百万の契約

青いピアノ

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第3章 契約と運命

第166話 戦闘態勢

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樹海に足を踏み入れたものは、この地の異様さに気づく。影に包まれると、体が突然体温を奪われ、ヒヤリとする。雲ひとつない晴れの日に、この地は真っ暗闇に包まれている。

パキッと落ち枝の割れる音が、どこまでも響く。そして、異様な視線の数々。まるでこの木一本一本に監視されているような感覚。全員に緊張が襲う。

「…思っていた以上に不思議なところだね。みんな、気をつけて行こうね」

「う、うん」

一行は、百合、綾香、由紀子、椿、レイチェル、真弓、ステファニーの一列に並んで歩く。先頭の百合が先導し、必要に応じて周囲を照らす。百合をカバーするのは綾香。由紀子は綾香と椿のフォロー。椿は中央に立ち、全体援護。レイチェルは後方からの援護と共に椿と協力して全体援護。真弓は後方からの援護やステファニーの援護。ステファニーは後方から襲ってくる敵の対応だ。

しばらく、巨大な木々を乗り越えていく。途中、虹色蛇や希少な羽猿を見つけ、この世とは思えない神秘的な世界に注意を引かれながら。

突如、バキバキと木を薙ぎ倒す音共に現れたのはサイライオン。巨大な角を持つライオンだ。

唸り声をあげて、突っ込んでくる。

「雷撃の盾!」
「火遁・火炎!」
「忍法・手裏剣爆発!」
「魔障壁!」

ドドン!

全員の連携により、見事に倒す。しかし、これが戦争の合図となった。

次に現れたのは甲羅の鱗に身を包んだ巨大蛇。二十メートルを超える蛇が椿の目の前に現れた。

「立てよ、光の柱!」
「風の乱れ刃!」
「光の矢・八連!」
「氷の矢・二十連!」

椿たちが戦闘態勢に入ると、頭上から十メートルはあろう怪鳥が出現。全身黒の羽に包まれた、カラスのような鳥だ。

「綾香!由紀子さん!上をお願い!私はこいつらをやる!」

百合の目の前には武装ゴリラ。魔法の石でてきた斧を手に持つゴリラが三頭。

「手裏剣乱舞」
「水遁・水弾」
「雷の剣」

ドドドドン!!!

辺り一体に粉塵が舞う。全員が力を温存しながら戦う。しかし、彼らが力を温存して敵う獣はここにはいない。

「レイチェル!そっち行った!」
「百合!後ろ!」
「きゃー!さっき倒したと思ったのに!」

——少し時が過ぎる。

「はあはあ…。みんな、大丈夫?」
「あれ…?さっきまでレイチェルがそばにいたと思ったんだけどな…」
「みんなはどこ?」

こうして、気がつくと七人はバラバラになっていた。

一方、Bチームもバラバラになってしまっていた。

「ロコさーん!ルークさーん!」
「ちっ!ミケの嬢、まずいぜ、これは。俺とあんたじゃあ、この危機は乗り切れん」
「ポポンさん!ひどい!そんなこと言わないでください!」
「いやいやいやいや!マジじゃねぇか!管理官二人?ふざけんじゃねえ!せめてルークのやつがいないと!」
「ちょっと黙っててください!ただでさえ魔力が増えて探知しにくいのに…!」

その時、後方から足音が響いた。トストストス…。ゆっくりと草を踏む音だ。

「…これは、仲間じゃない!ロコさんの魔力だと思ったんだけどな」
「おいおいおい!ふざけんじゃねえよ!敵のところに来たって言うのか!?」

ポポンがコンパクトな弓と矢を構えるとミケは獣人特有の戦闘態勢に入る。四足で立ち、爪を尖らせ、牙を向ける。

「こんにちは」

そこに現れたのは細い目をしたピンク髪の女性。髪をセミロングに伸ばし、唇にあるほくろが可愛らしい。スラリと姿勢が良く、美しい。茶色の皮のベストに同素材のブーツに身に纏い、手には、魔法の杖・ワンド。腰には鞭をぶら下げている。

「…誰?」

「私はマリリー親衛隊隊員、エルル。機構の皆様を排除しに参りました」

ニコリと笑顔を見せ、髪がゆらりと揺れる。エルルはそのまま鞭を手にして、ピシャリと鞭を叩きつける。鞭の衝撃によって、地面には斬撃のような跡が残る。

「……!?霧ノ都の者がなぜここに!?」
「さあ?それは知る必要ないんじゃない?」
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