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第四話 リハビリ

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 入院2日目。
 俺のリハビリが始まった。


 昨日の今日で大丈夫か?と不安にもなったが、早期のリハビリは非常に重要らしい。
 開始が遅くなればなるほど、回復の度合いは低くなってしまうのだ。

 俺のリハビリは3種類。

 歩く、立つ、座る等を専門に行う理学療法士(PT)、
 箸を持つ、文字を書く等を専門に行う作業療法士(OT)、
 言語でのコミュニケーションのリハビリを行う
 言語聴覚士(ST)の3つになる。

 リハビリの流れはこんな感じだ。

 PT→足のマッサージや曲げ伸ばし。
 OT→同じく手や腕のマッサージや曲げ伸ばし。
 ST→簡単な質問をして状態の確認。

「今は何月何日ですか?」
「ここはどこですか?」
「ここの病院名わかりますか?」

 とSTに質問された時は、正直少し嫌な気持ちにもなったが、いざ答えようとした時、答えが出るのにかなり時間がかかってしまった。

 俺は「そういう事か…」と失望した。
 知能的な部分も確実にやられてる事実を、否応なく突きつけられたからである。

 1日3回のリハビリを行い、誤嚥防止の柔らかいご飯を食べ、あとはベッドで1日を過ごす。

こうして俺の入院生活は始まったのである。
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