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黄昏る命
孤高の狩人 3
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あらためてMETAL CLAYDの破壊力を実感した。
一撃だけですべてを屠ってしまう。
欠点があるとすれば、モーションが大き過ぎることぐらいだ。
もっとも、それすら補ってしまうほど01は高性能だ。
「アイテムボックスが一瞬で埋め尽くされてゆく。経験値は、どうだ?」
あまりの爽快感により、僕はすっかり舞い上がっていた。
50秒などすぐに終わってしまうのに、何もしなかった。
第二の大群が出現してきたのと同時に一度目のエネルギーが底をついた。
モンスターが出て来るということは城塞近くにロビンアームがいる。
そう思いサーチをかけてみると、なんと彼は内部に侵入していた。
無事に目的の弓矢を入手できたのだろうか。
通信ができない以上、彼の生体反応を追うことしかできない。
とはいえ、こちらも手助けできる状況でもない。
マッドマージ、ジャガーチャリオッツ、荒くれる暴君と更に高レベルなモンスターでてきた。
雑魚に混じりおびき寄せられた、これらの上位魔物は個体数が少ない分、それなりに体格がデカい。
デカいが、あくまで人間の基準としたスケール感である。
01と比較してしまうと、さすがにショボイ。
四分の一にも満たない小さな生き物でしかない。
ジャガーチャリオッツのガトリング砲が火を噴く。
上半身は獣であり下半分は車輪つきの戦車となっているモンスターはロングレンジでの攻撃を得意とする。
弾丸が01の表面をおおう岩盤を削ってゆく。
ほぼノーダメージであっても、一方的にやられてばかりではいられない。
右手に魔力を集めて、二度目のヒーリングをCLAYDに注入した。
さすがにマップ兵器では城塞跡ごと塵にしかねない。
今度は片足を後方に振り上げ、サッカーの要領でシュートを決めてやった。
地上を切裂く風圧で雑魚モンスターたちがミンチされてゆく。
慌ててマッドマージが魔法を詠唱し始めるが遅すぎる。
一瞬にしてチーズのごとくその身が裂けてゆく。
何を思ったのか? 荒れ狂う暴君こと、グリズリー型のモンスターが前脚で01の蹴りを止めようとした。
どうなったのかは言うまでもなく、毛皮のようにペシャンコとなってしまった。
ジャガーチャリオッツの方もなかなか悲惨な状態だ。
バラけた下半身のパーツが上半身に突き刺さり原形をとどめていない。
『レベルアップしました、2⇒5への上昇。新魔法リザレクト習得しました』
「おおっ! 蘇生魔法か」
思わず声を上げて喜んでしまったが、すぐにおかしなことに気づいた。
これだけ高レベルのモンスターを大量に狩ったのに、レベルの上り率が低すぎる。
最低でも二桁には余裕で到達できると想定していたのに、たった3しか上がっていない。
「レベルが、ちっとも上がらないじゃないか。メック、原因を教えてくれ」
『はい。現在、プレイヤー様のストック経験値は186、628となっております。
OREGASIMAのレベルアップシステムは、ストーリー進行と並行してレベルキャップが解放される仕組みとなっています。
貴方様の現状態ではレベル5がマックスとなります』
「そ、そういうことか。
レベルの上昇に期待していたけど、打ち止めなら仕方ない」
レベルが上がったことにより、ヒーリングが更に一回分使用可能となった。
しかし、僕は深追いはせずに撤退することを選んだ。
「戻るぞ! ロビンアァァア―――ム!!」
僕の叫び声が彼に届いたのかは、確認する余地はない。
ギリギリまで待っても彼が戻ってくる気配はない。
そもそも城塞内まで入るなんて打ち合わせでは一言も述べていなかった。
完全にロビンアームの暴走である。
大方、大量の魔物が外に出ていくのを見て、チャンスだと睨んだのだろう。
一人勝手に攻略を進めてしまっている。
彼を救助する義理は僕には無い。
ルールを破ったのは、向こうだ。
容赦なく01を後方へと下げて、城塞奥から離れてゆく。
昨晩、キャンプしたところの近くまで引き返すと01は停止した。
「あれだけのモンスターを倒したんだ。
ロビンアームも無事なはずだ。
それに彼は不可視のフードも装備していた……万が一、モンスターに遭遇しても見つからないはずだ。
大丈夫……ダイジョウブだ。
きっと、しばらくしたら戻ってくる」
そう自分に言い聞かせるようして、落ち着こうとする。
正直、手足の震えが止まらないが、彼はプレイヤーだ。
死亡してもリスタートすればいいだけのことだ。
ロビンアームを待つまでの間、僕は今回入手したアイテムを整理することにした。
大半が鉱石や牙や骨といった素材アイテム系であり、食料となる物や雑貨系のアイテムはさして多くはない。
さらにレアドロップとなる武具類となると、わずかしか手に入らなかった。
鎧やら手斧も一応は入手したが、クレリックである僕には重量制限により装備はできない。
ドロップした中で装備できるのは白金の腕輪と不可視のフード、それと羽根つきベレー帽ぐらいだ。
「装備できない物は売り捌くとして、不可視のフードは二つも手に入ったな……予備として取っておこう。
ベレー帽は微妙だな、フードと同じく頭装備だし賢さが、わずかに上昇してもな」
アイテムの鑑定はわりと楽しめた。
