172 / 547
百七十二話
しおりを挟む
「私の目的は、ガルベナール・エンブリオンの野望を打ち砕くこと……いや、違うな。ガルベナールに終わりなき恐怖と絶望を与え、 そして、奴に殺されていった人々に代わり、怨嗟の業火で奴を粛清することにある!!!」
サーマリアのヘソ。そこにある墓標の前で、ジェイクは己が内に溜め込んだドス黒い感情を吐き出した。
彼の言葉は、ギデオンたちに向けられたものであり、自身の決意を犠牲者たちへ報告するためのモノでもあった。
腹の底から響く凄惨な嘆きに、シルクエッタともども言葉を飲んだ。
ギデオンには、ジェイクの気持ちが痛いほど分かった。
報復を生きる源とし自身の身を焼き尽しながら、この男はここ数年を過ごしてきた。
それが、どれだけ己が身も傷つけ、心を破壊してゆくのか。私怨の鎖がどれほど重苦しく魂を縛りつけるのか。
すでに生き地獄というモノを体験してきた彼だからこそ、ジェイクが背負った業の深さが見て取れた。
悪を粛清する、それはあまりにも残酷な希望だった。
ジェイクの一言一言が悲痛な悲鳴だった。
ギデオン自身も未だ、すべてを断ち切れずにいる。
それでも、自身が幾分かマシに思えてしまうほど、この男に巣食った呪いは深刻なものと化していた。
彼は外法の域に踏み込んでいた……人が人としてやっていけない禁忌を犯した。
自分で自分を呪う、それがジェイクの犯した大罪だった。
シルクエッタは彼の話を黙って聞いていた。聞きながら、静かに涙を流し彼のために祈っていた。
スパイになる前のジェイクは、一時、記者として新聞社に勤めていた。
祖国の闇を暴くため、真実を明るみにするため、敬愛する父と同じ道を辿ろうした。
調査の方は仕事の傍ら、少しずつ探りを入れていった。
学生時代の同級生や父の友人といった人脈を頼り、政府関係者とコンタクトを取り、当時の内情を聞かせて貰ったりもした。
けれど、彼の想像以上に調査は困難を極めた。
共和国政府のことを知れば知るほど、偽りの証言が増え始め、容疑者が絞り込めなくなってきた。
敵はかなりの切れ者だ。元からこうなる事を見越して先手を打っていた。
捜査に行き詰まり苦悩する彼にとって心の拠り所となっていたのは、同じ新聞社に勤めていたリィーナという女性だった。
彼女は眼鏡の似合う知的な女性だった。家柄もそれなりに裕福で、どこかお嬢様っぽい雰囲気をまとっていた。
リィーナに励まされる度に、ジャーナリストとしての魂に活力が湧いてくる。
彼女の「無理しないでね」という一言は彼が見つけてきた、どんな幸せよりも尊い幸福だった。
やがて、二人は互いを意識するようになり結ばれた。
結婚し子供ができた頃には、もう共和国政府の陰謀のことなど、どうでもよくなっていた。
このまま家族と一緒に幸せな日々を過ごせればいい。
平日は新聞社で働き、休日は妻と娘のためにどこかへ出かける。
平凡な人生、それも悪くはない。かつては、そんな生活すらままならなかったのだから。
彼は幼少期と同じ、願望を再度抱くようになった。
しかし……そんな日々も長くは続かない。この時、すでにジェイクは大きなミスを犯していた。
もし、彼があのまま調査を継続していたら運命は大きく傾いたかもしれない……。
ジェイクは、敵を甘くみていた。慎重を期して調査を行っていたものの、彼の情報を政府に売る者がいた。
敵はジェイクの身元を調べ上げ、彼とその周囲をターゲットにした。
異変が起きた、その日は、いつもとなんら変わりない平日だった。
午前中のデスクワークを片づけ終わり、あくびを噛み締めているとフッと視界が変わった。
今まで経験したことのない現象に、ジェイクは小さく「ひぃ!」と悲鳴をあげていた。
彼の様子を不思議そうに眺める同僚たち全員の最期を、彼の瞳は捉えていた。
すべてが同時で同一……彼は咄嗟に新聞社を飛び出た。
瞬間、背後で大爆発が起きた。爆風によりジェイクは路面へと投げ出され全身を強く打ちつけていた。
朦朧とする意識を何とか保ちながら、新聞社の方を振り向くと紅蓮の炎に包まれ黒煙をあげる社屋の変わり果てた姿があった。
「不味い、不味いことになった……」顔に焦りの色を浮かべ彼は自宅へと急いだ。
魔導通信機で連絡を取ろうとしても妻には繋がらない。
家族が無事であることを一心に祈りながら、無我夢中で走り続けた。
我が家を前にし、彼は足を止めた。
そこに見えるは、普段と変わらないのどかな一軒家があった。
今なら、まだ間に合う。彼は家の玄関を開けた。
今度はどこへ引っ越そうか……近くて、安全な公国か? それとも南の暖かい聖王国か?
