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黄昏る命
孤高の狩人 4
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あまりにも夢中になりすぎて、時が経つのも忘れていた。
アイテムの確認を終えた僕は、いまだロビンアームが帰ってこないことに不安を覚えた。
なぜから、パーティインの状態が依然として解除されていないからだ。
彼が死亡したのなら、パーティは自動で解除される仕組みになっている。
にもかかわらず、そのままであるということは、未だ城塞奥を探索しているか。
あるいは出られなくなったかだ。
前者であることは考えにくい。
僕のCLAYDが無い状態だ。一人でダンジョン攻略するわけがない。
どうやってもレベル5以上は上がらないんだ。
彼だってすぐに気づくだろうし、真っ先に城塞から離れようとするはずだ。
「っ……面倒なことになってきた」
考えたくもなかったが、後者の可能性は十分にある。
死ねばやりなおせるが、死ねと言われて簡単に死ねる奴は稀だ。
特にロビンアームのように自分大好きな人間には到底、無理だろう。
助けて貰った手前、ここで見捨てることもできない。
どうにか、彼の安否を確認できないかと嫌々ながら城塞奥へと向かうことにした。
今度は、01には搭乗しない。往復するまでのMPが残っていないからだ。
自らの足で、現場に向かい様子を覗う。
あれほど破壊しつくしたのだ。
もう残存するモンスターはいないだろうと舐めていたのが間違いだった。
即座に身を屈めて息を殺した。
なんと、城塞奥手前で一頭の【荒れ狂う主】が徘徊していた。
再度、不審な者たちがやってこないか見張っている。
などということは、まずあり得ない。
知性や理性よりも本能に従順なモンスターがいつ来るかも分からない敵に備えるはずがない。
ふと嫌が予感がしてパラボードを展開してみた。
マップ上には、近くに反応する紅い点と重なるようにして青い点の反応が見られる。
紅はモンスターであり、青が仲間を示す。
となると、ロビンアームが近くで隠れていることになる。
どうやら無事だったようだと、喜べるわけもない。
荒れ狂う主の口元からブーツがぶら下がっていた。
僕の記憶が正しければ、あれはロビンアームの物だ。
信じたくはないが、彼はあのグリズリーに生きた丸飲みにされてしまった可能性がある。
でなければ、紅い点と同じ動きをみせる青い点の説明がつかない。
仮にそうだったとしても、どうやって荒れ狂う主からロビンアームを摘出すればいいのだろうか?
前代未聞の状況に僕も参ってしまった。
このまま正面から戦いを挑んでも勝ち目はないし、隙をついて腹を切り裂けるような魔法も持っていない。
ヒーラーとしての回復魔法しかないんだ。
できることと言えば、あの状態からの延命措置だけだ。
「いや、待てよ……」
不意に頭の中に疑問が湧いた。
あの状態で死亡したら彼はリスタートできるのだろうか……。
「教えてくれ、モンスターに食われたプレイヤーはリスタートできるのか?」
『答えは可です。その際にアバターを新しく作り直す必要があります。
しかしながら、今回のβテストにおいて、その機能は実装されておりません。
ですので、そうなった場合はリタイア扱いとさせていただきます』
「結構、エグい話だよな。ゲームの仕様なのに食われたらお終いってのも……」
『そうとは限りません。
モンスターによるプレイヤーの捕食行為自体が本来ならば、あり得ないことなのです。
これもまた、離反者によるデータ改ざんが行われた結果と言えましょう』
運営側としてはβテスト参加者の身の安全を最優先するがゆえのリタイヤ処置。
カズキのようにマインドコントロールされた奴が出てしまった以上は、妥当な判断だろう。
現時点でも特に気にしないといけないのは、【離反者】の【改ざん】だ。
もし、mEqのデータ自体が離反者に乗っ取られていたら本気で笑えない。
それに改ざんの影響がどこまで及んでいるのか分からない。
果たして、βプレイヤーを強制退場させるのが正解なのだろうか。
否……大問題だ! せっかく、念願叶って新作のVRUMMOを体験できるというのに、二日と経たずに終了を迎えなきゃならないのは、コアなゲーマーであるロビンにとって悔いしか残らないはずだ。
昨晩、ゲームについて楽しく語っていた彼の瞳は、少年のように輝いていた。
それを思い出すと自然に身体が動いていた。
不可視のフードで姿を消し、僕は荒れ狂う主の前に立った。
心臓がバクバクと鳴っている。
コイツには敵わないと本能が警鐘を鳴らしているが、僕だって感情任せに動いているわけではない。
試したい、いや……試してみなければならない。
きっかけは、リザレクションの説明文だ。
単なる誤表記かもしれないが……本来、クレリックがレベル5で習得できるのはリザレクトでなければならない。
リザレクションの内容は死者も生者も問わず復活させる能力とある。
これが、何を意味するのか? 気になって仕方がない。
もしも、離反者によって改ざんされた魔法ならば従来の物とは異なる変化が見られるはずだ。
足音を立てないように、ゆっくりと主の下へと近づいてゆく。
途端、ピンポイントでグリズリーの鋭い爪が迫ってきた。
姿が見えなくても気配で気づかれた。
僕は避けるのではなく意を決し、前へと突き進んだ。
爪の一撃が脇腹をかすめた。
痛みなど気にしてはいられない。
ロビンアームを救うにはこの方法しかない。