データ上で管理するだけではなく、アイテムボックスからの転送により実物を手にすることができる。
何とか言うか、本当にお宝を手にいれた気分だ。
アイテム一つとっても曖昧さがなく、細部までしっかりと作り込まれている。
一撃だけですべてを屠ってしまう。
欠点があるとすれば、モーションが大き過ぎることぐらいだ。
もっとも、それすら補ってしまうほど01は高性能だ。
「アイテムボックスが一瞬で埋め尽くされてゆく。経験値は、どうだ?」
あまりの爽快感により、僕はすっかり舞い上がっていた。
50秒などすぐに終わってしまうのに、何もしなかった。
第二の大群が出現してきたのと同時に一度目のエネルギーが底をついた。
モンスターが出て来るということは城塞近くにロビンアームがいる。
そう思いサーチをかけてみると、なんと彼は内部に侵入していた。
無事に目的の弓矢を入手できたのだろうか。
通信ができない以上、彼の生体反応を追うことしかできない。
とはいえ、こちらも手助けできる状況でもない。
マッドマージ、ジャガーチャリオッツ、荒くれる暴君と更に高レベルなモンスターでてきた。
雑魚に混じりおびき寄せられた、これらの上位魔物は個体数が少ない分、それなりに体格がデカい。
デカいが、あくまで人間の基準としたスケール感である。
01と比較してしまうと、さすがにショボイ。
四分の一にも満たない小さな生き物でしかない。
ジャガーチャリオッツのガトリング砲が火を噴く。
上半身は獣であり下半分は車輪つきの戦車となっているモンスターはロングレンジでの攻撃を得意とする。
弾丸が01の表面をおおう岩盤を削ってゆく。
ほぼノーダメージであっても、一方的にやられてばかりではいられない。
右手に魔力を集めて、二度目のヒーリングをCLAYDに注入した。
さすがにマップ兵器では城塞跡ごと塵にしかねない。
今度は片足を後方に振り上げ、サッカーの要領でシュートを決めてやった。
地上を切裂く風圧で雑魚モンスターたちがミンチされてゆく。
慌ててマッドマージが魔法を詠唱し始めるが遅すぎる。
一瞬にしてチーズのごとくその身が裂けてゆく。
何を思ったのか? 荒れ狂う暴君こと、グリズリー型のモンスターが前脚で01の蹴りを止めようとした。
どうなったのかは言うまでもなく、毛皮のようにペシャンコとなってしまった。
ジャガーチャリオッツの方もなかなか悲惨な状態だ。
バラけた下半身のパーツが上半身に突き刺さり原形をとどめていない。
『レベルアップしました、2⇒5への上昇。新魔法リザレクト習得しました』
「おおっ! 蘇生魔法か」
思わず声を上げて喜んでしまったが、すぐにおかしなことに気づいた。
これだけ高レベルのモンスターを大量に狩ったのに、レベルの上り率が低すぎる。
最低でも二桁には余裕で到達できると想定していたのに、たった3しか上がっていない。
「レベルが、ちっとも上がらないじゃないか。メック、原因を教えてくれ」
『はい。現在、プレイヤー様のストック経験値は186、628となっております。
OREGASIMAのレベルアップシステムは、ストーリー進行と並行してレベルキャップが解放される仕組みとなっています。
貴方様の現状態ではレベル5がマックスとなります』
「そ、そういうことか。
レベルの上昇に期待していたけど、打ち止めなら仕方ない」
レベルが上がったことにより、ヒーリングが更に一回分使用可能となった。
しかし、僕は深追いはせずに撤退することを選んだ。
「戻るぞ! ロビンアァァア―――ム!!」
僕の叫び声が彼に届いたのかは、確認する余地はない。
ギリギリまで待っても彼が戻ってくる気配はない。
そもそも城塞内まで入るなんて打ち合わせでは一言も述べていなかった。
完全にロビンアームの暴走である。
大方、大量の魔物が外に出ていくのを見て、チャンスだと睨んだのだろう。
一人勝手に攻略を進めてしまっている。
彼を救助する義理は僕には無い。
ルールを破ったのは、向こうだ。
容赦なく01を後方へと下げて、城塞奥から離れてゆく。
昨晩、キャンプしたところの近くまで引き返すと01は停止した。
「あれだけのモンスターを倒したんだ。
ロビンアームも無事なはずだ。
それに彼は不可視のフードも装備していた……万が一、モンスターに遭遇しても見つからないはずだ。
大丈夫……ダイジョウブだ。
きっと、しばらくしたら戻ってくる」
そう自分に言い聞かせるようして、落ち着こうとする。
正直、手足の震えが止まらないが、彼はプレイヤーだ。
死亡してもリスタートすればいいだけのことだ。
ロビンアームを待つまでの間、僕は今回入手したアイテムを整理することにした。
大半が鉱石や牙や骨といった素材アイテム系であり、食料となる物や雑貨系のアイテムはさして多くはない。
さらにレアドロップとなる武具類となると、わずかしか手に入らなかった。
鎧やら手斧も一応は入手したが、クレリックである僕には重量制限により装備はできない。
ドロップした中で装備できるのは白金の腕輪と不可視のフード、それと羽根つきベレー帽ぐらいだ。
「装備できない物は売り捌くとして、不可視のフードは二つも手に入ったな……予備として取っておこう。
ベレー帽は微妙だな、フードと同じく頭装備だし賢さが、わずかに上昇してもな」
アイテムの鑑定はわりと楽しめた。
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