リビングを開ける いない。キッチンに向かう いない。客間も、トイレも、バスルームも見た、寝室だって探したなのにいない、いないのだ。いるべき家族がどこにも見当たらない……。
「そうだ、どこかに出掛けているんだ……」
淡い期待にジェイクの頬がほころんだ。
妻は娘をつれて、たまたま外出していた。だから、難を逃れたんだ。
こうしてはいられない、早く迎えに行ってやらないと。
階段から一階へと降りた、矢先。オルゴールの音が微かに聞こえた。
耳を澄まし、音源を辿ってゆくと庭先から、壊れかけた音色が響いている。
庭には、妻が大切にしている花壇がある。
動揺しすぎで見落としていたが、もしかしたら二人とも庭にいるかもしれない。
庭に出た瞬間、それまで彼が積み上げてきたモノが一気に崩れ去った。
「リ、リィーナ! おい……しっかりしろ!! ミリィアはどこにいるん――――」
妻が背中から血を流し倒れていた。
彼女の身体は、力なくぐったりとし、すでに冷たくなっている。
身を屈ませた彼女が必死に抱きかかえていたのは、まだ五歳になったばかりの娘だった。
その小さな手に握られたオルゴールがボタッと地面に落ちた。
「うおおおぉぉぉおおおぉぉおぉおおっおおお、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――――」
サーマリアのヘソ。そこにある墓標の前で、ジェイクは己が内に溜め込んだドス黒い感情を吐き出した。
彼の言葉は、ギデオンたちに向けられたものであり、自身の決意を犠牲者たちへ報告するためのモノでもあった。
腹の底から響く凄惨な嘆きに、シルクエッタともども言葉を飲んだ。
ギデオンには、ジェイクの気持ちが痛いほど分かった。
報復を生きる源とし自身の身を焼き尽しながら、この男はここ数年を過ごしてきた。
それが、どれだけ己が身も傷つけ、心を破壊してゆくのか。私怨の鎖がどれほど重苦しく魂を縛りつけるのか。
すでに生き地獄というモノを体験してきた彼だからこそ、ジェイクが背負った業の深さが見て取れた。
悪を粛清する、それはあまりにも残酷な希望だった。
ジェイクの一言一言が悲痛な悲鳴だった。
ギデオン自身も未だ、すべてを断ち切れずにいる。
それでも、自身が幾分かマシに思えてしまうほど、この男に巣食った呪いは深刻なものと化していた。
彼は外法の域に踏み込んでいた……人が人としてやっていけない禁忌を犯した。
自分で自分を呪う、それがジェイクの犯した大罪だった。
シルクエッタは彼の話を黙って聞いていた。聞きながら、静かに涙を流し彼のために祈っていた。
スパイになる前のジェイクは、一時、記者として新聞社に勤めていた。
祖国の闇を暴くため、真実を明るみにするため、敬愛する父と同じ道を辿ろうした。
調査の方は仕事の傍ら、少しずつ探りを入れていった。
学生時代の同級生や父の友人といった人脈を頼り、政府関係者とコンタクトを取り、当時の内情を聞かせて貰ったりもした。
けれど、彼の想像以上に調査は困難を極めた。
共和国政府のことを知れば知るほど、偽りの証言が増え始め、容疑者が絞り込めなくなってきた。
敵はかなりの切れ者だ。元からこうなる事を見越して先手を打っていた。
捜査に行き詰まり苦悩する彼にとって心の拠り所となっていたのは、同じ新聞社に勤めていたリィーナという女性だった。
彼女は眼鏡の似合う知的な女性だった。家柄もそれなりに裕福で、どこかお嬢様っぽい雰囲気をまとっていた。
リィーナに励まされる度に、ジャーナリストとしての魂に活力が湧いてくる。
彼女の「無理しないでね」という一言は彼が見つけてきた、どんな幸せよりも尊い幸福だった。
やがて、二人は互いを意識するようになり結ばれた。
結婚し子供ができた頃には、もう共和国政府の陰謀のことなど、どうでもよくなっていた。
このまま家族と一緒に幸せな日々を過ごせればいい。
平日は新聞社で働き、休日は妻と娘のためにどこかへ出かける。
平凡な人生、それも悪くはない。かつては、そんな生活すらままならなかったのだから。
彼は幼少期と同じ、願望を再度抱くようになった。
しかし……そんな日々も長くは続かない。この時、すでにジェイクは大きなミスを犯していた。
もし、彼があのまま調査を継続していたら運命は大きく傾いたかもしれない……。
ジェイクは、敵を甘くみていた。慎重を期して調査を行っていたものの、彼の情報を政府に売る者がいた。