「リザレクション!」
ありったけの魔力を込めて僕は彼を復活させた。
アイテムの確認を終えた僕は、いまだロビンアームが帰ってこないことに不安を覚えた。
なぜから、パーティインの状態が依然として解除されていないからだ。
彼が死亡したのなら、パーティは自動で解除される仕組みになっている。
にもかかわらず、そのままであるということは、未だ城塞奥を探索しているか。
あるいは出られなくなったかだ。
前者であることは考えにくい。
僕のCLAYDが無い状態だ。一人でダンジョン攻略するわけがない。
どうやってもレベル5以上は上がらないんだ。
彼だってすぐに気づくだろうし、真っ先に城塞から離れようとするはずだ。
「っ……面倒なことになってきた」
考えたくもなかったが、後者の可能性は十分にある。
死ねばやりなおせるが、死ねと言われて簡単に死ねる奴は稀だ。
特にロビンアームのように自分大好きな人間には到底、無理だろう。
助けて貰った手前、ここで見捨てることもできない。
どうにか、彼の安否を確認できないかと嫌々ながら城塞奥へと向かうことにした。
今度は、01には搭乗しない。往復するまでのMPが残っていないからだ。
自らの足で、現場に向かい様子を覗う。
あれほど破壊しつくしたのだ。
もう残存するモンスターはいないだろうと舐めていたのが間違いだった。
即座に身を屈めて息を殺した。
なんと、城塞奥手前で一頭の【荒れ狂う主】が徘徊していた。
再度、不審な者たちがやってこないか見張っている。
などということは、まずあり得ない。
知性や理性よりも本能に従順なモンスターがいつ来るかも分からない敵に備えるはずがない。
ふと嫌が予感がしてパラボードを展開してみた。
マップ上には、近くに反応する紅い点と重なるようにして青い点の反応が見られる。
紅はモンスターであり、青が仲間を示す。
となると、ロビンアームが近くで隠れていることになる。
どうやら無事だったようだと、喜べるわけもない。
荒れ狂う主の口元からブーツがぶら下がっていた。
僕の記憶が正しければ、あれはロビンアームの物だ。
信じたくはないが、彼はあのグリズリーに生きた丸飲みにされてしまった可能性がある。
でなければ、紅い点と同じ動きをみせる青い点の説明がつかない。
仮にそうだったとしても、どうやって荒れ狂う主からロビンアームを摘出すればいいのだろうか?
前代未聞の状況に僕も参ってしまった。
このまま正面から戦いを挑んでも勝ち目はないし、隙をついて腹を切り裂けるような魔法も持っていない。
ヒーラーとしての回復魔法しかないんだ。
できることと言えば、あの状態からの延命措置だけだ。
「いや、待てよ……」
不意に頭の中に疑問が湧いた。
あの状態で死亡したら彼はリスタートできるのだろうか……。
「教えてくれ、モンスターに食われたプレイヤーはリスタートできるのか?」
『答えは可です。その際にアバターを新しく作り直す必要があります。
しかしながら、今回のβテストにおいて、その機能は実装されておりません。
ですので、そうなった場合はリタイア扱いとさせていただきます』
「結構、エグい話だよな。ゲームの仕様なのに食われたらお終いってのも……」
『そうとは限りません。
モンスターによるプレイヤーの捕食行為自体が本来ならば、あり得ないことなのです。
これもまた、離反者によるデータ改ざんが行われた結果と言えましょう』
運営側としてはβテスト参加者の身の安全を最優先するがゆえのリタイヤ処置。
カズキのようにマインドコントロールされた奴が出てしまった以上は、妥当な判断だろう。
現時点でも特に気にしないといけないのは、【離反者】の【改ざん】だ。
もし、mEqのデータ自体が離反者に乗っ取られていたら本気で笑えない。
それに改ざんの影響がどこまで及んでいるのか分からない。
果たして、βプレイヤーを強制退場させるのが正解なのだろうか。
否……大問題だ! せっかく、念願叶って新作のVRUMMOを体験できるというのに、二日と経たずに終了を迎えなきゃならないのは、コアなゲーマーであるロビンにとって悔いしか残らないはずだ。
昨晩、ゲームについて楽しく語っていた彼の瞳は、少年のように輝いていた。
それを思い出すと自然に身体が動いていた。
不可視のフードで姿を消し、僕は荒れ狂う主の前に立った。
心臓がバクバクと鳴っている。
コイツには敵わないと本能が警鐘を鳴らしているが、僕だって感情任せに動いているわけではない。
試したい、いや……試してみなければならない。
きっかけは、リザレクションの説明文だ。
単なる誤表記かもしれないが……本来、クレリックがレベル5で習得できるのはリザレクトでなければならない。
リザレクションの内容は死者も生者も問わず復活させる能力とある。
これが、何を意味するのか? 気になって仕方がない。
もしも、離反者によって改ざんされた魔法ならば従来の物とは異なる変化が見られるはずだ。
足音を立てないように、ゆっくりと主の下へと近づいてゆく。
途端、ピンポイントでグリズリーの鋭い爪が迫ってきた。
姿が見えなくても気配で気づかれた。
僕は避けるのではなく意を決し、前へと突き進んだ。
爪の一撃が脇腹をかすめた。
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ありったけの魔力を込めて僕は彼を復活させた。
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