めて困っていたらしい
そこでどうしても俺を欲しいと言ってくれた
男は私の心が見透かされたようだったと
そりゃそうだ、だって俺は人の心が読めるんだから
バーに来た人の悩みを聞いてあげて欲しいとのこと
かなり悩んだが、今の会社が自分に合ってないと感じ始めていたこともあり会社を辞めてバーで働くことにした
男はお客さんから俺のオーナーになったのだ
初出勤の日
オーナーから仕事の説明を10分ほどされてあとは任せた。
何かあったら家にいるから呼んで!
なんてやる気のない人だ…
まあその方が気軽でいいか
開店して10分ほどで会社帰りのOLが1人でやってきた
早速話をしてみることにした
最近彼氏が出来ない事や仕事での事など色々話した
大体話しの最後には「どう思う?」と聞かれるのだがここで声が活きる
この質問を言ったら心の中で答えが出ているのだ
例えば「私、ブサイクだからモテないんだよねー どう思う?」とする
その時の声は(ここは可愛いって言ってよ!頼むから)なのだ
この場合可愛いよと言う、というより言わされる
なんだかんだでかなり酔ってしまったのでタクシーを呼んで見送った
その間にも何人かお客が来ていたので程々に忙しかったが、充実していた
心の声がめちゃめちゃ役に立っているのだ
そして楽しい
しかし、たかしはここからどん底に落ちることになるのだ
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みんなの感想(1件)

rickdius
2017.11.19 rickdius

 危うい。 あまりに危うい。 まだ制御もできていないのに試そうとするなんて…。 よくて人間不信、下手をすれば狂人扱いされかねませんよ。

解除

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