敵はジェイクの身元を調べ上げ、彼とその周囲をターゲットにした。
異変が起きた、その日は、いつもとなんら変わりない平日だった。
午前中のデスクワークを片づけ終わり、あくびを噛み締めているとフッと視界が変わった。
今まで経験したことのない現象に、ジェイクは小さく「ひぃ!」と悲鳴をあげていた。
彼の様子を不思議そうに眺める同僚たち全員の最期を、彼の瞳は捉えていた。
すべてが同時で同一……彼は咄嗟に新聞社を飛び出た。
瞬間、背後で大爆発が起きた。爆風によりジェイクは路面へと投げ出され全身を強く打ちつけていた。
朦朧とする意識を何とか保ちながら、新聞社の方を振り向くと紅蓮の炎に包まれ黒煙をあげる社屋の変わり果てた姿があった。
「不味い、不味いことになった……」顔に焦りの色を浮かべ彼は自宅へと急いだ。
魔導通信機で連絡を取ろうとしても妻には繋がらない。
家族が無事であることを一心に祈りながら、無我夢中で走り続けた。
我が家を前にし、彼は足を止めた。
そこに見えるは、普段と変わらないのどかな一軒家があった。
今なら、まだ間に合う。彼は家の玄関を開けた。
今度はどこへ引っ越そうか……近くて、安全な公国か? それとも南の暖かい聖王国か?
リビングを開ける いない。キッチンに向かう いない。客間も、トイレも、バスルームも見た、寝室だって探したなのにいない、いないのだ。いるべき家族がどこにも見当たらない……。
「そうだ、どこかに出掛けているんだ……」
淡い期待にジェイクの頬がほころんだ。
妻は娘をつれて、たまたま外出していた。だから、難を逃れたんだ。
こうしてはいられない、早く迎えに行ってやらないと。
階段から一階へと降りた、矢先。オルゴールの音が微かに聞こえた。
耳を澄まし、音源を辿ってゆくと庭先から、壊れかけた音色が響いている。
庭には、妻が大切にしている花壇がある。
動揺しすぎで見落としていたが、もしかしたら二人とも庭にいるかもしれない。
庭に出た瞬間、それまで彼が積み上げてきたモノが一気に崩れ去った。
「リ、リィーナ! おい……しっかりしろ!! ミリィアはどこにいるん――――」
妻が背中から血を流し倒れていた。
彼女の身体は、力なくぐったりとし、すでに冷たくなっている。
身を屈ませた彼女が必死に抱きかかえていたのは、まだ五歳になったばかりの娘だった。
その小さな手に握られたオルゴールがボタッと地面に落ちた。
「うおおおぉぉぉおおおぉぉおぉおおっおおお、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――――」
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
異世界でトラック運送屋を始めました! ◆お手紙ひとつからベヒーモスまで、なんでもどこにでも安全に運びます! 多分!◆
八神 凪
ファンタジー
日野 玖虎(ひの ひさとら)は長距離トラック運転手で生計を立てる26歳。
そんな彼の学生時代は荒れており、父の居ない家庭でテンプレのように母親に苦労ばかりかけていたことがあった。
しかし母親が心労と働きづめで倒れてからは真面目になり、高校に通いながらバイトをして家計を助けると誓う。
高校を卒業後は母に償いをするため、自分に出来ることと言えば族時代にならした運転くらいだと長距離トラック運転手として仕事に励む。
確実かつ時間通りに荷物を届け、ミスをしない奇跡の配達員として異名を馳せるようになり、かつての荒れていた玖虎はもうどこにも居なかった。
だがある日、彼が夜の町を走っていると若者が飛び出してきたのだ。
まずいと思いブレーキを踏むが間に合わず、トラックは若者を跳ね飛ばす。
――はずだったが、気づけば見知らぬ森に囲まれた場所に、居た。
先ほどまで住宅街を走っていたはずなのにと困惑する中、備え付けのカーナビが光り出して画面にはとてつもない美人が映し出される。
そして女性は信じられないことを口にする。
ここはあなたの居た世界ではない、と――
かくして、異世界への扉を叩く羽目になった玖虎は気を取り直して異世界で生きていくことを決意。
そして今日も彼はトラックのアクセルを踏むのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる