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四章、贖罪の系譜
72話 シンメトリーバランス
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「これは……」
便せんの中身を確認した私は唇を尖らせた。
要するにムスっとしたわけだ。
中に入っていたのは中央教会の公認書。
いわゆる、教会関係者と正式契約を交わした証である。
気に要らなかった、理由は二つある。
公認書を発行するまで時間がかかったこと。
それと、教会から関係者として扱われることだ。
「コイツが必要になると思ってな。キィーナ君に持たせるわけにもいかんだろう?」
さも、当然のような面持ちであるが余計な気遣いである。
同時に嫌な予感もする。
司祭様がここまでしてくるとは、教会側でも捜査を継続しているということだ。
同じ事件を追っている以上、いずれ彼らとの衝突は避けられないだろう。
それを踏まえて、司祭様は先手を打ってきたのだ。
「それで成果はあったか?」
対面のソファーに座っていた恩師の髭面が近づいてくる。
立場上、身綺麗にしないといけないのは分かるが、やはりカッチリとしたファションは彼に似合わない。
昔からグランデル司祭を知っている者からすれば、思わず笑いが吹き出そうになる。
どちらか言えば、司祭様は小民的なカジュアルを好む人である。
質問に対して反応の薄いに私を見て、司祭は表情を曇らせていた。
当たり前だ。なんせ、大事な孫娘の安否を確信できるか、どうかの瀬戸際なのだから。
勿体、つけていても意味がないと感じた私は、ありのままを話すことに決めた。
「朗報です。お孫さんは生存しています。それも、かなり健康な状態で」
「ほ……本当なのか? 孫は、アニエスは無事なんだな!?」
「はい、誘拐ではない気がします。どちらか、言えば保護に近い感覚です……教会側も、その程度ことは調べがついていたのではないのですか?」
「うむ……まぁ、可能性としてはだな」
こちらの指摘に司祭様が歯切れの悪い返答をしてきた。
そこまで情報を掴んでいるのにアニエスちゃんを未だ、発見できない教会の手際の悪さは極めて異質だ。
何か、裏があり私たちを試そうとしている可能性も疑ったが……事件自体は架空ではない。
実際に発生した失踪事件のようだ。
「司祭様、何か隠しておられるようですが……まぁ、いいです。話したくない事もあるのでしょう。余計な詮索はしません」
「実はだな……」
観念したように額に手をあてがうと彼はポツポツと語り始めた。
便せんの中身を確認した私は唇を尖らせた。
要するにムスっとしたわけだ。
中に入っていたのは中央教会の公認書。
いわゆる、教会関係者と正式契約を交わした証である。
気に要らなかった、理由は二つある。
公認書を発行するまで時間がかかったこと。
それと、教会から関係者として扱われることだ。
「コイツが必要になると思ってな。キィーナ君に持たせるわけにもいかんだろう?」
さも、当然のような面持ちであるが余計な気遣いである。
同時に嫌な予感もする。
司祭様がここまでしてくるとは、教会側でも捜査を継続しているということだ。
同じ事件を追っている以上、いずれ彼らとの衝突は避けられないだろう。
それを踏まえて、司祭様は先手を打ってきたのだ。
「それで成果はあったか?」
対面のソファーに座っていた恩師の髭面が近づいてくる。
立場上、身綺麗にしないといけないのは分かるが、やはりカッチリとしたファションは彼に似合わない。
昔からグランデル司祭を知っている者からすれば、思わず笑いが吹き出そうになる。
どちらか言えば、司祭様は小民的なカジュアルを好む人である。
質問に対して反応の薄いに私を見て、司祭は表情を曇らせていた。
当たり前だ。なんせ、大事な孫娘の安否を確信できるか、どうかの瀬戸際なのだから。
勿体、つけていても意味がないと感じた私は、ありのままを話すことに決めた。
「朗報です。お孫さんは生存しています。それも、かなり健康な状態で」
「ほ……本当なのか? 孫は、アニエスは無事なんだな!?」
「はい、誘拐ではない気がします。どちらか、言えば保護に近い感覚です……教会側も、その程度ことは調べがついていたのではないのですか?」
「うむ……まぁ、可能性としてはだな」
こちらの指摘に司祭様が歯切れの悪い返答をしてきた。
そこまで情報を掴んでいるのにアニエスちゃんを未だ、発見できない教会の手際の悪さは極めて異質だ。
何か、裏があり私たちを試そうとしている可能性も疑ったが……事件自体は架空ではない。
実際に発生した失踪事件のようだ。
「司祭様、何か隠しておられるようですが……まぁ、いいです。話したくない事もあるのでしょう。余計な詮索はしません」
「実はだな……」
観念したように額に手をあてがうと彼はポツポツと語り始めた。
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