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第3章 契約と運命
第167話 ルーク、サク、ロコの戦い
しおりを挟む「ルーク~…。みんなと離れた。ロコさんと離れた。もうダメだ、俺たちは。この巨大なライオンだって、沼にハマって自滅してくれたからよかったものの、次は死ぬ運命だよ、きっと」
「…サク、伏せろ!」
ルークがサクを無理やり地面に押し倒す。
ドドドド!と音を立てて四本の矢が飛んできた。
「ち!こいつらは忍びじゃねえよ、兄貴!」
「む!しかし、機構の者。今回は討伐対象だ」
その二人組は侍の容姿をした細い体型の男二人組。この地の者とは異なる様相だ。
「……忍び狩り?」
「左様。忍び狩り・霧の狩り部隊だ。訳あってお前たちを討伐する」
「兄貴!身分名乗るなって言ったろ!もー!」
「サク、構えろ。こいつら、強いぞ」
サクは慌てて白い長い杖を構える。ルークは双頭ランス「ジャッジメント」を手に構える。
兄貴のは前は、一郎。弟の名は二郎。二人とも腰に刀を携えるが、二郎は弓矢も携帯している。
一郎が刀を抜くと、瞬きをする間に、斬撃を五発飛ばした。
ルークはそれらを全て見切ると、ジャッジメントで弾く。
二郎は左手に周り、ルークを狙い撃つ。
が、サクが詠唱。
「破邪の結界」
ルークとサクを取り囲む立方体の結界が矢を消滅させる。試しに一郎が斬撃を飛ばすも、これまた結界によって消滅。攻撃が、二人に届かない。
ルークは結界を飛び出て二郎を狙う。遠距離ではぶが悪いため、姿が見えるうちに討ち取るつもりだ。
二郎はすかさず刀を抜き、対峙する。
ガキン!
「ぐは!」
しかし、刀ではランスの相手は少々心許ない。ルークは高速移動による直線攻撃を得意とし、防御を破壊する。
さらに、時折ランスを剣のように扱うこともある。彼はランスに魔力を込めて剣のように形作る。
ガガガ!
「ちょっ!マジかよ!なんでこいつこんな強いんだ!?」
猛攻を防がれたルークは一度距離を置いて結界に戻る。再び狙いをつけて、突撃。
「ちょっ!俺ばっかりかよ!兄貴!」
「お、おお!いや、あいつの戦いが美しくて見惚れた。すまん」
「すまんじゃねーよ!」
「悪いけど、ルークの邪魔はさせない!常闇の結界!」
「!?」
サクは一郎の周囲に黒い結界を張る。これで、一郎は迂闊に動くことができなくなった。
「サク!こっちも頼む!こいつ!魔力コントロールがうますぎる!厄介だ!」
「そう言ってもらえると、嬉しいね」
二郎が反撃に出る。ランスを華麗に捌くと、距離を縮め、ルークの懐に入り込む。刀を向けて、突きの構え。
「光盾の陣」
サクはすかさず詠唱。七つの光の盾がルークの周辺に現れ、二郎の突きを弾く。
ルークは手を次郎の腹にかざす。
「爆炎の宴」
ドドドドン!!!
爆炎が乱れるように生じると二郎は吹き飛んだ。
「ルーク!とどめをさせ!まだダメだ!」
「ああ、わかってる。…火の矢・八連」
「矢は俺の専売特許だろーが!光の矢・七連」
火と光の矢が交差する。しかし、ルークにはサクの出した盾があり、攻撃は当たらない。
二郎に火の矢が命中すると、彼は倒れ込んだ。
一郎が暗闇の結果から抜け出し、ルークに襲いかかる。
「ルーク!後ろ!」
ズバン!
光の盾を貫通してルークの背中は斬られる。
「うっ!」
「ルーク!…光の鎖!」
「ふん!」
サクが光の鎖を一郎の足を目掛けて放つも交わされると一郎はサクを目掛けて巨大な斬撃を飛ばす。
ドガ!!
結界が斬撃に耐えきれずに破壊されると、そのままサクは傷を負い、倒れ込む。
「…くらえ!爆炎龍騎!!」
ルークの体は炎に包まれると、猛スピードで突進。爆発と共に一郎の体を吹き飛ばし、撃破した。
その頃、ロコもまた、忍び狩りを名乗る侍二名と武装ゴリラ四体を撃破。高台へと歩みを進めていた。
「…ったく、無駄な体力使わせやがって。しかし、霧ノ都の忍び狩りってのは気になるな。屋毒を庇うつもりか…?」
高台に着くと、目の前に広がるのは不気味な樹海林とは思えない、透き通った水の輝く湖畔。キラキラと太陽に輝き、美しい野鳥の群れが水浴びを楽しみ、攻撃的な武装ゴリラたちも湖の横でくつろいでいる。影で覆われる樹海における、光のオアシスともいえる。
「さて、あとは若い連中を待つだけだけだが…ん?」
ダダダと高台を駆け上がってくる謎の影。
ばっと跳び上がり、太陽の光を逆手に影に隠れながら、着地。ロコの目を見て、ニヤリと笑う。
「あーら♡美しいお嬢さんだこと!あの可愛い坊やの仲間と同じコートを着ていたから、もしかしてと思ったんだけど、あなた一人?」
「なんだテメェは?」
ロコは眉を寄せ、困惑と面倒臭さの混在した表情で口を開いた。
「あたしの名前はザルフィクス。坊やを頂戴しに樹海林《ここ》までつけてきたんだけど、彼らを見失ったの。居場所、わかる?」
『坊や…?なんのことだかさっぱりだ。いや、もしかして椿のことか…?』
「知らねえな。あたしも探してるところなんだ」
「あーら、残念。でも、お仲間ってことよね?それなら、相手にしてもらおうかしら。あなたを餌にすれば彼も来るかもしれない♡」
ザルフィクスがボクシングの構えをすると、ロコは重みのあるがっしりとした作りの双剣「クロムレイヴ」と「オルタス」を抜き、構えた。
ガガガガ!
足場の悪い高台での戦闘となったロコとザルフィクス。ザルフィクスは器用に鞭と拳を切り替えながら戦う。
『この女、強いわね…!ほとんど攻撃が当たらない』
『なるほど、この荒地の統率者候補といったところだな。こんな奴らは何人かここに来る前に戦ったが、コイツは間違いなく、トップクラスだ。よく椿たちはコイツから逃げられたな…』
ふと、ロコは高台から跳び上がり、空中へと移動する。ザルフィクスは一瞬ロコの不可解な行動に戸惑うも、手に鞭を握りしめて、炎属性の魔力を込める。炎の鞭が伸び、ロコを襲う。
ロコは空中に魔法陣を張ると、魔法陣を踏み台にしてザルフィクスに迫る。一瞬にして距離を縮められたザルフィクスは驚き、魔力の膜を広げて防御を固める。
そこに、ロコは双剣による乱舞を叩き込む。
ズバババ
一秒すら間が開かない、高速の乱撃に魔力膜はあっさり大破。体を斬りつけられるザルフィクスはなす術がない。
「ぐっ!やるわね!だけど残念!あたしの魔力性質は自己回復!こんな切り傷すぐに治る!治るわよ!……あれ?」
「お前を斬った最初の数回で気が付いたよ。自己治癒力の高いやつだって。でも、連続で斬られ続けてたらどうなるんだ?これも治るのか?治っても、魔力量はもつのか?」
ザルフィクスは次第に動きが鈍くなる。ロコの斬撃を受ける回数が増えると、息を荒げてゆっくりと倒れた。魔力欠乏症だった。
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